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小学生の読書感想文におすすめの本

小学3、4年生の読書感想文におすすめの本10選!(2021年版)

夏休み、読書関連の宿題は進んでいますか?

小学3、4年生にもなると、読書感想文の宿題が出ている子もきっと多いですよね。他にもお休み中に〇冊読んで記録しよう、というような読む宿題も出ていたりするでしょうか。絵本ナビでは、読書の宿題が少しでも楽しくできるよう、新刊を中心とした旬のおすすめ本を学年別に5冊ずつご紹介します。各作品には【本選びのためのキーワード】もつけていますので、本選びに迷ったら、ぜひ参考にしてみて下さいね。


※より選びやすくするために、小学3年生向けに5冊、4年生向けに5冊とおすすめ本の10冊を分けておりますが、小学3年生でも4年生のおすすめ本を、4年生でも3年生のおすすめ本を選んでいただくことは全く問題ありません。まずは「読んでみたい!」と興味を持った作品から、どんどん手に取ってみて下さいね。

小学3年生の夏の読書と読書感想文におすすめの本

『すてきなひとりぼっち』(のら書店)

ついさっきまで、一平の周りにはクラスメートたちが集まっていたのに、絵を書きあげたころには誰もいない。雨の日に転んで水たまりに入ってしまった時も、誰も見ていない。しかも家に着いたら鍵がしまっていた……。寒いし、おなかがすいたし、ひざがひりひりする。これに似たような「ひとりぼっち」の気持ち、小学3、4年生のみんなだったら1度は体験したことがあるのでは?
けれども、立ちあがっておかあさんを迎えに行くことにした一平くん。行く先々にはいろんな出会いが待っていて、気づいたらなんだか周りがにぎやかに。もし、一平くんと同じような気持ちになったり体験したことがあったら、それを感想文に書いてみるのはいかがでしょう? またひとりぼっちはひとりぼっちでも「すてきなひとりぼっち」ってどんな時だろうと想像して書いてみるのもいいですね。
全ページにカラー絵がついていて、文章が少ないので、絵本の延長のように気楽に読める1冊です。長いお話がちょっと苦手という子は、まず手に取って開いてみませんか。

 

【本選びのキーワード】

ひとりぼっち、出会い、発見、ひとりだけの時間、人の温かさ

『すてきなひとりぼっち』(2021年5月刊行)

すてきなひとりぼっち

みどころ

「うまいじゃん」「すげえ」

そう言われて夢中で絵を描いていると、出来上がった頃にはみんなはもういない。一平くんは、こういうひとりぼっちには慣れている。

「うげっ」

雨の帰り道、誰も見ていないところで転んで、傘が折れて、水たまりで全身びしょびしょになる。そんなひとりぼっちにも慣れている。だけど、今日はちょっとつらい。だって、おかあさんが家の鍵を閉めたまま、どこかに出かけてしまったんだ。なんでだよぉ……。

思いきって街へ出た一平くん、だけどそこには出会いがあり、出来事があり、そして思わぬ時間の発見へとつながっていく。

「あっ!」

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『さよならのたからばこ』(理論社)

友だちの引っ越しや自分の引っ越しで、仲の良い友だちと別れなければならなくなってしまったことはありますか?

この本には、美波という女の子が住み慣れた島から東京に引っ越す前の、最後の一日が描かれています。おわかれ会は、人が集まってにぎやかだったけれど、洋生だけは来ませんでした。いつも一緒に遊んでいたのに‥‥‥。美波と洋生くんはちゃんとさよならの挨拶ができるのでしょうか。

舞台となっている島の風景が美しく描かれていて、夏にぴったりの気持ちのいい作品です。仲の良い友だちとの別れについて、何か書けそうと思ったら、この本を選んでみて下さいね。

 

【本選びのためのキーワード】

ひと夏の思い出、引っ越し、親友、島、青い海、大きな雲

『さよならのたからばこ』(2021年6月刊行)

さよならのたからばこ

出版社からの内容紹介

小学二年の美波(みなみ)は明日島から東京にひっこします。
お別れ会に来なかった洋生(ようせい)にばったり会い、二人でひとさがしをすることになりました。
いつも遊んでいた友だちとさよならするための大事な一日をえがきます。

編集者コメント
島から旅立つ女の子と島に残る男の子、ふたりのちょっと切ない別れを島の自然や風や雲が見守っているようなみずみずしいお話です。

『AIロボット ひと月貸します!』(岩崎書店)

もし、自分の分身が現れたら何をお願いしますか? 代わりに学校に行ってもらう、勉強してもらう、お手伝いをやってもらう‥‥‥。嫌なこと、面倒なこと、代わりにやってもらえたらどんなに楽でしょう。 でも楽ばかりしていると、にせものの自分にほんものの自分が乗っ取られちゃうかも?

