【今週の今日の1冊】SDGsについて知ろう・考えよう
4月19日~4月25日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
4月22日は「アースデー(地球の日)」。地球環境に関心が高まる今週は、SDGsについて、分かりやすい本を手に学んでみませんか。
SDGsとは、世界が抱えている、貧困・差別・戦争・環境問題・感染症の拡大など様々な問題を解決するための「持続可能な開発目標」のこと。17の目標(ゴール)が定められていますが、さまざまなところでマークを見かけることも増えてきましたね。けれども、ひとつひとつの目標を達成するために、まず身近なところではどんなことからはじめれば良いのでしょう?
今週は、SDGsへの理解を深めるために役立つ、子どもにも分かりやすく説明された本や、具体的な問題を想像できるような絵本をご紹介します。
4月19日 小学生にも分かりやすい! まず読みたいはじめの1冊
月曜日は『こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本』
出版社からの内容紹介
キミが大人になった時、地球が危ない!みんなの力で未来を考えよう!SDGsを子どもから大人まで誰でもわかりやすく学べる本です。
読者の声より
児童書ですが、大人として知らないことばかりで非常に恥ずかしくなりました。
何となく太陽光発電とか、環境問題とか、SDGsに今のトピック的なイメージの先入観を持っていた私は、あまりに無知でした。
何より、これからの世界に、子どもたちに尻拭いを押しつけているという言葉に、叩かれた思いです。
児童書ですが、ここに解説されていることについて、大人として答えられる認識を持たなければいけないと思いました。
(ヒラP21さん 60代・その他の方 )
読者の声より
これからの地球に生きる私達が知っておくべき内容だと思い、購入し、眠る前のひとときに親子で読んでいます。
小学生の娘も興味を持ちやすい構成で大変わかりやすい本です。
世界の問題や状況について子供が知る機会にもなりました。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
4月20日 青い海に、色とりどりの‥‥‥プラスチックごみ
火曜日は『プラスチックのうみ』
出版社からの内容紹介
プラスチックごみの海洋汚染を考える絵本
いろいろな形の製品を安く作ることができて便利なプラスチックは、1950年代ごろから、わたしたちの生活の中に急速に普及してきました。しかし、このプラスチック、微生物に分解されて自然に還るものではなく、半永久的に存在するので、ごみになったときに大きな問題を生んでいます。
世界中で毎年800万トンものプラスチックがごみとして海に流れ込み、海にすむ生き物たちを傷つけたり、命をうばったりしています。そしてこのままだと、2050年には、海に漂うプラスチックごみの重さは、海にすむ魚の重さよりも重くなると言われています。
この絵本では、人間が出したプラスチックごみが、どのように海を汚し、海に暮らす生き物に影響を及ぼしているのか、そしてきれいな海を取り戻すにはどうしたらいいのかを、美しいイラストと分かりやすい言葉で伝えます。
さらに巻末では、様々な角度から、プラスチック海洋汚染について解説し、今すぐわたしたちができることを、一緒に考えていきます。
読者の声より
僕たちはなんという事をしてきたのだろう。
何気なく捨ててしまったごみが、あるいは収集されて処分を誤ったごみが、海の中でとんでもない連鎖を続けている事を、改めて突きつけられたような気がした。
そして、海の中で起こっていることが、魚を食べることで自分たちを巻き添えにしようとしている事を知ってしまった。
何とかしなければいけない。
一人二人の問題ではなく、人類としての意識改革が必要だろう。
そう考えると、この本は立派な啓蒙絵本に違いなく、広く拡がっていって欲しいと願う。
(ヒラP21さん 60代・その他の方 )
4月21日 使いおわったプラスチックはどこへ?
水曜日は『めくってまなぼう!もっとしりたい プラスチックのこと』
出版社からの内容紹介
プラスチックって何?
プラスチックの基礎知識プラスチックには「なぜ?」がいっぱい。
イエス・ノークイズに挑戦!
使いおわったプラスチックはどこへ?
プラスチックどれ?
問題を止められるのはだれ?
プラスチックはいつから?
めくるしかけが68!
プラスチックに関するあらゆる疑問を取り上げ、子どもが問題を理解し、
考えるきっかけになるめくりしかけ知識絵本。
4月22日 「アースデー(地球の日)」に読みたい1冊
木曜日は『環境破壊モンスターから地球を救おう!』
出版社からの内容紹介
環境を破壊するモンスターはどんどん大きくなって、大切な地球をおびやかしている! 個性豊かなモンスターを通して、環境問題を身近にとらえるための最初の一冊として最適な絵本。
ジュージュードラゴン(地球温暖化)、バッサイオニ(森林伐採)、ギラピカ(光害)、ドクモクモク(大気汚染)、ザンパーン(食品ロス)、オオプラダコ(海洋プラスチックごみ問題)、ウラーン(放射能汚染)……
地球は、たくさんの「モンスター」にあふれている!モンスターはどんどん大きくなって、大切な地球をおびやかしているんだ。
さあ、どうすればモンスターをやっつけられるか、みんなで一緒に考えよう!
