【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!3月の卒園式に向けて読みたい絵本
現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて勤務しています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。
がっちょ先生
卒園に向けて
3月は「別れ」の多い時期。この時期になると年長クラスの子どもたちは卒園に向けて卒園式の練習をしたり、卒園製作に取り組んだりと一日一日の大切さを園児・先生共に噛みしめているのではないでしょうか?私自身今ままで何度も卒園児を送り出してきました。卒園までの日々は本当に掛け替えのない日々で、充実した濃い園生活を送っていたように思います。今回は、大切な一日一日の中で、子どもたちと読んだ卒園に関する絵本とエピソードを交えてお話していきます。
【1】卒園ソング絵本
2月になると、卒園式に向けての練習が始まっているのではないでしょうか?
私が卒園児を受け持った年は、2月くらいから卒園式に向けて動き始めていました。卒園式に向けて思い出を振り返るきっかけに卒園ソングや1年生になる期待感を持てる歌などをうたったりします。「みんなともだち」や「一ねんせいになったら」など私が幼少期から好きな歌なので、子どもたちと一緒にうたったりしてきましたが、ピアノを弾いたり歌を教えるのが得意とは言えないので、絵本の力を借りることも多くありました。絵本を使うとただ歌うだけでなく、絵を見ながら園生活を振り返ることもできたように思います!卒園に向けて読んで(歌って)みてはいかがでしょうか?
【2】卒園式に贈る特別な絵本
担任をしていた頃は私が絵本好きということを子どもも保護者も知ってくれていて、「ゆうや先生=絵本好き」と認知されていました。絵本好きが認知されていたこともあり、卒園式の日に子どもと保護者が集まった中で絵本を最後に読んで締めくくる、ということがここ数年の定番になっています。卒園式の日に読む絵本は、その時のクラスの雰囲気や子どもたちに伝えたいメッセージを考えて選びます。
卒園式の日に読む絵本は、子どもにとっても私にとっても特別で、いつも以上に真剣な眼差しがこちらに向いているのを感じます。特に『すき』は昨年度受け持ったクラスで読み、親友の結婚式のスピーチでも読ませてもらった思い出深い1冊です。
卒園式の日に特別な1冊を読んでみてはいかかでしょうか?
がっちょが卒園式の日に読んだ思い出深い3冊
保育園アドバイザー歴17年の絵本作家・藤本ともひこさんが、
毎年、卒園式で子どもたちに語りかけてきた言葉が絵本になりました。
おおきくなったら、きみはなんになる?
なりたいものは、きっと、いっぱいあって、みんなちがう。
いろんなことをやっているうちに、
すきなものを、みつけることがある。
だれかがむりだって、いうかもしれない。
でも、そんなのかんけいない。
きみがやりたいことは、きみがきめるんだ。
きみがやりたいことを、きみがやるんだ。
卒園・卒業というたいせつな時期の子どもたちへ送る、応援歌(エール)です。
あなたはまだしらない、ドアのむこうになにがあるのかを―。卒業、入学、子どもたちの転機に読み継がれる幻の名作、ついに復刊!
60万部発行の大ベストセラー「ちいさなあなたへ」のアリスン・マギー著、
子どもの成長&巣立ちを後押しする珠玉のメッセージ。
超ロングセラー「ちいさなあなたへ」で日本中を涙させた
アリスン・マギーによる「ちいさなあなたへ」の続編ともいえるような珠玉のメッセージ。
毎年卒業シーズンになると「手に入らないか」というお声を多数いただき、いよいよ復刊がかないました!
“たくさんのドア"はこれから子どもたちが長い人生の中で1つ1つ自分の力で開けていくもの。
ドアの向こうにはたくさんのおもしろいことが待ち受けている。
しかし、風の吹く日も、嵐の日もあるかもしれない。
でも、そのドアをあけていく力が、必ず君には必ずある。
そんな君を、いつで見守っているよ、応援しているよという、親や先生からのエールです。
子どもの成長の節目に、人生の転機に贈ってあげたい。
必ず宝物となる言葉です。
・「どうしても一冊手にいれたい! 」という声にお応えして待望の復刊!
・60万部突破「ちいさなあなたへ」著者アリスン・マギー氏と訳者なかがわちひろ氏のゴールデンコンビ!
【3】卒園児を受け持ったら読みたいオススメ絵本
最後に紹介するのは、卒園児を受け持ったら読みたいオススメ絵本です。つい最近発売された絵本なので、実際に読んだことのある絵本ではないのですが…間違いなく卒園式や卒園前には、もってこいの1冊です!NHK「おかあさんといっしょ」の8代目体操のお兄さんを務めた瀬戸口清文さんが遺した卒園ソングにえがしらみちこさんが絵を描き、絵本となったとのこと。卒園ソングでもあるので、歌いながら読んでも良いですし、そのまま読んでもメッセージが伝わる絵本ではないかと思います。今年、卒園児を受け持っていたらこの絵本を選んでいただろうと感じるほど素敵な絵本です!1度手にとって読んでいただけたら嬉しいです。
卒園児を受け持つ保育者の方へ
私が卒園児を受け持った時は、卒園式までの日数をカウントダウンしながら、卒園に向けて気持ちを高めていったように思います。日々、「この絵本は卒園までに読みたいな」と絵本を読める時間を大切にしてきました。もちろん絵本だけでなく、一緒に体を使って思い切り遊んだり、給食やお弁当を食べたりと何気ない1日が貴重な時間になってきます。卒園までの残り少ない日々を精一杯楽しんで子どもたちを送り出して欲しいと思います。年度末で忙しい時期かとは思いますが、先生自身の体調を整えて1日1日を大切にお過ごしください。
大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて勤務。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『【絵本専門士】がっちょの絵本ブログ』を運営。
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