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『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』など、子どもも大人も虜にする酒井駒子さんの世界

美しく繊細で静寂を思わせる世界観と、読む人の心をゆさぶる物語。

酒井駒子さんが紡ぎ出す絵本は、国内だけでなく、フランス、オランダ、アメリカ、スロバキアの各国で絵本賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ています。

子どもから大人まで、多くの人を虜にする酒井駒子さんの唯一無二の世界。

その素晴らしい作品たちを、余すことなくご紹介します。

酒井駒子さんプロフィール

酒井 駒子(Komako Sakai)

1966 年生まれ、絵本作家。絵本に『よるくま』『はんなちゃんがめをさましたら』(いずれも偕成社)『ロンパーちゃんとふうせん』(白泉社)など、画文集に『森のノート』(筑摩書房)。 『きつねのかみさま』(ポプラ社)で日本絵本賞、『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)でブラティ ス ラ ヴ ァ 世 界 絵 本 原 画 展 金 牌 賞 、『 ぼ く お か あ さ ん の こ と ... 』( 文 溪 堂 ) で ピ チ ュ ー 賞 ( フ ランス)・銀の石筆賞(オランダ)、『くまとやまねこ』(河出書房新社)で講談社出版文化賞 絵本賞を受賞。『ゆきが やんだら』(学研プラス)はニューヨーク・タイムズの「2009年の子供の絵本最良の10冊」にも選ばれた。

 

母と子の絆を描く、酒井駒子さんの代表作

酒井駒子さんの絵本というと、まず『よるくま』を思い浮かべるという方も多いのではないでしょうか。

まずは、『よるくま』をはじめとした、母と子の絆を描くとっておきの物語をご紹介します。

お仕事をがんばるママ、パパと子どもたちに読んでほしい名作

よるくま

「ママ あのね……
 きのうのよるね、うんとよなかに かわいいこが きたんだよ。」

おやすみ前のベッドの中で男の子はママに話します。
その子はくまのこ、名前は「よるくま」です。
よるくまは、夜みたいにまっくろくて、胸のおつきさまがひかってる。
どうやらお母さんを探しにきたみたい。
目が覚めたらいなかったんだって。

ここから男の子とよるくまの夜の冒険が始まります。
こんな可愛い子をおいて、どこにいったんだろうね。
ふたりでよく行くお店や公園をまわってみますが、お母さんは見つけられません。

「もしかして もう とっくに おうちにかえったのかもね。」

ところが、おうちに帰ってみてもお母さんはいません。
とうとうよるくまの目から夜みたいにまっくらまっくろの涙がこぼれてきて…。

小さな男の子が、大好きなお母さんを探すよるくまのために奮闘する、素敵な夜のファンタジー絵本です。物語の後半で登場するよるくまのお母さんの大きなこと。子どもたちがみんな抱きつきたくなるような憧れのお母さんです。男の子も、きっとそんなよるくまのお母さんの優しさに触れながら、自分のお母さんのことを思うのでしょうね。ふかふかして気持ちよくていい匂い…。それは、この絵本を読んでいるたくさんの子どもたちと同じ気持ち。

さあ、そのままゆっくり幸せな眠りについてね。
「おやすみなさい」。

■読者の声

息子のやさしさに触れられる絵本
2歳の息子が大好きな絵本です。
男の子がおかあさんがいなくなったと泣いているよるくまちゃんに、黄色い車を手渡しているページになると、息子も黄色い車を持ってきて、私に手渡してくれます。
寝る前にも必ずこの本は布団に持ってきて、黄色い車が手元にないと、いつも息子が寝るときに握り締めているタオルを手渡してくれます。
そして、男の子がよるくまちゃんのおかあさんがテーブルの下に隠れていないか探すページでは、一緒になって探し、おかあさんがみつかると、とてもうれしそうな顔をするんです。
こんな息子の姿を見ると、何度も何度も読んであげたくなる心温まる絵本です。そして、母となり絵本を読み聞かせてあげられることに喜びを感じさせてくれる、私にとっても、とても大切な絵本となりました。
(ほだぴょママさん 40代 ママ 大阪府 男の子2歳)

母と子の絆を描く、クリスマスの優しい物語

よるくま クリスマスのまえのよる

あしたは楽しいクリスマス。
でも、ぼくは心配でねむれない。
だって、サンタさんは「いいこ」にしか来ないんだもん。
ぼくは……

ちょっぴり不安な夜を過ごすぼくのところにやってきたのは、「よるくま」。
夜みたいに黒くて、胸にはお月さまがひかっている、ぼくの可愛いともだち。
だけど、よるくまはサンタさんを知らないって言うのです。

「おかしいな、クマの子にはサンタさん、こないのかな」

そこで、ぼくはよるくまにサンタさんのかわりになることを思いつきます。
クリスマスツリーの飾りの中から、彼が選んだのは、おうちと、ちいさなイエスさま。
それからひこうきも。よるくまに手渡したその瞬間、あたりが真っ暗になり。

よるくまとぼくが一緒に過ごす、ふしぎで素敵な夜の時間。
そこにはあるのは優しさと、甘さと、あたたかさと……
あ、ぼくがもどりたい場所は!

酒井駒子さんが描く、愛らしく繊細なぼくとよるくまの交流。クリスマスの飾りや夜の風景の美しさ。それらも相まって、読み終われば、とっても幸せな気持ちになって、安心して眠りにつけるのです。クリスマスの夜、親子で一緒に読んでくださいね。

■読者の声

クリスマスも過ぎたのに
私自身が酒井駒子さんのファンです。「よるくま」もそうですが、読んでいるうちに泣いてしまいます。子供の、あまりにももろい感情、人やものを純粋に信じる気持ちを、酒井さんはどうしてこんなに絵や文章にできるのだろうと思ってしまいます。

後半の独特の空間の広がりは、大人側から考えると、ちょっと子供には難しいと感じるかもしれません。でも、それは大人側の勝手な解釈に過ぎないと思います。子供はそれぞれ、その子なりの解釈をするようです。私は、おかあさんが子供に「ベッドにもどっておいで」というシーンが好きなので、しばらくだまってそのページを開いていると、うちの子は決まって「見て、天使だよ」とささやきます。

冒頭の「悪い子にはサンタさんこないのかな?」というところ、うちの子は必ず「来るよ!」と言います。私がこの本を大好きなのを知っているので、クリスマスもとうに過ぎたのに、お母さんが大好きだからと、夜寝る前の絵本の1冊に持ってきてくれます。

読み終えるたび、ひしひしと子供への愛情をかみしめる1冊です。
(ビッケビッケさん 40代 ママ 宮城県 男の子3歳)

ママを想う男の子の気持ちを描いた、親子で共感できる絵本

ぼく おかあさんのこと…

子どもの気持ち、ママに届くかな。

ぼく、おかあさんのこと・・・キライ!
ねぼすけで日曜日の朝はいつまでもいつまでも寝てるし、ドラマばかりみてマンガみせてくれないし、すぐ怒るし・・・。何より、ぼくとは結婚できないっていうし!

男の子とママの関係って、ちょっと特別なんですよね。(女の子とパパも!)
そう、結婚したいくらいママが大好きなんです。そんな愛情の裏返し、うさぎのぼくとママとのやりとりに、気付かされることも多いのではないでしょうか。大人の都合で「しかたがない」と思っていることでも、子どもから見ると納得がいかないことがたくさんあります。
酒井駒子さんの描くうさぎは愛おしさがにじみでる美しさ。
ママが自分のためにも手元に置いておきたい、そんな絵本です。

 

フランスのPITCHOU賞およびオランダの銀の石筆賞を受賞。

■読者の声

親子で共感出来る、とってもいい絵本
子供の気持ちが痛いほど伝わってくる絵本。

子供の目線からお母さんを見ると、お母さんの自分勝手な態度で時にはすねちゃう事もある。
でも、おかあさんが好きでたまらないんだよ。

お母さんの目線から見ると、日頃の些細な事がちくっと心に響いちゃう。
子供の気持ちも感じて、答えなくちゃ!

なんていうのが感じられる絵本です。

「ぼく、おかあさんのこと…」
はじめのフレーズなのですが、この後、どんな台詞がやってくると思いますか???
はじめのページから、引き込まれる展開になっています。

我が家の息子も私に重ねて見ていたようです。。。
同じ気持ちのウサギさんがいるんだぁ、と共感していました。
   「ママもすぐはやくはやくっ! っていうし!」 だそうです。。。
そんな息子を見てそらもちょっと反省。

親子で共感出来る、とってもいい絵本です。
(おそらいろさん 30代 ママ 埼玉県 男の子4歳)

大人にこそ読んでほしい絵本

繊細に描かれた静寂を思わせる酒井駒子さんの作品は、大人の方にも人気です。

深い心の世界に入り込んでいける、大人にこそぜひ読んでほしい酒井駒子さんの絵本をご紹介します。

大人の心の奥底にある感情を揺さぶる3つの小さな物語

金曜日の砂糖ちゃん

今、注目の絵本作家、酒井駒子が新境地を開く意欲作。「金曜日の砂糖ちゃん」「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」3篇を収録。

ブラチスラバ世界絵本原画展で金牌を受賞。

■読者の声

神秘・不安・官能・悲しみ・孤独
表紙のかわいらしさに騙されてはいけません。
神秘・不安・官能・悲しみ・孤独・・・「黒」が印象的な絵が、心の奥底にある感情を揺さぶります。
柔らかいタッチの絵なのになんとなく怖い。
3篇の短いお話も、優しい言葉で綴られているけれど
抽象的でやはりちょっと怖い。

子どもを膝に乗せて読み聞かせるのではなく、
夜、子どもが寝た後自分一人で読みたい。
昔女の子だった大人の女性へ、ぜひ。

私はアンドリュー・ワイエスのヘルガ像が好きですが
酒井駒子さんの絵に、ふと通じるものを感じました。
(絵本っていいなぁさん 30代 ママ 埼玉県)

子どもの頃のピュアな心を思い出させてくれる8篇を収録

BとIとRとD

BとIとRとD

作・絵:酒井 駒子
出版社: 白泉社

ちいさな女の子の、澄んだまなざしの先にあるものは・・・。
その女の子のこころの中に生まれるものは・・・。
8編のショートストーリーで綴る、夢と現実のあわいの“不安”と“温もり”。
酒井駒子の贈る、珠玉の傑作絵本。
月刊MOEの大人気連載の待望の絵本化です。

■読者の声

酒井さんワールド満喫できます
絵本コーナーに並んでいるこの本を見つけ、手にとってみたら、一瞬で魅せられてしまいました。
装丁も内容も大人向け・・・ですよね。

□ちゃんという不思議な名前の女の子。
この子の目線でみた、ある日常の日々が切り取られています。
全部で8編。
どれもこれも、胸がきゅんとするんです。
自分が子どもの頃に感じていたこと。
心のそこに沈んで自分でもすっかり忘れていたような気持ちを、見事にすくいとって言い当てられてしまったような感じ、、、とでもいうのか。

酒井さんの絵のタッチもほんとうに素敵なんですよね。
透明感、そして静謐感。
この絵と文章が本当に見事に一体となって、酒井さんワールドが広がります。

自分のために大事にしておきたい絵本です。
(あんれいさん 40代 ママ 静岡県 男の子6歳)

「日本のアンデルセン」と呼ばれる小川未明氏の悲しい名作を、極上の美しさで描く

赤い蝋燭と人魚

人魚の娘が絵を描いたろうそくは、不思議な力を持っていた。小川未明の代表作を、無国籍な風景の世界に置きかえて描いた絵本。

■読者の声

人の心
幻想的な酒井さんの絵は、この物語にピッタリです。
この美しい絵が、物語の悲しさを、より一層際立たせています。

人魚の娘を、本当の子(孫)のように大切にしてくれて優しかった、老夫婦の心変わりは、あまりにも悲しいです。人は弱いものだけれども・・・でも、正義や情が、お金に勝つ時もあると信じたいです。
それと、老夫婦の裏切りを知った時の、母親の人魚の怒りや悲しみは、計り知れないでしょう。

人の心の弱さ、そこに巧みに付込むのも、また人である事。
そういったことを考えさせられる作品ですね。
(JICKYさん 30代 その他の方 宮城県)

大切なものを失う悲しさを描き切った、第40回講談社出版文化賞受賞作

くまとやまねこ

ある朝、なかよしのことりが死んでしまって・・・。物語はちょっとショッキングな出来事で始まります。くまは泣きながら木箱を作り、花をしきつめ、ことりをそっといれます。