主人公の栄太は、両親と出かけた未来科学研究所で、自分の分身が作れるという「AIロボット」を借りることに。借りた箱の中に入っていたのは、「小さなカップラーメンの容器」「リモコンつきのイヤホン」「説明書らしき紙きれ」。さて、どうやって自分の分身を作るのでしょうか。また分身のいる生活はどんな感じなのでしょう。感想文を書く時には、もし自分の分身がいたら‥‥‥といろいろ想像を膨らませてみるのがおすすめです。

 

【本選びのためのキーワード】

自分がもうひとり、AI、ロボット、データ(記憶)の共有、ロボットとの友情、好きな女の子

『AIロボット ひと月貸します!』(2020年8月刊行)

AIロボット、ひと月貸します!

出版社からの内容紹介

我が家にAIロボットがやってきた。
名前はエイト。ぼくにそっくり。そしてぼくよりうんと優秀!

最初はいろんなことをやってもらえてうれしかったけど、だんだん不安になってきて…。
涙と笑いの一か月が過ぎて、その日は来てしまった。

心通うはずのないロボットとの確かな心の交流を描いた、胸が熱くなる作品。

第35回福島正実記念SF童話賞大賞受賞作

『ぼくとキキとアトリエで』(文研出版)

学校でもない、家でもない、ぼくにとって心地のいい一番大切な場所。それが「アトリエキキ」。アトリエキキは違う学校、違う学年の子と一緒に、絵を描いたり、絵を見たりする場所。絵を描くのが好きな人が集まっている場所。そんな居心地のいい場所が、商店街の建て替え工事によってなくなってしまう危機に見舞われて‥‥‥。

ぼくが通っている水曜日のメンバーは小1から小6まで、それぞれに良い個性があり、描く絵にも魅力がある。アトリエキキの先生は、子どもだからって、いいかげんなおせじやウソがなく、よく相談に行く美容師さんのカンヌさんも、いつも言いたいこと、やりたいことをすぐに理解してくれる信頼できる大人たちだ。そんなさまざまな出会いと関わりの中で成長していくぼく。このお話を読んで、自分の大切な場所や好きな人たちについて考え、感想文に書いてみませんか? またお話の中では、なぜかぼくがアトリエキキに通うことにケチをつけてくる徹平とのやりとりの場面に注目してみると、いい感想が思い浮かぶかもしれません。

 

【本選びのキーワード】

大切な場所、絵を描くことが好き、絵を描く楽しさ、仲間の気持ちを想像する、信頼できる大人

『ぼくとキキとアトリエで』(2020年5月刊行)

ぼくとキキとアトリエで

出版社からの内容紹介

水曜日は、ぼくが一番好きな曜日だ。
それは、アトリエキキに通う日だから。
違う学校、違う学年の子が一緒になって絵を描く、絵を見る。
絵をかくことが好きなひとどんどん集まっている場所。
学校でも、家でも、塾でもない場所。
それでいて、ぼくが一番大事に思っている場所。
そんな大事な場所がなくなっちゃう??

『トラブル旅行社 砂漠のフルーツ狩りツアー』(金の星社)

とにかく楽しいお話が読みたい!という人におすすめの1冊。「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズの廣嶋玲子さんが書いているので、銭天堂ファンの人は注目ですよ。ある日、学校から帰るなり、冷蔵庫にあったジュースを一気に飲んでしまった大悟。飲んだ後で、母親が外国の友人からもらった大事なジュースだと分かり、慌てて思い当たる店を探し回るもどこにも見当たらない。困り果てた大悟がたどり着いたのは、どんな問題でも解決する旅を提供してくれるという「トラブル旅行社(トラブルトラベル)」。失われたフルーツジュースを再現するフルーツを手にいれるため、シャルターン王国のアラク砂漠へ出発です! さて大悟はフルーツを手に入れて、無事に家に帰ることができるのでしょうか。ミッションをクリアしていくゲーム感覚が楽しめたり、遠い国に旅行に行ったようなワクワク感が味わえます。

