小学1、2年生の読書感想文におすすめの本10選!(2021年版)
さあ、夏休み! 今年も読書関連の宿題はありますか?
感想文という重めの宿題から、何冊読もう、というような読む宿題まで、きっと何かしら読書関連の宿題が出ているご家庭が多いことでしょう。そんな時、まず悩んでしまうのが、どんな本を読んだら良いのかという本選びですよね。
絵本ナビでは、本選びが少しでも楽しくできるよう、またお子さん自身が読んでみたいと思える本が見つかるように、新刊を中心とした旬のおすすめ本を学年別に5冊ずつご紹介します。各作品には【本選びのためのキーワード】をつけさせていただきました。気になるキーワードからも読みたい本を探してみて下さいね。
※今回、少しでも選びやすくするために、小学1年生向けに5冊、2年生向けに5冊と分けてはおりますが、見開きページで字の大きさを見ていただいたり、ページ数を確認いただくなどして、小学1年生でも2年生のおすすめ本を、2年生でも1年生のおすすめ本を選んでいただくことは全く問題ありません。まずはそれぞれが無理なく読めそうな本で、気になったものから手に取って読んでみて下さいね。
小学1年生の夏の読書と読書感想文におすすめの本
『ムカッ、やきもちやいた』(くもん出版)
仲良しの友だちが他の子と仲良くしている‥‥‥。
思わずムカッとしたり、もやもやした気持ちになるという体験は、保育園や幼稚園の頃から感じたことがあるという子も少なくないのでは?
この作品は、主人公に共感しながら、「やきもち」という気持ちを客観的に知ることのできる1冊です。文は縦書きになりますが、絵本の形をしているので、まだ読み物の本に慣れない1年生でも読みやすいでしょう。
【本選びのためのキーワード】
友だち、学校、ケンカ、なかなおり
『ムカッ、やきもちやいた』(2018年10月刊行)
出版社からの内容紹介
わたし(るい)は、転校生のあんりちゃんが、自分の仲良しのふうこちゃんと仲良くしている見てなんだか「ムカッ」。
放課後、ふうこちゃんが、一緒に帰ろうと誘ってくれても断ってしまいます。うしろにあんりちゃんがいたから「ムカッ」ってしちゃって…。なんで「ムカッ」ってするのかな?
この気持ちなんだろう? 帰宅したわたしは、弟が赤ちゃんにやきもちやいているの見て自分の「ムカッ」の気持ちが“やきもち”だということに気づきます。
次の日の学校でも、わたしはまた「ムカッ」。
でも、体育の時間、もう「ムカッ」ってしたくないなと思いながら走っていたわたしに、ふうこちゃんの応援の声がきこえました。全力で走りおわって、わたしは、ふうこちゃんとあんりちゃんに自分から話しかけます。そのとき、わたしは、なんとなくやきもちの気持ちが消えていることに気づくのでした。
やきもちは、ほっておくとどんどんふくらんで、いじわるしたくなったり、自分も苦しくなる。だから、やきもちは、うまれたばかりのとき、大きくなる前になくしてしまったほうがいい。
これは、できたてのやきもちの気持ちに、自分で気づいて、友だちとの関係のなかでそれを解消して一歩進んでいく女の子のお話です。
読者の声より
何ともストレートな題名に共感してしまいました。
小学生の少女るいちゃんが主人公です。
クラスに転校生のあんりちゃんが加わり、
親友のふうこちゃんが何かと世話をしてあげるのが、
気に入らないのですね。
なんか ムカッ、という表現がぴったりです。
そう、小学生女子の揺れ動く心そのもの。
もちろん、何とかしようとしますが、なかなかうまくいかないもの。
でも、ようやく、折り合いを見つけたようで安心しました。
ここがポイントだと思います。
自分の心をそのまま受け止め、折り合いをつける、
そんなヒントを提示してくれたような気がします。
(レイラさん 50代・ママ)
『きみのなまえ』(佼成出版社)
まず、表紙の犬の可愛さに目を奪われてしまいますね。
学校の帰り道の林でいつも見かける茶色い犬。みんなはきたない、などと言うけれど、たくとは何だか気になって仕方ありません。そんなたくとに、犬好きのお母さんから嬉しい提案が。お話の最後には、温かい気持ちに包まれるような驚きが待っているのですが、なんと実話をもとにしているということなので、さらにびっくりしてしまいますよ。
【本選びのためのキーワード】
野良犬、ペット、優しい気持ち
『しらゆきちりか ちっちゃいな』(PHP研究所)
同じクラスに、ちょっとこわそうな子がいる。しかも自分にいろいろちょっかいを出してきたり、からかってきたり。あの子がいるとなんだか学校に行きたくないなあ。そんな気持ちになったことはありませんか? 主人公のちりかも、後ろに座ったライオンのような男の子のことがこわくて仕方ありません。けれどもさかあがりの練習がきっかけでふたりの関係に変化が訪れて‥‥‥。
作者は、絵本『あのときすきになったよ』の薫くみこさん。ちりかが感じるさまざまな気持ちに共感しながら読めるお話です。
【本選びのためのキーワード】
学校、クラスメート、こわそうな子、友だち、発見
『しらゆきちりか ちっちゃいな』(2020年2月刊行)
みどころ
あいうえお順で並んだ教室の座席。
「しらゆきちりか」の後ろに座ったのは「すずきたいすけ」。声も体も大きくて、なんだかライオンみたい。そう思ったら、本当にライオンに見えてきました。
ライオンはちりかのことを「ちび」と呼んだり、後ろからおさげを引っ張ってきたり、替え歌でからかってみんなで笑ったりします。前の席の「さとうさん」は、「すずきくん、ちりちゃんがすきなんだよ」と言いますが、そんなことはありません。だって大好きな給食のプリンまで食べてしまうのですから。
ライオンの存在がこわくて、学校に行くのが嫌になってしまったちりか。けれどもさかあがりの練習がきっかけでふたりの関係に変化が訪れます。さかあがりに苦戦するライオンを見て、あることに気がついたちりか。ちりかのひと言がきっかけで、たちまちさかあがりができたライオン。それまでいくら頑張ってもできなかったのに、ちょっとしたことで突然できてしまったことに驚いたふたりはもうおかしくて、大笑い。何度も読み返したくなるとびきり素敵な場面です。しかしこの後、またもや複雑な気持ちになる出来事が訪れて‥‥‥。
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『つっきーとカーコのたからもの』(佼成出版社)
あなたの「たからもの」はなんですか? 「たからもの」ってどんなもの?
カラスのカーコは、「たからもの」をたくさん見つけることができます。エメラルドグリーン色のびーびーだん、とうめいのかみ、なないろのひも‥‥‥。一方、ねこのつっきーは「たからもの」が分からず、会う人会う人にその人の「たからもの」についてたずねていきます。さて、つっきーは自分の「たからもの」を見つけることができるのでしょうか。
【本選びのためのキーワード】
たからもの、大切なもの、友だち、温かい気持ち、発見、ユーモア
『つっきーとカーコのたからもの』(2020年11月刊行)
みどころ
たからものって、いったいなんだろう?
ねこのつっきーとからすのカーコは、赤ちゃんの頃からとっても仲良し。
「イエーイ」
会ったら、お互いの足のうらをくっつけるのが、ふたりのいつものあいさつ。
(表紙でもしっかり「イエーイ」とあいさつしてますね)
さて、スキップしながらやってきたカーコ。なんだか嬉しそうです。なんでスキップしてたのか、つっきーがたずねると、「これよ、これ!」と差し出したのは、小さなつぶつぶ。びーびーだんのようです。でも、ただのびーびーだんなのではなくて、エメラルドグリーン色のところがカーコのお気に入りなのだそう。けれども、つっきーが「かーしーてー」と無理やりカーコの手を開こうとしたから大変! びーびーだんは、にぎりこぶしのすき間からこぼれおちて、草原の中に転がっていってしまいます。
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『やっぱりオカピ』(偕成社)
「よつば月の よるには、どうぶつたちの ねがいが なんでも かなうんだよ。」
「よつば月」が出た夜、オカピは動物園を散歩して、さまざまな動物たちと出会います。そこで動物たちそれぞれのねがいごとを聞いていくのですが、さてどんなねがいごとだったのでしょう? 動物たちと触れ合ったことで変わっていくオカピの気持ちの変化にも注目してみて下さいね。
【本選びのためのキーワード】
動物園、動物たち、ねがいごと、不思議、ファンタジー
『やっぱりオカピ』(2021年5月刊行)
小学2年生の夏の読書と読書感想文におすすめの本
『おひめさまになったワニ』(福音館書店)
コーラひめは、王国のひとり娘。ひめの将来を心配する王とおきさきのもと、朝から晩までやることだらけで、自由がない。おとなたちを悲しませたくなくて、なにも言えないけど、もう、うんざり! そんなある日、とつぜんやんちゃなワニがやってきて‥‥‥。
毎日やらなければいけないことが多すぎて忙しい!と感じている子は読むとスッキリするかも!?
