【今週の今日の1冊】 これまでもこれからも、私たちの中で生き続けるかこさとしさんの絵本
7月8日~7月14日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
「だるまちゃん」シリーズや「からすのパンやさん」シリーズ、「かこさとしのからだの本」シリーズや数多くの科学絵本など、心に深く刻まれる素晴らしい作品を残して下さったかこさとしさん。誰もが1度は目にしたことがあるほど多くの親子に親しまれていますよね。
昨年92歳でお亡くなりになったニュースを聞いた時には日本中が悲しみに包まれましたが、かこさとしさんの描いた作品はいつまでもその輝きを失わないまま、私たちの中に生き続けています。戦争で生き残った自分を恥じ、未来を生きる子供たちへ何かを残したいという思いから亡くなる直前まで絵本を描き続けたかこさん。その姿と想いを記録した人生最期のロングインタビューが先日7月7日にNHKで放映されました。
今週はかこさとしさんのロングセラー絵本から、エッセイ、展覧会の公式図録、ライフワークとして力を注がれた伝承遊びの本まで、かこさとしさんの世界をより深く知れる本をたっぷりご紹介します。
7月8日 全ての親子へ贈る、希望の未来のメッセージ
月曜日は『未来のだるまちゃんへ』
迷い道の人生、絵本創作の原点……
『だるまちゃんとてんぐちゃん』など、数多の人気絵本を世に送り出してきたかこさとし。19歳で敗戦を迎え、態度を変えた大人に失望した著者は、「子どもたちのために役に立ちたい」と、セツルメント活動に励むようになる。そこでは、絵本創作の原点となる子どもたちとの出会いがあった――。
国民的人気絵本作家が、自身の人生について初めて語った記念すべき自叙伝。
サラリーマンとの二足のわらじ生活、自身の子育て、震災と原発事故を経て思うことなど、
秘話が盛りだくさん! 絵本に込めた願い、尊敬してやまない子どもたち、「生きる」とはどういうことか……柔らかい口調そのままの文体で読みやすく、深い含蓄のある言葉に励まされる内容です。
『ぐりとぐら』で知られる中川李枝子さんが、かこさんとの知られざる邂逅について綴った文庫解説も必読!
90歳の絵本作家が全ての親子へ贈る、希望の未来のメッセージです。
7月9日 赤くて丸くて愛嬌たっぷりの人気者!
火曜日は『だるまちゃんとてんぐちゃん』
主人公はまっ赤な丸い体がチャームポイント、ちいさいだるまの男の子だるまちゃんです。
ある日、おともだちのちいさいてんぐちゃんと遊んでいると、てんぐちゃんの持っているうちわが気になります。
「これ なあに?」「これは てんぐの うちわだよ」「ふーん いいものだね」
だるまちゃんはうちへ帰って言うのです。
「てんぐちゃんの ような うちわが ほしいよう」
するとお父さんが、だるまちゃんのために家中のうちわを出してきてくれます。でも・・・みんなちょっと違います。こんなうちわじゃないのです。だるまちゃんは考えているうちに、いいことに気がつきました。そっくりなものを見つけたのです。
ところが今度は、てんぐちゃんのかぶっている帽子がうらやましくなってきただるまちゃん。
またまたおうちへ帰って、言うのです。
「てんぐちゃんの ような ぼうしが ほしいよう」
その後も、はきものが欲しくなり、さらには長い鼻まで!!
何でも欲しがるだるまちゃん。気持ちはわかりますよね。だって、てんぐちゃんの持っているもの、みんなめずらしい形をしているんだもの。
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7月10日 ページを広げると、なんと7メートル!
水曜日は『絵巻じたて ひろがるえほん かわ』
「こどものとも」創刊60周年を記念して、「こどものとも絵本」のロングセラー『かわ』を絵巻じたてにしました。折りたたまれたページをひろげると約7メートル。源流から海までの川の旅が一望できます。両面印刷。おもて面はカラー(4色)印刷。うら面は、黒と水色の2色で印刷し、川の流れの変化がきわだつようにしました。おもてとうら、二通りのたのしみかたができます。『かわ』の最終場面に2ページぶん追加。長い川旅のさいごに、広大な海がひろがります。

7月11日 どのパンがすき?
木曜日は『からすのパンやさん』
いずみがもりの木の上には、みんな、からすのうちがあり、
その中くらいの木に「からすのパンやさん」のお店がありました。
そして、その「からすのパンやさん」のうちに四羽のあかちゃんが生まれました。
オモチちゃん、レモンちゃん、リンゴちゃん、チョコちゃん。
お父さんとお母さんは、優しく大事に育てました。
でも、彼らのおうちはパンやさん。とにかく忙しいのです。
朝早くから起きて、パンを作り、お店の掃除をし、お客さんにパンを売り。
その合間にあかちゃん達をあやしたり、抱っこしたり。
おっぱいをあげたり、おしめをとりかえたり。
そのうちに、お店がちらかってきて、お客さんも減っていき…とうとう貧乏になってしまいました。
それでも、子どもたちは元気に育っていきます。
お店で売れなかったパンやこげたパンなどは、みんな子どもたちのおやつになります。
そのおやつパンが、まわりの子どもたちの間で評判になり、みんなが買いにくることに。
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7月12日 宇宙に興味を持ち始めた小学生に!
金曜日は『宇宙 そのひろがりをしろう』
宇宙はいったいどれほど広く、その果てはどうなっているか? 巨大な宇宙の広がりをテーマに望遠鏡やロケットの歴史、星の進化とその一生、宇宙有限論までを紹介した科学絵本。
7月13日 かこさとしさんの研究が詰まった伝承遊び読本
土曜日は『だるまちゃんと楽しむ 日本の子どものあそび読本』
日本の子どもたちのあいだで愛されてきたあそびを集めた1冊。「草花や木の実のあそび」「いろいろ工作のあそび」など、お家の中でも外でも楽しめるあそびが満載です。紙、ハンカチ、ひもなど、身近にあるもので工夫するあそびばかりなので、気軽に楽しめます! そして、大人にとっては懐かしい、今の子どもたちにとっては新しいあそびの数々は、子どもから大人まで、みんなで楽しむことができます。本書は、1967年に出版された『日本伝承のあそび読本』より選りすぐったあそびと、今の子どもたちこそ楽しめるあそびを、加古里子さんがオールカラーで描きおろしてくださいました。たくさんの伝承あそびも登場する『だるまちゃんとてんぐちゃん』など「だるまちゃん」シリーズでおなじみのキャラクターたちも登場し、一緒に伝承あそびを楽しみます。文字は大きめで、ふりがなもふってありますので、子どもたちだけでも楽しめます。

7月14日 未来を担う 子どもたちのために
いかがでしたか。
子ども時代に。親になり我が子に。そして孫にも。
親子3代にわたり愛されているかこさとしさんの絵本を、人生の折々でたびたび出会い直しながら、かこさとしさんが作品に込めた思いや子どもたちへの願いを大切に胸に留めていきたいですね。
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