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詩人 まど・みちおさんが生み出す優しい世界

「ぞうさん」「一ねんせいになったら」「やぎさんゆうびん」など、誰もが知る童謡を数多く生み出してきた詩人、まど・みちおさん。まどさんの詩には、お母さんの温かさや親子の絆、そして生きることの喜びとすべての生き物への愛情がちりばめられています。

1994年に日本人として初めて「国際アンデルセン賞作家賞」を受賞。

そんなまど・みちおさんが生み出す優しさにあふれた温かい作品たちをご紹介します。

まど・みちお(まどみちお)

 

1909年山口県に生まれる。詩人。25歳ごろから創作をはじめ、北原白秋に詩・童謡を学ぶ。戦後約10年間幼児雑誌の編集に携わったあと、詩作に専念。代表作に「ぞうさん」「おさるがふねをかきました」「やぎさん ゆうびん」「一ねんせいになったら」など多数。著書・『てんぷらぴりぴり』(大日本図書)、『まめつぶうた』『しゃっくりうた』『まど・みちお全詩集』『うめぼしリモコン』『ぞうのミミカキ』(理論書)『それから……』(童話屋)など多数。1994年、日本人初の「国際アンデルセン賞作家賞」を受賞。

誰もが知る童謡「ぞうさん」の絵本

まど・みちおさんと言えば、童謡「ぞうさん」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

「自分自身に誇りを持つこと」や「お母さんへの愛情」をストレートに詠ったこの曲は、1952年に生まれました。

それから60年が経った今でも、日本では知らない人がいないというほど、愛され続けています。

愛情がいっぱいあふれる「ぞうさん」の世界を、ぜひ絵本でもお楽しみください。

童謡「ぞうさん」が、『わたしのワンピース』の西巻茅子さんの絵と共に絵本に

ぞうさん

ぞうさん、ぞうさん
おはなが ながいのね
そうよ かあさんも ながいのよ

みんなが大好きな童謡「ぞうさん」。この歌の歌詞が詩人まど・みちおさんの作であることをご存知でしたか?
この絵本は、こぐま社の50周年を記念してつくられた一冊。「ぞうさん」の歌の情景が絵本として綴じられたこの絵本は、すべての子どもたちへあたたかい詩と歌の贈り物となりそうです。

まどさんの詩「ぞうさん」は、使われている言葉が最高にシンプルなのに、親子のあたたかい関係が心にくっきりと浮かんできます。子どもはもちろん、おとなも、自分のお母さんのことを思い出したり、親子ってあたたかいなと感じてうれしくなりますね。
歌で聞くのとまた違い、絵本になることでゆったりと、まどさんの詩に向き合うことができます。まどさんの言葉のひとつひとつに寄り添ったイラストを描かれたのは、『わたしのワンピース』『ふんふんなんだかいいにおい』等で大人気の絵本作家、にしまきかやこさん。小さなぞうの子がおかあさんぞうをトコトコ探しにいく様子が、美しいパステルの色合いで、素朴に、愛らしく描かれます。にしまきさんは、詩のような作品を描きたいとずっと思われていて、この絵本を鼻歌を歌いながら楽しく描かれたそうです。あたたかいオレンジ色の表紙もすてきで、お誕生祝いにもぴったりの一冊です!
赤ちゃんに読んであげるときは、やさしくゆったりした声で、繰り返し読んであげてください。歌いながら、あるいはハミングしながらページをめくってあげてもよいですね。やさしさと安心感がいっぱい伝わりますように。お子さんが少し大きくなったら、一緒になって歌えるようになったり、長く楽しめそうな絵本です。

■読者の声

ぞうさん
子どもがぐずった時によくうたうのが「ぞうさん」なので絵本でも♪短い詩なのですが、とても優しい詩で大好きです。シンプルですがあたたかく優しいイラストで絵を見るだけでも心地よい気持ちになります。すてきな絵本でした。
(☆うさこ☆さん 30代・ママ 男の子0歳)

温かな気持ち

童謡「ぞうさん」がモチーフになっているお話です。

唄いながら読み聞かせても面白いですし、じっくりと言葉をかみしめながら読み聞かせても面白い絵本だと思いました。

初めは1匹だったぞうさんが、友達や家族に出会っていく様子が描かれていて、心が温まる絵本でした。

子どもたちにぜひ読み聞かせてあげたいオススメの一冊です☆

(さくらんぼ♪さん 30代 せんせい 愛知県)

西巻 茅子さんとの共作絵本、こちらも!

