【今週の今日の1冊】節分に向けて読みたい絵本➀鬼のことを名作絵本で知ろう
1月20日~1月26日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
今週と来週の今日の1冊は、節分に向けて読みたい絵本を2週続けてご紹介します。まず今週は、節分行事を理解する前に鬼のことを知ろう! ということで、鬼の絵本から。大人の方も、鬼と聞いてすぐに思い浮かぶのは、子どもの頃に読んだお話ではないでしょうか? 大人には懐かしく、子どもたちには鬼の本質を伝えられる、名作鬼絵本をピックアップしてみました。
1月20日 鬼と大工の知恵くらべの結末は?
月曜日は『だいくとおにろく』
みどころ
昔、あるところにとても流れの速い大きな川がありました。どんな橋をかけても流されてしまうので、村の人は困りはて、腕のいい大工に工事をお願いしました。
しかし、引き受けてはみたものの大工も本当に作れるのか、心配になってしまいました。そんなとき、大きな鬼があらわれて、「おまえの目玉をよこしたら橋をかけてやる」と言います。次の日、川へ行ってみるとどうでしょう。おどろいたことに、りっぱな橋が半分できていたのです……。
さあ、本の表紙の鬼の絵を見てください。からだも巨大だし、手も口も大きくておそろしそう。こんな鬼に「目玉をよこせ」なんて言われてとっても怖いはずなのに、この大工ったら、「おれは、どうでもいい」なんて返事をしてうちへ帰ってしまうのです。ええっ、そんな適当な返事をして大丈夫なの? とびっくりしていると、ここからさらに意外な展開が待ち受けています。
でも、誰だって目玉をとられるのは困ってしまいますものね。鬼と大工の知恵くらべ、いや、運くらべの始まりです。おおらかな大工と鬼のやりとりは、スリリングだけど、なんとも言えないおかしみをかもしだしています。「してやったり!」「やられたー!」というお互いの心の声が聞こえてきそうな、ころころ変わる鬼と大工の表情にも注目です。
会話のテンポや擬音表現がおもしろいので、ぜひ声に出して楽しんでみてください。最後の大工のセリフは、お子さんと一緒に大きな声で読みたいですね。
1月21日 天真爛漫なまゆと鬼のやりとりが楽しい
火曜日は『まゆとおに-やまんばのむすめまゆのおはなし』
出版社からの内容紹介
山姥の娘まゆは、ある日鬼に会います。鬼はまゆを煮て食べようとお湯を沸かしはじめます。まゆはそうとは知らず、薪の山を作ったり、かまどの石を積んだり、手伝います。その怪力に驚いた鬼も、鍋のお湯が沸くころには、もうすぐまゆを食べられるとにんまり。ところがお湯が沸くと、風呂を沸かしているとばかり思っているまゆは、「お先にどうぞ」と言うなり、鬼を鍋に放り込んでしまいます……介
1月22日 鬼が出てくる昔話の代表作といえば…
1月23日 教科書でもおなじみの心に深く残る名作
みどころ
昔、海の真ん中の島に鬼が住んでいて、ひとりぼっちで寂しがっていました。
ある嵐の晩、沖を通りがかった漁船が、遠くに光る鬼の目を家の明かりと見間違えて、助けを求めて鬼の島へやってきました。
鬼はうれしくなって漁師たちの前に現れましたが、漁師たちは肝をつぶし、命乞いをします。
人間たちと一緒に暮らすにはどうしたらよいかを尋ねる鬼に困惑した漁師たちは、自分たちの島は狭いので、鬼が島をひっぱってきたら一緒に暮らせるのだが、と、口からでまかせを言いいます。
これを真に受けた鬼は、島を引っ張って海を歩き、人間たちの島へと行くのですが・・・。
鬼は何の悪いことをしたわけではなく、ただ寂しくて誰かと一緒にいたかっただけでした。
素直で純朴な鬼は、漁師たちに言われたとおりに島を引いて歩き出します。
行く先々の村で、鬼はだまされ、厄介払いを受けますが、それでも鬼は一緒に暮らしてくれる相手を探して島を引くのです。
人間たちの卑怯な振る舞いに怒りを感じますが、人間たちとて家族を守らなければならず、鬼と一緒に住むわけにはいかないのです。鬼の報われない想いに、せつなく胸が詰まります。
(続きはコチラ>>>)
1月24日 おなかの中の鬼を追い出そう!
金曜日は『おなかのなかに おにがいる』
出版社からの内容紹介
おなかの中にいるオニは、おなかの持主と同じ性格です。
くいしんぼうに、なきむしに、へそまがり…。
節分の日、豆をまいておなかの良くないオニを追い出しますが・・・
1月25日 地獄で出会ったのはどんな鬼?
土曜日は『じごくのそうべえ』
みどころ
「とざい とうざい。かるわざしの そうべえ。
いっせいいちだいの かるわざでござあい。」
扇を手にもって軽業師そうべえが「そうれ。ぺペン ペンペン ペーン」と綱渡りを披露していたそのとき、「おっとっとっとっと。あーーーーっ。」落ちて死んでしまったからさあたいへん。
気がつくとどうやらそこは地獄への道。そうべえは衣をはぎとられ、さんずの川をわたり、鏡の前でえんま大王に地獄行きを命じられます。しかし途中で出会った山伏ふっかい、歯ぬき師しかい、医者ちくあんと、4人そろって地獄のなかを大暴れ。糞尿地獄も、熱湯釜ゆでも、針の山も、それぞれの特技をいかして平気のへっちゃらです。人呑鬼(じんどんき。人を食べてしまう鬼)の腹のなかで4人がいっせいにいたずらをする絵は最高!(続きはコチラ>>>)
1月26日 何度読んでもぐっとくるひろすけ童話の名作
日曜日は『泣いた赤おに』
みどころ
やさしく素直な、若い赤おにが山に一人で住んでいました。
赤おには、鬼たちのために良いことをしたい、さらに出来ることなら人間たちの仲間になって仲良く暮らしていきたいと思っていました。そこである日赤おには、自分の家の戸口の前に、木のたてふだを立て、人間が遊びに来てくれるように誘いました。
山のふもとの村人たちは、赤おにのたてふだに興味津々ではありましたが、だましてとって喰うつもりでは、と警戒し、誰も遊びに来てくれませんでした。
赤おにの家を訪ねてきた仲間の青おには、話を聞いて赤おにに、自分がふもとの村で暴れるから自分をやっつけろ、そうすれば人間は安心して赤おにと仲良くしてくれるだろう、と提案します。
かくして、人間の家に入り込んで暴れる青おにを赤おにがやっつけ、村人たちは赤おにに心を開くようになるのですが、赤おにはそれとひきかえに、かけがえのないものを失ってしまうのです。
(続きはコチラ>>>)
いかがでしたか。
そういえば我が家でも、4歳になる息子にまだ鬼の絵本を読んであげてなかったことに気づいたので、今年は節分の前に『だいくとおにろく』『おなかのなかにおにがいる』あたりから読み始めてみようかな。
秋山朋恵(絵本ナビ)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |