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季節のおすすめ読み物

春に読むならどんな本? 小学1年生、2年生におすすめのお話10選

春は卒園式や入学式、始業式、クラス替えなど大きな行事を前にそわそわしたり、だんだん暖かくなってくる気候にワクワクしたり、新しい学年への期待もあったり。1年のうちで子どもたちにとっても気持ちが1番揺れ動く季節かもしれませんね。そんな落ち着かない気分の時には、好きな本を読んでもらったり、春らしい軽やかなお話に集中してみるのはいかが?

小学校低学年の子どもたちに、春におすすめしたいお話を3つのテーマに分けてご紹介します。

 

※新一年生についてはひとりで読むにはまだ難しい本が多いので、ぜひ大人の方が読んであげて下さいね。

春に読むならどんな本?

優しい気持ちになれる、ともだちのおはなし

春は、さよならの季節でもあるけれど、新しい出会いもいっぱいの季節。

新しいともだちとの素敵な出会いがたくさんありますように。

はじめてのあいさつ、できるかな?

やまねこのこんにちは

はじめて出会う人に自分のことをよく見せたい。そんな風に思ったことはありませんか?

「なんといっても さいしょが かんじん。」
森の奥の小さな家に引っ越してきたやまねこは、ご近所さんにかける最初のあいさつを考えながら野原へ続く道を歩いていきます。すると近くに住む動物たちが、あきちに集まっていました。「よし、こんにちはって いうぞ」と思ったその時、みんなが自分のうわさ話をしていることに気づきます。

「ひっこしてきたのが おしゃれな こ だったら いいな。」それを聞いたやまねこはあわてて家に帰り、特別立派な上着に着替えます。そしていざ挨拶をしに出て行こうとすると今度は、「おしゃれも いいけど、ものしりな こだと いいなあ。」という声が。外見はなんとかなっても急にものしりになるのは大変ですよね。やまねこはどうしたのでしょう。その後も次々と動物たちが話す自分への期待に応えようと頑張り、なかなか挨拶できないやまねこ。そのうちちょっとした事件が起きて……。

やまねこは無事にみんなと仲良くなれたのでしょうか。お友達になるまでは、お互いにどんな子なんだろう?なんて気になってドキドキの連続。けれども、いざ話してしまえば緊張していたことなんて吹っ飛んでしまうぐらいにすぐに打ち解けてしまうのは、子どもたちの友達づくりによくある優しい風景のように感じます。

2018年の課題図書にも選ばれた『きみ、なにがすき?』の世界とつづいているこちらのお話。前回と同じ動物たちが登場するのを発見したり、また今回のお話の絵をよく見ていくと、前回のお話に通じている場面もあったり、合わせて読むと楽しみがいっぱい。小学1、2年生からおすすめしたい、誰かと出会う時のドキドキの気持ちをそっと応援してくれるような優しい絵童話です。
(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

読者の声より

引っ越してきたやまねこが
森のご近所さんにとけこむためにあいさつに出かけて・・。

初対面。
少しでもよく思われたい。
そんな気持ちは誰にでもあります。
でもそれは、迎合することじゃない。
試行錯誤の中
結局、素の自分で勝負することに決めたやまねこは
良い決断をしたと思います。

無理をしたお付き合いって続かないもんねと
思わずにっこりしました(#^.^#)
(やこちんさん 50代・ママ 女の子16歳)

ともだちの良さに気づける優しいお話

くまくんとうさぎくん くもようび

ある「もくようび」のこと。うさぎくんが家でおやつを食べようとしていると、ドアのところですごい音がしました。ドアの外にいたのは、なんと、どろだらけのもじゃもじゃのかたまり。ホースの水で洗ってあげると、出てきたのは仲良しのくまくんでした。森の中でどろんこの穴に落っこちてしまったというくまくんは、うさぎくんに「きょうはなんようびだっけ?」とたずねます。聞けば、大切な帽子を川に落っことしたり、大きなたんこぶができたりと、嫌なことが起こるのはいつも「もくようび」だというくまくん。しょんぼりしているくまくんを見てうさぎくんはいいことを思いつきます。