まどさんの詩が、絵本に

『ぞうさん』の他にも、まど・みちおさんの詩は数々の素敵な絵本になっています。

まどさんの温かくて深い詩の世界が、素晴らしい画家たちとの共作によってどんな絵本になっているのか、ぜひ、お楽しみください。

100人の子どもが登場する迫力ある絵が魅力!

一ねんせいになったら

一ねんせいになったら、一ねんせいになったら、友だちひゃくにんできるかな…。人気のまど・みちおの童謡を絵本化。元気いっぱいの歌詞と、100人のこどもが登場する迫力ある絵が魅力の1冊。

■読者の声

かわいい歌です♪
一年生になった娘がこの絵本を気に入って、何度も開いては歌っています。親世代でも馴染みのある歌なので、文字を読むというよりは思わず一緒に口ずさんでしまう一冊です。

あらためてこの歌詞の素晴らしさや、歌に溢れるわくわく感を実感して、この曲を大声で楽しそうに歌う娘の姿を、この先もずっと忘れたくないな~と思ったりしました。人生に一度しかない小学一年生の娘の、全力の歌唱が愛しくてたまらなくなりました♪
(ouchijikanさん 40代・ママ )

ママと子どもの幸せな時間が流れる、出産のお祝いにもおすすめの一冊

ママだいすき

大きなからだ、色鮮やかで美しい姿、かっこいいしぐさに、優しい眼差し……。みんなが憧れるママはどんなママなのでしょう。

ママのおちちをチュウチュウしている、こぶたたち。
ペロペロなめられるのが嬉しそうな、こねこたち。
大きな顔したかばのママと、にらめっこ。
お話もにょもにょしているのは……うさぎの親子。

小さな子どもたち、みんなとっても嬉しそう。
わたしとおんなじ気持ちなのかな。

次々に登場するのは、優しくも印象的な色合いで描かれた動物の親子たち。その素朴で柔らかな表情から、それぞれの「ママと子どもたちの幸せな時間」の空気が伝わってきます。そして、添えられているのは、まどみちおさんの一言。

「あ、ママだ」「おにょ むにょ」「だっこ だいすき」

短くも愛おしい言葉たちは、読めば不思議とその時間をとてもリアルで身近なものにしてくれるのです。大好きなママの声を通して、その愛情を赤ちゃんの心にたっぷり届けてあげてくださいね。

■読者の声

ママも大好き
こどもの出産祝いにいただき、生後から読み聞かせに使っていました。
絵もほんわりとしてかわいいし、各ページに赤ちゃんの好きな擬似語やフレーズがでてきます。蛇のページで「おにょ むにょ おにょ むにょ」に合わせて息子のおなかをコチョコチョしていたら、それが大好きになって一時はこのページばかり何度も読まされるほどでした。一歳頃からは各動物の名前を教えながら読んでいました。余裕のある時は動物の説明、どんなところに住んでいるのかもおしゃべりしながら読むと嬉しそうに聴いていました。1歳半の今は動物の名前を漢字で印刷したシールを各ページに貼って見せています。工夫すれば動物の名前も覚えられるし、「ママ」「赤ちゃん」という言葉やその関係も分かるようになるので良い本だと思います。今や我が家の定番、息子も私も大好きな一冊になりました。
(CHAPALAさん 30代 ママ その他 男の子1歳)

親子の絆を描いた、まど・みちおさん作のおはなし絵本、こちらもおすすめ!

『11ぴきのねこ』シリーズの馬場のぼるさんとの共作!

