香りで子どもの学習効果アップ!ママアロマセラピストが教える香り活用術
天然由来の香りには、さまざまなチカラがあります。中には、オムツなど気になるニオイの消臭、イヤイヤ期の子どもの気分転換、学習時の効率アップ、など、ママにとって嬉しい効果もたくさん。
そんな香りのチカラとその活用法について、アロマセラピスト葛和恵奈子さんに詳しく教えていただきました。2児の母でもある葛和さんのアイデアは、忙しいママでも明日から始めたくなるほど手軽なものばかりです。
アロマセラピスト葛和恵奈子さん
英国IFAアロマセラピスト/AEAJアロマセラピスト/AEAJアロマセラピーインストラクター/メディカルハーブコーディネーター/RTAベビーマッサージセラピスト。
編集者として取材で出会ったハーブ&アロマのチカラに魅せられ、メディカルハーブ健康術&生活術を学ぶ。専門学校講師として、またイベントやセミナーでTPOに合わせたハーブ&アロマ活用方法を伝えている。2児の母。
子どもの脳を活性化する香りのチカラ
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんを匂いで見分けることができるといいます。乳幼児は、大人が想像する以上に香りに敏感。この時期は、五感などの感覚機能の基礎をつくる時期でもあり、嗅覚においても、自然で豊かな香りに親しんでいると、繊細な感覚や感性の発達につながるといわれています。
香りは脳の中の感情や直感に関わる部分(大脳辺縁系)にダイレクトに届くのが特徴。一瞬で感情をリセットしたり、脳を活性化したりすることが得意なので、勉強や作業への集中力UP、記憶力UPといった効果が期待できます。また、イヤイヤ期の子どもやママの気分転換にも効果的といえます。
宿題もはかどる?学習効果がアップする香りのチカラ
小学生を対象に、オレンジ・スイートとペパーミントの精油を30秒嗅いだ後に百マス計算を行うと、水を嗅いだ群よりも“計算ミスが約3割減少した”という研究データがあります(※)。
さらに、香りを嗅ぐと「頭がすっきり」「イライラしない」「やる気がでる」などと答えた児童が多くみられ、気分に好影響を与え、学習しやすい精神環境をもたらすことも分かりました。お子さまが宿題を始める際に、こっそり精油入りのルームスプレーをひと吹きしておくだけで、勉強がはかどるかもしれませんね。
忙しいママにおすすめ!少しの工夫で日常を「香育体験」※ に
※ 香りを通して豊かな感性や柔軟な発想力を育んだり、人と植物の関わりや自然環境の大切さを伝えたりする体験教育を「香育(こういく)」と呼びます。
散歩は香り体験の宝庫
木の香り、生い茂る葉っぱの香り、花の香り…。植物は様々な香り成分を含んでいるため、嗅覚に多くの刺激を与えます。公園や植え込みなどにも良い香りがする木々や葉もあるので、散歩中に優しく触れてみましょう。心地よいと感じる香りがあったら「いいにおいね~」と子どもと共有してみて。ママが好きな香り=「安心感」という信号が送られ、子どもにとっても心地よい香りとして記憶に刻まれます。
アロマバスソルトでお風呂の時間を楽しもう
子どもが3歳を過ぎたら、天然塩に精油を加えた「アロマバスソルト」を作ってお風呂の時間を楽しみませんか?天然塩には保温効果があるので、精油のパワーとのダブル効果で、心も体もポカポカになります。「おふろ入らない!」と駄々をこねた時は、「今日は何の香りにする?」と精油の香りを嗅ぐことで気持ちが切り替わり、楽しいバスタイムが始められるかもしれません。
〔血行促進効果が期待できる精油〕
ラベンダー、オレンジ・スイート、ローズマリー、ゼラニウムなど
〔アロマバスソルトの作り方 1回分〕
天然塩(大さじ3)に精油(2〜3滴)を入れてよく混ぜる。
※精油の選び方はこちらを参照ください。
日用品を天然の香りにする
天然香料を配合しているシャンプーや石鹸などの日用品も増えています。ラベルに「天然香料」、「精油」、「〇〇精油」などの表記があるものがおすすめです。