この「くもようび」というお話をはじめとして、熱で学校をお休みしているくまくんに、うさぎくんがくまくんの好きなあるものをお見舞いに届けてあげるお話、くまくんがうさぎくんになって、うさぎくんがくまくんになるというとりかえっこをして相手の身になってみるお話、ふと出会った美しい景色やきれいなものを相手にも見せてあげたいと思いあうお話など、ともだちを思う優しさにあふれたお話が4つ入っています。

子どもたちが成長していく中で出会う、自分と違ういろいろな性格のともだち。でも違うからこそきっと面白いし、発見がたくさんあるものですよね。のんびりやのくまくんと、げんきなうさぎくんも、性格や苦手なものが違ってもとっても仲良し。一緒に遊んでいるときはもちろん、会っていないときもお互いのことを思いあっているところにぐっときます。時には勘違いからケンカしてしまうこともあるけれど、でもちゃんと話せば大丈夫!ともだちとの日常の中にあるひとコマを優しく描くさえぐさひろこさんと、おぐらひろかずさんの明るい色彩とほのぼのとしたタッチの絵が、子どもたちを温かく応援してくれているようです。

これから小学校へ入学する子どもたちと、小学校低学年の子どもたちへ。ともだちの良さにたくさん気づくことができますように。
(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

読者の声より

なんて可愛らしいお話なんだ、、、
お話は4つ入っています。
児童書ですが、簡単に読めます。
うさぎくんはどちらかというと勢いでパッと行動するタイプで
くまくんはのんびりしたタイプです。
この組み合わせが非常にいいです。
お互いをうまくカバーできているので
バランスが取れています。
挿絵は普通にたくさん入っているので、
見せながら読み聞かせできますよ。
(ジョージ大好きさん 40代・ママ 男の子11歳)

雲の上のくにや地底のくにってどうなってるの?

そらのかんちゃん、ちていのコロちゃん

雲の上のくに 地底のくに 氷のくに

かんちゃんは、雲の上のくにに住んでいます。ある日雲からおっこちて、着いた先は、火山の中の地底温泉プール。地底のくにに住むコロちゃんと友だちになりました。ふたりは、雲の上のくに、地底のくに、氷のくにで、たっぷり食べ、遊びます。それは、幼い子どもたちの暮らしそのものです。「スノークリームにじシチュー」「こうもりつうしん」など魅力的な食べ物や脇役も登場する、不思議で楽しいお話です。全3話。

読者の声より

雲の上に住んでいるかんちゃんと地底に住んでいるコロちゃん、それに氷の国のレンちゃんの、不思議な交流物語です。
くすぐったくなるような甘くてまろやかで、美味しそうな食べ物がいっぱ出でてきます。
東直子さんの新しい一面に出合ったような気がします。
おじさんはこのような作品は得意ではないので、おしゃまな女の子にプレゼントしようと思います。
(ヒラP21さん 60代・パパ )

学校に行くのが楽しみになるおはなし

きつねだって、ねこだって、おにだって、みーんな学校に行ってみたい!

学校に通うワクワクした気持ちがたっぷり詰まった楽しいお話をご紹介します。

それぞれの学校でどんなことを勉強するのか? というあたりにも注目してみて下さいね。

『ルドルフとイッパイアッテナ』の斉藤洋さんが描く、ゆかいなこぎつねのお話

こぎつねいちねんせい

「ぼくも しょうがっこうに いきたいな」
人間の子どもたちの様子を見て、小学校に行きたくなったこぎつね。呪文でいちねんせいに化けて学校へ行ってみることに。出発前にきつねのパパがお守りとして、くびかざりのようなものを首にかけてくれました。

校門で会った男の人は、いちねんせいから「せんせい」と呼ばれています。こぎつねが「せんせいってなんですか?」とたずねると、「せんせいっていうのはわからないことをおしえるひとだよ」と教えてくれました。その先生に連れられて転校生としていちねんせいの仲間入りができたこぎつね。さっそく授業がはじまります。はじめは「こくご」に「さんすう」。途中で先生に当てられたこぎつねは、うまく答えられるでしょうか? つづく「おんがく」「ずこう」では、楽器に化けたり、家族の絵できつねを書いてしまったり、「きゅうしょく」の時には「あぶらあげ」が出た嬉しさにとうとうしっぽが!?
こぎつねの初めての小学校体験は、あやうくきつねだとバレてしまいそうな危ない場面もあってハラハラドキドキ。でも先生がさりげなくフォローしてくれているような感じがするのはなぜなのでしょう。その理由が明かされる場面は読んでのお楽しみなのですが、きつねのパパからもらったお守りになにか秘密があるようですよ。

