【ふわはね絵本のある時間】1月におすすめの本
絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。
- 1. 二十四節気(にじゅうしせっき)を意識してテーマを組み立てる
- 2. 読み聞かせのはじまりは「いつもの手遊び歌」から
- 3. まずは【季節の絵本】から
- 3.1. 年末年始の新定番『こたつ』
- 3.2. かわいい年神様『おしょうがつのかみさま』
- 4. 【季節のわらべうた】
- 5. 【干支の絵本】
- 6. 【新刊絵本】
- 6.1. 『みそしるをつくる』
- 7. 【お話絵本】
- 7.1. 絵本であったまろう『おひさまパン』
- 8. 【アンケートに寄せられた質問にお答えします】
- 9. その他 1月の読み聞かせにおすすめの絵本
- 10. 絵本の読み聞かせについて思っていること
- 10.1. ふわはねプロフィール
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識してテーマを組み立てる
二十四節気とは…一年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。
1月では…
小寒しょうかん(1月5日)小さく寒いと書いて小寒。本格的に寒さが厳しくなる頃。寒の入りとなり寒中見舞いが出されるのもこの季節となります。
大寒だいかん(1月20日)大きく寒いと書いて大寒。一年で最も寒い頃。二十四節気最後の節気。もう春はすぐそこに。
こちらの2点を意識しながら絵本のテーマを考えます。
親子読み聞かせ会<想定>
- 対象年齢:0歳~5歳
- 時間:30~40分程度
読み聞かせのはじまりは「いつもの手遊び歌」から
さぁ、絵本とお歌の「ふわはね絵本のある時間」。実際に「読み聞かせ」会をするイメージで流れをご紹介します。
始まりはいつも同じ手遊び歌を歌っています。
♪はじまるよったらはじまるよ はじまるよったらはじまるよ
いーちといーちでにんじゃだよ ドロン!
始まりと終わりの大切さを2月に書きました。
【ふわはね絵本のある時間】読み聞かせのはじまりは「いつもの手遊び歌」から
そして毎回初めに読む絵本もあります。
【ふわはね絵本のある時間】同じ絵本を読み続けるよさ『こんにちは』
さあ、今月も絵本の時間を始めましょう。
まずは【季節の絵本】から
年末年始の新定番『こたつ』
2020年出たばかりの新刊です。
日本人にとっては冬の定番「こたつ」
そのこたつを上からの定点で描かれた大晦日から年明けを描いた絵本。
大きな事件もドラマもないけれど、そこには平和な家族の日常、そして年越しの一日が描かれます。
言葉も含め描かれ方の斬新さ面白さにすっかりお気に入りに仲間入り。「こたつ」が恋しくなる絵本です。
<読み聞かせ時間目安 5分35秒>
かわいい年神様『おしょうがつのかみさま』
もともとは絵本ナビのオリジナルトートバッグEHON TOTEからお話が誕生し絵本になった『おしょうがつのかみさま』
ふーへーほー。
おしょうがつのかみさまは毎年姿を変えてやってくる。
今年はかがみもちになってやってきた。
おくはらゆめさんの描く小さなもの目に見えないものへの温かく優しいお話にはいつも心がほっこり。
絵本ナビで全ページためしよみ出来ます。
<読み聞かせ時間目安 2分40秒>
毎年、かみさまは、姿を変えてやってくるんだって。
今年のかみさまは、びっくり! あなただったのね!?
みんなで一緒に、もちつきして、たこあげして、おせち料理を食べて、
お正月の、楽しくって、の~んびりな気分をまるごと味わえるよ!
【季節のわらべうた】
季節と共に歌われたわらべうた『おおさむこさむ』
寒い日が続きます。暦の上でも寒の入り。
小寒(しょうかん)(1月5日)に入ります。ここから大寒(だいかん)(1月20日)に入り節分までを寒の内といい、一年で最も寒さが厳しい時期に入ります。
わらべ歌「おおさむこさむ」の絵本です。
おおさむこさむは、漢字で書くと「大寒小寒」!
二十四節気のこの季節の歌だと気づいたときの衝撃は今でも忘れられません。
わらべうたは季節や暦、自然など私たちの生活と密接な結びつきがあります。
読み歌っているとだんだん体がぽかぽかとしてくる。そんな絵本です。
<読み聞かせ時間目安 1分45秒>
【干支の絵本】
小学校読み聞かせでも大人気『うしはどこでも「モ~!」』
丑年の2021年には牛の絵本を。
小学校の読み聞かせでも大人気の一冊。
色使い、独特の絵風、そして落語家桂かい枝さんの大阪弁の訳。
最後はいつも子どもたちと大合唱。
私の中では小学校読み聞かせの鉄板です。
ここから出会う世界、興味の扉はいつもすぐそばで開いています。
<読み聞かせ時間目安 2分15秒>
なあしってる? イギリスのいぬは、「バウワウバウワウ」ってなくねん。
スペインやフランスは? 日本は?国によって擬音語は様々。鳴き声ひとつとってもそれぞれです。
ユニークな絵の中に、英・西・仏・日4カ国の名所や文化が描かれて国際感覚も満点!
楽しい関西弁は、上方落語家・桂かい枝の翻訳です。
【新刊絵本】
自分で作れる強さ『みそしるをつくる』
ちょうど一年前に出版された『おにぎりをつくる』の続編『みそしるをつくる』
子ども達が、自分ひとりでもできるようにと作られたこのシリーズ。
絵本と共に一つでもできることが増えていく。それは誰かにも作ってあげられるということ。
おだしが体にしみわたる。食べることは生きること。
そっと子どもたちに手渡していきたい絵本です。
<読み聞かせ時間目安 1分20秒>
【お話絵本】
絵本であったまろう『おひさまパン』
暖かい日差しが恋しいこの季節。読みたくなる絵本『おひさまパン』
アメリカの絵本作家エリサクレヴェンさんの作品なのですが江國香織さんの訳がとても素敵です。
温かな絵と美しい日本語が溢れ、その文字までが絵の一部となり動き語ります。
春を待ちながら幼い頃の子ども達と読んだその思い出は、読み終わった後の暖かく満ち足りた幸福感と共に思い出として残っています。
巻末にはおひさまパンのレシピ付き。この冬休みぜひお子さんとご一緒にいかがですか?
<読み聞かせ時間目安 6分>
【アンケートに寄せられた質問にお答えします】
「ロングセラーと呼ばれる絵本はやはりたくさん読んであげたほうがいいんでしょうか?」
ぜひ読んであげてください。
ロングセラーは世代を超え長い年月多くの人に愛されてきた証です。それは簡単なことではありません。そこには何かきっと愛された理由があるはずです。
そしてこの先、読んでもらった記憶と共にまた次の世代に引き継がれていくでしょう。
しかし本当に大切なことはロングセラーだからなんでもいい。ではなく、その絵本を読み手がちゃん愛おしんでいることも聞き手の子ども達は敏感に感じているのではないかと思います。
大好きな絵本を共に楽しむ。長い年月、次の世代まで、ぼろぼろになった絵本と共に。それは幸せなことだと思います。
ご質問ありがとうございました。
またご感想やご質問もお待ちしております。
最後までお読みくださりありがとうございました。
その他 1月の読み聞かせにおすすめの絵本
絵本の読み聞かせについて思っていること
絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。
ふわはねプロフィール
ふわはね(内田 祐子)
大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、
【ふわはね絵本のある時間】では、読者のみなさんからの感想や質問を募集しております。アンケートよりご意見をお寄せください。
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