vol.11 夏はハンバーグ。
子どもの頃、大好きだった夏。
どんなに日差しがあっても、溶けるような気温だったとしても、大歓迎。
どんと、こい!
…だったのに。
今では、日差しが怖くて仕方がない。
外と部屋の中の寒暖差に耐えられない。
気を抜くと、貧血気味になってしまう。
悲しいです。
でも、かわりに大好きになったものがあるのです。
それが「ハンバーグ」。
自覚をしたのは、つい昨日。
ついつい油断をしたために、仕事中にくらくら〜っときたので、なんとか友人に付き添ってもらい飲み物を買いに。若いスタッフに心配されながら、私がうなされるように口にしていたのが…
「ハンバーグを食べるから大丈夫。ハンバーグを食べるから。」
力が足りないと感じた時、私は無意識にハンバーグを求めているらしい。
その日のランチはもちろん、ハンバーグ。
鉄板で運ばれてくる、ジュージューと音のしているハンバーグ。
あっという間にテンションがあがり、午後には豪語しているのです。
「ハンバーグを食べたからもう元気。」
そんなに好きだったのか。まさかの発見です。
この際、断言してしまいます。
夏はハンバーグ。ハンバーグがあるから大丈夫!
今、私のテンションを最もあげてくれる絵本があげるとすれば、間違いなくこの絵本でしょう。
ハンバーグハンバーグ
生き生きとした子ども達の日常を描いた作品が人気の絵本作家武田美穂さん。
今度の作品の主人公はなんと「ハンバーグ」。
子ども達もお母さんやお父さんも出て来ません。
ハンバーグが出来上がっていく様子を追っていくだけ。
「こまかくこまかく トントントン」「ちぎってちぎって」「わしわし わしわし」「ジュージュー」
…これが、なんとも美味しそう!フライパンで焦げ目をつける場面なんて、音や温度や匂いまで伝わってくるみたい。
美味しそうな絵本は数あれど、これはかなりのハイレベル!?
口を半分開いたまま、絵本の中のハンバーグを食い入る様に見ている子ども達の姿がすぐに思い浮かんできます。
料理の過程がこんなにも盛り上がるものだったなんて…声に出して読んでみるともっと感じるはず。
大人だってたまりません。
「今日はやっぱりハンバーグにしようか。」「やったー!」
さすが武田美穂さん、あっという間に子ども達の心をがっちり掴んでしまうのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
この絵本は、ハンバーグの魅力と美味しさを本当によく伝えてくれている!
ハンバーグが焼けていく、その音と行程だけで興奮できるようになったら。
あなたも立派なハンバーグ好き。きっと夏も乗り切れることでしょう。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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