「おばけとしょかん」シリーズや、「ルドルフ」シリーズ、「白狐魔記」シリーズなど、小学生に大人気の児童文学作家、斉藤洋さんによるユーモラスながらも心に残るお話。小学校での体験のひとつひとつにドキドキするこぎつねと一緒に、小学校の一日を楽しんでみませんか。お話に夢中になっているうちに、まだ小学校のことをよく知らない子どもたちが自然に小学校を知り、親しめるのが嬉しいところ。もうすぐ小学生になるお子さんや新一年生に。字が大きくて全部ひらがなで書かれているので、ひとりで読める子もいるかもしれませんが、はじめはぜひ親御さんの声で読んであげてくださいね。
(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

読者の声より

タイトルどおり
1年生くらいの子に丁度いいような文字量の児童書です。
人間の通う小学校に通いたくなった子狐は
父さん狐の準備も待たずに、
人間の子に姿を変え、小学校に行きます。
先生の配慮で無事クラスに入れた子狐。
この先生が実は、ものすごく懐の深い先生で
その暖かさは、ラストに明かされます。
父さん狐の過去とともに・・。
学校の生活が描かれているので
入学前に読んでみるのがいいかもしれません。
(やこちんさん 40代・ママ 女の子8歳)

早く大きくなりたい、お兄ちゃんたちに追いつきたい

ちびおにビッキ

ビッキは、とうがらしのように真っ赤っかで、くりっとした目をした、おにの子。
頭には、もじゃもじゃの毛にうまるように、小さい角が一本はえています。
ビッキは家族と一緒に、おにの村に住んでいます。
お兄ちゃんとお姉ちゃんは、おにの学校に通っていますが、ビッキはまだ通えません。
なぜなら、大おに校長の金ぼうより背が大きくならないと入学できない決まりだから。
くやしいビッキは、いつか学校に入学し、授業についていけるようになるため、毎日ひとりで特訓を重ねますが……。

そんなビッキがある日、ひょんなことから、とんびにさらわれてしまいます!
空の高いところから「ギャーッ!」と落ちてしまうビッキはどうなるの!?

本書は「こぐまのどんどんぶんこ」シリーズの一冊。
本を読むのがちょっと苦手な子も、どんどんたのしく読めるようにと工夫された幼年童話シリーズです。
小学校低学年の子どもたちの1人読みにはぴったり。絵本の次に何を読もうかと迷っているお子さんがいたら、ぜひ手渡してあげたいシリーズです。

早く大きくなりたい、お兄ちゃんたちに追いつきたい!というビッキの気持ち……よくわかりますよね。
ひとりでがんばっているときにとんびにさらわれてしまう、ドキドキの展開に思わずひきこまれます。

それにしてもビッキがあこがれるだけあって、かみなり音頭やすもうの授業がある、おにの学校はおもしろそうですよ。
おにの村は、夕方、日のしずむ方向から目だけを右に動かしていって……ぎりぎりはじっこに、空がひときわ群青色になっている場所を探すとあるのだそうです。
おにの子ビッキに会いたくなったら、この本をよーく読んで、探してみてくださいね。
(大和田佳世  絵本ナビライター)

読者の声より

おにの学校に行くには校長先生の金棒以上の身長にならないといけないらしいです。
おにいちゃんおねえちゃんのように学校に行きたいちびおにビッキ。おにいちゃんおねえちゃんがいる子は特に共感できるかも?兄姉がいなくても大きい子にあこがれるとか学校に行きたいという気持ちはわかるかなー。
大きくなるために…と言ってもまさかトンビにさらわれてしまうのはビッキも想定外ですよね。

(みちんさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子4歳、女の子0歳)

がんばれ、やぎこ先生! こんな先生いたらいいな。

やぎこ先生 いちねんせい

今日はやぎやま小学校の入学式。
色とりどりのランドセルを背負っているのは、この春一年生になったばかりの八ぴきの小やぎたち。
そして一年生はもうひとり。校長先生のとなりで白いワンピースを着てかちんこちんになっているやぎこ先生です。
「は、はじめまして。たんにんのやぎこです。このはる、先生になりました」
このやぎこ先生、いったいどんな先生なのかちょっと教室の様子をのぞいてみましょう。

「はる」
毎日学校に着ていくワンピースの色で悩むやぎこ先生。授業もなんだかうわの空です。そんなやぎこ先生に、小やぎたちが考えたワンピースを着る順番は?