大事なものを失くしてしまう、という感覚は、誰の身にも起こりうる事だけど、その心の痛みを代わってあげるということは決してできません。例え、それが小さな心の持ち主であろうと。
くまが箱の中のことりを見せる度に、周りの動物達はとまどう。そして忘れて乗り越えるように諭します。このやりとりには、心を締め付けられるようです。
でも、ここで話は終わりません。ある日、くまは外がいいお天気なのに気がつくのです!そして、小さいけれど大切な出会いをしていくのです。心の再生に合わせるかのように、景色にも色がついていき・・・。テーマは大きくても、子ども達に向けて優しく描かれている「死」についてのお話です。

酒井駒子さんの心のこもった絵と合わさると、読み終えた後、音楽を聴き終わった様な、静かな感動を覚えます。絵本を通して、「時間と音楽」が、こんなに尊くて素晴らしいものだと気がつかせてくれます。こんな体験はなかなか出来ないと思います。湯本香樹実さんと酒井駒子さんの夢のコラボレーションです。

■読者の声

どうしたら悲しみを受け入れられるの?
大好きな酒井駒子さんの絵。
でも、この絵本はあまり読みたくありませんでした。
子どもが生まれて、決して失いたくないものができたおかげで強くなったけれど、弱くもなりました。
大切な人を失ったら、どうしたらいいのだろう。
だから、私はシリアスな絵本はあまり近づけなかったのです。

それが、東日本大震災が起きて、いろいろな戸惑いを経て、少し気持ちが変わり、読んでみました。

くまが失ったことりを箱に入れて持ち歩く描写は、その美しさゆえに余計に読んでいてつらいものでした。
学生の時読んだ、キューブラ―・ロスの死ぬ瞬間(死を迎える人は否認と孤立→怒り→取り引き→抑鬱→受容という気持ちの流れがある、といった内容)を思い出したりもして。

くまが悲しみを受け入れられたのは、なぜだったのでしょう。
なにがあっても流れていく時間、晴れた空、同じ悲しみを受け入れたやまねこの優しさ、音楽、ことりとの輝いていた思い出が消えないことに気付いたから、でしょうか。
死が悲しいのは、それだけ生が素晴らしかった証拠なのですね。

重いテーマを湯本香樹美さんが優しく丁寧な物語を紡ぎだし、
酒井駒子さんが、生と死に通じるような、光と影を感じる黒っぽい絵で描きだしています。そして、少しずつ色づく印象的な赤。
大人のための絵本の名作だと思います。
(ランタナさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)

赤ちゃんから楽しめる酒井駒子さんの世界

大人っぽい作風のイメージが強い酒井駒子さんですが、赤ちゃんや幼児が楽しめる絵本もあるんです。

酒井駒子さんが描く幼児の姿がとても愛らしく、読んでいると大人もほっこりと癒されます。

ぜひ、親子で楽しんでみてくださいね。

リアルに描かれた幼児の表情やしぐさが愛しい

ロンパーちゃんとふうせん

 幼児の風船への思いが描かれたかわいらしい作品。言葉は少なく、色彩を控えたデッサン調のイラストがノスタルジックな世界を展開していきます。風船を抱える姿、見つめる姿、思う姿、うれしそうに一緒に遊ぶ姿など……、どのロンパーちゃんも的確な描写力でとらえられ、愛しさがいっぱい。風船の黄色がスプーンの色、花の色、蝶の色、そして最後の月の色とともに強調され、鮮やかな印象を植えつけます。かわいいロンパーちゃんを見守るお母さんの視線、行為もすてきですね。

■読者の声

大切なもの
酒井駒子さんの描く子供は仕草や表情がとてもリアルで見ているだけで愛おしく感じられます。

この絵本は幼い頃誰もが経験する「大切なもの」を描いた作品です。
大人からするとただの風船でも子供にとっては大切な大切なお友達。
ずっとずっと一緒に、いつもそばにいたかったのに…

3歳の娘も風船が大好きなので、読んであげました。

物を大切に想う心が伝われば、と思います。
また、美しい絵も心の栄養になることと思います。
(ちゆなさん 20代 ママ 三重県 女の子3歳、女の子0歳)

1人きりの夜の時間を過ごすドキドキを描く

はんなちゃんがめをさましたら

ある日、はんなちゃんが目を覚まして起き上がってみたら…
まだ夜だったんですって。

隣のベッドのおねえさんも、おかあさんもおとうさんも
みんな眠っているから、はんなちゃんは…
何をしたのかな?

小さなはんなちゃんが初めて体験するひとりきりの夜の時間。
静かに密やかに、でも好奇心たっぷりに行動するはんなちゃん。
猫のチロも一緒です。

1人で階段を降りたり、部屋をのぞいてみたり、
チロと秘密のおやつを楽しんだり。
立っている姿、座っている姿、ぼーっと満月を眺めている姿。
どのページ、どの場面一つとっても
本当に子どもらしい可愛さにあふれています。
特に一番の楽しみを発見した時のとろけるような表情といったら。

たしかにはんなちゃんにとっては、思いもかけず手に入れた
特別な魔法の時間だったに違いありません。
そして、読者は最後に魔法がとけていく瞬間のはんなちゃんの
飛びっきりの寝顔を眺めるという…幸せな時間を味わうことができるのです。

小さなはんなちゃんの、ほんの一瞬、幻のようなキラキラした時間。
酒井駒子さんの描き出す世界を思いっきり堪能してください。

■読者の声

夜泣きする子に
1歳半の息子に読みました。
酒井さんのイラストが大好きなので、息子のためというより自分の目の保養のため、といった要素が大きいのですが、息子もとても気に入っています。
暗めのイラストに惹かれる傾向があるのでそのせいでしょうか。
「はんなちゃん」を息子の名前にして読んでいるから、ということもあるかもしれません。
他の絵本も主人公を息子の名前で読むことが多いのですが、主人公が女の子でも気にしないみたいですね。
小さい子が出てくると自分だと思いながら聞いてくれるみたいです。
夜泣きをよくする子なので、夜に目覚めても大丈夫だよーという気持ちでいつも読みます。
そのせいなのかどうなのか、ここ2日ほど夜泣きをしなくなりました(なのでレビューを書いてみました)。
読み始めて2週間ほどたつのですが…。

文字が少ないので1歳児でも気に入ってくれると思います。
(ぺんぎんさんさん 40代 ママ 兵庫県 男の子1歳)

よちよち歩きの赤ちゃんの姿に、「うちの子にそっくり!」と思わず感激!

