【今週の今日の1冊】目と心を潤す美しい絵本。「母の日」の贈り物にも。
5月3日~5月9日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
GWが始まっていますね。とはいえ、今年も心配なニュースが続いていて、なかなか気持ちがパアッーと晴れないという方、相変わらず、会いたい人に会えないという日々が続いているという方も多いのではないでしょうか。
そんな毎日に少しでも彩りと潤いを……と願って、今週は、目と心に効きそうな美しい絵本をご紹介していきたいと思います。9日の日曜日にやってくる「母の日」の贈り物としてももちろんのこと、毎日気を張って頑張っているあなたのためにも、ホッとひと息、のぞいてみて下さいね。
5月3日 7つの素敵な花束と詩が織りなすハーモニー
月曜日は『花の神殿』
出版社からの内容紹介
イギリスの水彩画家、パトリシア・ウィッティカーが、あなたに贈る7つの素敵な花束。
飛び出すペーパーフラワーが、文字通りページから抜け出してあなたの目に光を、
そして、ロマンチックな魂に息を吹き込んでくれます。
各ページの花々はウィリアム・ワーズワースからエミリー・ディキンソンまでの、
最愛の詩人たちの詩と見事にハーモニーを奏でます。
読者の声より
プレゼントに良いです
母の日のプレゼントとして、60代の母に贈りました。
第一声は、「お花がパアっと開いてすごいね!こんな本があるんだね!」でした。
とにかく、ページを開くと一緒に開く花の様子が気に入ったらしく、
ひたすらパラパラとページをめくって楽しんでいるようです。
「詩は後でじっくり読むからね」とも言っていましたが、とにかく
インパクト大だったようで、感心することしきりでした。
私自身は実物を見ていないので、後で見せてもらおうと思っています。
プレゼントには最適な一冊だと思います。
(どんぐりぼうやさん 30代・ママ 男の子10歳)
5月4日 生きものたちのいとなみを見つめる雄大な山々
火曜日は『山はしっている』
出版社からの内容紹介
日が昇り、日が沈み、ひとつの命が消えて、ひとつの命が生まれる。雄大な山々は生きるものたちのいとなみをずっと見守り続けてきた。静かな心に沁み通る文章と、息をのむほど美しいイラストで綴る至高のネイチャー絵本。
読者の声より
かわらないのは、生きること
『SECRETS OF THE MOUNTAIN』が原題。
原題も意訳も滋味深いです。
山に見守られている、生き物たちの様子を美しい絵で描いてあります。
夜明けから始まり、まるでドキュメンタリー映像のナレーションを聞いているような文章に、
感覚が研ぎ澄まされます。
なんて豊かな生き物たちの姿でしょうか。
刻々と変化する太陽の光と、生き物たちの動き。
日没後にも、また別の生き物たちの動きがありますね。
そう、そこここの生きる姿。
山に見守られている、とすることで、自然の包容力を感じます。
小学生くらいから、この姿、感じてほしいです。
(レイラさん 50代・ママ )
5月5日 こどもたちみんな、しあわせになあれ!
読者の声より
やさしいひびきを感じる作品です。
なまえはいくども呼ばれていてその中には、楽しかったとき、悲しかったときうれしかったときなど名前の呼ばれ方で思いでもさまざまです。
生まれて初めて呼ばれたときはどんなだったのかは、覚えていませんが、大切なじきであたっと思います。
最後に素敵な歌もありよかったです。ありがとうといいたいです。
(ゆうちょさんさん 60代 じいじ・ばあば 神奈川県)
5月6日 ページから溢れ出す、雨の音、風の音、光の動き…
読者の声より
心に栄養を与えてくれる一冊
一日を通して徐々に移り変わる空の表情を、美しく鮮やかに描いた作品。
夜が明けて陽が昇り、やがて夕暮れを迎え夜が来る。
その時間の流れは決して変わることのない普遍的なものだけれども、一日として同じ空はない。
この作品を読むと、普段から当たり前のことのように感じている自然の変化や、目の前に広がる風景は、決して当たり前などではなく、どれもかけがえのない奇跡的なものなのだということに、改めて気付かされます。
空の一日は何ておおらかでゆったりとしているんだろう。
元来スローペースな性格、育児と主婦業、自己実現の両立は思いの外難しく、上手くいかないことも多々あるのですが、この絵本の「だんだんと」のリズムには、とても励まされる思いです。
疲れた時には、娘と一緒に空を眺め、ゆっくりとした時間の流れに身を任せてみるのもいいなぁ。
読むたびに、心に栄養を与えてくれる一冊です。
(まどかめさん 30代・ママ 女の子2歳)
5月7日 光と影の絵本に込められた、人生の美しさと喜び
金曜日は『ぶどう酒びんのふしぎな旅』
出版社からの内容紹介
光と影に人生の万感をこめ、藤城清治、原点への挑戦!