「なつ」
きゅうしょくの時間、にんじんがきらいなやぎこ先生は、好き嫌いがばれないようににんじんが大好きだとうそをついてしまいます。すると小やぎたちがにんじんをどんどんやぎこ先生に持ってきて山盛りに‥‥‥。困ったやぎこ先生のなみだにひとり気づいたベエきちくんがとった行動とは?

「あき」
うんどうかいの日、真っ白な校庭とたくさんの白いやぎと真っ白な体操着という白づくしの光景に、ねむたくて仕方なくなってしまったやぎこ先生は、ほしくさの中へ。そのうち「ほしくさ玉ころがし」が始まって、なんとやぎこ先生も一緒に転がされてしまって……。

「ふゆ」
かん字のテストをすることになったこくごの時間。細長くとんがった「山」は「トンガリ山」、川の下に3本のニョロニョロを書いて「ニョロニョロ川」。ほそながい「月」で「みか月」……。小やぎたちがどんどんユニークな漢字を生み出していきます。では学校の「校」はどんな漢字になった?

入学したばかりの元気いっぱいの小やぎたちと、楽しい事件を巻き起こすやぎこ先生のハラハラドキドキの一年間。季節を追いながら、全部で7つのお話が収録されています。子どものように純粋で無邪気なやぎこ先生の周りで小やぎたちはとっても楽しそう! そしてやぎこ先生の背中をみながら、たくましく成長していきます。

お話を描かれたのは、『おばけの長七郎』や『こだぬきコロッケ』など可愛らしくてユーモラスな作品が人気のななもりさちこさん。本作品にもななもりさんのユーモアと優しいまなざしが溢れています。大島妙子さんの描くやぎこ先生と小やぎたちには笑顔がいっぱい。自然豊かな校庭やのどかな教室のイラストも明るくほっこりとしていて、お話をいっそう楽しく彩っています。

こんな学校あったらいいな、こんな先生に会えたらいいな。とホッと気持ちをゆるませてくれるような学校のお話。入学前の子どもたちや、緊張している新一年生に読んであげて下さいね。
(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

読者の声より

やぎやま小学校にやってきた、新人のやぎこ先生は、着る服に迷って遅刻したり、夏休みの宿題を出し忘れたり。(笑) 校長先生に怒られてばかりのやぎこ先生が、とってもチャーミング。給食に出てきたやぎこ先生の苦手なものをクラスの子どもが代わりに食べてくれたり・・。生徒のこやぎたちと共に、成長していく様子がユーモアたっぷりに描かれています。入学を控えたお子さまにとっては、きっと小学校って楽しそう!と思える1冊です。
(ぼんぬさん 40代・ママ 女の子4歳)

茶畑小学校ではどんなおべんきょうをするのでしょう?

こねこのレイコは一年生

“レイコも学校にいって、かしこくなりたいよー”

小学校に通うことになった、元気いっぱいな赤さび色のこねこのレイコ。

わんぱくな黒ねこのパコ・しっかりもののミュウ・あまえんぼうのぶちねこリク・たれ目のしまねこヨーイチ……ゆかいな友だちや、トラキチ先生にかこまれて、にぎやかな毎日がはじまります。

読者の声より

霊園で、電気屋さんに拾われたこねこのレイコ。
電気屋のご主人は、レイコに賢いネコになってもらうため、ねこの小学校に通わせることにします。
猫がきちんと学校に通い、交通ルールや世の中のことをきちんと学ぶというところが面白いです。
ほのぼのしていて、クスッと笑えて、温かな気分に。
1年生に、ゆっくり読んであげたいお話でした。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子13歳、男の子10歳)

明るくゆかいなお話

明るく軽やかな春らしいお話をピックアップしました。

ユーモアいっぱいの心温まるお話です。

サンタクロースだって、春の楽しさを味わいたい!

