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【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【ふわはね絵本のある時間】2022年11月におすすめの本

ふわはねさん

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

11月では…

立冬りっとう(11月7日)読んで字のごとく冬の始まり。暦の上では冬を迎える。朝夕陽の力も弱まり、冬はもうすぐそこに。

小雪しょうせつ(11月22日)北国から雪の便りが届く頃。木々の葉も深く色づき散り始める。冷え込みが徐々に強くなる頃。

 

11月 今月は深まる秋を楽しむ絵本を集めてみました。

秋はおいしいものがたくさん実る時期でもあります。紅葉が進み、秋が深まります。

冬の足音はもうすぐそこまで聞こえてきそうですが、もう少しだけ彩り豊かな秋を絵本と一緒にお楽しみください。

今月もいろいろな絵本をご紹介します。一緒に楽しんでいただけると幸いです。

【はじまりの絵本】

まずはお歌の絵本から『やまのおんがくか』

それはこんな始まり

ぼくたち やまの おんがくか。

さあ、たのしい おんがくかいの はじまり はじまり!

(p2−3本文引用)

みなさんご存知のお歌。ドイツ民謡「やまのおんがくか」が丸ごと一冊の絵本になっています。

かわいい仕掛け付きで、やまのこりすはバイオリンを、やまのことりはフルートを、そしてやまのたぬきはたいこを。

キュキュ キュキュキュ、ピピ ピピピ、ポコ ポンポコポンとページをぱたぱたと動かすとまるで演奏しているよう。

シンプルな仕掛けは、小さなお子さんから楽しめます。

秋の森で動物たちの音楽会。この季節にぴったりの絵本です。

読み聞かせ時間目安<1分25秒>

やまのおんがくか

<ファーストブックにおすすめ! しかけ入り歌絵本>

おなじみの歌が絵本になりました。絵本を開くと、りすがバイオリンを持って登場。次の画面でミニページをぱたぱた動かすと、りすが一生懸命演奏します。小鳥やたぬきも、それぞれミニページをぱたぱた動かすと、楽しい動きで演奏します。歌を歌いながらページを動かせば、楽しさ倍増! 親子で遊べる歌の絵本です。

【季節のお話】

食欲の秋に読みたい絵本『ここからおいしいよかんがするよ』

秋といえば、芸術の秋、スポーツの秋とありますが、やっぱり食欲の秋でしょうか。

さんまにさつまいも、シチューにグラタン、お弁当持って紅葉狩りなんてのもいいですね。

次にご紹介するのは、こちら『ここからおいしいよかんがするよ』

『おじいちゃんとパン』で大注目された漫画家 たなさんの絵本第二弾です。

こちらも実は仕掛けの絵本。

「ここから おいしい よかんがするよ」と男の子が持つのはおべんとう。

縦にぱかっと開く仕掛けと共にでてきたのは美味しそうなおべんとう♡

お次は茶碗蒸しにクッキー缶!!

 

蓋を開けるあのドキドキワクワク感が絵本から伝わります。

開けた瞬間の湯気やにおいもご一緒に。

これからの季節にぴったりのお節まで。

 

最後の終わり方もいいんですよねー。

おいしい予感は大当たり。そこに一緒においしいを楽しむ人がいる。

絵本を開く瞬間のワクワクの予感と重なって大好きな一冊です。

 

読み聞かせ時間目安<1分40秒>

ここからおいしいよかんがするよ

ぱかっ ふたをあけると……?
おいしいものとつづる
ぼくと家族のあたたかな物語

『おじいちゃんとパン』から約4年、新作絵本のテーマは、家族の食卓を彩るさまざまな「おいしいもの」。
わくわくしながら、お弁当箱や鍋のフタをあけると、そこには……?

