絵本作家ひろたあきらの 一冊ぐらい絵本を読んでみませんか?
僕は今、絵本作家として絵本を作っています。ですが、元々はただの絵本好きでした。それは今でも変わっていません。暇さえあれば本屋へ行き、絵本の棚をチェックします。前から欲しかった絵本を見つけると買ってしまうし、知らなかった面白い絵本を見つけると買ってしまうし、好きな作家さんのサイン本があれば買ってしまいます。
狭い部屋の中は、どんどん絵本で埋め尽くされていきます。本棚はとっくにキャパを超えて、行き場のない絵本が部屋の床に積み上がっていきます。正直に言うと、ものすごく邪魔です。それでも本屋へ行くとまた絵本を買ってしまうのです。おそらく500冊は超えました。独身なので、家に子どもがいる訳でもありません。それなのに、なぜそんなに絵本を買ってしまうのでしょうか。
それはシンプルな理由です。絵本は大人が読んでも面白いからです。映画、音楽、漫画、小説、アニメ。大人が楽しめるカルチャーはたくさんあります。それと同じように、絵本だって大人が読んでも楽しめるのです。この連載は、そんな絵本の魅力を、普段絵本を読まない大人にも届けたいという思いで始まりました。僕みたいになってくれとは言いません。一冊ぐらい絵本を読んでみませんか。