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親子で楽しむハーブのある健やかな暮らし by Yomeishu

今年は風邪ひかないぞ! 小児科医が教えるハーブを活用した風邪予防術

風邪の季節。予防するにはふだんどのようなことに気をつければいいでしょうか。また、薬だけに頼らない風邪撃退法はあるでしょうか? 子どもも安心、安全な風邪予防術を、小児科医の橋口玲子先生に教えていただきました。

教えてくれたのは、橋口玲子先生

神奈川県にある緑蔭診療所で現代医学と漢方を併用した診療を行っている。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。高血圧、脂質異常症、糖尿病、アレルギー性疾患、およびメンタル不調などの診療のほか、ハーブ療法やアロマセラピーを用いたセルフケアの講演、執筆活動も行っている。『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『専門医が教える体にやさしいハーブ生活』(幻冬舎)などの著書、監修書がある。

Q.そもそも風邪とは? 風邪に効く薬はありますか?

玲子先生:
「短期間のうちに、自分の免疫力で自然に回復できるウイルス感染症のことを『風邪』と言います。風邪のウイルスそのものを退治する薬はありません。かぜ薬は症状を緩和する薬です。」

Q.風邪をひいたときにハーブを活用できますか?

『万能ハーブ』ジャーマン・カモミールは風邪に有効な成分が豊富

玲子先生:
「ドイツでは、風邪をひくと家庭医や薬局からジャーマン・カモミールが処方されます。ジャーマン・カモミールにはウイルスを抑制する、体を温める、発汗させて熱の上昇を防ぐ、のどの痛みを和らげる、筋肉を緩める(風邪のひきはじめに気管支が刺激されて起きる痙攣性のコンコン咳を緩和)、胃粘膜の保護、気持ちをリラックスさせるなど風邪に有効な成分がたくさん含まれていて、しかも、飲みやすい。カモミールティーを1日4〜5杯、予防のためなら1日1杯飲んでみてください。湯気のなかにも成分が揮発しているので、あたたかいうちにいただきましょう。安全性が高いので、お子さんも妊婦さんも大丈夫ですよ」

Q.家族が風邪をひいた! 家庭内でのうつし合いを防ぐには?

抗菌作用がある精油で空気中のウイルスを抑制

玲子先生:
「ウイルスはくしゃみや咳によって2、3メートル飛び、空気中に漂います。お部屋のなかにも浮遊ウイルスがたくさん。そんなときは、ウイルスを抑制し抗菌作用があるティートリーやユーカリの精油を使った芳香浴がおすすめです。朝晩、加湿器やディフューザーに1~2滴。また30分に1回、短時間でいいので窓を開けて換気をしてください。」

ディフューザーがなくても手軽に芳香浴する方法

玲子先生:

水をはったお皿に精油を1〜2滴垂らすだけでも効果があります。お子さんや高齢の方が間違って飲まないような器を使いましょう。部屋の大きさや換気の状態にもよりますが、精油は数滴でも芳香成分はかなり拡散します。嗅覚は慣れが生じやすく、つい香らせすぎてしまいがち。自分で気づかないくらいでも充分に効果を発揮しますよ。」

免疫力を高めてうつし合いを防ぐ

玲子先生:

「風邪がうつらないように『気合いを入れる』という人がいますが、緊張状態が続くと体にストレスがかかり免疫力を下げてしまうことも。免疫力を高めるためには安静と睡眠が大切ジャーマン・カモミールティーで気持ちを落ち着かせぐっすり寝ましょう。

 

アロマバスもおすすめです。ひとつかみの塩にリラックス効果が高く、抗炎症作用もあるラベンダーの精油を2、3滴垂らしてお湯に混ぜます。蒸気に成分が含まれているので吸入療法にもなります」

Q.予防のためにうがい薬は必要ですか?

ハーブを使ったうがいでやさしい抗菌を。

玲子先生:
「市販のうがい薬は日常的に使っていると口腔内の善玉菌も殺菌してしまいます。ジャーマン・カモミールティーの出がらしでうがいをしたり、ティートリーの精油をうがいに使うのもいいですよ。精油は水に溶けないので、はちみつか角砂糖に垂らして水かぬるま湯で溶くといいでしょう。」

風邪の予防、のどの痛みに効果的なうがい方法

■材料

・ティートリー精油  1滴

・はちみつ 少々

 

■方法

はちみつに精油を落とし、よく混ぜる。約200mlの水に入れてよく混ぜ、うがいをする。

 

■ポイント

はちみつを使用すると、精油が溶けやすくなります。ただしうがいにティートリー以外の精油は使用せず、飲み込まないように注意しましょう。

 

※出典元:『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)

Q.風邪をひきそうなときやひき始めにおすすめの食べ物はありますか?

玲子先生:
「ヨーロッパ人は風邪のひきはじめにタイム、セージ、ローズマリー、クローブなどのハーブを入れたチキンスープを食べて体をあたためます。ニンニク、ショウガも強い抗炎症作用があります。お好みの具材でそれらを使ったあたたかいスープはいかがでしょう。日常的に食べていれば風邪の予防につながります。ハーブはパウダーでも構いません。パウダーならシチューや肉料理、チャーハンなどにも気軽に活用できます」

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橋口玲子先生の書籍紹介

医師が教えるアロマ&ハーブセラピー

精油とハーブを使った、誰にでもできる、手軽で効果的なセルフケアの方法を解説する本です。アロマセラピーやハーブを取り入れた診療を実際に行っている、緑蔭診療所の橋口玲子医師による監修。精油とハーブが症状改善に役立った実際の症例も豊富に紹介しながら、症状別にわかりやすく説明します。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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