仕掛けをめくる楽しさとともに、食べることの喜び、大切さを伝える「食育」にもつながる内容です。
おいしいよかんを感じながら、ふたを「ぱかっ」とあけてみてください。

お馴染みのあの子と絵本で再会『あきのセーターをつくりに』

『はるのワンピースをつくりに』に続くおようふくシリーズ第二弾は『あきのセーターをつくりに』

深まる秋の美しい色たちと重ねながら読みたくなる一冊です。

それはこんな始まり

ひんやりした かぜに ほほを なでられて、

あるあさ すりちゃんは めを さましました。

「あれっ?はなのあたまも ほっぺたも つめたい。

ても あしも つめたくなってる。そうだ!」

(p1本分引用)

すりちゃんはたんすからお気に入りのセーターを取り出して着てみましたが、つんつるてん。

うさぎのさきちゃんと一緒に仕立て屋のミコさんのところへ。

ミコさんはひとつづつ丁寧にすりちゃんに聞きます。

秋に山にはなにがある?秋の音は?秋の色は?秋の美味しいものは?

すりちゃんへの優しい気持ちも一緒にミコさんは編んでいきます。

 

読むとほっこりと心が温まる、そんな絵本です。

シリーズ最新作『ふゆのコートをつくりに』も出たようですよ!

こちらも楽しみです!

 

シリーズものの良さは、お馴染みの子たちと絵本の中で再会できること。

初めましてではない中読み進めていける信頼感や安心感。

季節を追いながら、絵本の中の主人公と共に読み手も成長をしていくのかもしれません。

石川睦美さんの透明感のあるみずみずしい言葉とそして個人的に大好きな布川愛子さんの描く、インテリアや小物、洋服などなど、ほくほくとした気持ちで、すみずみまで楽しんでいます。

読み聞かせ時間目安<5分30秒>

あきのセーターをつくりに

空気の冷たい秋の朝。リスのすりちゃんが春にしまったセーターを取り出すと......おやおや、つんつるてん! 大きくしてもらうために、仕立て屋のミコさんのお店にむかいます。

ふゆのコートをつくりに

シリーズ第3弾!想い出のつまったおかあさんのコートが、わたしのコートになったの!雪のふる、しずかな朝です。はやく外に出てあそびたいさきちゃんを、おかあさんは屋根裏部屋へつれていきました。大きな箱をあけると、そこにはおかあさんの赤いコート。着てみるとさきちゃんにはおおきいみたい…。「ミコさんに、したてなおしてもらいましょう」とお店にむかいます。

【童話】

『のはらクラブのちいさなおつかい』

最後は童話のご紹介です。

のはらクラブシリーズ待望の新装版。

春夏秋冬シリーズ最後の一冊。もちろんこの季節にご紹介するのはこちら、『のはらクラブのちいさなおつかい』。

 

のはらのすきなおばさん、のはらおばさんと、近くに住むのんちゃん。

子どもたちを集めて秋ののはらを散歩することに。二人は大きなポスターを作り、ならの木にかけました。

ポスターを見てはりきってきてくれた子どもたち。手にはみんなバスケットを持っています。

可愛くて楽しくてちょっぴり不思議なお話。

 

この本を読んで公園や林、森へ行くと楽しさ増し増し!

秋の森へお散歩に行きたくなる、そんな本です。絵も色数は少ないですがぜひ幼稚園年長さんや小学生の子どもたちにも読んでほしい。

これで全シリーズ揃いました。ぜひ手にとって見てください。自然と仲良くなれる本です。

のはらクラブのちいさなおつかい 新装版

のはらおばさんとのんちゃんは、7人の女の子たちと秋の野原をあるきます。女の子たちはバスケットを持って来ていて、ひみつのおつかいをするそうです。新装版で再登場。
これで、春夏秋冬のシリーズ全4冊がそろいました。

【その他 11月の読み聞かせにおすすめの絵本】

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

子育てアドバイザー・JPIC読書アドバイザー

大学2回生と高校2年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

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絵本ナビ編集部
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