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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】疲れたなと思ったら。気持ちが楽になるセルフケア絵本特集。

2022年5月23日から5月29日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

新しいことがいっぱいだった4月、そしてGWを過ぎて、5月も下旬の今週、子どもも大人も疲れがたまってはいませんか? また思いがけないことがつぎつぎに起きている昨今には、大人だけでなく子どもたちにとってもさまざまなストレスがあることでしょう。感情コントロールやストレスケアなど、子どものメンタルヘルスにまつわる絵本も増えています。
今週は、子どもにも大人にも、心を整える方法や、不安や心配の感情とうまくつきあう方法を教えてくれる絵本をご紹介します。

5月23日 日常の中の小さな希望を思い起こそう

月曜日は『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』

かみはこんなに くちゃくちゃだけど

みどころ

「いつか かしゅに なりたいの」
「かみは こんなに くちゃくちゃだけど」

自分の夢があったり、好きな人がいたり、ゆで卵がツルっとむけたり、なくしものが出てきたり、続きが読みたいマンガがあったり。自分だけの小さな喜びってあるよね。そりゃあ、全てがうまくいっているわけじゃないけれど。

誰にも負けない素敵な思い出があったり、自分が何に向いているかわかったり。時間が経つのは早すぎる、とも思うけど。

大人気ヨシタケシンスケさん『あつかったら ぬげばいい』の姉妹編が登場しました。みんなの日常の中にも、きっとこんな小さな希望が隠れているはず。

最後まで読んだら、今度は逆戻りして読んでみてくださいね。またちょっと違う感覚が味わえるはずですよ。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より

出掛けるのが億劫。だけど買い物に行かなきゃ。
こんな気分の中、せっかく出掛けたのだからと本屋へふらりと立ち寄り、この本に出会いました。

髪がくちゃくちゃだけど、歌手になりたい子をはじめ、それぞれの暮らしの中でままならなさを感じつつも、何かしらプラスの要素を見出だして生活する人々がそこにはいました。

私だけではなく閉塞感を抱いて今、生活をしている人は日本中にいるでしょう。
だけど待ったなしの現実の中で、月日だけはどんどん進んでいく。それならばせめて物事の明るい面を見つめて過ごしていくしかないのでは。
そのような思いを抱えつつ日々の生活を送る人へそっと寄り添ってくれるような本です。

子どもたちはこの絵本を読んで何を思うのでしょう。
その点も気になるところです。
(てんちゃん文庫さん 40代・ママ 女の子20歳、男の子17歳、女の子12歳)

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5月24日 心が落ち着く、ほっとするおまじない集

火曜日は『つるかめ つるかめ』

つるかめ つるかめ

みどころ

雷がゴロゴロ鳴っている。地震がきてぐらぐら揺れている。
風がびゅうびゅう吹いてきて……。

ああ、どうしよう。
自分たちの力ではどうにもならないことが起きた時。
とっても怖いし、とっても不安。
私は臆病だから。

でもね、あなただけじゃないよ。
大人だって不安だし、昔の人だってずっと怖いと思ってきた。
あたりまえだよね。
だからこそ、こんなおまじないが伝わっているんだって。

「くわばら くわばら」
「まじゃらく まじゃらく」
「とーしー とーしー」

なんだか不思議な言葉。どんな意味があるんだろう。

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(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より

巻末の作者のメッセージの中の「これまで、あたりまえだと思っていたことが、あたりまえではなくなってしまいました。」に、そうだよね…と、大きく頷きました。

心の底にずーっと不安を抱えている感じ、これまではスイッと乗り越えられたことが乗り越えられない感じに、飲み込まれそうになる時もあります。子どもたちも、厳しい時代を生きているな…と感じます。

そんな時に、おまじない。

ちちんぷいぷい、つるかめつるかめ、だいじょうぶだいじょうぶ。

言葉の力は大きくて、声に出して唱えることで本当に、支えになってくれます。誰かと一緒に唱えれば、もっと力になってくれる気がします。

今、この本を作って下さったみなさんに、感謝、です。
(こはこはくさん 40代・ママ 男の子10歳)

5月25日 こわがりやさんへの、ユーモアあふれる処方箋

水曜日は『かいじゅうたちは こうやってピンチをのりきった』

かいじゅうたちは こうやってピンチをのりきった

みどころ

高いところが大の苦手。注射が大嫌い。みんなの前で話そうとすると、逃げ出したくなる。暗いところが怖い。彼らはかいじゅうなのに、それぞれ怖いものがある。彼らなりにピンチを乗り切ってきた。でもそれって……。

「ただ逃げちゃっただけじゃない?」

彼らは考える。どうして僕たちは、他のみんなが怖がらないことが怖いのだろう。共通しているのは、怖くなると、ゾワゾワしたやつが来るってこと。そうやって、怖がると生まれてくるのが、この小さなゾワゾワちゃんたちなのだ。この子たちさえいなければ!

自身も怖がりだという絵本作家・新井洋行さんと、ドクターがタッグを組んで生まれたこの絵本。不安や恐怖に揺れる気持ち、そしてその気持ちとどう向き合っていけばいいのか、共存していく方法はあるのか。そうした模索や考え方を、一つ一つ丁寧にわかりやすく、ユーモアたっぷりに描き出してくれています。

「ゾワゾワちゃんと仲良くする方法を教えてあげる」

本当にそんな方法があるならば、大人だって知りたい。だからこそ、大人にも子どもにも、この絵本の内容とじっくり向き合ってもらいたいのです。世の中には、こんなにたくさんの種類の「怖い」があって、こんなに色々な「怖がりさん」がいるのです。弱い自分を無理に追い出すのではなく、そのままの自分を大事にしてくださいね。絵本が優しく語りかけてくれます。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

5月26日 がんばらなくても あなたは、よいこ。

木曜日は『きみのことが だいすき』

きみのことが だいすき

出版社からの内容紹介

親子で読んでほしい、たくさんの愛を伝えられるメッセージ絵本

ここは、小さなどうぶつたちが暮らす森。どんなことをお話ししているのかのぞいてみたら…… そこは、やさしさであふれていました。「かなしい きもちはね、ふたを しなくて いいんだよ。」「あなたは、よいこ。なにかを じょうずに できなくても。みんなと 同じように できなくても。」つらいとき、心細いとき、いつもあなたの心にそっと寄りそってくれる、心温まる絵と言葉がつまったメッセージ絵本です。

5月27日 ゆっくり読んで、こころとからだをほぐそう。

金曜日は『ぼくは にんげん おもいやりってだいじだね』

ぼくは にんげん おもいやりってだいじだね

みどころ

「あるひ ぼくはうまれた
きせきだ!
せかいには すうじゅうおくのひとが
いきているけど
このぼくは たったひとり!」

こんな一文から、はじまる絵本。
生まれた「ぼく」は、あかちゃんから少年になり、蝶々や毛虫を手にのせたり、棒を手にどんどん歩いたり、望遠鏡をのぞいたり……。
いろんなことができるようになります。
それは、「生きているかぎり学びつづける」ことであり、「人生という旅をつづけながらどっちへ進むか考え中」だったり「夢」を思うことだったり……。

ページをめくるたび、詩のようなまっすぐな言葉と、「人間」を擬人化したキャラクターである「ぼく」のびやかな水彩絵が目に飛び込んできます。
それぞれのページが心の扉をやさしくノックしているみたい。

本書は「人としてすこやかに生きること」を考える《I AM WELLNESS》というシリーズの1冊としてアメリカで出版され、ベストセラーになった邦訳です。
絵は『ちいさなあなたへ』『てん』でよく知られるピーター・レイノルズ。

(続きを読む>>>

(大和田佳世  絵本ナビライター)

    5月28日 みんな心の中に「ビクビク」をもっている

    土曜日は『ひみつのビクビク』

    ひみつのビクビク

    みどころ

    新しい場所に行くのはちょっと怖いし、不安。だけど、私には小さな友達「ビクビク」がいる。ビクビクがいつもそばにいてくれるから、本当に怖い目にはあわないし、ちょっとずつ冒険をして、強くなれる。

    だけど、この国に引っ越してきたら、ビクビクは急に大きくなった。どんどん大きくなって、外に出るのも、誰かと話すのも邪魔をする。私の代わりにごはんを食べちゃうし、いびきがうるさくて夜も寝られない。だから私はひとりぼっち。ビクビクが言うように、私は嫌われているのかな。

    そんな時、ある男の子が私に何かを言っている。自分で描いた絵を見せてくれている。そして、なんと彼の後ろにもひみつの「ビクビク」が……!

    自分だけが抱えていると思っていた、言葉にならないこの感情。心配や不安や緊張が織り交ざったそれを、この絵本では可愛らしい生き物として描きます。それだけで、何だか不思議と心が柔らかくなっていくのです。そして、ビクビクが実は「私だけのものじゃない」っていう事がわかった時、世界が急に少し広く見えてきたりするものです。

    自分の気持ちを表現し、向き合うことができるなら。困難に立ち向かおうとしている子の、応援になるのなら。一人でも多くの子どもたちに、この絵本と出会ってもらえることを願うのです。

    (磯崎園子  絵本ナビ編集長)

    読者の声より

    自分の中の、不安な気持ち、心配な気持ちを、ビクビクというかわいい、わたしだけのひみつのともだちと描いたユニークなお話です。
    女の子は、言語も違う国に引っ越しをして、ビクビクが大きくなってしまうのですが、
    他の子もひみつのビクビクを持っていることを知り、新しい環境へ徐々に馴染んでいきます。
    こういう心配な気持ちとかって、自分だけ…と思ってしまいがちですが、どんな子だって、ひみつのビクビクを持っていると思えば、少し前向きになれそうですね。
    (tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)

    5月29日 五感を刺激する、美しい詩とアートの世界

    日曜日は『うたをうたうとき』

    うたをうたうとき

    みどころ

    「地球の用事」「チョウ チョウ」「空気」……。誰の心にもまっすぐと素直に届く、まど・みちおさんの詩の数々。

    眺めているだけで心が浮き立つような、凛として愛らしいモザイクアート。

    「世界はこんなにも美しい」

    この美しい詩と絵の本は、2019年に山口大学付付属病院の小児病棟に設置された「ホスピタルアート」から生まれたのだそう。独自の世界観で活躍を続けるデザイナー渡邉良重さんが、まどさんの詩を17編選び、インスピレーションを受けながら完成された絵の数々。病院を訪れる多くの人々の心を包み込んでいるアートが、こうして私たち読者の手にも届けられたのです。

    ちいさな自分、大好きなお花、巡る季節に歌う喜び。世界中の生き物と空から見守ってくれる星たち。その一つ一つをかみしめながら、心の内側がじんわりと明るくなるのを感じることができるのです。

    (磯崎園子  絵本ナビ編集長)

    いかがでしたか。

    気持ちを楽にする手助けに、親子の上手なリフレッシュのために、ぜひ手にとって活用してみて下さいね。

    選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

    ※連載「絵本で伸ばそう!これからの子どもに求められる力」より、こちらの記事もおすすめです。

    掲載されている情報は公開当時のものです。
    絵本ナビ編集部
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