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子どもと絵本のエピソード

【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!繰り返し読んだ絵本4選 vol.2

現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務めています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。

担任時代に繰り返し楽しんだ絵本4選

普段は季節や行事などに応じたテーマで絵本を選書していますが、何気ない日常で読んだ絵本の方が印象に残っていたり繰り返し読んでいたりします。約1年前にも同じテーマで記事を書かせていただきましたので、今回はvol.2という形で書いていきたいと思います。紹介したい絵本があり過ぎて選ぶのに一苦労ですが、今回も選りすぐりの絵本を4冊ご紹介していきたいと思います。

楽しんで絵本を読むきっかけになった絵本

今では、絵本を読むのが大好きですが、新任時代は日々の保育に精一杯で「絵本の時間を楽しむ」というよりかは、「絵本の時間だから読む」という感覚で絵本を読んでいました。正直、絵本を読む楽しさを感じる余裕もなかったですし、絵本の読み聞かせの時間を作業のようにとらえていた時もありました。

 

そんな私ですが、絵本は好きだったので、新任時代から月刊絵本など年間購読をして毎月絵本が数冊自分の手元に届くようにしていました。

その際に出逢ったのが、こちらの絵本!

タイトルも1文字と衝撃だったのと写真絵本ならでは世界観に、一目惚れをしたのを覚えています。自分が気に入って読む絵本は不思議とこちらの楽しい気持ちが言葉に乗っていたのか、子どもたちからも何度もリクエストされた絵本でもあります。

この絵本に出逢っていなかったら、絵本の魅力や繰り返し読む楽しさに気付けていなかったかもしれません。それくらい私にとって思い出深い1冊です。

あ

作・絵:大槻あかね
出版社: 福音館書店

小さな針金の人は、いろいろな物に出会います。ジョッキ、耳かき、手袋、マヨネーズなど。それらに初めて出会うこの人の新鮮な動きが、出会いの喜びを運びます。

子どもが自然と試してみたくなる絵本

これからの季節、水や砂、泥などを使って遊ぶ時期となります。

その中で、子どもたちが必ずと言って良いほど行うのが「どろだんご作り」!

先生たちも幼いときに経験しませんでしたか?私は、泥だんご作りに夢中な幼少期を過ごしました。今でも自分が通っていた幼稚園の泥だんご作りに最適な砂や土があるところを記憶しているくらい、大好きだった遊びでもあり、壊れてしまうとすごくがっかりしたのを覚えています。

 

子どもたちも泥だんご作りが上手になってくると壊れるとすごくがっかりしたり、時には泣いてしまったりする子もいました。そんな時にこの絵本を読むと、それからは大切に作った泥だんごを「自分たちで壊す」なんて姿が見られるようになります(笑)。

なぜそんな姿が見られるのか、その理由は、ぜひ実際に読んでいただきたいと思います。心温まる1冊です。

どろきょうりゅう

泥団子からうまれた恐竜と男の子の心あたたまるお話です
人気作家・中川ひろたかと鈴木翼共著による新作絵本。市居みかの温かく美しい色彩の絵が魅力的。

子どもたちの想像力が広がる絵本

子どもたちにとっても身近な信号機。

「青は進め」「赤は止まれ」など子どもたちもしっかりと理解しています。子どもたちも知っている常識から始まっていくので、子どもたちも自信満々で答えながら読み進めていきますが、ピンクやオレンジなど見たこともない色の信号機が出てきます。

 

初見は戸惑う子どもたちも話が進んでいくにしたがって、子どもたちなりの発想で様々なことを答えてくれながら、読み進めます。

2回目以降になると、本来ない信号機の色も子どもたちは自信を持って答えてくれます。自分たちが知っていることが嬉しいんでしょうね!

繰り返し読んだ絵本の1冊です。

しんごうきピコリ

信号が青に変わったら、車はどうするかな? とパトカーが信号機の色を見ながら話をします。ところが、ピコリ! 信号機がとつぜんピンク色に変わりました。なんと車は、さかだちをしなければいけません。信号機がどんどんめずらしい色に変わるたび、車たちにはいろんなことが起こります。ピコリは何色光るのでしょう? 信号機のルールのお話かと思いきや、ふしぎな信号機のピコリに、パトカーと車たちがふりまわされる楽しい絵本。

子どもたちと論議した絵本

多くの方が一度は目にしたことがある絵本ではないでしょうか?

担任時代にいつものように帰りの会の時に絵本を読み、帰り支度の声を掛けようとした際、クラスの一人が「何かおかしい」と言い始めたのです。「何がおかしいの?」と聞くと「1匹のかいじゅうがおかしい」と言って、私が持っていた絵本を手に取り、みんなに教えてくれました。「このかいじゅうの足がおかしい」と。

 

よく見てみると、おかしいかいじゅうがいるんですよね。そこから子どもたちは、「着ぐるみを着ているのではないか」「おばけなんじゃないか」「人間を食べてしまったのではないか」など様々な論議を始めました。

 

論議は盛り上がりましたが、帰りの時間となり、帰りの身支度をしていると、普段おとなしい子が、私のところに来て耳元で「あれはお父さんに間違いないよ!」と言って降園していったのが、今でも忘れられない一場面です。

かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうの国をたずねよう。コルデコット賞を受賞し、
世界中の子どもたちをひきつけてやまないセンダックの代表作。
子どもの内面のドラマをみごとに描いて、今世紀最高の絵本と言われています。

今、担任なら子どもたちと読みたい1冊!

今、担任だったらこの絵本を読みたいと思った最新刊をご紹介!

それが尾崎さんペアが描く『おなおしやのミケばあちゃん』!

今は数少ない駄菓子屋を舞台にしたお話です。

 

尾崎さんが描く世界観が本当に大好きで新刊が発売されたということで、すぐに購入!

私の心を見事に射止めました。満足感たっぷりの1冊です。

 

細かく描かれたイラストは細部まで見応えがあり、絵本の中には遊び心がいっぱい。『おしいれじいさん』『おにろうのおつかい』も合わせて読むと面白いかもしれませんよ!

ぜひ手に取って読んでいただけたらと思います。

おなおしやのミケばあちゃん

ミケばあちゃんは、はるばあさんがやっている駄菓子屋でくらす三毛猫です。店の床下には、ミケばあちゃんがこわれたおもちゃを直す「おなおしや」がひそかに営まれていました。お客さんが減った駄菓子屋をはるばあさんが閉めると知ったミケばあちゃんは、おなおしやに運ばれてくるおもちゃたちと一計を案じますが……。床下の世界を迫力満点に描いた1冊です。

絵本は心の漢方薬!

数か月前に、2年間担任をした保護者の方からこんなご連絡をいただきました。

「先生にたくさん絵本を読んでいただいたおかげか、小学生になってさらに本が大好きになりました。学年で1番絵本を読んだベストリーダーに選ばれました」と。ご家庭でもたくさん絵本を読んでいた保護者の方だったので、自分の影響とは思いませんが、嬉しかった報告でした。

 

また、尊敬する方が『絵本は心の漢方薬』と教えてくれました。

すぐに効く薬とは違って、じっくりと心の中に沁み込んでいく、と。

 

絵本を読んであげることは確実に子どもの中に何かを残してくれるはずです。1冊1冊丁寧にじっくりと読んであげてほしいと思います。

記事を書いていたら、なんだか絵本を読みたくなってしまいました。各クラスに入って子どもたちに絵本を読んであげようと思います。

大河原悠哉(がっちょ)

公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務める。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『がっちょの絵本ブログ』を運営。

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絵本ナビ編集部