くいしんぼさんのうた

まど・みちおの詩と、馬場のぼるのゆかいな絵で、世界中のくいしんぼさんにおくる詩の絵本。

■読者の声

単純だけど奥深い

大好きな馬場のぼるさんのコーナーにあって、
詩を書いているのがなんと、まどみちおさん!
これは読まなきゃダメでしょ?という事で早速読んでみました。

詩ということでしっとり読み始めたつもりでしたが、
なんだかテンポがよくて、いつの間にか勝手にメロディーをつけて、
ついつい歌ってしまいました・・・。
何度読んでもそうなってしまいます。

くいしんぼさんが、がんばりやさんで、ねぼすけさんで、わらいんぼさん。
なんだかおかしな組み合わせですが、でも、
世界中の子どもたちがでてくると、なんだかとても笑えます。

特に、せかいじゅうのわらいんぼさんの絵は、
見ているこっちをとても幸せな気持ちにさせてくれます。
息子もこのページが大好き。

単純だけど、描かれている一人一人の表情に、
深いものを感じます。
そしてせかいじゅうが、わらいんぼさんであふれることを、
願わずにはいられません。

(とんちきさん 30代 ママ 東京都 男の子2歳)

画家のささめやゆきさんと共に、目に見えない「空気」を絵本に

くうき

目には見えないけれど、「くうき」はそこにある。だれかれのへだてなく、まったく普通に、気づかせもせずに、そこにいてくれる。

ぼくの胸にあった「くうき」は、ママの中にいたもので、今度はパパの胸の中にはいっていく。同じ家に、同じ国に、いや同じ地球に住んでいれば、いつか全ての生き物の胸の中を「くうき」がゆきわたり、あらゆるものをつないで流れていく……。

詩人まど・みちおさんの詩をもとに誕生したこの絵本。いつでもそこにあるけれど、普段はその存在を気にすることもない「くうき」。それを絵として表現しているのは画家ささめやゆきさん。つかみどころのない言葉のようで、でも、地球上に存在する私たちを確かにつなげてくれているのは「くうき」なのだということが、しっかりと伝わってきます。

自分の隣にいる人を、どこかにいる知らない誰かを、地球上の全ての生き物を、そして今はもういないあの人のことを。この絵本を読むことで、不思議といつでも思い返してしまうのです。

■読者の声

くうき 目に見えないもの 詩がいい
くうき 目に見えないものを 絵にするの難しさ 
まどみちおさんは あとがきに 書いてられます。
まどみちおさんのくうきのとらえ方が なかなか ユニークです
生活している ぼくの家族(ママ パパ) みんながくうきをすっていきています
地球中のみんなが 地球にいきる 全ての動物や 虫や 鳥 花 
みんなが くうきのおかげで 生きているのですね
森の木がはく くうきをぼくらにはいり  ひとつの からだを めぐる 血のせせらぎの ように 胸から 胸へ 詩が 胸の中におちます
ささめや ゆきさんの絵が またいいのです

ますみちをさんは すべての いきものが 兄弟であることを・・・と
しめくくっています

なんども なんども くりかえして 読んでみたい詩です
絵本にするのも 難しかったでしょうが 子供たちに伝えのには良い方法だと思えました
詩を耳で聞く これもまた良いと思いました
今日 3年生の授業の時間で、ストーリーテリングの中の一つに
くうきの 絵本を読みました(私と一緒のお話サークルのメンバーの人が読んでくださいました)
私も子供たちと一緒に聞き 見ました
そして もう一度 ゆっくり読んでいます
よんでもらうのも いいですし  自分で 声だして読むのも良い絵本でした
皆さんも 読んでみてください!
(にぎりすしさん 50代・その他の方 )

世界的な版画家、柚木沙弥郎さんと共に作り出した悠久なる絵本

せんねんまんねん

98歳の詩人,まど・みちおと85歳の絵描き,柚木沙弥郎によるおじいさん絵本。ずっとみずみずしい心を持ちつづけたいすべての人に。
 

■読者の声

壮大!
まどさんの詩が壮大です! 読みながら、はるか遠く、長い長い年月をへてきた地球に、今、自分がいることを思い、不思議な気持ちになりました。柚木さんの絵も色鮮やかで、迫力があって、素敵です。手元において、時々、読みたい絵本だと思いました。
(あんじゅじゅさん 40代・その他の方 )

詩集で味わうまど・みちおさんの世界

まど・みちおさんの詩の世界をじっくりと味わっていただくには、詩集もおすすめです。

 

いもとようこさんの温かい絵と共に、「やぎさん ゆうびん」「ふしぎなポケット」など15篇を収録

つたえたい美しい日本の詩(こころ)シリーズ まど・みちお詩集 ぞうさん

「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」「ふしぎなポケット」など、今も子どもたちに歌い継がれる、まど・みちおさんの詩。
この絵本には、まどさんの詩が15篇、載っています。