 

【本選びのためのキーワード】

旅行、旅の厳しさ、冒険、出会い、友情、珍しいフルーツ、料理

『トラブル旅行社 砂漠のフルーツ狩りツアー』(2020年3月刊行)

トラブル旅行社 砂漠のフルーツ狩りツアー

出版社からの内容紹介

銭天堂で大人気の作家、廣嶋玲子先生の新シリーズ。子どもが抱える悩みやトラブルを解決する旅を提供する「トラブル旅行社」から、子どもたちの冒険旅行が始まる。今回の旅先は、砂漠の世界。家族みんなで飲むはずだった高級フルーツジュースをうっかり飲み干してしまった小学4年生の大悟が、同じジュースをつくりだすために、フルーツ探しの旅に出かける。

小学4年生の夏の読書と読書感想文におすすめの本

『先生、感想文、書けません!』(童心社)

「先生、なんで感想文って書かなくちゃいけないの? わたし、本は読んでるし、ちゃんとおもしろかったよ。ああ、よかったぁだけじゃだめなの?」
主人公のみずかのこのセリフ。共感したら、この本で、感想文を書いてみませんか?
どうして感想文を書かなくてはいけないのか、感想文を書く目的は? またお話の登場人物の気持ちになるってどういうこと? といったような疑問の答えが、お話を通して自然に伝わってきます。主人公のみずかは三年生ですが、三年生から六年生までおすすめしたい作品です。

 

【本選びのためのキーワード】

読書感想文について考える、お話を作る楽しさ、きょうだいを思う気持ち、先生とのやりとり

『先生、感想文、書けません!』(2021年7月刊行)

先生、感想文、書けません!

みどころ

「だって、書けないんだもん。」
「わたしには、感想文、むり!」

夏休みの登校日に、どうどうと訴えているのは、三年生のみずか。
みずかは本が決して嫌いなわけではないのです。夏休みに入ってから、友だちのあかねちゃんと三回も市民図書館に行きました。でもみずかにとって感想文を書ける本がなかったのです。面白くなかったわけではありません。

「おもしろい本を読むと、むねがいっぱいになるの。
ああ、よかったなあ、おもしろかったなあって」

「先生、なんで感想文って書かなくちゃいけないの? わたし、本は読んでるし、ちゃんとおもしろかったよ。ああ、よかったぁだけじゃだめなの?」

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『セラピードッグのハナとわたし』(文研出版)

「セラピードッグ」について耳にしたことはありますか? このお話は、セラピードッグ見習いの犬ハナちゃんと、花菜(小学四年生)の関わりと成長のお話です。セラピードッグのお話というと、すでに仕事についている犬の立派な姿を紹介するお話が多いのですが、このお話のポイントは、まだセラピードッグの見習いというところ。しかもハナちゃんは、過去の体験から人間嫌いになってしまったようなのです。花菜はハナちゃんが心配で、セラピードッグを育て、派遣している「ワンコ村」に通います。そこで出会ったのは、ハナちゃんを厳しく訓練するひよりという同じ四年生の女の子で、花菜とひよりはたびたびぶつかります。セラピードッグになるためにはどんな素養が必要なのか、またどんな役割をしているかなど、セラピードッグについて詳しく知ることができるので、動物が好きな人や、動物と人との関わりについて興味がある人に特におすすめです。

 

【本選びのためのキーワード】

セラピードッグ、セラピードッグになるための訓練、正しいなで方、散歩のコツ、友だち

『セラピードッグのハナとわたし』(2020年9月刊行)

セラピードッグのハナとわたし

出版社からの内容紹介

セラピードッグってなーに? 小学校四年生の花菜(かな)は、おばあちゃんが入居している老人ホームで、セラピードッグの存在を知る。
そんなある日、いつもと違うセラピードッグが、おばあちゃんの老人ホームに遊びにきた。ネームプレートには、『見習いのハナちゃん』とかかれている。なぜか一匹だけ、泣いているみたいなさびしい目をしていた。ハナちゃんのことが心配になった花菜は、セラピードッグを派遣している「ワンコ村」に行くことにした。そこで、ハナちゃんの悲しい生い立ちを知ることとなる。
セラピードッグになるための訓練がうまくいかないハナ。訓練士さんに、セラピードッグには向いていないかもしれないと、諦められそうになっている。その事実を知った花菜は、自分にできる事は何かないか、一生懸命に考え、行動に移していく。
ハナちゃんは、セラピードッグになれるのだろうか……。

