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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】2020年春の絵本・児童書のおめでたい話題をお届けします!

5月11日~5月17日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

2020年の春は大変なニュースが続いていますが、絵本・児童書の話題では明るいニュースがさまざま飛び込んできています。今週の今日の1冊は、名だたる賞を受賞された作家さんやその作品、また2020年に記念すべき周年を迎える名作など、押さえておきたいおめでたい話題をお届けします。

5月11日 犬の視点で家族を描いた泣き笑いの物語

2020年3月31日、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を、韓国の人気絵本作家、ペク・ヒナさんが受賞されました。そのペク・ヒナさんの新刊をご紹介します。

※アストリッド・リンドグレーン記念文学賞 (The Astrid Lindgren Memorial Award) は、 児童文学、 青少年向けの文学作品に与えられるスウェーデン政府の主催の文学賞。 2002年にスウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーンを記念して設けられました。

月曜日は『ぼくは犬や』

ぼくは犬や

出版社からの内容紹介

犬と人間の家族の泣き笑いの物語!ひとはぼくを「グスリ」とよぶんや。パンウリというおかあちゃんから4ばんめにうまれたんが、ぼくや。おっぱいからはなれたときに、ここにやってきた。おとうちゃん、おばあちゃん、ドンドン、近所に住むたくさんのきょうだいとグスリは今日も全力でつながります。『あめだま』のグスリとドンドン、ちいさい頃のおはなし。

5月12日 この世界をちょっとずつ良くしていくものは‥‥‥

5月4日(月)に、国際児童図書評議会(IBBY)により、国際アンデルセン賞が発表になり、作家賞にJacqueline Woodson(ジャクリーン・ウッドソン/アメリカ)さんが選ばれました。画家賞はAlbertine(アルベルティーヌ/スイス)さんです。 

※「国際アンデルセン賞」は、1953年に創設され、2年に一度、子どもの本の最高の作り手に贈られる国際的な賞です。作家賞と画家賞があり、2020年は、34人の作家と36人の画家がノミネートされました。

火曜日は『ひとりひとりのやさしさ』

ひとりひとりのやさしさ

みどころ

この絵本で向き合っているのは「やさしさ」について。
主人公の少女クローイの心の動きを繊細に追いかけながら、誰もが記憶の奥底に持っているちょっとした苦み、痛みを伴う体験を呼び起こされます。
その上でささやかれるアルバート先生の言葉は、クローイだけでなく読者の心の中へも問いかけてきます。
「みずに おとされた ちいさな いし、ひろがる さざなみ・・・やさしさも、これとおなじなのです」

雪が降り積もり、白く輝いてた冬のある朝。クローイのクラスにやってきたのは一人の女の子。
「転校生のマヤですよ。」校長先生が紹介します。
隣の席に座ったマヤにわらいかけられると、クローイは顔を窓の外に向けます。
マヤの格好はみずぼらしく、お弁当もなんだかへん。時々一緒に遊ぼうと変わったおもちゃや古い人形を持ってくる。
クローイはマヤを受け入れることができず、無視をしたり、からかったり。
でも、ある日マヤの席がからっぽに・・・。

美しい風景、小学校の教室や校庭、それぞれ個性豊かな子どもたち。そして多感で揺れ動く少女たちの表情。丁寧に、そして繊細に描き出されたそれらの絵を見ているだけでも、そのとまどいや後悔の心が伝わってきて胸にせまります。

本当に大切なことはなにか。この世界をちょっとずつ良くしていくものは何なのか。
クローイが「やさしさ」をマヤにとどける機会は訪れるのか。
考え込むクローイのその顔に、わたしたちは希望をたくさずにはいられません。
等身大で成長している子どもたちにこそ、今読んでもらいたい1冊です。

5月13日 総選挙にて2回連続、1位を獲得!

第2回『小学生がえらぶ!”こどもの本”総選挙』の結果が、5月5日のこどもの日に発表されました。25万3399票にも及んだ投票数。さて、25万人の小学生が選んだ最強の本は?そして第1位に輝いたのは‥‥‥

水曜日は『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』

おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典

みどころ

「ざんねんないきもの」 って、なに?

ざんねんないきものとは
一生けんめいなのに、
どこかざんねんな
いきものたちのことである。

地球には、すごい能力をもつ生き物がたくさんいます。
でも一方で、思わず 「どうしてそうなった!?」 とつっこみたくなる
「ざんねん」 な生き物も存在するのです。
この本では、進化の結果、なぜかちょっとざんねんな感じになってしまった
122種の生き物たちをご紹介します。

5月14日 自由に。心のおもむくままに。

佐藤 まどかさんの『アドリブ』が、第60回日本児童文学者協会賞を受賞されました。

※日本児童文学者協会(略称・児文協)は、児童文学の作家、詩人、翻訳家、評論家などで構成されている文学運動団体です。理事長を内田麟太郎さんが務めていらっしゃいます。

木曜日は『アドリブ』

アドリブ

出版社からの内容紹介

イタリア、トスカーナの小さな町に暮らす少年、ユージ。
フルートとの電撃的な出会いから5年、
ユージは岐路に立たされていた。
本気でめざしても、プロになれるのはひと握り。
クラシック音楽界のきびしさを目の当たりにした、
15歳のユージの決断とは……?

アドリブ:ad lib. 自由に。心のおもむくままに。

5月15日 ピッピ、75周年おめでとう!

作家アストリッド・リンドグレーンの『長くつ下のピッピ』が出版されて今年で75年。スウェーデン大使館ではSNS(FACEBOOKと Twitter)を中心に子どもの日である5月5日から5月23日の間『おめでとう ピッピ75』が開催されているそうなので、こちらもチェックしてみて下さいね。

金曜日は『決定版 長くつ下のピッピの本 絵本』

決定版 長くつ下のピッピの本

出版社からの内容紹介

ピッピは「ごたごた荘」にひとりで住んでいる、世界一強い女の子。ピッピが引越してきてからというもの、おとなりに住むトミーとアニカの毎日は、とても楽しくなって…? 
「子どもの本の女王」リンドグレーンの代表作「ピッピ」の3冊の物語を、リンドグレーン自身が1冊にまとめたものに、スウェーデ
ンオリジナルのカラーイラストを添えた、ピッピの本の新訳・決定版!

読者の声より

「ピッピ」が大好きな我が家の小学校2年生の娘。
今年のはじめ、ローレンチャイルドさんイラストの「長くつしたのピッピ ニューエディション」を購入し、まだまだピッピの本を詠みたいとずっと言っていました。
本屋さんに先日行くと、こちらの決定版が。
ピッピのお話しが全部描かれているのも魅力的!
早速、絵本ナビさんで購入しました~。
分厚いですが(笑)、寒い季節のお家読書に重宝しそうです!
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子8歳)

5月16日 祝50周年!日本でミリオンセラーを誇る絵本

2020年は、『おばけのバーバパパ』の原書の発売から、50周年の記念の年です。これを祝い、 4月22日がバーバパパの日に制定されました!
 

土曜日は『おばけのバーバパパ』

おばけのバーバパパ

みどころ

庭で、花に水をやっていたフランソワ。
バーバパパはね、その庭で生まれたんですよ。(土のなかでだんだん大きくなってね!)
さいしょ、フランソワはびっくりしたけど、すぐバーバパパと仲良しになりました。
でも大きすぎて家においとくわけにいかないわ、とママがいうので、しかたなく動物園にいくことに。
動物園で、姿を自由に変えられることに気づいたバーバパパは、ほかの動物と遊びたくて檻をぬけだします。
ところが、だれもわかってくれなかったうえに、とうとう怒った園長さんに動物園も追いだされ、居場所がどこにも見つかりません。
ひとりぼっちでさびしくて、泣きだすバーバパパ・・・。
そのとき、「かじだぁー!」。
火事場にかけつけたバーバパパは、姿を変えてビルに残された人たちを助け、一躍、町の人気者!

こんな愉快な友達がいたらどんなにたのしいだろうと、バーバパパのことを空想するだけでわくわくしませんか? 
世界じゅうで愛される、ピンク色のバーバパパは、この絵本からはじまったんですよ。
奥さんのバーバママも、子どもたちもまだ登場していません。
つまりフランス・パリ生まれのチゾンさんと、アメリカ・サンフランシスコ生まれのテイラーさんの夫妻が生み出した人気者「バーバパパ」の、記念すべきさいしょのお話絵本なのです。
バーバ一家のお話を楽しむのなら、ぜひこの本からどうぞ。
親子でバーバパパのとりこになってくださいね。

5月17日 祝45周年!今年大忙しのねずみくん!

『ねずみくんのチョッキ』が45周年を迎えたのは2019年になりますが、今年は全国のあちこちで展覧会が予定されております。

日曜日は『ねずみくんのチョッキ』

ねずみくんのチョッキ

みどころ

おかあさんがあんでくれた赤いチョッキ。
「ぴったり にあうでしょう」
ねずみくんはうれしそうに言います。いいチョッキです。
すると、あひるくんがやってきて言うのです。
「ちょっと きせてよ」
そうやってあひるくんがチョッキを着ていると、今度はさるくんが言います。
「ちょっと きせてよ」
さらにあしかくん、ライオンくん・・・・次々に動物がやってきてねずみくんの赤いチョッキを着るのです。
あれれ、チョッキはだいじょうぶなのかな?

小さくて可愛いねずみくんの、ちょっぴり自慢気な表情から始まるこの絵本。
「ねずみくんのチョッキをきる」というくり返しだけなのに、姿も大きさも違う個性的な動物たちが登場するたびに子どもたちはドキドキしながら次のページを見守ります。
みんなチョッキがきれてうれしそう。でも、なんかちょっとへん?
ねずみくんの大切な赤いチョッキ、最後はどうなっちゃうのかな?

『ねずみくんのチョッキ』は1974年に誕生して以来、ずっと子どもたちに愛されて続けているロングセラー絵本です。緑色のわくに囲まれた画面、モノクロで描かれたねずみくんや動物たち、絵を見ているだけでも伝わってくるストーリー、そして予測のつかない最後の場面。どの部分をとっても印象的なので、記憶に残っているお父さんやお母さんも多いでしょうね。
ユーモアと優しさにあふれた「ねずみくんの絵本」の世界。この後もたくさんの続刊が出ています。絵本をひらけばいつでもそこにいるねずみくん、子どもたちみんなのおともだちですね。

秋山朋恵(絵本ナビ)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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