童謡「くまさん」では、
冬眠から覚めたぼんやりしているくまさん。
「ええと ぼくは だれだっけ」
川の水にうつった顔見て思い出し、
「そうだ ぼくは くまだった よかったな」
かわいいようすに顔がほころびます。

でも、まどさんの詩は、かわいいだけではないのです。
「根」では、
草や木を栄えさせている肝心なところ、
根が外からは見えていないことを、
「こんなにして消えているのか 人間の視界からは いつも肝心かなめなものが」
と、うたっています。
深く考えさせられますよね。

まど・みちおさんの詩は、きっと、子どもたちが初めて出会うで詩ではないでしょうか。
優しく、広い心で人間を見つめ、104歳で亡くなるまで詩を書きつづけた、まどさん。
それに、いもとようこさんの、ほっとするあたたかいイラストが加わって、
ページをめくるスピードもゆっくりとなり、一篇一篇、心に染み入ってきます。

「つたえたい美しい日本の詩(こころ)」シリーズの一冊として出版された本作。同シリーズには、金子みすゞさんや工藤直子さんの詩絵本も名を連ねています。
子どもと一緒に、そして、時にはひとりで、じっくりと味わってみてはいかがでしょうか。

■読者の声

子どもたちの年齢や集団に合わせて紹介したい。
まどみちおさんの詩を紹介するのにちょうどいいかなと、思いました。
表紙絵は「ぞうさん」ですが、この本が2月に出版されたからでしょうか。一番初めに紹介されているのは、春を感じさせてくれる「くまさん」です。

童謡になっている詩も多いので、子どもたちと一緒に歌いたくなります。
言葉は簡単だけど、哲学だなぁと、感心したのは「リンゴ」。
5,6歳くらいから小学校低学年くらいのお子さんたちと早口言葉で遊んでみたいと思ったのは、「バナナのじこしょうかい」。

詩の絵本なので、読み聞かせで使うときは、紹介したい子どもたちの年齢や集団に合わせて、1つか2つを選抜して、何度か口ずさむ、または一緒に声を出してもらうなどしたいなと思いました。
(てんぐざるさん 50代・ママ 女の子20歳)

動物をテーマにした詩を集めた詩集

キリンさん

「ぞうさん」「キリンさん」「テントウムシ」「チョウチョ」など動物をテーマにした詩と美しい銅版画の絵本。

■読者の声

心が満たされる
穏やかで柔らかな、愛情を感じる詩と、
光を放つようなイラストに、こころが満たされました。
いままで、物語の絵本を読むことが多かったので、詩の本を読むことは、新たな体験でした。
お子さんはもちろん、大人のかたも、夜のおやすみの前に読むと心があたたかくなりそうです。
(なーお00さん 30代・その他の方 )

宇宙的な視点を持つまどさんの世界観を、アートの力によって五感で楽しめる!

うたをうたうとき

世界はこんなにも美しい
国民的な詩人であるまど・みちおさんのだれの心にも響く詩と、独自の世界観で活躍を続けるデザイナー、渡邉良重さんの絵が生み出す珠玉のコラボレーション。宇宙的な視点を持つまどさんの世界観を再発見し、ことばから広がるアートの力を五感でたのしめる、喜びに溢れた一冊です。

◆推薦文

「詩と絵がつくる特別な窓」
ある場所の白い壁に、詩と絵がある。それは言葉と絵なんだけど、まるで窓があるみたいだ。その窓からは、遠いところや、いま、ここ、自分のことや、あたりまえのことがどんなにかけがえがないかということが見える。ある小児病棟の壁に、そんな窓がかかっている。まど・みちおという詩人と、渡邉良重という画家が創った〈特別の窓ホスピタルアート〉。この本に並んでいるのは、その窓たちだ。
松田素子(編集者)

編集者のおすすめポイント
数多くの詩を生み出したまどさんの作品から、独特の世界観で表現をされるグラフィックデザイナー・渡邉良重さんが17篇の詩を選び、インスピレーションを受けて生み出した絵をまとめた、詩と絵の本。おふたりの故郷が同じ山口県周南市ということもあり、どこか共通する原風景を感じる。数々の作家の物語や言葉とコラボレーションする渡邉さんが「とにかく可愛い」と評する圧倒的な力をもつまどさんの詩は、読者の心に真摯に届き、世界と自分の繋がりを自然と感じる。ことばとアートの力を再発見し、ページをめくる余韻に浸る、本ならではの喜びに溢れた作品。子どもから大人まで、声に出して読みたくなり、言葉をこえて感じられる、五感を刺激する一冊です。

