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絵本作家ひろたあきらの 一冊ぐらい絵本を読んでみませんか?

絵本作家ひろたあきらの 一冊ぐらい絵本を読んでみませんか? vol.4『こころの家』

僕は今、絵本作家として絵本を作っています。ですが、元々はただの絵本好きでした。それは今でも変わっていません。

 

映画、音楽、漫画、小説、アニメ。大人が楽しめるカルチャーはたくさんあります。それと同じように、絵本だって大人が読んでも楽しめるのです。この連載は、そんな絵本の魅力を、普段絵本を読まない大人にも届けたいという思いで始まりました。

一冊ぐらい絵本を読んでみませんか。

知っていれば、生きるのがちょっとだけ楽になる

今回紹介する、大人に読んでほしい絵本は『こころの家』(岩波書店)です。心って、一体何なのでしょうか? 大人の人に「あのー、すいません。心ってなんですかね?」と質問したら、いろんな答えが聞けそうです。心ってとてもふわふわしている言葉ですよね。いろんなものをひっくるめて「心」と言っている感じです。でも、どんな人にも心はあるんだと思います。

こころってなんだろう

こころの家

目には見えないけれど、だれにでも、こころはある。きみにも、ぼくにも。
でも、こころってなんだろう。――こころを家にたとえて語る詩的なことばと、
イマジネーション豊かなイラストのコラボレーションが、静かで深い印象を放つ。
頁の動きをいかした斬新な表現で、ボローニャ・ラガッツィ賞に輝いたオールエイジ向け絵本。

「心」という言葉を聞いて、あなたはどんなことが思い浮かびますか? 僕は、漫画『HUNTER×HUNTER』に登場する、ネテロ会長が着ているTシャツを思い出します。知らない方のために簡単に説明すると、ネテロ会長はめちゃめちゃ強くて、めちゃめちゃ偉いおじいちゃんです。そんなネテロ会長は、メルエムという最強の敵と戦うときに「心」と書かれたTシャツを着ていました。ネテロ会長ともあろうお方が、そんな大事な戦いのときに「心」と書かれたTシャツを選んでわざわざ着るということは、やはり心っていうのはかなり大切なのだと思います。何かよくわからないけど、とにかくとても大切なのが心。『こころの家』を読むと、心に対する素敵な考え方を教えてもらえます。

表紙をめくると、こう書いてあります。

「こころって どこに あるんだろう。」

確かに。誰かに教えてもらった訳ではないけど、何となく胸のあたりにあるイメージです。もしかすると、右膝に心があると信じている民族とかがあるかもしれません。ページをめくると

「だれにでも こころはある。」

と続きます。無口な母さんにも、生まれたばかりの赤ちゃんにも、禿頭の校長先生にも、心はあると書かれています。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=83532

これを今読んで下さっているあなたにも心はあるし、これを今書いている僕にも心はあります。では、だんごむしとかにも心はあると思いますか? 僕は、だんごむしにも心はあるんじゃないかと思います。心があるから、丸くなろうと思うのではないでしょうか?

 

そして絵本の中盤から、いよいよタイトルにもなっている、こころの家について語られます。

「こころは ぼくたちのすんでる 家に にている。」

よくわからないけど、誰にでもある心は、家みたいなものらしいのです。欲張りな人は、おっきな家に住み、気分屋の人は、毎日模様替えをする。100人いたら、100通りの家があって、その家には、ドアや窓も付いているそうです。ドアを少しだけしか開けない人もいるし、大きく開け放ってる人も、閉ざしている人もいる。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=83532

確かに心って、めっちゃ家みたいですね。台所があったり、階段があったり、トイレがあったり。ぼんやりしている心というものを、次々と家に例えてわかりやすく教えてくれます。そして絵本の後半で、家の住人について語られます。

「こころの家は ときどき 主人がいれかわる。」

こころの家には、いったい何が住んでいるのでしょうか? 是非、絵本を読んでみて下さい。

こころの家を知っていれば、生きるのがちょっとだけ楽になると思います。あなたのこころの家はどんな家だと思いますか? 僕のこころの家は、平屋です。部屋は5〜6個あって、庭も広めです。書斎があったり、アトリエがあったり、犬と猫が1匹ずついます。最近は呪術廻戦に心が奪われているので、呪術廻戦に出てくる人たちで賑わっているかもしれません。みんなでタコパとかしたいです。自分のこころの家って、案外自分以外の人やものが多いような気がします。嬉しいときや楽しいときは、こころの家の中も満たされていて、寂しさを感じるときは、きっとこころの家の中でひとりぼっちなのでしょう。寂しそうな人がいたときは、その人のこころの家のドアをトントンと、優しめにノックしてあげられる大人になりたいですね。

 

 

最近のこと

先日、仕事で絵本作家の大先輩のヨシタケシンスケさんにお会いしました。

名前があきらなので『あきらがあけてあげるから』にサインをいただきました。

めちゃめちゃ宝物です。

関連書籍

 

 

今月の、推し「長新太絵本」!

長新太さんの絵本が大好き というひろたさんに、月に1冊、推し「長新太絵本」の魅力を動画で語ってもらうコーナーもスタートしてみました! 今月紹介してくれるのは……?

 

 

ひろた あきら

1989年愛知県額⽥郡幸⽥町⽣まれ。吉本興業所属の絵本作家。2019年2⽉に刊⾏したデ ビュー作『むれ』(KADOKAWA)が「第12回MOE絵本屋さん⼤賞2019」の新⼈賞第1位、「第7回 積⽂館グループ絵本⼤賞」第1位、「第3回未来屋えほん⼤賞」の第3位に選ばれるなど多くの絵 本賞を受賞。その後も第2作『いちにち』(KADOKAWA)、『ぐるぐるぴ』(講談社)、『にゃおにゃお にゃお』『ちんぽうがき』(ヨシモトブックス)など、精⼒的に活動を続けている。2021年、幸⽥町絵 本⼤使に就任。絵本を⽤いたワークショップや読み聞かせ会を積極的に⾏う。

ひろたあきらさんの新作は「うんこ絵本」!

ぷり

2019年『むれ』の衝撃のデビューから話題作を立て続けに発表する、ひろたあきらさんの新作が登場。テーマは「うんこ」!? 本書は小さな動物から、想像上の生き物、神様(!)まで、あらゆる命の個性豊かで尊い排泄姿とうんこが描かれます。この作品は「生きとし生けるものはすべてうんこをする」という「生命賛歌」の物語です。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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