消臭に抗菌に!子育て家族も安心して使える香りの活用術3選
植物の香り成分をギュッと凝縮した精油には、消臭や抗菌・殺菌作用があるとされています。これを普段の家事に取り入れることで、気になるニオイ対策、感染症や花粉症の対策ができます。
※子どもは香りに敏感なので、精油の分量は少なめから始めるとよいでしょう。
〔基本の芳香浴〕
耐熱性のボウル(またはマグカップ)に熱湯と精油3~4滴を入れて置く。
※精油の選び方はこちらを参照ください。
※ずっと同じ香りの中にいると香りを感じにくくなるため、空気の換気をこまめに行いましょう。
※芳香浴を行った後の湯は、入浴剤として活用できます。
※湯が冷めてきたら熱い湯を足すことで、効果を長く保てます。
1. オムツ用ゴミ箱など、気になるニオイ対策に
重曹と精油を混ぜるだけの簡単消臭パウダーを作っておいて、オムツ用ごみ箱の袋の中にひとつかみ入れるだけで、嫌なニオイをカットしてくれます。重曹がなければ、コットンに精油を4~5滴ほど垂らし、ごみ箱に入れるだけでもOK。作り置きした消臭パウダーはガラス瓶に入れて玄関や靴箱の中、トイレなどで保管しておけば、ニオイ対策にもなります。
また、掃除機をかける前に、ティッシュに精油2~3滴を垂らして吸い込むと掃除機の排気も爽やかに。ゴミパックの殺菌にもなり、一石二鳥です。
〔消臭・殺菌・抗菌効果が期待できる精油〕
ペパーミント、ハッカ油、レモングラス、グレープフルーツなど
〔消臭パウダーの作り方〕
重曹(100g)に精油(15~20滴)を入れてよく混ぜる。保管用ガラス瓶に入れて保管する。
●ハッカ油のすすめ
日常使いでおすすめなのは、薬局で買えるミントの仲間「ハッカ油」。抗菌、殺菌、消臭の働きが期待できるので我が家のハウスキーピングに欠かせません。20mlで500~600円前後とコスパも優秀!
2. 履けなくなった子どもの靴下で作る「サシェ」
小さくなった子どもの靴下を再利用!タンスやクローゼットに入れておくと、衣服がほんのり香ります。防虫作用がある精油を使い、衣替え時に衣装ケースに入れておくと◎
〔防虫効果が期待できる精油〕
ラベンダー、ゼラニウムなど
〔サシェの作り方〕
履けなくなった靴下に精油を含ませたコットンを入れてリボンで結ぶ。
※香りが穏やかになったら、コットンに精油を足してください。
3. 家族みんなの花粉症対策に!「ユーカリ」の芳香浴&マスクスプレー
ユーカリには、鼻づまりや喉のイガイガなど花粉症の症状を緩和する作用があります。芳香浴やアロマスプレーを取り入れて、スッキリ!
〔マスクスプレーの作り方〕
煮沸消毒またはアルコール消毒をしたガラス容器にユーカリ精油(3~4滴)、無水エタノール(5ml)、精製水(20ml)を入れてよく混ぜ、スプレー容器に移す。マスクの外側にシュッとひと吹きする。
※鼻に近いので、わずかに香る程度にしておきましょう。
※直射日光や高温多湿での保管を避け、2週間以内に使い切ってください。
香りは心地よいと感じることが1番大切。そのためには、まずはママが好きな香りを選び、無理なく取り入れられる方法をチョイスしてみてください。香りは記憶とも関わりが深いので、一緒に香りを楽しむ場面は、親子の思い出として深く刻まれるはずです。そう思うと、一層ワクワクしますね。
精油の選び方
パッケージや瓶の表示をチェックし、100%天然のものを使用します。目安として「100% pure nature」や「AEAJ(日本アロマ環境協会)表示基準適合認定精油」と書いてあるものをセレクトするとよいでしょう。
精油はそれぞれ植物から採れる量が異なります。採油量の多い柑橘類やハーブ系は入手しやすいですが、量が採れないバラやジャスミンなどの花精油は高価です。そのため、雑貨店などで、バラもラベンダーもレモンも全て均一価格で売られているものは、合成オイルの可能性が高いので注意が必要です。
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