【今週の今日の一冊】ジメジメ気分にさようなら。6月のはじまりに、すっきり爽やかな風を感じる絵本特集
今週から6月が始まります。お天気の急な変化やジメジメとした湿気に、ちょっぴり心も体も重たくなりがちなこの頃ですが、月が変わるタイミングで、気分をすっきりと切り替えたいですね。今週は、そんな毎日に爽やかな涼を運んでくれる「風を感じる絵本」を特集します。風が吹き抜ける美しい自然の風景を堪能できる絵本や、風のひみつを詳しく知ることができる科学絵本、さらに風をテーマにした語り継がれる名作まで……。窓をあけるように絵本を開いて、心地よい風を感じてみませんか。
2026年6月1日から6月7日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
6月1日 今日もまた一日がはじまり、風が吹きわたる。
月曜日は『きょうもかぜはいろづいて』
今日もまた一日がはじまり、風が吹きわたる。
生きとし生けるものが、ざわめく風のなかでたわむれる。
どこから きたの?
なに みてきたの?
だれと あそんだの?
深い青、輝くような黄色、澄んだ水色。
光の加減で様々な色に変化しながら、風は優しく問いかける。
ページをめくるたびに、違う色に染まった画面が広がっていくこの絵本。添えられる言葉も最小限、景色もどこか抽象的。けれど、じっと見ているだけでこの場所を知っている様な気持ちになるのは、自然の中の見覚えのある色彩だから。動物たちの表情を見ているだけで、そこに吹いている風を感じることができるから。
今日も明日も明後日も。一年後も百年後も千年後もずっと。光はうつろいながら、風はめぐり、誰かが風に出会っていく。生きてこの世にあることの不思議さ、愛しさを見つめる、阿部海太さんの創作絵本。今日吹いた新しい風は……?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
この本を読ませて頂いて、とても感動しました。これは生きていることの喜びを教えてくれます。この本は風をテーマにしていますが、ひじょうに奥深いと思いました。私はこれまでの人生を振り返りながら、風の記憶を追い求めていました。私の大好きな村上春樹さんに「風の歌を聴け」というタイトルの小説がありますが、私はいつも風の歌を聴いていたような気がします。この本を読んでいるとほんとに生きていることが楽しくなります。ありがとうございました!
(水口栄一さん 60代・その他の方)
6月2日 風っていったいなんだろう?
火曜日は『風のはなし 風をめぐる冒険の旅へ』(2026年6月刊)
風っていったいなんだろう? 本書では、風の種類、風の速さの階級、帆船の進み方、風力エネルギーの活用、植物や動物と風の関わり、宇宙の風など、風にまつわるさまざまなことを美しい絵とともに紹介。ロシア発の自然科学絵本第2弾。
既刊『水のはなし』に続き、本作『風のはなし』も、アクリル絵の具で描かれた魅力的な絵と、コラージュなどの技法が合わさり 、大変美しい絵本に仕上がっています。ノンフィクション絵本ですが、赤い服の女の子とおじいさんがあちこちに登場するので、ふたりを探しながら楽しく読み進め、風に関するたくさんの知識を獲得することができるでしょう。
6月3日 旅人の洋服を脱がせることができたのはどっち?
水曜日は『イソップえほん きたかぜとたいよう』
北風と太陽が、旅人の洋服を脱がそうと競争します。
北風が力いっぱい風を吹いて洋服を飛ばそうとしますが、うまくいきません。
つづいて太陽がさんさんと照らすと…。
読者の声より
蜂飼耳さんの「イソップえほん」シリーズは、新感覚の物語で、しかもいろんな作家さんがそれぞれ個性的なイラストを描いているので、楽しくていろいろ読んでいます。
「きたかぜとたいよう」のお話は、イソップ物語の中でも大好きな作品の一つなので、読むのが楽しみでした。
山福朱実さんの大胆で表情のある版画絵が、おはなしとぴったりあっていて、とても素敵です。
「びゅんびゅん びゅうびゅう」「ごうごう」「きらきらぐんぐん」というオノマトペも効果的で、読んでいてとても楽しかったです。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子14歳)
6月4日 ある晴れた日にうまれた小さな風の子の物語
6月5日 「かぜが どこからふいてくるか みにいこうよ」
金曜日は『かぜ』
「かぜが どこからふいてくるか みにいこうよ」
俵万智さんおすすめ!
