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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】3.11の「あの日」から8年。今、何を思いますか?

3月11日~3月17日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

今年は2011年3月11日の東日本大震災から「8年目」の年。もう8年と思う方もいれば、まだ8年と思う方もいらっしゃるでしょうか。8年たった今、まだまだ考えていかなくてはならないこと、知らなくてはならないことがたくさんあるように思います。
今週は、「あの日」のその後のことが描かれている絵本や本を中心にご紹介します。
 

3月11日 3.11と子どもの本の作家たち。

月曜日は『あの日からの或る日の絵とことば 3・11と子どもの本の作家たち』

あの日からの或る日の絵とことば 3・11と子どもの本の作家たち

――3.11と子どもの本の作家たち。
現代を代表する絵本作家たちが描く、震災をめぐる或る日の記憶。


*『翻訳できない世界のことば』のイラストブックシリーズ。
*現代を代表する絵本作家たちによる、絵とエッセイを収録。
*初のエッセイ書き下ろしとなる作家も多数。


【イラストとエッセイ】(五十音順)

阿部海太/荒井良二/飯野和好/石黒亜矢子/植田真/及川賢治/大畑いくの/加藤休ミ/軽部武宏/きくちちき/坂本千明/ささめやゆき/スズキコージ/高山なおみ/tupera tupera 亀山達矢/寺門孝之/中川学/中野真典/nakaban/長谷川義史/ハダタカヒト/原マスミ/樋口佳絵/穂村弘/牧野千穂/町田尚子/ミロコマチコ/村上慧/本橋成一/本秀康/ヨシタケシンスケ/吉田尚令


【編者より】(前書きより抄録)

僕は絵本編集者だ。2002年からこの仕事をしているのだが、2011年3月11日以降、出る絵本の傾向が変わったと感じるようになった。生命力にあふれたもの、逆に死をテーマにしたものも増え、以前なら「怖い」といって避けられたようなインパクトのある絵や物語を描く絵本作家も多くなった。
僕が日々感じる「楽しい」も「嬉しい」も「悲しい」も「寂しい」も、その根っこはあの日を境に大きく変わった。読者の中にも見えない、でも消えない感覚がうずき始めたのかもしれない。そして、絵本作家はそのことをより切実に抱え込んで、絵と言葉を紡ぎ始めたように思えるのだ。

この本は32人の絵本作家による、ごくごく個人的なエピソードの集積で出来ている。それは一見あなたには関係ない、もしかしたら些細に思える、あの日にまつわる、ある日の物語。
しかし、読み進めるうちに、いつしか自分を重ねる瞬間がやってくるかも知れない。自分の物語を誰かに聞いて欲しい。近しい誰かの物語を知りたい。他の誰かが抱えているものを、気持ちを、共有することはきっと出来ない。それでも、みんなあの日から同じ地続きの日々を生きている。何かを乗り越えたりせず、ただただ抱えて生きている。

あの日にまつわる、個人的な、他人にとっては些細な物語。そんな物語を沢山聞いてみたい。

どこからでも、この本を開けば、誰かのそんな瞬間の物語に出会う事ができる。そしてそれを、心強く思う日があるかも知れない。

あの日からの絵と言葉の物語は、僕やあなたと同じ日々を歩んでいるはずだ。

3月12日 「ふくしまからきた子」から3年

火曜日は『ふくしまからきた子 そつぎょう』

ふくしまからきた子 そつぎょう

ひさしぶりに福島に帰ってきたまや。小学校の卒業式をのぞきにいくと、なつかしい声がした。「ふくしまからきた子」から3年、福島でくらす友だちとまやの再会を描く。

3月13日 子どもに語る「3.11」心の奥深くに鋭く問いかける

水曜日は『およぐひと』

およぐひと

東日本大震災は終わっていない。失ったものの大きさに慄然とする。報道をはじめ私たち大人は何をしただろう。何ができるのだろう…。子どもに語る「3.11」。心の奥深くに鋭く問いかける長谷川集平の絵本世界。

3月14日 16歳の今しか、語れない言葉がある。

木曜日は『16歳の語り部』

16歳の語り部

【平成29年度 児童福祉文化賞推薦作品 受賞】

16歳の今しか、語れない言葉がある。

一日ひとつ、
何でもいいから
思い出をつくってほしい。
――雁部那由多

私にとっては、
言葉ってものすごく
重たいものなんです。
――津田穂乃果

私は今日も、
親友の分まで
生きています。
――相澤朱音

2016年3月11日、「東日本大震災」から5年。
津波で甚大な被害を受けた宮城県東松島市に、ある3人の高校生がいる。
彼らは、あの日を「ただのつらかった過去」にせず、
「学び」に変えるために立ち上がった若き震災の語り部だ。
彼らはこの5年間、何を思い、何に迷い、歩んできたのか。
なぜ、わざわざあのつらかった日のことを語り出さなければならなかったのか。
そこには、あの震災で生き残った、彼らなりの使命感と葛藤が存在する。

本書は、あの日、
まだ小学5年生だった子どもたちが歩んできた3.11の記録であり、
彼らが見据える未来を書き留めた「希望の書」である。

3月15日 走ることで自分自身に問いかける

金曜日は『はしるってなに』

はしるってなに

あの不条理なできごとにより、父と離れ避難生活を余儀なくされる少年。眼前の海に故郷の海や友人たちを重ね、寂しさが募る。電話先の父はそんな弱気を見通して「はしることは いつもひとり」と諭すが……。

福島の原発事故をモチーフに、故郷とは何か、自立とはいかなることか、そんな問いへの答えを、少年の成長と悟りの中に託した絵本。困難の先にある希望を、きっと感じ取ることができるだろう。

3月16日 岩手県大槌町にある「風の電話ボックス」をモデルに

土曜日は『かぜのでんわ』

かぜのでんわ

つたえて、あのひとに・・・・・・
岩手県大槌町にある「風の電話」。線はつながっていない・・・・・・。電話にこめられた「想い」を絵本に。

山の上に置かれた電話。だれもが自由に使えて、今はそばにいない人と話すことができます。でも実はそれは電話線のつながっていない電話でした。
岩手県大槌町に東日本大震災のあと設置された風の電話ボックスをモデルにした絵本。

3月17日 地震の多い日本。イツモの生活の中でそなえたい。

日曜日は『親子のための地震イツモノート』

親子のための地震イツモノート

子どもと一緒に、
そなえていますか。
10万部突破の『地震イツモノート』
子ども版ができました。

地震の多い日本。
イツモの生活のなかでそなえたい。
イツモあるもので工夫したい。

地震のおこる可能性は、
モシモではなくイツモ。
イツモしていることが、
モシモのときに役立つ
あたらしい地震への
そなえかた。

いかがでしたか? さまざまな思いが込められた絵本を通して、震災後のさまざまな8年を知るきっかけとなりますように。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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