こりゃ まてまて

歩き始めたばかりの赤ちゃんって、動くものを追いかけるのが大好き。
この絵本でも、1歳くらいのよちよち歩きの赤ちゃんが、お散歩中に出会ったちょうちょ、トカゲ、ハト、ネコを次々に追いかけます。

「こりゃ まてまて」とおいかけては、すいっと逃げられる。その繰り返しだけのシンプルな絵本ですが、赤ちゃんの体型や表情が、あまりにも「我が家の1歳児」とそっくりで、思わず感激してしまう親御さんも多いのでは……?
『よるくま』や『金曜日の砂糖ちゃん』などの絵本でも知られる酒井駒子氏が描く絵は、息を飲むほど美しいだけでなく、指の動きや座り方、半開きの口元、手や足の出し方など、よちよち歩きの赤ちゃんの姿が見事に描かれていて、今にも動き出しそうなほどです。
もしかすると、一緒に読んでいるお子さんも、これってわたし(ぼく)……?と思っているかもしれません。

各ページに、春を感じる草花が描かれているのも魅力的。どんな草花があるか、親子で一緒に探してみてくださいね

■読者の声

歩けるようになったばかりの女の子が、絵本の中を歩きだす
酒井駒子さんが描く、歩き始めたばかりの女の子が
たまらなく愛らしいです。
ふっくらしたほっぺた
細くて柔らかい髪、
バランスが悪くて、ポテポテッとした歩き方
ふと目に入った対象に、後先考えず、とりあえず向かっていく大胆さ・・・
危なっかしい足取りを、ずっと見守っていたいような気持ちになります。
沢山のお母さんが「あぁ、ウチの子みたい」と思うのではないでしょうか。

女の子が出会う、まだ名前を知らない(言えない)生き物たち。
「ひらひら」「しゅるしゅる」「ばさばさ」
ちいさな人は毎日が新しい発見と冒険でいっぱいですね。
「こりゃ まてまて」というフレーズがとてもいい。
特に最後の「こりゃまてまて」の正体とラストがとびきり素敵です。

自分用に購入してしまいました。
お母さんにおすすめの絵本ですが、
1~2歳位のときの息子にも読み聞かせてみたかったなぁと思います。
(ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)

草原を歩く幼児のわくわくと不安をみずみずしく描く

くさはら

ちょうちょをおいかけているうちに、背の高い草にかこまれてしまった女の子。どっちをむいても草ばかり。うごくと葉っぱがピシッとほっぺたをぶちます。どうしよう……。

■読者の声

遊びの中の怖さと安心
夢中で蝶を追いかけていると、風が吹いてきて、その風を体で感じていたほんの一瞬で、蝶を見失いポツンと一人。
先ほどまでの楽しさが一変し、気付けば取り囲まれた草の海。段々と心細くなり、急にハッキリと聞こえ出す自然の音が、さらに寂しい気持ちを助長させ…。
そんな、ゆーちゃんを一気に安心させる大好きなお母さんの声。

これって、誰もが夢中で遊んだときに経験する楽しさの裏の怖さじゃないでしょうか。とても心細くなったとき、救ってくれるのは大好きな人という安心感。
酒井さんの絵が、ゆーちゃんの心の変化を上手く表現されていて、「昔はよく、こんな気持ちになったっけ。いつだって、どんなときもお母さんが見つけてくれるんだよなぁ」と思い出させてくれました。

2歳の息子に、難しいかなぁと思いつつも読みましたが、とても引き込まれており、しっかり、怖さとお母さんに会えたときの安心とを感じ取っていました。これが伝わったのかと、少しビックリしましたが、ちゃんと感じ取っていて、子どもってすごいなぁと思いました。
それにしても、やっぱり、最後はお母さんですよね。
(うさぎのタンタンさん 30代 ママ 東京都 男の子2歳)

雪の日の特別な時間を描く、心温まる親子のお話

ゆきがやんだら

 今日は朝から雪が降り続き保育園は休み、帰ってくる予定だったお父さんの飛行機も停まってしまいぼくとままの二人きり。外はすっかり雪に覆われて一面真っ白の雪景色。この世に二人だけしかいないようないつもとは違う別世界、特別な時間が過ぎていきます。心が温まる親子のおはなしです。

オランダの銀の石筆賞受賞作。

■読者の声

静けさの中のわくわく感
雪がふったときのわくわく感と、すべての音が雪にすいこまれてしまうような静けさが静かに伝わってきます。
お気に入りは、夜になって雪がやんだ時、ぼくはもう寝る時間だけどちょっとだけママといっしょに外へでていくシーン。
・・・「まあ、もう ねる じかんなのに・・・。」
でもママはすこしわらって、「いいわ、ちょっとだけね。」・・・
そして、ママとふたりでまっさら雪に足跡をたくさんつけたり、雪のお団子をつくったり。

酒井駒子さんの本が好きな息子のために選びました。
息子にはまだ早いかもしれないなあなどと思いながら手に取ったのですが、息子はこの本も大好きになりました。
「雪がふってるねー」などといいながら、何度も何度も読んでいます。
やさしい絵のタッチと、おだやかな会話のやり取りがお気に入りの理由かしら?
(マメマメハハさん 30代 ママ 長野県 男の子1歳)

素晴らしい作家とのコラボレーション

日本や海外の素晴らしい作家とコラボレーションした作品も見逃せません。

あなたの心に必ず残る名作を、ぜひ手に取ってみてくださいね。

お互いを思いやる優しい気持ちがつまった、第9回日本絵本賞受賞作品

きつねのかみさま

りえと弟は、きつねの子たちとなわとびをして遊びました。それはりえのなわとびなのに、きつねの子は神様がくれたというのです。

■読者の声

縄跳びするかけ声まで
あまんきみこさんのおはなしと、大人っぽい酒井駒子さんの絵というのは、あまり結びつかなかったのですが、読んでみるととても自然でした。
ただかわいいだけでなく、やさしい気持ちがたくさんつまったお話です。4歳の息子も6歳の娘も夢中になって聞き入っていました。
読んでいる私も、なんだかやさしい気持ちになれて、「おおなみ こなみ ぐるっとまわって きつねのめ」という縄跳びする時のかけ声まで、やさしくやさしく読みました。
(クッチーナママさん 30代 ママ 東京都 女の子9歳、女の子6歳、男の子4歳)

幸せとは何だろう?大切なことを問いかけてくれる、石井睦美さんとのコラボ作

しろうさぎとりんごの木

森の中の小さな家で生まれたしろうさぎの子。
小さな家でしたけれど、しろうさぎの必要なものは何でもそろっています。
大好きなおとうさん、おかあさん。手作りのベッドやくろうさぎのぬいぐるみ。
玄関だってちゃんとあるし、庭には家族にちょうどいい大きさのリンゴの木もあります。

まだ小さなしろうさぎには知らないことがたくさんあります。
ジャムやコンポート、りんごの実のことだって知りません。
おとうさんやおかあさんにほめられればすごく嬉しいし、明日がくるのが楽しみで眠れなくなったりもします。
しろうさぎはとても幸せなのです。

ある日、しろうさぎはりんごをかじってみたくて、一人で庭の木の下までお出かけをします。
そこでしろうさぎがかじったのは・・・!?