初めての絵本として選んだアンデルセンの名作を、86歳にして、新たに描き下ろす渾身の作品。
「徹子の部屋」でも紹介!
あばら屋の二階の窓辺に、老婆の飼い鳥の水飲み用に置かれた、こわれたぶどう酒びん。じつは、このびん、老婆が、美しい少女だったころ、その婚約の席で空けられた、ぶどう酒びんだった……。使われては、捨てられ、また拾われて、べつの人の手に渡りというぶどう酒びんの旅が、人生の遍歴とオーバーラップしていきます。アンデルセンの名作を、世界的な影絵作家の藤城清治が、人生の万感をこめて絵本化。
読者の声より
私くらいの年代の方で、藤城さんの影絵を知らない人はいないのではないでしょうか?
お名前を知らなくても、絵を見れば「あぁ、あの絵の!」と思われると思います。
実はこの作品は藤城さんの絵本(影絵)作家としてのデビュー作であったものを近年リニューアルし、カラー化させたものだと、後書きを読んで知りました。
1ページ1ページが本当に美しい影絵で、改めて藤城さんの影絵の世界を堪能しました。
特に素晴らしいと感じたのは、毛皮商の娘さんと凛々しい婚約者のアップのシーンの、お嬢さんが着ていたドレスの描き方!
レースの細かい部分など影絵ならではの手法が素敵でした!
うちの子は「(ぶどう酒びんが)ろうそく台になったシーンが素敵」と、いっていました。
アンデルセンのお話はいくつか読んでいましたが、この話は知らなかったので、ストーリー自体もとても新鮮でした。
物語の前半に登場した毛皮商人の娘さんの晩年があの人になるなんて、いったい「ぶどう酒びん」が知らなかった間、彼女にどんなことが起きたのでしょうか?
絵が素晴らしいので、魅入って読んでしまいましたが、結構長いお話です。読み聞かせなどに使うよりは、一人読みしてじっくり読みたい作品です。
(てんぐざるさん 40代 ママ 埼玉県 女の子16歳、女の子11歳)
5月8日 ちいさな種が育って、色鮮やかな花々に
5月9日「世界中のお母さん、あなたがあなたでありがとう」
日曜日は『ママン 世界中の母のきもち』
出版社からの内容紹介
憧れ・迷い・希望・苦悩……世界中の母親の気持ちに寄り添う1冊
世界累計24万部を超えるベストセラー。世界中の母親が子を慈しむ気持ちや、繰り返される日々の中で奮闘する姿、母と子のかけがえのない一瞬を詩的につづる大人の絵本です。ボローニャ国際児童図書展で注目の作家の美しいイラストと、内田也哉子の愛にあふれた翻訳でお届けします。
「世界中のお母さん、あなたがあなたでありがとう」ーー内田也哉子
初めから「お母さん」である女性は誰ひとりいません。血のつながりがあろうと、なかろうと、この世に生まれてきた子どもと何かを共有し心を通わせるところから母親は、はじめの一歩を踏み出します。きっと、子を育てる世の女性たちは、繰り返される日々の中で、転んだり、ぶつかったり、試行錯誤して、いつしか母になるのでしょう。(訳者あとがきより)
文・選書:秋山朋恵(絵本ナビ編集部)
編集協力:富田直美(絵本ナビ編集部)
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