【クリスマス】サンタさんもいろいろ……ひと味ちがうクリスマスのお話はいかが?
クリスマス・イブには願いを込めて…。登場するのは、みんなの憧れサンタクロース。でも、絵本の中にはちょっぴり変わったサンタのお話もあるのです。個性的なお話が好きな子にぴったりなお話が揃いましたよ。子どもたちと一緒に読むときは、大人が先に確かめて。味わい深く愛らしいサンタさんのお話を楽しんでくださいね。
ちょっぴり変わったサンタのお話3つ
「神さま、どうか わたしを 2人に してください」
ひゃくおくまんのサンタクロース
むかし むかし、サンタクロースは一人しかいませんでした。
人間のかずも、子どものかずも、とても少なかったから、サンタクロースはクリスマス・イヴのたった一晩で、プレゼントをくばりきることができたのです。
けれども、そのうち人間のかずも、子どものかずも、どんどん増えていきます。
世界中の子どもたちにプレゼントをくばることができなくなったサンタクロースは、神さまにお願いしました。
「神さま、どうか わたしを 2人に してください。」
そうして、小さなサンタクロースが2人になりました。けれども、人間のかずはどんどん増えていきます。そのたびにサンタクロースもどんどん増えていき、やがて・・・。
最後には、一緒に読んでいる大人もびっくり。
「そうだったのか。」
はじめて聞くクリスマスのお話は、可愛らしくてとっても新鮮です。
サンタクロースの本場の地であるフィンランドから刊行されたこの絵本の作者はなんと日本人!20年前からあたためていた作品なのだそう。
「サンタクロースって本当にいるの?」
誰もが抱く素朴な質問に対して、こんな答えを用意するのも素敵ですよね。
どんどん想像がふくらんでいきます。
子どもたちに何としてでもプレゼントを配ろうとがんばる健気なサンタクロースの姿、幸せそうな子どもたちの笑顔。少しずつ変化していく、雪につつまれた街の景色。フィンランドのイラストレーターによって描かれた絵は、大人の私でも一目惚れしてしまうほどチャーミング!
クリスマスの新定番になりそうな絵本の誕生ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
沢山の素敵なクリスマス絵本が存在する中で、ひときわイラストが印象に残りました。
こういうテイストのイラストが大好きな私にとっては、内容よりも先に絵が自分の好みであることで大好きになってしまいました。
この絵本はイラストだけでなく、とてもストーリーも温かいです。
クリスマスに対する考え方って色々あると思いますが、子どもが大きくなるにつれて
世界中の子どもにプレゼントを配るなんて物理的に無理なことに気づき始めます。
その子どもに、どんなふうに夢のある言葉をかけてあげたらよいのかと迷っていました。
色々なクリスマス絵本があるだけに、どれを信じてよいのやら。
でも、この絵本のストーリーを読んだら、一番子どもにもわかりやすいサンタクロースかな?と思います。
(Pocketさん 40代・ママ 女の子14歳、男の子10歳)
ハリーがサンタさんにお願いしたのは…!?
ハリーのクリスマス
もうすぐクリスマス。こねこのハリーは、サンタさんに赤ちゃんねこをお願いしました。ハリーとお母さんは、赤ちゃんねこを迎える準備をすませて、クリスマスがくるのを指折り数えて待ちました。さて、クリスマスの日、サンタさんは、赤ちゃんねこを届けてくれるでしょうか?「こねこのハリー」シリーズのクリスマス編。手のひらサイズの本のなかには、小さいものを慈しむ愛情がいっぱいつまっています。
てのひらサイズのかわいい絵本です。ページををひらけば、主人公はこねこのハリーで、これまた小さくてかわいいです。
お話もクリスマスにぴったりのあたたかいやさしいお話に、ほっこりしました。シリーズということなので、ほかの絵本も読みたいと思います。
(あんじゅじゅさん 40代)
ネコのハリーのすることは、人間の子どもそのままです。
思わず、クスクスと笑えます。
温かな気持ちになれます。
(テレフォン21さん 50代)
おなかいっぱいでついつい…
クリスマスの森
奥さんに見送られて、クリスマスプレゼントを届けに空へ飛び立ったサンタクロース。それまでおもちゃづくりにいそがしかったために眠くなってしまいます。そこで、眠気覚ましにコーヒーをのもうと森のはずれにそりをとめて一服します。サンドイッチも食べたサンタクロースは、おなかいっぱいでつい眠り込んでしまいます。それを見つけた森の動物たちは、かわりに手分けしてプレゼントを届けてあげます。
赤、緑、茶色、そしてほんの少しの黒という色数を抑えた画面は、シックで落ち着いています。でも、赤と緑というクリスマスカラーによって、クリスマスのわくわく感も伝わってきました。文字は緑のインクですが、絵に馴染み、絵との一体感が感じられました。
サンタクロースが奥さんからお弁当を手渡され、お仕事の前に食べてはダメ、眠くなるから…、と注意される場面で 物語のだいだいの予想がつきました。思わずニヤリ。そうです。やっぱり食べてしまうのです!そして、そのまま夢の世界へ…。子どもたちが楽しみにしているプレゼントはどうなるのかな?
心優しい動物たちがいて良かったです!動物たちがプレゼントを携え、四方八方に駆け出していく場面は壮観です。「使命を果たすために頑張るぞ!」という動物たちの気持ちが伝わってきました。今さらながらですが、ロジャー・デュボアザンさん、絵がお上手だなぁと思いました。そして、陣頭指揮をとったキツネさん、最後までありがとう!
(なみ@えほんさん 50代 )
個性豊かなサンタクロースたちを比べて読むのも、クリスマス絵本の楽しみ方の一つですよね。お気に入りの1冊を見つけてくださいね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
撮影:所 靖子
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |