【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!節分におすすめの絵本4冊
現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて勤務しています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。
がっちょ先生
節分に向けて
1つ1つの行事は子どもたちにとって大切な経験です。その行事やイベントをより身近に感じられるようにしていくために絵本をうまく活用していくと良いかと思います。今回は、行事の1つでもある「節分」をテーマに、子どもたちとの思い出やオススメの絵本をご紹介していきます。
【1】見て楽しむ!歌って楽しむ!わらべうた絵本
節分などの行事を親しむための第一歩は、「歌」ではないでしょうか?節分には、耳馴染みのある歌がありますがその1つに「おにのパンツ」というわらべうたがあります。歌として歌ったり、手遊びや表現遊びなどで楽しむことができますが、絵本にもあるんです!子どもたちは、視覚や聴覚から取り込む情報量が多いと言われます。目で見て聞いて楽しむうた絵本は“子どものためのもの”ではないかと思います。
私は必ず、節分の導入では『おにのパンツ』の絵本を読んでいます。「♪おにの パンツは いい パンツ つよいぞ つよいぞ♪」と歌い始めると、子どもたちがニヤニヤっとするんですね。「おにのパンツだって!」「なんか面白いね!」と。個人的には「なんか面白い」ってすごく大切だと思っています。よく分からないけど、面白い・笑ってしまうが詰まっているのが『おにのパンツ』です。
楽しいや面白いを子どもたちと一緒に共有していくと、1つ1つの行事が楽しく身近なものになりますよ!まずは『おにのパンツ』読んでみてはいかがでしょうか?
【2】子どもがドキッとする絵本
節分の際に気を付けていることがあります。それは必要以上に「恐怖心」を与えないことです。ついつい子どもがいけないことをしていると「鬼が来るよ!」「鬼が見てるんじゃない?」と恐怖心を与えていることありませんか?
偉そうにお話をしている私ですがお恥ずかしいことに、私が保育士になり立ての頃は、恐怖心を与えるような言葉掛けをしていたようにに思います。保育の経験や勉強をしていくうちに、恐怖心を与えることは保育ではないということに気付き、今では恐怖心を与えるのではなく「ドキッとさせる」ことを意識しながら保育をしています。
そのドキッとさせる絵本の1つに『おなかのなかにおにがいる』があります。もしかしたら自分のおなかの中にもおにがいるのかなと、ドキッとさせてくれる1冊です。
恐怖心を与えるのではなく、ドキッとさせましょう!この絵本を読むと必ずと言って良いほど、自分のおなかを確認する子がいるはずです!あなたの中にはどんな鬼がいますか?
おなかの中にいるオニは、おなかの持主と同じ性格です。
くいしんぼうに、なきむしに、へそまがり…。
節分の日、豆をまいておなかの良くないオニを追い出しますが・・・
【3】お面が作りたくなる絵本
節分と言えば、おにのお面製作! 保育園や幼稚園では創意工夫を凝らしながら作っているのではないでしょうか?お面製作の導入に持ってこいの絵本が『おめんです』。仕掛け絵本で、楽しくお面を作りたくなる1冊になっています。
大型版もあり、絵本に出てくるお面に顔を当てて子どもと遊ぶ中で、自然と子どもたちが「こんなお面作りたい!」「ゴムと紙ちょうだい!」とお面作りを始めるきっかけ作りをしてくれる絵本です。
【4】これを読まずに節分は終われない
これを読まずに節分は終われないと思う絵本があります。それが『かえるをのんだととさん』です。タイトルだけだと、節分の絵本?と疑問に感じる絵本ですが、れっきとした「節分絵本」です。
この絵本は本当に子どもの心を掴んでくれます。繰り返しの楽しいお話で、毎年節分の時期に読むと「もう1回読んで!」「また読んでね!」と必ずリクエストされます。子どもたちも面白い絵本はおうちに帰ってお父さんやお母さんに話をするようで「昨日読んだ絵本は、どんな絵本ですか?」と保護者の方に聞かれることも多くあります。
保育士仲間に勧められて読み始めた絵本ですが、今では私自身がすっかり虜になってしまいました。ぜひ一度読んでみてください。ハマること間違いなしですよ!
ある日、ととさんのお腹が痛くなり、お寺の和尚さんに相談に行くと、和尚さんは「お腹に虫がいるせいだから、蛙をのむといい」と教えてくれます。教わったとおりに蛙をのみこむと、お腹にはいった蛙が虫を食ったのでお腹の痛いのはなおります。でも今度は、お腹の中で蛙が歩くので気持ちが悪くなり、また和尚さんに相談すると、「蛇をのむといい」といわれます。蛇の次は雉、というように前にのみこんだものを食べる動物を次々とのみこみます。その後は、雉を撃つ猟師をのみこみ、次に鬼をのみこみ、最後はお腹の中の鬼を退治するため和尚さんが「鬼はそとー」と、ととさんの口の中に豆を投げ込むと、お腹の鬼は「これは節分の豆だ。痛い痛い。たすけてくれえ」といって、尻の穴からとびだし逃げていくという落ちになっています。
このような聞いて笑える昔話は、とくに子どもたちの好むところです。節分の時期だけでなく、何度も何度も親子で読んでお楽しみください。
保育者の方へ
楽しく行事を迎えたり、それに向けた製作を行ったりするためには、絵本の力を借りてみると保育がもっと楽しくなります。私自身がそうでした!子どもが楽しくなれば保育者も楽しくなる。保育者が楽しくなれば、子どもはもっと楽しくなる!絵本を通して楽しく保育をしてみてはいかがでしょう?
ぜひみなさんの子どもとの可愛い絵本エピソードや面白エピソードなどあれば、ぜひぜひ教えてください。絵本の可能性は無限大!
大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて勤務。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『【絵本専門士】がっちょの絵本ブログ』を運営。
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |