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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】寒い時期に心があたたまる冬の絵本。読み聞かせにも。

寒い日が続いていますね。1月20日には、二十四節気の「大寒」を迎え、暦の上でも一年のうちで最も寒い時期となる今週。でも寒い冬だからこそ味わえる「ほっ」とする瞬間ってありますよね。それは暖炉の前やこたつの中、お風呂やてぶくろ、マフラーにセーター……。元気な子どもたちは、外で遊んでいるうちに寒さを忘れてしまうこともあるでしょうか。

今週は、ぬくぬく、冬に心があたたかくなる絵本をご紹介します。

2024年1月15日から1月21日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

1月15日 寒い冬の日に散歩にでかけた「ゆきちゃん」は……

月曜日は『ゆきのゆきちゃん』

ゆきのゆきちゃん

「わたし ゆきちゃん」
「ゆきと おなじ なまえなの なんでか しってる?」

ねこの「ゆきちゃん」。さむい冬の日に、外に散歩にでかけます。雪がふりしきる山のなか、森のどうぶつたちに自分の「名前の由来」をたずねてまわり、わかったこととは? 

ちいさなうれしさを、ずっと大事にしておくために。
絵本作家のきくちちきが贈る、冬の絵本の新定番。

読者の声より

きくちちきさんのダイナミックなイラストが大好きなので、こちらも読むのが楽しみでした。
青い目の猫のゆきちゃんが、寒い雪の日にお出かけ。自分の名前の由来をたずねて回ります。
雪を見上げたり、見下ろしたり。いろんな雪模様が楽しめました。紙の質感などが雰囲気がとても良かったです。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子14歳)

1月16日 初雪の朝、おかあさんのコートがわたしのコートに!

火曜日は『ふゆのコートをつくりに』

ふゆのコートをつくりに

初雪の朝、外で遊びたいさきちゃんですが、まだコートの用意ができていません。「さきちゃん、ちょっといらっしゃい」とおかあさんはさきちゃんを屋根裏部屋へ誘いました。そこにはおかあさんが大事に着ていた真っ赤なコートが。さきちゃんは袖を通してみますが、やっぱりちょっと大きいみたい。「ミコさんにしたてなおしてもらいましょうか」ふたりは森で評判の仕立て屋ミコさんのお店にむかいます。

石井睦美さんの優しく語りかける文章と、愛らしく心地よい布川愛子さんのイラストが人気の、季節をめぐる「おようふく絵本」シリーズの最新刊。『はるのワンピースをつくりに』『あきのセーターをつくりに』に続き、第3作目となる今回は冬のおはなしです。

仕立て屋のミコさんはさきちゃんの希望を丁寧に聞きながら、素敵なコートに仕上げていきます。お母さんの思い出が詰まった服が、生まれ変わって娘に受け継がれる。なんて素敵なストーリーなんでしょう。これは大人も憧れてしまいますよね。さきちゃんと一緒に、ボタンや裏地を選んだり、自分だったらどんなコートにしたいかな?なんて想像しても楽しいはずです。おしゃれ好きのあの子にぜひおすすめしたい1冊。子どもから大人まで、この愛らしい世界をめいいっぱい楽しんでくださいね。

(出合聡美  絵本ナビライター)

1月17日 家の暖かさと外の雪景色の対比から伝わる冬の楽しさ

水曜日は『14ひきのさむいふゆ』

14ひきのさむいふゆ

森は雪にうもれています。ねずみたちは、部屋の中でゲーム遊び。おじいさんは、そりを作って……。

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents_old.asp?id=77 「14ひきの」シリーズ1冊1冊についての魅力を探った、いわむらかずおさんロングインタビュー

読者の声より

14ひきシリーズの中でも特に大好きな1冊です。
ストーブの燃えている暖かい部屋で、おじいさんとはそり作り、お父さんとはボードゲーム作り、台所では、おばあさんやお母さんとおまんじゅう作り・・・
何とも言えないあたたかくゆったりとした時間、部屋のぬくもりまでもが絵から伝わってきて、他では味わえない感覚です。
また、後半は外の冷たい風を切ってみんなでそり滑りを楽しみます。冬の魅力が詰まった一冊で、何度も読みたくなります。
(ゆきっこさん 30代・ママ)

読者の声より

雪が吹雪く寒い寒い冬なのに。14ひきのねずみの家族のおうちの中は、暖かくて寒さをまったく感じません。
ストーブに、かまどに、ほかほかおまんじゅう。家族集まって過ごす部屋は温もりにあふれています。
ゲームやソリを手作りして、楽しむ様子も素敵です。
雪がやむと、手作りのソリで、家族みんなで遊ぶ様子が、寒い冬もちゃんと楽しんでいて素敵です。
シリーズどの本を読んでも、自然や四季を楽しんで過ごす家族が魅力的で、こちらも満たされた気持ちになります。
(ピーホーさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)

1月18日 冬眠中に起きてしまったムーミンが出会ったのは?

木曜日は『クラシック・ムーミン絵本 ムーミントロールの冬』(2023年11月の新刊)

クラシック・ムーミン絵本 ムーミントロールの冬

トーベ・ヤンソンの原作を
小さな子どもたちにも楽しんでほしいという
願いをこめて、美しいイラストで絵本にした
クラシック・ムーミン絵本。

ある冬の日、冬眠していたムーミントロールは、
きゅうに目がさめて、
そのまま眠れなくなってしまいました。
「だれか起きている人はいないかな?」と、
ムーミンやしきの外へ
出てみることにしました。

ムーミン谷は、雪におおわれて真っ白です。
ちびのミイがそり遊びをしているのを見つけ、
喜んでいると、
トゥーティッキがやってきて
「氷姫がくるから、外にいてはだめ」といいます。
三人が水浴び小屋にいると、
こおりつくような空気があたりをおおいます…。

ふだんは冬眠しているムーミントロールが、
冬の日に目を覚ましたことで知り合う、
スキーをはいたヘムルや、
おおかみにあこがれる犬のめそめそ、
ジャムをもとめてムーミン谷へやってくる
小さないきものたち…。

1月19日 赤いマフラーにはひつじばあばの愛情がたっぷり

金曜日は『はりねずみくんの あかいマフラー』

はりねずみくんの あかいマフラー

寒い季節に心があったまるおはなし。
さむがりなはりねずみくんに、ひつじばあばが赤いマフラーを編んでくれました。
はりねずみくんは大喜びで赤いマフラーをして遊びに出かけたのですが、帰り道でマフラーをなくしたことに気がつきました。大事な赤いマフラーはなかなか見つからなくて…。

北風がびゅっと吹いても、赤いマフラーがあるからニコニコ顔のはりねずみくん。とっても愛らしい笑顔にこちらまでニッコリしてしまいます。
でも、マフラーをなくしてしまって困った顔に。小さなはりねずみくんの心はドキドキ、チクチク。
遊びに夢中になって、ハッと気がつくと何かやらかしてた!ってこと小さい時にはよくありますね。
はりねずみくんが泣きながら向かった先のひつじばあばの優しいこと。
赤いマフラーにはひつじばあばの愛情がたっぷり。白地の多いページに、ぽっちりとした赤が効いています。

読み聞かせの時は、本の裏であったかそうなマフラーをしているうさぎくんとりすくんもゆっくり見せて終わりにするとよいですね。

 

冬のお話会や親子の読み聞かせにおすすめします。

(山田裕子  小学校司書)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=120641

読者の声より

さむい冬の話なのに、心がぽかぽかとあたたまる絵本です。絵が素敵で、とっても優しいばぁばが素敵で、人の気持ちを考えて心を痛めるはりねずみくんが素敵。
一度は味わったことがあるだろう、心のちくちくと安心感、こんな風に短い絵本で心を動かしてくるのってすごいな。って感心もしました。
(みっとーさん 30代・ママ 男の子10歳、女の子8歳)

1月20日 今日は「大寒」。冬の6節気の事柄が詰まった一冊

土曜日は『絵本で知ろう二十四節気 冬』

絵本で知ろう二十四節気 冬

「たきびに さざんか ふゆちかし」「はれぎに つつまれ まぶしいえがお」など短い文と懐かしいタッチの絵で、幼いお子さんと、冬にまつわる行事や食べ物を“節気の順”に味わうことができる絵本です。小学生ならさらに詳しく、季節の植物や生きもの、行事についての解説をページ下のコーナーで読むことができます。

「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」の順番で、6つの節気それぞれの事柄がぎゅっと詰まった1冊。日本の風物詩を子どもに伝えたい! という方はぜひ手にとってみてくださいね。
表見返しでは二十四節気全体についての説明、裏見返しでは冬の節気に関する解説と唱歌・童謡の紹介があります。

文章は第62回青少年読書感想文全国コンクール小学校低学年の部課題図書にも選定された『ひみつのきもちぎんこう』(金の星社)などの著作がある、ふじもとみさとさん。絵は、カレンダーや書籍に、季節の風景と子どもの姿を数多く描く、竹中俊裕さん。落ち着いた雰囲気の水彩画に、昔ながらのおせち料理や火鉢、かまくら、着物などがしっかり描き込まれています。

おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に読むのもおすすめ。日本の伝統的な季節の過ごし方、その良い味わいを感じられますよ。「絵本で知ろう二十四節気」シリーズの一冊です。

(大和田佳世  絵本ナビライター)

読者の声より

「絵本で知ろう二十四節気」の冬。
季節の指標としての二十四節気、きちんと理解しておきたいものです。
立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒。
ネーミングがシンプルですね。
11月7日頃から2月2日頃まで。
立春の前日、節分までという区切りが何とも潔いです。
豆まきの意味を改めて学びました。
冬至も奥深いです。
さざんかが日本の固有種だったとは。
七五三や大みそか、初詣など、行事の豊かさも冬ならでは。
巻末に添えられた唱歌・童謡も、とても参考になります。
(レイラさん 50代・ママ )

1月21日 雪が降り出し、積もり、とけたら春のしるしが…

日曜日は『ふゆのあとには はるがきます』(2023年12月の新刊より)

ふゆのあとには はるがきます

「ゆきむし」が飛び、もうすぐ寒い冬がやってきます。雪が降り出し、真っ白になっていく様子、冬の間の森の動物たちの様子、やがて春になっていく様子・・・ゆったりと時の流れる、北国の世界をお楽しみください。
 

いかがでしたか。

冬の絵本の中に、冬ならではの楽しみをいろいろ見つけてみてくださいね。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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