石井睦美さんの優しいリズムの文章と、酒井駒子さんの力強く、でも本当に可愛らしい絵がしっくりと組み合わさって完成したこの一冊。小さなうさぎの、小さな幸せが描かれています。
どのページを読んでいても、どこかくすぐったくなるような、甘くて懐かしい気持ちが心の中に生まれてきます。
しろうさぎが大事に守られながら、少しずつ外の世界に出会っていく様子がとても嬉しくなるのです。

りんごの実がなる秋を、何の心配もせずゆっくりと待つうさぎの親子。
私たちもこの絵本を、いそがずにゆったりじっくりと、味わいながら読むことにしましょう。
しろうさぎがお布団の中に入っている姿、口のまわりをジャムだらけにしている姿、おかあさんにだっこされている姿。
見ているだけでもたまらない場面が続くことは言うまでもありませんね。

■読者の声

こどもが安心して帰れる場所
「でも、なんにも しんぱいはいりません。
このいえには、しろうさぎにひつようなものは
ぜんぶそろっているからです。
だいすきなおかあさんもおとうさんも、あかいクレヨンも。」

しろうさぎが、いつか大きくなって外の世界に出ていっても、
この家で愛されて育った、その記憶が
彼女を支え続けるんだろうな...

よく、「自己肯定感」という言葉がいわれますが、
わが家もそんなあたたかい場所を、めざさなくっちゃ!
子どもに聞かせるより、ママにまず楽しんでもらいたい一冊です。

しろうさぎの、いかにもこどもらしい勘違いが
かわいいったら、ありません。
あるよね~。あるある。
(ミドリムシ917さん 40代・ママ 女の子17歳、女の子13歳、男の子6歳)

猫好きさん、必読!あたたかい気持ちにつつまれる絵本

ヨクネルとひな

ひなちゃんのおうちに、やせっぽちのこねこがやってきました。のらねこのおかあさんがつれてきたのです。やさしくふいてあげると、おおきな青いめがあらわれました。「わあ...きれいな め」ひなちゃんが、こねこをそうっとだいてみると......。読むたびに、あたたかい気持ちにつつまれる絵本。

■読者の声

気持ち、よくわかります。
やせっぽちのこねこを、のらねこかあさんからあずかったひなちゃん。
なんだかちょっと不満そうです。こねこを飼うんだったら、ペットショップにいるようなかわいい方がいいのに、って思っているようです。
だんだんと気持ちが変わっていく様子が、心に響きます。
のらかあさんに忘れられて、我が家にやってきたねこさんと重なる場面もあり、涙が出てきました。
ねこ好きな作者さんの作品、ねこ好きにはたまらないお話です。絵にも温もりがあり、気持ちがストレートに伝わってくる表情が描かれています。
そして、『ヨクネル』という名前も、なかなか魅力的です。この先、いい時間を過ごせるといいなと思います。
(おしんさん 50代 ママ 鹿児島県)

ほんの一瞬の中にある永遠を描く衝撃作

まばたき

「しーん」
ちょうちょが飛び立つ、その一瞬の間に漂う気配。
「カチッ」
鳩時計が12時を指し、その時間を告げる直前の静けさ。
「はっ」
猫が獲物を見つけ動き出す瞬間、伝わってくるその緊張感。

ピリピリするような、繊細な変化が描かれていくこの絵本。
ものごとが動き出す前のほんの一瞬、そこに永遠がある・・・
そんな秘密めいたテーマを考えついたのは、歌人の穂村弘さん。
私たちは、そこに何が隠されているのか、何を感じとることができるのか。
美しく構築された連続の場面を見ながら、考え、体験していくのです。

そしてやってくる、最後の展開。
「みつあみちゃん」
時の流れの感覚が、一気に撹乱させられるよう。
それでもやっぱり、すべてが「まばたき」する間のできごとなのです。

ドキっとしながら、でも、大好きな酒井駒子さんの絵をじっくりと堪能する喜びにひたれる。
そんな特別な絵本が誕生しました。

■読者の声

諸行無常
読み終えたところで「諸行無常」という言葉が浮かびました。
生まれた命は必ず滅びる日がくるし、形あるものはいつか壊れます。
また、瞬きする程の短い時間のうちにも、変化がおこっているのだと意識させられました。
ただ、最後に出てくるみつあみちゃんだけは前に出てきたものと時間の概念が大きく違います。でも、考え方を変えればその通りかもしれないなと思いました。
哲学的で小さな子どもさん向きではないかもしれませんが、小学校の中学年位からは感じたことを親子(など)で話してみるのも面白いかもしれません。

それから、みつあみちゃんのページでは酒井駒子さんの絵力に圧倒されました。
同じ構図で3枚ずつ描かれているのですが、2回目はページを行ったり来たりして微妙な違いを見つけ、ひとり悦に入ったりしました。
(西の魔女さん 40代 ママ 福岡県)

読み物デビューにおすすめしたい、いとおしく宝物のような絵童話

なきむしこぞう

しずかな夏の夕方、ぬいぐるみのゾウとライオンとキリンは家出をすることにしました。もといた動物園の売店に帰るのです。でも、庭で出会った屋根裏ネズミに持ち主の男の子が3匹がいなくなって大泣きしていると聞き…。いとおしく宝物のような絵童話。

●編集者コメント
家出するぬいぐるみたちの会話と行動が、今そこにいない男の子との過ごした時間の豊かさを想起させる。 すぐれた短編小説の趣もあり、幅広い年代におくりたい童話。

■読者の声

ああ、いいなあ
この男の子みたいに、大きな声で泣いたのは、もうずっと昔のことです。

一番わんわん泣いたのは、たしか小学生の頃。
大事にしまっていたお気に入りのシールが、いつの間にか妹に使われていたとき。
わんわん泣いて、悔しくて、やっちゃダメだと分かりながらも、
妹のおもちゃを放り投げてしまった時が最後だったような気がします。
自分で放り投げたくせに、そんな自分が嫌で、また大泣きして…。

今では妹との笑い話になっていますが、
あの時は色んな気持ちが混ぜこぜになって、しゃっくりが出るくらい泣いたなあ。

大人になると、どうしてか、なかなか泣けませんよね。
どんなに悲しくても悔しくても、ぐっと我慢して、
家族の前ですら平気なふりをしてしまいます。

だからこそ、男の子が泣きながら、「かえってきてよー!」と声を出す場面では、ボロッと涙が出てきました。
家出をしようと決心したどうぶつたちが、
泣いている男の子のことが どうしようもなく気になって
窓からそっと様子を覗く姿に、胸がぎゅっとなりました。

表情が変わらないはずのぬいぐるみの気持ちが、
酒井駒子さんの絵から ひしひしと伝わってきます。
帰ってきたぬいぐるみを男の子が抱きしめる場面では、
だれの表情も描かれていないのに、胸がいっぱいになります。

児童文学は、絵本に比べて読む機会がほとんど無かったのですが、
今まで見過ごしていたのが惜しいと思いました。
始まりからおしまいまで、
今村葦子さんの紡ぐ言葉に、すっかり心を掴まれてしまいました。

きっと何度でも読みたくなる、宝物のような一冊です。
(なーお00さん 30代・その他の方 )

海外の作家とのコラボレーションも見逃せない!

世界中で愛される古典的名作を、酒井駒子さんの繊細で温かい画風で描く、感動の名作

ビロードのうさぎ

古典的名作と言われ世界中で愛されてきたお話「ビロードうさぎ」、そのお話を酒井駒子さんが絵本にすると言う。
聞いてすぐに納得してしまうのは私だけではないはず、酒井駒子さんの描く世界と「ビロードうさぎ」のイメージがぴったり重なるのです。そして予想を裏切らない傑作の完成。
 クリスマスに男の子の家に来たビロードでできたうさぎのぬいぐるみ。男の子は毎晩うさぎと一緒に寝たり、一緒に遊んだり、それはそれは大事にしてくれたのです。ぼろぼろになってもうさぎは幸せでした。それは「男の子のほんもののうさぎ」になったと感じていたから。ところが別れは突然やってきて・・・。うさぎの考える「ほんもの」とは?そしてうさぎの身に起こる奇跡とは?
 なんと言っても酒井さんが描くビロードのうさぎの質感がたまらない!つぶらな瞳で今にも動き出しそうなぬいぐるみだからこそお話にリアリティーと深さが出てくるのかもしれません。そして言うまでもなく男の子とビロードのうさぎが触れ合う場面は秀逸、いつまで眺めていても飽きません。愛らしくて切なくて、でもしっかり前を向いているこのお話。繰り返し絵本を開いてしまうのは子ども達だけではないでしょうね。

■読者の声

この本こそ本当のもの。
酒井駒子さんの描く表紙のやわらかい毛並みがかわいらしいうさぎの姿からして、愛らしくてとても心惹かれるものがあります。

中身は、もっともっとすばらしい。

実際には、もっと長いお話ですが、こちらのバージョンの方が、無駄を取り除いて、ぎゅっといいところを詰め込んだ感じで、ストレートに胸に染み込んできます。
また、絵とお話があまりのもぴったりときていて、非の打ちどころがないです。

「本当のもの」という言葉がキーワードとして終始出てきます。

クリスマスプレゼントとしてぼうやの元に縁あってやってきた時の、うさぎの不安感。
おもちゃのうさぎが、やがて本当にかわいがられ、愛されて、「本当のもの」だと自覚した時の幸福感の絶頂。
やがて訪れる悲しい別れの場面での打ちひしがれたうさぎの心持ち。
それぞれ痛いくらいに、読んでいて伝わってきます。

それだけに最後に、うさぎが本当の意味で「本当のもの」になった時の感動が、真に胸に響きます。

子供から大人まで、本を開く度に、温かい感動に包まれる絵本です。
何度も、何度でも読みたくなります。
(はなしんさん 40代 ママ 福島県 女の子11歳、男の子9歳)

アンネ・フランクが綴った童話を、中川李枝子さんの名訳と小川洋子さんの解説とともに文庫化

文春文庫 アンネの童話

『アンネの日記』(文春文庫刊)の著者アンネ・フランクがアムステルダムの隠れ家で綴った童話&エッセイ集に、国内外で絶大な人気を誇る酒井駒子の絵がカラーで新しく入りました。
『アンネ・フランクの隠れ家からの物語集』というのが本書の原題ですが、極度に制限された生活の中で、書いているときだけがアンネが自由でいられた時間だったのでしょう。どの話にも、胸の奥から噴出するキラリと光るものがあります。一人の少女の、驚くほど豊かな感性……。

『ぐりとぐら』で知られる中川李枝子の名訳と、酒井駒子が描く愛らしい絵、また小川洋子の解説とともに、ぜひアンネの童話の世界に足を踏み入れてみてください。
可愛い装丁で生まれ変わったこの小さな絵本を、贈りものにもどうぞ。

◎目次より
カーチェ 管理人の一家 エファの見た夢 パウラの飛行機旅行 カトリーン
花売り娘 守護の天使 恐怖 かしこい小人 小熊のブラ―リーの冒険
妖精 リーク ヨーケー キャディー (以上「アンネの童話」の章)

おぼえている?――学校生活の思い出 のみ じゃがいも騒動 悪者
中学校の最初の日 生物の授業 幾何の時間 下宿人 映画スターの夢
日曜日 わたしの初めての記事 悪の巣 幸福 与えよ
おもしろいのは どの人? どうして? (以上、「アンネのエッセイ」の章)

解説 日記帳からあふれ出る言葉たち(小川洋子)

酒井駒子さんが翻訳も手掛ける、「ねえさんといもうと」だけの小さな世界

ねえさんといもうと

ねえさんは、いつだって小さないもうとの面倒をみてくれる。
公園で遊んでいる時も、学校に行く時も、
くさはらで散歩をする時だって、ちゃんと危なくないように見てくれている。

それだけじゃない。
なんだって教えてくれる。
お裁縫だって、泣いてしまった時の泣きやみ方だって。

ねえさんは、なんでも知ってるんです。
でも、ある日。
いもうとは、なんだか……。


ゾロトウが描き出すのは「ねえさんといもうと」だけの小さな世界。静かで優しいお話を、酒井駒子さんが咀嚼し、新たな翻訳と絵で表現してくれています。その愛らしさと言ったら……! 読んでいる最中、ずっと幸せな気持ちになってしまっている自分に気がつきます。

