【今週の今日の一冊】時間の不思議と出会う絵本と物語。「時の記念日」によせて。
すべての人に平等に与えられている「時間」。でも、子どものころはあんなにたっぷりあるように感じられた時間が、大人になるとあわただしく過ぎ去っていったり。また楽しい時間はあっという間なのに、気が進まない時間は果てしなく長く感じられたり……。
「時間」って、本当に不思議です。だからこそ、人間は古くから時間についてあれこれと想像を巡らせ、数々の心に残る物語を生み出してきたのかもしれません。
今週は、6月10日の「時の記念日」によせて、時間の不思議と出会える絵本や物語を特集します。
2026年6月8日から6月14日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
6月8日 ゾウもネズミも人間もそれぞれの時間を生きている
月曜日は『絵ときゾウの時間とネズミの時間』
“体の大きさがちがったら、食べる量はどうかわるか”という問題を、いろんな体重の動物の食事量を調べてみます。体重30グラムのハツカネズミの食べる量が10グラムだとしたら、体重が3トンのゾウは1トンです。今度は、一生に心臓がうつ回数を調べると、ハツカネズミは1分間に600回、ゾウは1分間に30回。アレ……? 意外な事実の積み重ねから、動物たちの生き方がくっきり見えてきます。
読者の声より
果てしない感じがして、とても好きな本です。
5年生の教科書で紹介もされています。
最初にガリバーが出てくるあたりが数字嫌いにも優しい。
むずかしい話しもありますが、大きな生きものと小さな生き物のふしぎがよく分かります。
5年生に1時間をかけて読み聞かせながら、自分の鼓動を確認したり、友だちの脈を測ってみたり。
「絵とき」というだけあって見てわかる、楽しい1冊です。
(いーめいさん 30代・ママ 女の子10歳、男の子7歳)
6月9日 亀から毎晩、誰も知らない1時間をもらったら!?
読者の声より
時間をたくさん持っているカメに、誰も知らない時間をもらった漁師の良太さん。時間を有効に使いましたね。そしてさち子ちゃんも。さらにあまりにも長い時間を持っているためすべてに飽きてしまったカメさんも、残りの100年の時間を有意義に使ったということでしょうか。
私なら何をしようかしら・・・懐かしい人達にそっと会いに行こうかな。
グリム童話に『寿命』というお話がありますが、神様はなぜカメにこんなにも長い寿命をお与えになったのでしょう。きっと何か意味があるのでしょうね。
(SNOWDROPさん 60代・その他の方)
6月10日 今年邦訳50周年!時間の大切さを伝える永遠の名作
水曜日は『岩波少年文庫 127 モモ』
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。
読者の声より
小さなころ映画になっているのを見に行ったのですが
灰色の男たちがとても怖かったことしか覚えてなくて
ずっと敬遠してました。
今になって読んでみるとなんと見事な物語であることか
無限の想像力で遊ぶ子供たち
そこに目の前にいる人を何より大切にするモモ
時間は切り詰めて消費するものではなく
瞬間瞬間を心から楽しんで愛しんでいくことこそが
ほんとに生きていくということで
いつでもそういう生き方をしていきたいと思えます。
子供たちも決まった遊び方しかできないおもちゃではなく
どうやってでも遊べるもので遊び
毎日毎日を自分たちの物語でいっぱいにしていってほしいと思いました。
いまさらだけど私もモモになりたい。
いっぱい力が湧いてくる大事な一冊になりました。
(ミルキーミルキーさん 20代・ママ 女の子2歳、女の子0歳)
- 2019.08.01名作に挑戦! エンデの『モモ』読書案内と感想文の書き方

6月11日 こんなじかんがあったらいいな。
木曜日は『ぼくの ほしい じかん』
ゆっくりなじかんがほしいな、朝早くぬくぬくしたベッドの中で男の子は思います。
あれこれできるいろんなじかんも欲しいし、学校まで歩いていくまでの、のびのびしたじかんも欲しい。
そうしたら、チョウチョの後を追いかけていけるのに……。
男の子は朝から夜寝るまで、いろんなじかんを想像します。
こんなじかんがあったらいいな。
あなたならどんなじかんが欲しいかな?