 

 

『俳句ステップ』(佼成出版社)

「俳句」を作ったことはありますか? 一見難しそうに感じてしまうかもしれないけれど、このお話を読むと、俳句を作るときの考え方が分かったり、俳句で気持ちを表現する楽しさを感じることができます。また、自分が作った俳句がクラスメートに盗まれる? という事件も起きてハラハラドキドキ。どうして盗まれてしまったのか、盗んだ相手はどんなことを思っているか、にも注目しながら読んでみて下さいね。感想文を膨らませるポイントとしては、俳句についてこの本を読んだことで初めて知ったことや、俳句の盗作をめぐる盗まれた側、盗んだ側の気持ちについてまとめてみるのがおすすめです。主人公の七実やクラスメートは三年生なのですが、お話が少し長めなので、今回は四年生へのおすすめとしています。けれども三年生でも俳句に興味がある人、少し長めのお話に挑戦してみたい!と思った人はぜひ読んでみて下さいね。

 

【本選びのためのキーワード】

俳句、言葉、大会、盗作、クラスメート、友情、公園で出会ったおばあさん、気持ちをとじこめる

『俳句ステップ』(2020年8月刊行)

俳句ステップ!

出版社からの内容紹介

七実には秘密がありました。それは公園で出会ったおばあさんと、密かに俳句を作っていること。そんなある日、七実のクラスに、市の俳句大会で大賞を受賞した人がいることが発表されます。ですが、そこから思いもよらぬ“盗作問題”が巻き起こり――。少ない言葉に思いをこめる俳句の魅力や、句会を通じて人と心を通わせる楽しさを描いた、俳句入門にもぴったりの物語です。

読者の声より

あ!この方、「だんご山会議」の方です
この方の作品、今の子ども達の切り方が上手だし
言葉にできない感情とかも
上手く表現しているように思います
女子のグループの様子とか
あ~、なるほど~って
気持ちや感情がこんがらがる感じを
うまく表現してくれるなぁ~とか
素敵な年配者の関わりもいいのです

で、読後が爽やかなのも、いいです!

勉強、暗記する俳句ではなく
言葉で遊ぶ、感じるから
感性を磨くことにつながるような
で、年を重ねると、これまたいいんですよ(笑

世代を超えて「五七五」楽しみましょ
(しいら☆さん 50代・その他の方 )

『大坂城のシロ』(くもん出版)

豊臣秀吉が天下をおさめていたころ、大坂城には虎がいたという。その虎のエサにするために大坂の町なかでは、そこらじゅうの犬が集められて連れて行かれたといううわさが‥‥‥。この話を聞いただけでもショッキングで、何が起こるのか気になってきませんか? 主人公のサチもただのうわさだろうと思っていましたが、ある日大坂城から犬集めの一行がやってきて、大切な「シロ」が連れていかれてしまいます。シロはどうなってしまうのでしょうか? 大坂市内や大阪府北部の能勢町の言い伝えが元になったというお話。歴史好きの子にもおすすめです。初めから終わりまで臨場感あふれるドラマチックな語り口に、読み始めたら一気に読めてしまうでしょう。

 

【本選びのキーワード】

犬との出会い、絆、虎との戦い、言い伝え、歴史エンターテインメント

『大坂城のシロ』(2020年12月刊行)

大坂城のシロ

みどころ

秀吉のおさめる大坂城に、おおきな、おおきなバケモノがいるらしい──
人々をさわがせる噂の正体は、大坂城で生け捕りにされている、巨大な虎でした。
秀吉は家臣に、キジや野ウサギ、タヌキ、そして果ては犬までを近くの村々から集めさせては、それを虎にエサとして与えていました。

虎のオリに入れられた犬は、震えあがって逃げ出します。
しかし、せまいオリのなかで、虎から逃げられるはずもありません。
そのうちに聞こえてくる、犬の悲鳴と、虎のうなり声……