それでも、この小さないもうとにとっては切実な瞬間。昨日まで当たり前だと思っていたことが、ある日突然その気持ちに変化が起きるのです。世界の見え方が変わるのです。それって、どんな気持ちなのでしょう。かなしい出来事? さみしい出来事? いえ、答えは絵本の中の彼女の表情にあらわれていますよね。

ねえさんといもうと、ふたりがほんのちょっとだけ一歩前に進むこのお話。些細な出来事ではあるけれど、こんな風にして姉妹の関係は成長していくのでしょうね。姉妹がいる方も、そうでない方も。存分に味わってみてください。

■読者の声

おねえさんもいもうとも
うちは、娘2人の姉妹です。
できた姉ではなく、妹も姉の嫌がることばかりして喧嘩が絶えないので、
この絵本のような美しい関係ではないのですが、
こうして一見理想的な姉妹に見えても、実は妹も姉に飽き飽きすることがあったりするんだなぁというのが意外というかなんというか。
私は自分は長女で弟と妹がいるので、姉の気持ちというのは自分にも経験があるなぁと思いましたが、
下の子の気持ちってこんな風なのかもしれないと思うと反省もあったり。
おねえさん、いもうと、どちらの立場の子が読んでも感じるものがある絵本だと思います。
(tori.madamさん 30代 ママ 大阪府 女の子7歳、女の子4歳)

日常のちょっとした出来事を生き生きと描く、イギリスの幼年童話の傑作シリーズ

ぐらぐらの歯

お姉さんの目から見た妹の日常がユーモラスに愛情を込めて語られます。おてんばでお茶目な妹が巻き起こす騒動を生きいきと描くイギリス幼年童話の傑作。

■読者の声

日常が丁寧に描かれている
酒井駒子さんの挿絵が物語に非常にマッチしています。
訳も素晴らしい!外国の物語を日本語に訳した時の読みにくさのようなものが全くなく品があり、語り部のお姉ちゃんの優しさを感じます。

物語はなんてことない日常を切り取ったもの。
それらが可愛くて愛しいです。
子供も最初に読み聞かせしてあげたら、一気に気に入ったようで自分で読み進めてしまいました。そのあと、読み聞かせもせがまれましたが。
子供のお気に入りは、タイトルにもなっているぐらぐらの歯です。妹のラストの行動が面白いとのことです。
(lunaさん 30代・ママ 男の子8歳)
 

ドロシー・エドワーズさんとのコラボ作品、こちらもどうぞ!

挿画を手掛ける読み物

絵本だけにとどまらず、小説の装画も手掛ける酒井駒子さん。

絵本、児童書から小説への架け橋に、酒井駒子さんが表紙を飾る小説をぜひどうそ。

日常に窮屈さを感じている全ての人に届けたい、少し不思議な物語

もうひとつの曲がり角

「知らない道って、こうやってどこまでものびているんだなと思った。この道も先のほうではきっとまた別の知らない道につながっていて、その道もまたどこまでものびて、どこまでもどこまでも道は続いているのだ。」

市の西側から東側に家族と共に引っ越してきた小学五年の朋と、中一の兄。念願だった新しい家を手に入れた母は、これまで以上にてきぱきしていて何に対しても積極的で、朋にも英会話スクールを勧める。「行きたくない」と言っても聞き入れられず、通うことになった英会話スクール。けれども朋は、英会話を好きになれそうになく、違和感を感じます。ある日、英会話スクールが休講となり、ふと、行ったことのない道に行ってみようと、先のT字路にある白い花がちらほら咲いている木が立っている家から別の方向にのびている道へ。昔ながらのお店や、古びた感じの家々を通り過ぎると、女の人の声が聞こえてきて‥‥‥。そこで出会ったのは、木に囲まれた小さな庭でひとり朗読をするオワリさんという小さなおばあさんでした。
「朗読をきいていただいて、どうもありがとう」
「よかったら、またいらっしゃい」
オワリさんの不思議な朗読が聞きたくて、その後も英会話スクールに行くフリをして、たびたびT字路の曲がり角を曲がる朋。けれども、なぜか別の道にたびたび迷い込んでしまい、そこには、みっちゃんという女の子がいるのでした。

「あの道のことを考えようとすると、どうしても頭の中がごちゃごちゃしてくる。T字路のところをまちがえないように気をつけて曲がったつもりでも、いつのまにか、どこかでちがう道に入りこんでしまってるのだ。あの道と、もう1つの道がどこでどうつながっているのかがわからなかった。」

オワリさんへと続く道と、みっちゃんへと続く道。
なぜ同じ道を曲がっても別の場所についてしまうのか? 朋と一緒に混乱しながらも、次第に解明への糸口が見えてくる過程にドキドキさせられます。

 

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家族とは何か、母とは何かを問う衝撃作

カーネーション

日和(ひより)は、家が嫌いだった。
日和にとって家は、いつも緊張し、気をつかわなければならない場所だった。

日和は、妹の紅子が怖かった。
紅子は母にとっての女王様で、妹の機嫌を損ねれば、母に疎まれることになるから。

そして日和は、いつも祈っていた。
いつか、母が自分を愛してくれるようになる、そんな日を信じて──。

疎まれ、嫌われ、それでもなお母に愛されたいと願う日和。
家族がばらばらになってしまうことを恐れて、妻と娘の歪な関係から目をそらしつづける父。
そして、なんとかして我が子を愛そうともがき、しかし叶わずに苦悩する、母の愛子。

すれすれの均衡でなんとか家族の形を保っていた日和たちだったが、ある日、愛子の誕生日にその均衡を崩す事件が起きる。
 

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■読者の声

母と娘
酒井駒子さんのカバーイラストに惹かれて読みました。
一気に読みふけってしまいました、いとうみくさんの他の作品にも興味を持ちました。
この作品では、母と娘を中心に親子関係を丁寧に描いていて、登場人物達の苦しい想いが伝わってきました。
かなり難しい問題で、実際にはこんな上手くいくことはないと思うんですけど、児童書なので爽やかなエンディングを迎えて良かったなと感じました。
(lunaさん 30代 ママ 大阪府 男の子9歳)

太古の闇の時代を生きる少年とオオカミの物語を、壮大なスケールで描く

クロニクル千古の闇(1) オオカミ族の少年

紀元前4000年の森…。巨大なクマの姿の悪霊に父を殺された少年トラクは、父との誓いを果たすため、〈精霊の山〉をさがす旅に出る。道連れは、子オオカミのウルフだけ。太古の闇の時代を少年とオオカミが駆け抜ける。壮大なスケールのシリーズ第1巻。

■読者の声

どんな困難も自分達の力だけで乗り越える
主人公の少年トラクのお父さんが
悪霊に取り憑かれた熊に襲われ死んでしまう…
そんな衝撃的な始まりに心をつかまれました。
この後の展開の鍵を握るこの場面が
あまりにも衝撃的で
430ページとちょっとと長めの本なのですが
一気に読み終わった感じです。
12歳の少年が 
オオカミのウルフとレンという少女と一緒に
次々に襲いかかる困難を 自分達の力だけで乗り越え
目的を果たす姿が印象に残ります。
戦いでケガをしたり 生きる為に動物を解体したりする場面は生々しく
想像すると 心がチクチクしたりもしましたが
話の舞台は6000年前。
毎日を命がけで生きていた時代だったということなのでしょう。

この「オオカミ族の少年」は『クロニクル千古の闇』シリーズの第1巻。
シリーズの最終巻は第6巻になるとか。
内容も文章量もかなり読み応えのある作品ですが
知恵と勇気と信じる心で お父さんとの約束を
最後までやり遂げたトラクの勇姿は
読者の心に大きな刺激を与えてくれるに違いないと感じました。

最後になってしまいましたが
表紙と章の始めのカットを酒井駒子さんが手掛けています。
それだけでも十分魅力的な本なのですが
お話も それに負けていませんよ☆
高学年以上の子どもさんにお薦めです。
(西の魔女さん 30代・ママ 女の子15歳、男の子11歳)

中高生におすすめしたい、新感覚ファンタジーシリーズ!

RDGレッドデータガール(1) はじめてのお使い

世界遺産に認定される玉倉山に生まれ育った泉水子は突然、東京の高校進学を薦められて…。こんな物語読んだことがない!荻原規子書き下ろし新感覚ファンタジー開幕!

■読者の声

酒井駒子さんの表紙絵、インパクトあり!
主人公が中3なので、一番リアルに物語を感じられるのは、感覚として中学生から高校生くらいを対象にいているようなお話です。
(余談ですが、角川書店の本は、こういう「今時」風な作りの作品が多いですよね)

表紙絵の酒井駒子さんの絵がすごくインパクトがあって、上の子の朝読用に図書館で借りてきました。

すごく力のある姫神(超能力者?)が出てきたり、
現代でも修行している山伏たちが出てきたり、
ちょっと危ない式神が出てきたりと、
今どきの子どもたちがドキドキワクワクするであろうキャラクターたちが登場します。

どうやらこの話は2巻に続くようで、うちの子は
「面白かったけど、話がまだよく見えない?続きはあるの?」と、聞いてきました。
うちの子の興味を惹いたようです。

文章は読みやすいし、話の展開も無理なく面白いものですが、
私くらいの年代の人間が読むと、
何となくマンガを読んでいるような印象を受けます。
決してそれが悪いわけではありませんが、
生粋のファンタジー系の物語とは、ちょっと違うジャンルに感じました。
中高生のみなさんには、いいんじゃないでしょうか?
(てんぐざるさん 40代 ママ 埼玉県 女の子14歳、女の子9歳)

酒井駒子さんをもっと知りたい方に手に取ってもらいたい本

こんなにも静かで美しく、心の奥深くまで届くような酒井駒子さんの世界は、どのように作られているのでしょうか。

そんな、酒井駒子さんのことをもっと知りたい!という方にぜひおすすめした3冊をご紹介します。

約300点の原画、約30点のラフスケッチを収録した展覧会図録兼画集

みみをすますように 酒井駒子

絵本作家、酒井駒子。その静謐さをたたえた美しい絵と、詩的で思索的な文との響き合いは、子どもから大人までの多くを魅了し、日本にとどまらず海外でも高い評価を得ています。

本書は、酒井駒子初となる本格的な個展「みみをすますように 酒井駒子」展にあわせて刊行する展覧会図録兼画集です。デビュー作から最新作まで、20冊を超す絵本を中心に約300点の原画、約30点のラフスケッチを選びました。

画用紙や段ボールに黒い絵の具を下塗りし、その上に描き出された子どもたちや動物たち。時が止まったかのような、あるいは雪降る日の静けさの中の、まぶたの奥の瞳に、ひそやかな仕草に、ささやき声に。
みみをすますように、ごらんください。

表紙絵のタイトルは「手に鳥を乗せている」。本書のための描きおろしです。
口絵にも違う描きおろしが潜んでいますので、そっとめくってみてください。

静謐な作品と不思議なエッセイで織りなす初めての画文集

森のノート

日常の暮らしの片隅にそっとたたずむ、密やかな世界を愛する人、集合! 
絵本作家・酒井駒子さんの静謐な作品と不思議なエッセイで織りなす初めての画文集。

■読者の声

見入ってしまいました!
酒井駒子さんの絵が大好きなので、楽しみに読んでみました。やはり、絵がすばらしく、見入ってしまいました! 酒井駒子さんご自身の生活がかいまみえるエッセイも興味深かったです。
酒井駒子さんファンの大人におすすめかと思いました。
(あんじゅじゅさん 40代 その他の方 高知県)

装画やスケッチ、インタビュー、そして描き下ろし絵本までを収録した、酒井駒子さんの特集本

Pooka+ 酒井駒子小さな世界

『Pooka+』の第2弾は、国内にとどまらず、海外でも評価の高い作家・酒井駒子さんの特集本です。
絵本はもちろん、装画やスケッチ、インタビュー、そして描き下ろし絵本までを収録。
特製ポストカードつきです。

■読者の声

ファンにはうれしいです
最初から最後のページまで酒井駒子さんワールドです。
酒井さんの絵本の名場面がたくさんあって、見ごたえがあります。一枚の絵だけでも物語が感じられて、あらためてひきこまれてしまいます。

インタビューやお部屋が紹介されているのが、ファンにとってうれしいです。団地、箱、ぬいぐるみ、などのお話が興味深かったです。ますます酒井さんの作品が好きになりました
(どくだみ茶さん 30代・ママ 女の子7歳)

初めてとなる本格的な個展を2021年4月~7月に開催

あなたの心の宝物になる、酒井駒子さんの絵本

心の奥深くの暗闇にほのかな灯りをともしてくれるような酒井駒子さんの作品たち。

きっと、あなたの心の宝物になること間違いありません。

気になる作品を、ぜひお手に取って見てみてくださいね。

編集協力・執筆:洪愛舜(ほんえすん/ライター・編集者・絵本作家)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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