イタリア・アンデルセン賞のファイナリスト作品。
子どもらしい自由で純粋な視点から、時間について考えさせられる絵本。
読者の声より
きれいな表紙にひかれて読んでみました。子どもの視点でかかれたいろいろな時間。なるほど、そう言う時間、大事だなあとしみじみ。思わず共感してしまいました。リズミカルな文章もここちよく、楽しいです。絵もとてもかわいくて素敵な絵本でした。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)
6月12日 同じ「時間」なのに、いろんな顔を持っている。
金曜日は『きみが 生きる いまの おはなし』
「チクタク チクタク」
聞こえてくるのは時計の音。時計やカレンダーの数字は、時間や月日を教えてくれる。でも、時間ってなんだろう? 時間って、どういうことなんだろう? 目には見えないけれど、確かにここにある時間。親しんでいるはずなのに、つかみどころのない時間。
例えば、こんなことかもしれないね。
時間は、種かもしれない。じっと眠っていて、その時がくると花になる。そして、やがてしおれてしまう。
時間は、チョウかもしれない。だって、もともとは小さなアオムシだった。あるいは、時間は思い出かもしれないし、髪の毛がのびることかもしれない。時間はゆっくり進むこともあるし、あっという間に過ぎていくこともある。時間は……。
みんながそれぞれに感じる時間。同じだと思っていたけれど、どうやら色々な顔を持っているのかもしれない。もっと複雑なのかもしれないし、意外とシンプルな気もする。次々に登場するスタイリッシュな絵と、わかりやすく味わい深い言葉による、さまざまな「時間」の具体例。この魅力的な絵本を通して見えてくるのは、「いま」という時間がとっても愛おしいということ。その時にしかない、大切な一瞬なのだということ。
絵本を読んでいるきみにとって、今というのはどんな「時間」? 一度目と二度目はちがった? ……頭の中をぐるぐるさせながら触れてほしい一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
表紙の絵に惹かれて手にとれば、「サディがいるよ」で好きになったジュリー・モースタッドさんの絵本でした。この絵本は、「時間」について、いろいろな視点から書かれています。なるほど、と納得したり、はっとしたり、思ったこともなかったな……とか、色々考えながら興味深く読みました。絵もおしゃれな雰囲気で素敵でした。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)
6月13日 昼と夜、冬と春、新しい環境に慣れるまで…
土曜日は『ゆらゆらなじかん』
「こんど ひっこすことになったの、って ママが いったとき、あたし ぜんぜん うれしくなかった!」――そんな主人公に、おばあちゃんは言いました。「まえの ほうが よかったなあ、って おもってて いいのよ。いまは、ゆらゆらな じかんだから」
おばあちゃんは、何かと何かのあいだ――たとえば昼と夜、冬と春、そして引っ越してから新しい環境に慣れるまで――は「ゆらゆらな じかん」だと教えてくれます。
読者の声より
環境や生活が変わった時、誰もが感じるそれまでの余韻は、自分にとって慣れ親しんだ、自分自身との別れかも知れません。
ゆらゆらな時間があるからこそ、人は慎重に一歩が踏み出せるのかもしれません。
親の都合で何度も引っ越しを経験した自分には、新しい環境は期待に満ちたものではなく、過去との別れであり、未知との遭遇でした。
自分で決められる世界は、ゆらゆらを楽しむこともできるのだと思います。
でも、ゆらゆらな時間が、自分の人生や思い出を整理していくのでしょうね。
子どもにとっても重みのある時間ですが、その子どもから思いやられるおばあちゃんのゆらゆらな時間が気になりました。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方)
6月14日 1分から100年まで、時間の長さの感覚を捉える絵本
日曜日は『感じてみよう 時間の長さ 1分から100年まで』
1分は、「心臓が60回から100回動く」時間。
8分は、「太陽の光が地球に届く」時間。
1日は、「トンボが羽化して成虫になる」時間。
「1分って、どれぐらい?」「100年って、どれだけ長いの?」
1分から100年まで、それぞれの時間にどんなことがおこっているのかを、自然や生きものの変化を事例にあげて紹介します。
親しみやすいお話とイラストで、数字ではとらえにくい時間の長さの感覚が、イメージしやすくなります。
他にもおすすめ。時間の不思議と出会う絵本と物語
選書・文:秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)
|
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |
絵本・本・よみきかせ 












あそび