ユーモラスで美しいイラストと、個性的なモンスターの描写で、楽しくそしてしっかりと環境問題が学べます。
巻末に環境用語集も収録しているので、はじめて環境問題にふれる人にもおすすめの一冊。海外でも大好評の絵本です。
4月23日 イチから全部自分で作る試みに「食品ロス」を考える
金曜日は『イチからつくる カレーライス』
出版社からの内容紹介
世界中を旅してきた探検家で医師でもある関野吉晴さん。授業で美大の学生に提案したのは「イチからカレーをつくる」こと。ニンジン、米、肉、お皿に塩まで、一杯のカレーに必要なものを全部自分で作ってみる。
読者の声より
ドキュメンタリー映画「カレーライスを一から作る」に描かれた関野ゼミの内容をもとに、再構成された絵本。
探検家・関野吉晴(グレートジャーニー)が、武蔵野美術大学の学生に「カレーライスを、一からつくってみないか?」と言ったことから、全てが始まりました。
・カレーライスとはなにか?
・何が必要か?(材料、食器なども育てる・作る・採取する)
・どうやって作るか?(農業、畜産業、陶芸、その他)
チキンカレーを作ろうとしたら、鶏を育てて、と殺して食べるところまで全部やる。一生懸命育てて、とうとう懐いてしまった鶏を殺して、料理して食べる。学生たちは果敢にとりくみ、とうとうやり遂げました。
生き物を育て、野菜や米なども育てることを実際にやってみて、どれだけ大変かとか、命の大切さとかが、自然にわかってくる学生たちの様子が、尊いと思いました。素直に、いろいろな困難も喜びも受け入れ、それぞれの人が「食べる」「生きる」ということを、その人なりの感性でもって、つかんだのだと思います。
この本は、大人にぜひ読んでもらいたい。
食事を作り与える側の人間が、知っておかねばならない事がたくさん書かれています。
やさしいイラストと文章なので、子どもも読みやすい工夫がしてありますが、まずは大人が、命を大事にするのが当たり前だという見本を示さなければダメ。
食品ロスなどという、愚かなことを繰り返している国に、食べ物を粗末にしている私たちに、未来などありません。
(渡辺諦さん 30代・その他の方 )
4月24日 物語でSDGsの考え方が学べるシリーズが登場!
土曜日は『おはなしSDGs 未来からの伝言 SDGsガイドブック』
出版社からの内容紹介
話題のSDGsとはなにか? その考え方や17の目標についてやさしく解説。「おはなしSDGs」シリーズをより楽しむための、また自分たちになにができるか考えるきっかけになる1冊です。
雨の水曜日、バス停で雨宿りをしていた小学5年生の紗綾、大悟、郡司の3人組は、子ネコに誘われて、「子ども近未来デザイン研究所」に迷いこむ。そこで、ユラという少女と、ソラという少年のアバターと出会い、「SDGs」について話し合うことになるのだが……。
【シリーズ「おはなしSDGs」の特色】
・各児童文学賞受賞作家やベストセラー作家など、現代を代表する一流童話作家の書き下ろし作品です。「物語の楽しさ」を第一に書かれた作品は、どの一冊をとっても、すぐれた児童小説として楽しむことができます。
・実力のあるイラストレーターによる挿絵が多数掲載され、確実に物語を読み通す手助けとなります。
・各巻とも、SDGsが掲げる17のゴールのうちの一つがテーマとなっており、いま世界が協力してその目標に向かわなくてはならない理由が自然と理解できるストーリーが展開されます。
・本文中に、物語とリンクさせるかたちで、関連する図表、グラフ、年表などが入ります。さらに、各巻の巻末で、テーマとしたSDGsのゴールについてくわしく解説しますので、テーマ学習の教材としても使用できます。
・SDGs全体について解説する「総論編」も刊行します。さまざまなゴールをテーマにした物語と、「総論編」を併読することで、SDGsについての理解がさらに深まるように設計されています。
・A5判、80ページ(「未来からの伝言」は96ページ/一部カラー)。朝読書にもぴったりのボリュームです。
4月25日 異常気象を減らすには、なにができるのだろう?
日曜日は『目で見るSDGs時代の異常気象のしくみ』(2021年4月新刊)
出版社からの内容紹介
天気とはどういうもので、異常気象はなぜ起こるのか、地球温暖化の影響はあるのか、そして、わたしたちのくらしとどんな関係があるのかを、わかりやすく説明しています。
理由を知っていれば、判断するための助けになり、目的があれば、やりとげるための力になります。天気のしくみを知り、地球温暖化をおさえるために、異常気象を減らすために、なにができるのか考えてみましょう。そして、自分のできることからはじめてみませんか? この本が、読者のみなさんにとって、SDGsへの取り組みのきっかけになることを願っています。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ編集部)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |