【小学生におすすめの新刊&そのつぎ何を読む?】『しょうがっこうが、きらいです!』
学校に行きたくないと思った日に読む本は…
「わたし、学校、いきたく ないみたい」
なんだか朝から胸がモヤモヤして学校へ行きたくない小学生のマユ。
どうしてなんだろう。
べんきょうがつまらない? きゅうしょくがいや? いや、なんか自由じゃないのが嫌なのかも……。
もし同じような気持ちになったことがあったり、タイトルを見て興味を持ったら、手に取ってみませんか。読んだ後、このお話が気に入ったら、つぎに読みたいおすすめ本も合わせてご紹介します。
『しょうがっこうが、きらいです!』
どんなお話?
一年生のマユは、朝から胸の中がモヤモヤして、学校へ行きたくありません。
「どうして?」と驚いてたずねるパパに、
べんきょうがつまらない? きゅうしょくがいや? いや、なんか自由じゃないのが嫌なのかも。
といろいろな理由をつぶやきながらも、胸のモヤモヤが晴れません。
今日は五時間目のせいかつでしゃぼんだまをやる日。しゃぼんだまをたくさん作るための「ひみつのどうぐ」として、とっておきのストローをたくさん準備してくれたママに励まされるように送り出され、学校へ向かうマユ。
学校では、一緒にいるのに友だちにだけ声をかけるみさきちゃんや、いつもマユのものを借りようとする隣の席の粗暴なぎんちゃん、おまけに給食にはきらいな野菜が出て、マユのモヤモヤはどんどん大きくなるばかり。
そうしてしゃぼんだまのじかんがやってきて……。
絵本ナビ副編集長のおすすめポイント
- 学校でクラスメイトとの関係で起きる出来事に、共感できることがいっぱい。
たとえば、クラスメイトが、違う子には話しかけるのに自分には話しかけてこなかったり、友だち2人が、自分の知らない話で盛り上がっている。隣の席の子がなんでも貸してと言ってくる。しまいには隣の席の子に消しゴムを折られた、自分は悪くないのに、クラスメイトに笑われた……。などなど、小学校での人間関係に「分かる、分かる」と共感したり、時には笑ってしまったりすることで、客観的に自分の学校の様子も見つめられたり、ホッとしたりすることがあるのではないでしょうか。
- 給食できらいな食べ物が出た時の話に注目!
この日出た給食のメニューは「すきやきに」。けれどもお肉がぜんぜんないことや、嫌いなネギがいっぱい入っていて、どういやなのか、食べるとどんな感触がするのかの場面にユーモアがたっぷり。給食に嫌いなメニューが出たときの気持ちとおんなじ! と笑ってしまうのでは?
- 五じかん目のしゃぼんだまの時間に、ホッ。
みんな仲良しさんで固まってしゃぼんだまを飛ばす中、ひとりでしゃぼんだまを吹くマユ。でも、ママが作ってくれたストローのおかげで、だんだん友だちが集まってきて……。
マユが学校で気持ちをあれこれ動かしながら頑張る様子に、共感したり、励まされたり。モヤモヤしていてもふとしたことで気持ちが変わったり、朝は気が重くても、帰りにはすっかり気持ちが晴れているかもしれない……。でも、モヤモヤした時には思いきって『しょうがっこうが、きらいです!』って宣言するだけでも気持ちが軽くなるかもしれませんよ。
お話を書かれたのは?
山本 悦子(やまもとえつこ)さん
愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第55回野間児童文芸賞受賞。主な作品に『先生、しゅくだいわすれました』『二年二組のたからばこ』『がっこうかっぱのイケノオイ』『くつ、かくしたのだあれ?』「ポケネコにゃんころりん」シリーズ(以上、童心社)『夜間中学へようこそ』(岩崎書店)『今、空に翼広げて』(講談社)など多数。日本児童文学者協会会員。
佐藤 真紀子(さとうまきこ)さん
1965年、東京都生まれ。作品に『いえでででんしゃ』『いえでででんしゃはこしょうちゅう?』『ねこじまくん』『風の森のユイ』(以上、新日本出版社)、「バッテリー」Ⅰ~Ⅵ(教育画劇)、『りんごの木』『いちばん星、みっけ!』(ポプラ社)、『なまくら』(講談社)など多数。
つぎ何を読む?
『しょうがっこうが、きらいです!』を面白く読んで、つぎに同じような雰囲気やテーマのお話が読みたいなあ、と思った小学生に、つぎに読む本の選び方とおすすめ本をご紹介します。
つぎに読む本の選び方① 作者(お話を書いた人)の山本悦子さんの作品から選ぶ
山本悦子さんの本で、かつ小学1~3年生が読みやすいお話をご紹介します。
つぎに読む本の選び方② 挿絵(絵を描いた人)の佐藤真紀子さんの作品から選ぶ
佐藤真紀子さんの挿絵の本から、小学1~3年生におすすめの本をご紹介します。
つぎに読む本の選び方➂ 内容から選ぶ
今回のテーマと同じような、学校に行きたくない気持ちの時に読みたい本をご紹介します。
おわりに
学校に行きたくない。なんだか気持ちがモヤモヤする…。そんな時こそ本を開いてみませんか? 本の中には同じような気持ちを持っている主人公がいて、自分のモヤモヤした気持ちや悲しい気持ちに寄り添ってくれます。そして主人公の気持ちがどのように変わったのかや、困ったことをどう乗り越えたのかを通して、なにか状況を良くするヒントが分かることもあるかもしれません。
そんな風に、本を自分の味方にしていく方法を今回紹介した本はきっと教えてくれることでしょう。
秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の児童書仕入れ担当、小学校の図書室司書(8年)を経て、2013年より絵本情報サイト「絵本ナビ」に勤務。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選び、さまざまな切り口で紹介している。
編著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
合わせておすすめ
- 2019.01.22【小学生におすすめの新刊】『学校へ行こう ちゃんとりん』
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |