新生活を迎える中学生に贈る本の花束

中学生のみなさんこんにちは! 中学校と高等学校の学校図書館で司書をしている山下ちどりです。
2025年の春はとってもかけ足でやってきましたね。
新しい環境、新しい友達、新しい毎日。
中学1年生はもちろん、中学2年生、3年生になる人たちも、春はドキドキすることでしょう。
ワクワクすることもあれば、不安が増えてくることもあるかもしれません。
勉強のこと、友達関係、自分の将来……いろんな悩みや迷いにぶつかることもあるでしょう。そんなとき、本の世界がそっと背中を押してくれることがあります。本は、あなたの気持ちにそっと寄り添って、はげましや新しい視点をくれるたのもしい存在です。
今回ご紹介するのは、新生活を迎える中学生にオススメの本たちです。
現役学校司書がカテゴリを花束に見立てて、あなたに贈ります。
この記事のどこかに、今のあなたにぴったりの一冊が見つかるといいな、と思って書きました。
ぜひ読んでみてくださいね。
新生活を迎える中学生にオススメの本
勉強・部活を頑張りたい! と思う人にオススメの本
中学校入学を前に、なんの部活に入ろうか悩んだり、ワクワクしている人も多いのではないでしょうか。算数が数学となり、英語の時間数が増えるので、勉強に不安を感じている人もいるかもしれませんね。まずはじめに、勉強や部活に対する不安や心配な気持ちに寄り添いながら、ワクワクの楽しみに変えてくれるような本をご紹介します。
『青春サプリ。自分を変えてくれる場所』
部活を通じて自分を変えるきっかけに出会い、部活によって成長していく中高生を描いた記録です。全国のまちの中学や高等学校で起きた、奇跡のような実話が収められています。
どのお話も何らかの困難、たとえば小学校で全国大会に出場した野球少年が進学した中学校には野球部がなかった、サッカーの強豪クラブチームに所属する人たちとの間に壁を感じる学校のサッカー部のメンバーなど。みんなそれぞれの現状に向き合って、突破して、努力の末に成長していきます。野球部、サッカー部、バレー部、ダンス部など運動系の花形部活から、吹奏楽部、演劇部、合唱部、書道部などの人気文化系、フラワーアレンジメント部や地理歴史部、自動車部などの特色ある部活まで、続巻も多くある大人気のシリーズです。
合わせて読みたい「青春サプリ。心が元気になる、5つの部活ストーリー」シリーズ
『中学生の勉強法 ver.2.0』
タイトルの2.0ってどういうこと? と目をとめた人も多いでしょう。
タブレットによる学習やスマートフォンでのコミュニケーションなど、今の中学生は親世代とは全く異なる環境に置かれています。令和の中学生に向けた、勉強のお悩み解決本がこちらです。
勉強法、とタイトルにはありますが、2章までは具体的な勉強法が書かれていません。
部活を頑張りたい、SNSも楽しみたい、効果的に勉強したいけれど、どうやって勉強したらいいか分からない。そんな中学生の心を読み解いて、「成績を上げる覚悟はある?」と問いかけてくれます。3章から具体的な勉強法に入りますが、この本で紹介されているのは「どうすれば効率よく覚えられるか?」に焦点を当てた忙しい中学生にピッタリの勉強法になっています。科目ごとにかなり具体的なアドバイスになっているので、できるかなぁ? と悩む前に、まず1学期の中間試験まで本を実践してみて、結果を分析してみるのもよいと思います。今より少しラクに、そして楽しく勉強するコツを見つけてみませんか?