「風を追いかけて、心に翼が生えてくる。
一つのことを追いかけて、世界のことが見えてくる。
軽やかで深い絵本です。」
――かぜのこえに みみをすまそう
おねえちゃんのマチルデとおとうとのマーチンは、かぜをおいかけてのはらをずんずんかけていきます。ふたりがおしゃべりすると、かぜもピューピューうたいだし、すてきなせかいがあらわれます。
「国際アンデルセン賞」の絵本作家、
「つきのぼうや」の作者・オルセンの名作を、みずみずしい新訳で。
読者の声より
素敵な表紙の絵に惹かれて、手に取りました。
マチルデと弟のマーチンが、強い風に吹かれながら、どこから風が吹いてくるのか、探しにいくというお話です。
二人は野原をずんずんと駆け抜けます。
ページをめくりながら、自分も、二人と一緒に風を感じることができました。
いろんな風を体験できます。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子13歳、男の子10歳)
6月6日 ジルベルトは風と友だちです。
土曜日は『ジルベルトとかぜ』
ジルベルトは風と友だちです。ふうせんや凧やおもちゃの船や、風車やシャボン玉を使って風と遊びます。でも、時には風のせいで困ったこともおこります。子どもたちの心にしみ通る、味わいの深い絵本です。
読者の声より
息子が3歳の頃読みました。
さすが、エッツ!と思った作品です。
風をこのように捉え、表現する作品は初めてでした。
子どもの視線から見た風が、見事に文と絵により表されています。
読んでいて、そう私も幼い頃こんな風に感じた事があるように、懐かしく思いました。
風は子どもにとっては、ともだち。
でも、時々加減を知らないようないたずらも。
なかなか子どもの思うようには、動いてくれない気難し屋さんだったりもします。
かと思うと、上手に相手してくれる事も。
外に駆け出して行く子どもにとって、自然の動きもまた素敵な遊び仲間なんだって言うことが伝わってきます。
ラストが何とも言えぬ魅力的なページでした。
エッツの描く、風を堪能してください。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
6月7日 散歩するぞうくんのところに転がってきたのは!?
日曜日は『ぞうくんのおおかぜさんぽ』
長年読み継がれている『ぞうくんのさんぽ』シリーズ3作目です。簡潔な文章とシンプルな絵で、子どもたちの想像力をかきたてる、ぞうくんのおはなしです。今回は大風の中を散歩します。ぞうくん・かばくん・わにくん・かめくんの動きの違いを、子どもたちと一緒にお楽しみ下さい。
読者の声より
息子が1歳半の頃読み始めました。
他の本ほど繰り返し読んだ覚えはないのですが、
1歳7カ月のころにはほとんど暗記し、
自分でページをめくりながら本を読んでいます。
ゾウやカバ、ワニ、カメなど息子の好きな動物が
出てくるのも魅力なのかもしれません。
また、ダイナミックに転んだり、
水に落ちたりするところも面白いようです。
おおかぜなので、私が「風がびゅうびゅう吹いてるのかな」と
言ったら、息子はこの本を開くときに風を手でなぞって
「びゅーびゅー」と言います。
お天気の違いも楽しめそうなので、
他のシリーズも読んでみようと思っています。
(空色のかわうそさん 30代・ママ 1歳)
「ぞうくんのさんぽ」シリーズ、合わせておすすめ。
「ぞうくんのさんぽ」シリーズ、一緒にグッズもいかが?
他にもおすすめ。風を感じる絵本
いかがでしたか。
6月はますます暑くなりそうですが…暑さにも梅雨のジメジメにも負けずに頑張っていきましょうね。
選書・文:秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)
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