■絵本ナビ編集長・磯崎によるみどころ紹介

「地球の用事」「チョウ チョウ」「空気」……。誰の心にもまっすぐと素直に届く、まど・みちおさんの詩の数々。

眺めているだけで心が浮き立つような、凛として愛らしいモザイクアート。

「世界はこんなにも美しい」

この美しい詩と絵の本は、2019年に山口大学付付属病院の小児病棟に設置された「ホスピタルアート」から生まれたのだそう。独自の世界観で活躍を続けるデザイナー渡邉良重さんが、まどさんの詩を17編選び、インスピレーションを受けながら完成された絵の数々。病院を訪れる多くの人々の心を包み込んでいるアートが、こうして私たち読者の手にも届けられたのです。

ちいさな自分、大好きなお花、巡る季節に歌う喜び。世界中の生き物と空から見守ってくれる星たち。その一つ一つをかみしめながら、心の内側がじんわりと明るくなるのを感じることができるのです。

(絵本ナビ編集長・磯崎園子)

中高生に読んでほしい、まどさんの詩集

ぞうのミミカキ

ぞうのミミカキ…実は孫の手。おろしがね、くつべら、あんぜんピン、ねじくぎなど、いろいろな“もの”がうたう書き下ろし詩集。

■読者の声

人間の高慢さ
まどさんといえば、幼い子が喜ぶ詩を書かれる方と思っていましたが、
この詩集は中高生から大人むけだと思いました。

目次に並ぶ日用品の名前。
どんな詩かと思ったら、どの詩もとても深いのです。

人間が自分たちの便利さのために作った品々を、まどさんはこのように見ているのかと、まどさんのやさしさにふれられます。

まどさんは、どんなものにも愛情を感じているのですね。
(おるがんさん 40代・ママ 女の子、男の子)

まどさんの約80年間にわたる詩業の全貌が収録された、集大成となる全詩集

まど・みちお全詩集

「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」などで広く知られる詩人の全詩作品を集大成。
生きることのよろこびにあふれた宇宙が広がります。

続 まど・みちお全詩集

身近な生き物から宇宙まで、この世界の不思議を100歳まで詩に詠み続け、昨年104歳で亡くなった詩人まどさん。1990年代以降の詩500編余に、新たに見つかった若いころからの詩約200編を補遺として収録。詳しい年譜、著作目録、総索引も収録。

●編集者コメント
「ぞうさん」で知られる詩人 まど・みちお『全詩集』待望の続篇。1992年刊行の『まど・みちお全詩集』と今回の『続 まど・みちお全詩集』の2冊で、まどさんの約80年間にわたる詩業の全貌を伝えることを目指しました。

上皇后美智子さまとの共作

まど・みちおさんの詩を美智子さまが英訳。安野 光雅さんの絵も素晴らしい

どうぶつたち

日本の子どもたちの大好きな童謡「ぞうさん」の作者、まど・みちおさんの詩が英語に訳されて日本とアメリカで絵本になりました。まど・みちおさんの楽しい動物たちの詩20篇と、美智子さまによる英訳を収録。
ことり
スワン
クジャク
ヒバリ
いいけしき
ああどこかから
ぞうさん
シマウマ
キリン
トンボ
チョウチョウ
チョウチョウ
イヌが歩く
なみとかいがら
ねむり
イナゴ
ナマコ
アリ
ヤマバト
どうぶつたち

Eraser けしゴム

まど・みちおさんの作品の中から、皇后・美智子さまが厳選して英訳した詩集が二冊同時に刊行されます。ひとつが「けしゴム」(英語のタイトルは「Eraser」)。21篇の詩は、短いものはたった一行、長いものでも五行しかありません。
「オウム」「ノミ」「しろうさぎ」などの生き物や、「カボチャ、「トウモロコシ」といった野菜、さらに「みみ」「はな」「ねごと」「かいだん」などなど。
最小限の言葉から、イメージがどんどん膨らんでいきます。
たとえば「ケムシ」は、一行。
さんぱつは きらい
さあ、これを美智子さまはどう訳したでしょう。
まどさんの日本語と、美智子さまの英訳を読むことで、詩がの世界は、さらに豊かに、思いがけない方向に広がっていくのです。
これは、外国の方が読む訳詩集ではありません。二つの言葉の間で、そしてそこに付けられた安野さんの絵が、あなたの想像はどんどんひろがり、思いもかけない新たな発見があるに違いありません。