『中学生のための東大生の勉強法カタログ』
全国の公立・私立の中高を卒業した東大生たちが実践していた100の勉強法を中学生に向けて紹介している本です。
「暗記編」「演習編」「授業編」「定期テスト編」「高校受験編」と、中学生にピッタリ合った章立てになっています。見開き1ページで様々な勉強法がカタログのように紹介してあるので、気軽な気持ちで勉強法をお試しして、自分に合う・合わないを見極めていくのがオススメです。
自分に合った勉強法で、大幅成績アップも夢じゃない!? 「勉強をがんばりたいけど、何をすればいいかわからない……」そんなあなたにぴったりの一冊です。この春ぜひ、眺めてみてください。
『中学生 中間・期末テストの勉強法』
新中学1年生にとって「定期テスト」は未知の世界ですよね。
「どうやって対策したらいいの? 全然分からない!」そんな悩みに応えてくれるのがこの本。中間・期末テストに向けた勉強のコツが、科目ごとにわかりやすくまとめられています。
この本は長く読み継がれている、とても人気の本です。中学生に長く支持される理由はずばり、「取り上げられている勉強法の例」が中学生に親しみやすいものばかりだから、と思います。
どんなスケジュールで勉強すればいいのか、苦手な教科の対策はどうすればいいのか……そんな疑問もすっきり解決。テスト勉強は、ただ時間をかければいいわけじゃない。ちょっとした工夫で、ぐっと効率が上がるんです。「次のテスト、ちょっとでも良い点を取りたい!」と思ったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
ワクワクしながら中学校生活を想像できちゃう本
次は、同年代の主人公たちに自分を重ね合わせて中学校生活を想像したり、楽しめるような小説をご紹介します。
『恋話ミラクル1ダース』
この本は未良来(ミラクル)中学を舞台にした短編集です。
ある日、登校したらクラスメイトの頭に花が咲いている!
ハートに矢が刺さる、2次元で恋に落ちたときの象徴的なシーンがリアルに見えてしまう!
など奇想天外な設定が、未良来中学で繰り広げられていきます。
あり得ない! けれど面白い!
1ダースは12個、つまりこの本には全12話の恋バナが収められています。
それぞれが独立しているので、自分の好きなタイミングで気軽に読めますよ。胸キュンポイント満載で、中学生にぴったりです!
「君色パレット」シリーズは、多様性をテーマにした短編集です。「多様性」という言葉を聞いて、イメージすることはどんなことですか? このシリーズで描かれる「多様性」は中高生にも容赦ない、実に幅の広い多様さです。例えば『ちょっと気になるあの人』の最初に登場するのは、美しい日傘に恋する対物性愛者(人でなくモノに恋愛感情を持つ人)のタピ岡。多様性の幅がぐんぐん広がるこのシリーズ。寒さが緩む春、自分の心も緩めてみませんか。このシリーズは確実に自分の中の「多様性」をストレッチしてくれるはずです。
「君色パレット 多様性をみつめるショートストーリー」シリーズ、他の巻もぜひ!
『もし、自分の居場所がない気がしたら』
この本は、中学生にありがちな悩みをリアルに描いた短編集です。例えば、2次元の男子にしか興味が持てない陰キャな女の子に突然舞い込んだダブルデートのお話、身近な人の死におびえてしまう男の子のお話、自分が映った動画が拡散されてしまった女の子のお話などです。
シリーズの他の巻も、ちょっとドキッとするような話題がテーマになっていて、ワクワクよりはドキドキするかもしれませんが、読後は中学校生活の不安が解消できるはず。新生活で失敗したらどうしよう! と思う心配症さんは、気になるテーマから読んでみてくださいね。
「人とのつながり こんなときは」シリーズ、合わせてどうぞ。
この春「35年目のラブレター」という映画が公開されました。定年退職後に夜間中学に通って読み書きを習った男性を主人公に夫婦愛を描いた、実話を元にした作品です。
そう、まだまだ数としては少ないですが、全国には「夜間中学」や「自主夜間中学」という学校があり、さまざまな年齢の人たちが同じ場所で学ぶ、奇跡のような空間があります。
この『星の教室』では、壮絶ないじめによって不登校になった女の子が、夜間中学に通い始め、そこに集う人と関わりながら過ごす日々が描かれています。
「あきない世傳 金と銀」シリーズなどでご存じの高田郁さんが描く、多様な人びとが身を寄せ合って学ぶ姿に、私はぐいぐい引き込まれて読んでしまいました。
実は私が書いているこの連載を、岡山自主夜間中学のみなさんが読んでくださっています。
世代や国籍を超えて学ぶ、全国の夜間中学のみなさんのことを知って欲しくて、この本を選びました。
異なる主人公それぞれの誕生日をテーマに日常がきらめく瞬間が描かれている短編集です。例えば、親友の誕生日を忘れてしまい、その穴を埋めるために奔走する主人公の物語では、友情の大切さと感動を教えてくれます。他にも、家族やクラスメイトとの絆を深める誕生日のエピソードが6つ収められています。小さな幸せが詰まった一冊です。「どのお話が気に入った?」と読後に誰かと語りたくなります。中学校をテーマにした小説ではありませんが、誰かのお誕生日をお祝いしたくなるような大切な友達ができるようにと、願いを込めて選びました。
トラブルの多い思春期だからこそ知っておきたい身だしなみや 体の変化に関する本
思春期は体と心が急激に変化(成長)する時期です。
自分の体なのに操縦不能になってしまうような、自分が自分でないような、そんな変化が現れます。また、メタ認知が育つ思春期は自分がどう見られているか、とっても気になるお年頃でもあります。
そこで、お肌や髪といった体の外側のお悩みや、大人に変化していく体の内側に関する本をご紹介します。
『基本のケアだけでキレイな髪になれました』
くせっ毛、ネコっ毛、毛先の傷み、それから頭皮のべたつき……思春期はお肌だけでなく、頭皮もトラブルを抱えがち。毎朝、鏡の前で「なんだか髪が決まらない……」と悩んでいる人はいませんか? この本では、特別なトリートメントや高級なシャンプーを使わなくても、髪がツヤツヤになる基本のケアを紹介しています。この本によれば、シャンプーの仕方や髪の乾かし方を変えるだけで、髪が驚くほど変わるそうです。お悩みに合わせて、すぐに実践できるテクニックが満載! 登校前の「行ってきます!」がちょっとごきげんになるかもしれません。
『「もう治らない」とあきらめていたアトピー、ニキビ、かゆみ、肌の悩みの治し方』
急に顔の肌が脂っぽくなって赤いプツプツが…、シャンプーをしても頭のかゆみとフケがよくならなくて…、手あれがひどい…、汗がにおう気がする…
小学校時代には経験しなかった肌トラブルに見舞われる中学生はとても多いんです。
見た目が気になるお年頃、さらにかゆみは気持ちや生活の質(QOL)を下げる原因にもなります。
専門のお医者さんによるこの本は、アトピーやニキビ、かゆみなどの原因をわかりやすく解説しているので、今まで知らなかった治療方法やケアのポイントが見つかるかもしれません。この本を読んで対策しよう! と思ったら保護者の方に相談してみてくださいね。
『一生モノの生理とからだの取り扱い大全』
小学校高学年から20歳くらいまでは、男女ともに大人の体へと急激な変化を遂げるとき。
特に女の子は、毎月来る生理やその周辺症状との付き合い方に悩むことも多いはず。
「生理ってなんであるの?」「痛みや不調はガマンするしかない?」そんな疑問や不安を持っている人にぴったりの本です。目の使い過ぎが脳疲労を起こし、生理に関するホルモンにも影響する、ということを私はこの本で初めて知りました。生理のしくみや体調管理のコツといった今のみなさんに必要な情報だけでなく、だけでなく、大人になってからも役立つ情報が満載です。自分の体と仲良く付き合っていくための1冊、ぜひ手に取ってみてくださいね。
次の本は、図書館用に作られた堅牢製本(けんろうせいほん)の本です。
書店に無ければ学校や地元の図書館などで見つけてください。
『子どもの体毛ケア・においケア』
夏になると手足のムダ毛が目立ってユウウツ……、運動した後の自分の汗のにおいが気になる……そんな人はいませんか。この本は、体毛やにおいの悩みにどう向き合えばいいのか、わかりやすく教えてくれます。「みんなはどうしてるんだろう?」と思っても、なかなか聞きにくいことですよね。でも、大丈夫。ムダ毛処理の方法や汗のにおい対策など、すぐに実践できるケアがたくさん紹介されています。正しい知識を身につけて、不安を吹き飛ばしてしまいましょう! 中学生がごきげんに、快適に過ごすためのヒントが詰まった1冊です。
タブレットやスマホなど、デジタルデバイスを安全に活用する本
最後は、学習やコミュニケーションのツール として令和の中学生に欠かすことのできない道具 。便利だけれどトラブルも心配なデジタルデバイス(スマートフォンやタブレットなど)との付き合い方に関する本をご紹介します。
『iPadの引き出し あらゆる場面で役に立つ活用アイデアブック』
小中学生に1人1台端末が貸与されるGIGAスクール構想の実施からはや4年。
小・中学校で学びにタブレットやノートパソコンを活用するのが、学校生活の日常になりつつあります。
学校の端末でなくても、個人でiPadを使っている人も多いことでしょう。
iPadを持っているみなさん、iPadをどれだけ使いこなせていますか?