ところがその日、虎の世話係である気弱な少年、安吉が見たのは、意外な光景でした。
エサとしてとらえられたはずの、やせ細った白い犬。
彼は逃げるでも、おびえるでもなく、まっすぐに虎とにらみあったのです。

「あの犬は、虎にいどもうとしている。虎のすきをうかがっている──」

犬が虎に勝てるわけはない。しかし、もしも秀吉さまの虎がケガでもしたら……
安吉はすぐに助けを呼びますが……助けるのは虎? それとも、犬? それに、いったい誰に助けることなどできるというのでしょう。

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読者の声より

大阪・能勢に伝わる、歴史エンタメです。

山で男と暮らしていた白犬「シロ」が
少女と出会い、虎のえさになるところを
持ち前の賢さでかいくぐり
再び少女のもとに帰るまでのお話です。

出会いからドラマチックで
数々の問題が降りかかるのを
ハラハラしながら読みました。

描かれる大阪北部地域の景色が目に浮かぶ描写
活き活きとした関西弁のセリフ回しもテンポがよく
あっという間に読み終わり
また、新しい出会い(縁)を予感させるラストも読後感がよいです。

大阪を堪能できる一冊です。
(やこちんさん 50代・ママ 女の子16歳)

『サイコーの通知表』(講談社)

学期末にもらう「通知表」。この「通知表」について何か思うことがある人は、この本で感想文を書いてみては?

「通知表なんて、ただの紙切れじゃん。あんなので、ぼくらの何がわかるの?」
「通知表があるから、よけいにやる気がなくなるんだ」
「あたしだって、通知表なんて、いらない!」
通知表って何であるんだろ? そう考えた主人公の朝陽(小学四年生)は、クラスメートを巻き込んで、担任の先生の通知表を作ることに。

 

今回の記事で紹介する本のうち、一番長いお話になりますが、テーマは身近な「通知表」なので読み始めたら最後まで面白く読めるはず。挑戦できそうな人は頑張って読んでみて下さいね。

 

【本選びのためのキーワード】

通知表、担任の先生、クラスメート、評価するって難しい、十才のゆめ発表会、

『サイコーの通知表』(2021年3月刊行)

サイコーの通知表

出版社からの内容紹介

1年生のときからずーっと通知表に「できる」とだけ書かれてフツーなことにコンプレックスを感じている朝陽(あさひ)も、「よくできる」がいっぱいの優等生の叶希(とき)も、体育以外は「もうすこし」ばっかりの大河(たいが)も、みーんな心の中では思っている。
「通知表なんて、ただの紙切れじゃん。あんなので、ぼくらの何がわかるの?」
「通知表があるから、よけいにやる気がなくなるんだ」
「あたしだって、通知表なんて、いらない!」
たしかに、そうだ。思えば通知表って何であるんだろ? あれを見たって、どこをどう直せば成績が上がるのかなんてわからないじゃないか!
そういえば朝陽のお父さんが言っていた。会社では、部下が上司の成績をつけることがあるんだって。
「ねえ、先生の通知表をつけようよ」
朝陽の一言から、クラス一丸となって担任のハシケン先生の通知表作りが始まった。でも、人に成績をつけるって、こんなに難しいことだったのか!?

読者の声より

「あした、また学校で」の
同じ先生が出てくるーとのことだったので
とても楽しみにしていました

連休のときには
動画で、作者の工藤氏といとうみく氏との対談があったのを
観ていたこともあって
かなりの期待度

頼りないけど、素敵な先生と

「通知表」って何なの?
誰のため?のもの?
何をがんばればいいの?
どう、がんばればいいの?
その先生の見方にもよる?
「人が人を評価する」ってどうなんだろう?

と、まぁ~
いろんなことをよ~く考えている小学4年生たち

主人公の朝陽くんのお姉ちゃんの存在も大きい
あまりにもリアルな感じで
この4年3組のメンバーになった気持ちにさせてくれます

でも、通信簿に限らず
「今」始まった問題ではなく
何かが気になっているのに
根本は変わらない、変えられないことって
いっぱいあると思われます

これから、自分は、自分たちはどうすればいいのか
子どもたちの未来に期待します
周りの大人たちも、決めつけないで
一緒に考えて
一緒に考えてみましょうよーと
応援したくなります

期待を裏切らないすばらしい作品でした
(しいら☆さん 50代・その他の方 )

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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