にじ

皇后美智子さまが選び、英訳したまど・みちおの詩集。深い思索をたたえた19篇を収録。まど・みちおの詩の世界が、美智子さまの英訳を通じて限りなくひろがる。さらに安野光雅氏の素敵な絵も響き合う。

■読者の声

とても清楚なコラボレーション
まどみちおさんの、リズム感、ぬくもり、きらめきのある詩がありました。
その詩を選びながら英訳した皇后美智子様の作業がありました。
二人のコラボレーションに、あくまでひそやかにイラストを付けたのは安野光雅さん。
このトリオがお互いに、メロディを奏でているような詩集です。
美智子様の英訳も、まどさんの詩を自分の世界で優しくくるんでいるような言葉づかいで、お人柄を感じさせるように思いました。
まどみちおさんの作品でありながら、この絵本を仕上げたのは皇后さまの力だと感じさせた一冊でした。

(ヒラP21さん 60代・パパ )

詩人・坂田寛夫さんとの共作

『さっちゃん』を作詞した詩人の阪田寛夫さんと繰り広げられる、素晴らしい言葉遊び!

まどさんとさかたさんのことばあそび

子どもたちに親しまれている童謡「ぞうさん」のまど・みちお、「さっちゃん」の阪田寛夫のたのしい詩。ユニークな発想でくりひろげる。

第40回産経児童出版文化賞美術賞。

ひまへま ごろあわせ

まどさんがつくり、さかたさんがこたえる。現代を代表する2人の詩人による、ことばあそび。各12編ずつ達人のことばあそびを収録。

■読者の声

この本は手元に置いて繰り返し楽しみたい

まど みちおさんと坂田寛夫さんのしが交互に載っています。
ダジャレなども相まって、楽しい。
歌合戦ならぬ詩合戦のようです。
声に出して子供たちと読み合うのも楽しいですね。
私は特に坂田寛夫さんの
「かのいろいろ」「ドレミファかえうた」「そうだ村の村長さん」が好きです。
この本は、手元において、繰り返し楽しみたいです。

(クッチーナママさん 40代 ママ 東京都 女の子14歳、女の子11歳、男の子9歳)

まど・みちおさんのエッセイ

1909年に誕生され、104歳で亡くなるまで80年以上に渡って生涯詩を作り続けてきたまど・みちおさん。「存在の詩人」とも称されるまどさんは、どのようなことを考えながら詩を作られてきたのでしょうか? その頭の中を少しだけ覗くべく、まどさんが遺したエッセイをご紹介します。

まどさんから見える世界の景色を感じられるエッセイ集

いわずにおれない

ぞうさんのおはなはなぜ長いの?
一世紀近くを生きてきた詩人から、こんこんと湧き出る詩。そのほとんどは、ひらがなで書かれた短いものだが、驚くほどの生命力にあふれ、読む人の渇きを潤してくれる。詩人が語った“今のボク”を収録。

すべての時間を花束にして まどさんが語るまどさん

ありのままの自分を受け入れて、この世に生まれ出た喜びと愛を歌った「ぞうさん」。なぜ今も歌い継がれるのか。その詩人の魅力とは何か。自分の過去と現在を静かに語ってくれたことばのなかにその答えがみつかる。

宇宙のスケールを持つまどさんの作品をじっくりと味わって

まど・みちおさんが生み出した作品には、「みんながみんな、そのままで尊い」というまどさんの理念が込められています。

宇宙のスケールを持つまどさんは、2014年に104歳で亡くなるまで、生涯詩人としてたくさんの素晴らしい作品を生み出してきました。

その世界観を母語としてそのまま受け取れる喜びを胸に、ぜひ、まどさんが生み出した悠久なる作品を、じっくりと味わってみてくださいね。

 

編集協力・執筆:洪愛舜(ほんえすん/ライター・編集者・絵本作家)

掲載されている情報は公開当時のものです。
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