サンタクロースのはるやすみ

サンタクロースは正体を隠して、春の町に遊びに行きました。
ところが、子ども達から「この おじいさん、サンタさんから おひげと 赤い鼻もとっちゃった」と疑われて、なんと警察に捕まってしまいます!
サンタクロースは、どうやって、本物のサンタクロースだと証明したのでしょうか?
読んだらあたたかくて幸せな気持ちになります。

読者の声より

おしのびで街歩きをしたいサンタさん。
変装してワクワクしている姿が可愛いです。
でも、泥棒と間違われてサンタだ!と自分の正体をあかしてしまいますが、素敵なことが、、、。お互いに感謝し、思いやる気持ちの大切さを実感できました。

(えみりん12さん 40代・ママ  女の子10歳)

でたらめな動物の名前を言ったら、その動物がつぎつぎに出てきてびっくり!

へんてこもりのはなし1 へんてこもりにいこうよ

ヘンテ・コスタさんがつくったへんてこもりは、本当にへんてこ。仲良し四人組が動物しりとりをしていると?。

読者の声より

へんてこもりにいこうよ、これは6歳の息子に読んで大うけだった本です。
子どもたちがしりとりをしていくのですが、途中で思いつかなくなり思いついた適当な言葉を言ってしまいます。
ところが、その言葉にぴったりの生き物がどこからともなくあらわれて、とってもおもしろいのです。
まるぼ、ぼさこう、うるりんぞ、なーんて言葉だけでも笑えるじゃないですか!
それにぴったりの生き物がまた個性豊かで子どもはこの本にすっかりはまってしまいました!
この不思議ワールドに子どもはきっと夢中になるでしょう。

(ラブケイさん 30代・ママ 男の子6歳 男の子3歳)

もしランドセルがしゃべったら……!?

ランドセルのはるやすみ

今日は、学校で春の遠足に行く日。
「つれてって、つれてって。えんそく いっしょに、つれていって」
朝からだだをこねているのは、おとうちゃん!
さらに、「ねえ、けんいちくん。えんそく、わたしも つれていって」
声がする方を見回すと、しゃべっていたのは、いつも使っているランドセル!
なんと手と足が生えていて、目と鼻と口。ぶっといまゆげまでできていたのです。
驚くけんいちとおかあちゃん、おとうちゃんを前に、ランドセルは礼儀正しく挨拶し、遠足に一緒に行きたい、はるやすみが欲しいのだと言います。

おかあちゃん、そして担任の先生を説得して、なんとか遠足に行けることになったランドセル。遠足の向かう先は、「りゅうせん山」。物知りなランドセルはあっという間にみんなの人気者に。お昼ごはんになるとみんなが一緒に食べようと集まってきます。しかしそこにいじめっこもやってきて、大変なさわぎに。

こちらは、小学低・中学年の子どもたちに人気の「わがままおやすみ」シリーズの第3弾。村上しいこさんのユーモラスなストーリーと関西弁のせりふに、長谷川義史さんの豪快で楽しいイラスト。予想を超えた驚きの展開に、笑ってしまったり、びっくりしたり。今回も、おなじみのいじめっこが登場するあたりから事件が巻き起こりますが、そのせいで、けんいちとランドセルの絆も深まったようで、ほっこり優しい気持ちになる場面も。それにしてもランドセルが遠足に行きたいと言い出すのにも驚きですが、チョコにポテトに双眼鏡まで準備して自分も遠足に行こうとしていたおとうちゃんには笑ってしまいますね。

ランドセルとのお付き合いが始まって間もない小学1、2年生にそっと手渡したいお話です。
(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

読者の声より

もうすぐランドセルを背負って小学校に行く娘に借りてきたのですが、主人公のけんいちは二年生でした。
けんいちが遠足に行く日。ランドセルも一緒に行くと言い出します。
このシリーズはどれもこんな風に突然物がしゃべりだしわがままを言います。
でもそれはわがままのようで唯一の願いなのです。
願いが叶うともう後は現われません。
でもけんいちは次に現われたら「今度は家族4人で海に行こう」と約束するんですよ。
ランドセルを大切に思う気持ちがいいです。
一年生になる娘も6年間、家族みたいにランドセルを大切に使ってくれると嬉しいです。
(事務員さん 30代・ママ 女の子6歳、女の子4歳)

いかがでしたか。

お子さんと一緒にぜひ春のお話を楽しんでみて下さいね。

 

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。編著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。
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