【編集長の新宿絵本日記】それも全部…あつさのせい? 2019年8月7日
「あれ、ここはどこ?」
気づくとそこは池袋の改札口。
私の職場は新宿のはず。
朝からボーっとしているうちに、人の波に流されて辿り着いてしまったらしい。
これはきっと、あれですよ。
思い出すのは、昨夜の夢。
出してもらえるはずの書類が出してもらえない。
現実とつながっている堂々巡りに、
朝目覚めても、どっと疲れと汗が吹き出してくる。
うーん、これもあれですよ。きっと。
そんなこんなで寝不足のまま会社にたどり着いた私が取り組んでいる原稿。
さっきから一字も進まない。
油断するとあたまがコクリ、隣の新人さんが見ているじゃあないか。
それもこれも全部きっと……
?あつさのせい?
とっても暑い日。
うまのはいどうさんが駅のベンチで汗をぬぐっていると、
電車がやってきて帽子を置き忘れます。
それを拾ってかぶってみたきつねのとりうちくんは、
自分に見とれたまま自分のカゴをトイレに忘れます。
カゴを拾ったブタの三吉はシャンプーを忘れ、シャンプーを見つけたうしの山口さんはキャラメルを落とし、キャラメルに目のないやぎのよし子さんはハンカチをうっかり落とし……。
ぐるぐる回る、落としものと拾いもの。ぐるぐる回る、うっかりとラッキー。なんだか上手くいってるような、いっていないような。可哀想……と思いきや、楽しそう!? いったいこの「もの」と「気持ち」の連鎖の行く末はどこへ?
スズキコージせんせいの描くメラメラギラギラ燃える迫力の太陽の下、繰り広げられる動物たちによるうっかり劇場。それがなんとも愉快なのは、どれもこれもとっても良くできたタイミングであることと、登場するみんなの強烈なキャラクターのせい? そして最高に素敵なオチに向かいます。
この際、細かいことは言わないで。
とにかく大笑いして喜んじゃえばいいのです。
だって今日は……こんなに「暑い日」なんですから。
(それでも気になる人は裏表紙の絵を見てね!)
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「ちょっと静かにしてください。
今大事なところなんですから!」
思わず目の前の席に座っているエライ人に強く注意をしてしまう。
だって、夕方になってきてやっと集中力を取り戻し、
あと少しで原稿も完成、これで締め切りにまにあうぞ!と思ったら。
目の前で違う仕事の話を大声で始めるからさ。
いや、ごめんなさい。
灼熱の太陽の下、過酷な外回り営業から帰ってきたばかりなのに。
完全にとばっちりですよね。おかげで完成しましたが。
すみません、それもこれも全部。
……あつさのせいです。
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磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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