この本はiPadの標準アプリを中心に、便利なTIPS(知っておくと便利な技)がたくさん紹介されています。
例えば標準の「メモアプリ」。ウェブサイトのリンクを追加したり、タグ機能で探しやすくしたりできる、ってご存じでしたか? 音声入力や、複数の画面を切り替えて作業するなど、今まで使ったことがなかった技を身につけて、iPadの活用の幅を広げてみましょう。
おうちの方といっしょに読んで、試したことを教え合うのも楽しいですよ!
『おとなもこどもも知りたい生成AIの教室』
ChatGPTやGemini、Copilotなどの生成AIについて、みなさんはどれだけ知っていますか?
「頭を使わずに答えを出せるから使っちゃダメ!」と、否定的な考え方もあることは否めません。ChatGPTは13歳以上(18 歳未満の場合、親または法定後見人の許可が必要)など、それぞれのサービスは利用可能な年齢制限を設けています。
ただ、大人の世界では業務効率化や生産性向上のために積極的に生成AIを活用していく流れにあり、今後ルールのもとで子どもたちも「正しく、上手に活用していく」流れになっていくのではないかと感じています。
「よく分からないからとりあえずダメ」ではなく、特徴を知った上でルールを守りながら「生成AIを活用」していくことが、中高生には必要になっていく気がします。
そこで、この本です! 教員養成大学・教育大学として有名な東京学芸大学の、附属小学校の先生が監修している本です。生成AIのしくみや特徴から、人間の仕事が生成AIに奪われてしまう? 危険な使い方にならない? といった心配まで、やさしい言葉で説明されています。
大人のみなさんにもオススメです。
中学生のみなさんが生成AIを利用するときには、文部科学省の「初等中等教育段階における生成AIに関する暫定的なガイドライン」
もご一読ください。
『13歳からの自分の心を守る練習』
スマホは便利なツールである一方、SNSのやりとりが終わらない、いつも監視されているような気がする、など脳や心を緊張させる原因にもなっています。
インターネットやスマホがない時代は、「学校から帰ったら、自分だけの時間」と中学生のオン・オフは切り替えがしやすかったのですが、現代はそうはいかないですよね。
スマホやインターネットによらないことも含めて、「人間関係にちょっと疲れた……」と思ったらぜひこの本を手に取ってみてください。「見た目」「悩み」「SNSの悪口」「親子関係」などのカテゴリごとに心を守るアドバイスが書かれています。
特に5章の「人とのあいだに境界線を引く」と「それは本当に自分の問題?」は、トラブルや心の疲労が起きる前に読んでおきたい部分です。
インターネットを介した世界だと、ついつい他人との境界線があいまいになりがちになってしまいます。自分の心も相手の境界も大事にして、心地よい人間関係を築いていきましょう!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
気になった本があれば、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。
中学校生活は、勉強に部活にととても忙しくなります。
忙しい日々ではありますが、朝読書や夜寝る前など、ちょっとでも本を読む習慣が続けられるといいなと思います。
中学生のみなさんの毎日が、本と共に幸せで豊かな日々になりますように!
中学生に入学、進級祝いを考えている大人の方は、記事を中学生と一緒に眺め、本を選んでみてはいかがでしょうか。
書店で会話をしながら本を選んだり、読書の時間を共に過ごしたり。本を介したやりとりが、中学生の心の糧になることも多くあります。
どの本も、大人のみなさんにもオススメできる本ですので、ぜひこの機会に一緒に本を楽しんでくださいね。
アンケート募集のお知らせ♪
連載【現役学校司書が本でCheer Up! 中学生に読んでほしいオススメ本】では、読者のみなさんからの感想や質問を募集しております。アンケートよりご意見をお寄せください。
Q1. お名前またはニックネーム(記事でのご紹介が可能かどうかもご記入下さい)
Q2. 属性(可能な範囲で)例:小学生、中学生、高校生、保護者、学校関係、図書館関係、その他等
Q3. 質問やご感想をお寄せください。
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山下ちどり
現役学校司書。
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