大きさは、ちょうど絵本と読み物の中間ぐらいの大きさで、長さは絵本よりもボリュームがあります。けれども全てのページにカラーの絵が入っていて、文章は横書きなので、絵本を読み慣れていれば読みやすいでしょう。
【本選びのためのキーワード】
自由、勇気、本当の気持ち、不思議、ドタバタ、ユーモア
『おひめさまになったワニ』(2020年2月刊行)
出版社からの内容紹介
コーラ姫には自由なんてありません。娘の将来を心配する王様とお妃様が、勉強と運動、入浴の時間を詰め込んでいるからです。うんざりした姫は、「犬を飼いたい」と伝えますが、却下されてしまいます。そんな姫を助けようとお城にきたのは……ワニ! ワニがコーラ姫になりすましている間に、姫はお城の外へ出て――。全米2大児童文学賞受賞作家らによる話題作。子どもたちが、コーラ姫に心から共感し、その勇気に拍手喝采したくなる物語。
読者の声より
楽しそうな表紙にひかれて読んでみました。おもしろい! いきすぎた思いを押し付けている大人たちと、ワニの、はちゃめちゃなやりとりに笑ってしまいました。特に、「こら、ほにゅううるい」って(笑) ワニとのいれかわりで、たくましくなったおひめさま。お話も絵もよかったです!
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
『がっこうかっぱのおひっこし』(童心社)
「気がつかないうちになってるのが、ともだちってもんさ」
小学1年生のけいくんは、ママとふたりぐらし。ママの会社の近くの保育園に行っていたから、小学校に知っているともだちはいません。「はやく、ともだちをつくらなきゃ」そう思うものの、どう話しかけていいかわからないまま6月になってしまいました。そんなある日、けいくんは、学校の門の池で、緑色の小さな生きもの、カッパと出会います。
新しい友だち作り、きっと悩まない子どもたちはいないのでは? というぐらい切実な問題ですよね。前作『がっこうかっぱのイケノオイ』に続き、学校の守り神のような存在のカッパが、悩める子どもたちの背中を押してくれますよ。
【本選びのためのキーワード】
友だち、クラスメート、学校、不思議な生き物、ファンタジー
『がっこうかっぱのおひっこし』(2019年12月刊行)
出版社からの内容紹介
友だちってどうやってつくるんだろう。みんなといるのに一人ぼっちなのは、一人でいて一人ぼっちなのよりうんとさびしい。小さな胸にそんな思いを抱えるけいくんに、がっこうかっぱは「気づかないうちになってるのが、友だちさ」といい、「きみががんばってるとき、さびしいのをがまんしているとき、わらっているとき、ないているとき、だれかがきみを見ているよ」と伝えます。うまく自分を出せない子たちの背中をそっと押す物語。
合わせておすすめ♪
『とどけ、サルハシ!』(小峰書店)
きもちよ、とどけ!
図工の時間、同じクラスのさやかちゃんを泣かせてしまった。わざとじゃないんだ、どうしよう。「ちょっと、なにやってるの」先生に聞かれたけれど、いいたいことがいっぱいあふれて、ことばが出てこない。ぼくは思わず、教室を出て、校庭へ飛び出した。すると「ドンドコ」というテナガザルと出会った。ドンドコは、青いゆびわのような「サルハシ」をかしてくれた。これを気持ちを伝えたい相手に振り下ろすと、小さいサルのハシが繋がって、気持ちが伝わるという。でも使えるのは3回まで。りょうは、「サルハシ」を味方に、ちゃんとさやかちゃんに気持ちを伝えられるのか?
【本選びのためのキーワード】
言いたいことが言えない、気持ちの伝え方、学校、クラスメート、不思議、成長
『おねえちゃんって、すっごくもやもや!』(岩崎書店)
おねえちゃんのみおちゃんは、妹のナッちゃんが来てから振り回されてばかり。いつも我慢していたり損しているような気がする。きょうだいの上の子どもたちは、分かる分かる、という気持ちがたくさんあるでしょうか。でも、お話を読んでいくと、ナッちゃんはおねえちゃんが大好きだし、ママとパパもおねえちゃんの頑張りをちゃんと見てくれていることが分かります。今回のお話は、みおちゃんの「たんじょうび」の前に起きた出来事。さて、どんな「たんじょうび」になったのでしょう。毎回おねえちゃんの奮闘が伝わってくる「おねえちゃんって、」シリーズ、2021年7月現在、7冊出ているので、他の巻もぜひ読んでみて下さいね。
【本選びのキーワード】
たんじょうび、おねえちゃん、いもうと、姉妹、兄弟、家族、成長、いろんな気持ち
『おねえちゃんって、すっごくもやもや!』(2019年11月刊行)
出版社からの内容紹介
怪獣みたいなナッちゃんはココの妹。
お人形はふりまわすし、病院では走り回るし。
今日も熱々のグラタンをさわろうとするから、ココが止めてあげた。
このごろ、ナッちゃんは何だか様子が変。
お絵描きを「見せて」言ったら「だめ!」って言うし、「何拾ったの?」って聞いたら「ナイショ!」って言うし。
ココが腹を立てたら、お母さんはナッちゃんをかばう。
「もう、なんなの!? もやもやするーっ!!」
私は仲間はずれみたい。もうすぐ私の誕生日だっていうのに…何だか気持ちがもやもやする!
おねえちゃんの気持ちに寄り添い、リアルに描きだす「おねえちゃんって、」シリーズ。
『おねえちゃんって、もうたいへん!』『おねえちゃんって、ほーんとつらい!』『おねえちゃんって、いっつもがまん?』『おねえちゃんって、まいにちはらはら!』に続くシリーズ5作目。
おねえちゃんが一歩一歩成長していく姿を丁寧に追います。
「おねえちゃんって、」シリーズ。他の巻も合わせて読んでみてね♪
『こぐまと星のハーモニカ』(フレーベル館)
夏休み最初の日、ぼくは親友のたっくんとケンカした。たっくんの部屋でとっくみあいの大ゲンカ。
夏休みにはあれもしよう、これもしよう、とたくさん、あそぶつもりだったのに‥‥‥。家についたらなみだがあふれた。でも、ぼくからは、ぜったいにあやまりたくない。
そんなぼくのところにやってきたのは、いっぴきのこぐま。こぐまといろんな遊びや冒険をするぼく。こぐまはぼくにしか見えないみたいだけれど、こぐまがいてくれればなんだか楽しい。でも心の中にはたっくんのことが引っ掛かっていて‥‥‥。
お互いにごめんねが言えなくて、気になるのになかなか仲直りできない、っていうことありますよね。さて、こぐまとの触れあいを通して、ぼくとたっくんはどんな風になかなおりするのでしょうか?
【本選びのためのキーワード】
夏休み、友だち、ケンカ、ごめんねが言えない、なかなおり
『こぐまと星のハーモニカ』(2020年7月刊行)
みどころ
たのしいたのしい夏休み!
あれもしよう、これもしようと、胸おどる計画がたくさん!
でも、そんな夏休み最初の日、ぼくは親友とケンカした──
ほんのささいなきっかけではじまったケンカは、いつしか取っ組み合いの大ゲンカに!
たのしいはずの夏休みは台無しです。
もしかして、ぼくは夏休みのあいだずっと、ひとりぼっちなのかもしれない。
不安で眠れぬ夜のこと、窓の外からふしぎなリズムが……
トントコトトン、トントコトトン──
リズムにのって踊っていたのは、ふわふわ、もこもこ、しゃべるこぐま!?
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秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
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