小学3、4年生に贈りたい、クリスマスと冬のお話
心に残るクリスマスプレゼントに本を贈ってみませんか
子どもの頃のクリスマスプレゼントで一番心に残っているのは何だろう?
思い起こしてみると、私の場合は、枕元の靴下に入っていた本一冊とキャンディー。まだ幼稚園の年中さんぐらいだったでしょうか。なぜかこの時のことを一番鮮明に覚えています。
クリスマスの贈り物は子どもたちにとっては、どんなものでも嬉しくて心に残るものでしょう。けれども、本の贈り物というのはそのストーリーも含めて、より長く深く、心に残っていくものなのではないでしょうか。こちらの記事では、小学3、4年生におすすめのクリスマスと冬のお話をご紹介します。ぜひ、冬休みの読書のご参考にもお役立て下さい。
サンタクロースって本当にいるの? という疑問に素敵な答えを渡してくれる一冊
少女の素朴な疑問に丁寧に答えた、新聞記者の名文が本に
「サンタクロースってほんとうにいるの?」
子どもたちからこんな質問を受けたら、大人はどんな風に答えたら良いのでしょう。
今から100年以上前、8歳のバージニアという少女が、アメリカの「ニューヨーク・サン」新聞社に、手紙を出しました。この本は、その1通の手紙と、手紙に対する新聞記者のお返事を記録した一冊です。この新聞記者のお返事の内容は、当時新聞の社説となり、今では古典のようになって、クリスマスの時期が近づくと、アメリカのあちこちの新聞や雑誌に掲載されるそうです。
日本でも1977年の初版以来、何度も版を重ね、多くの親子に読み継がれています。
子どもから大人まで人々の胸を打ち続ける新聞記者のお返事とはどんな内容だったのでしょう。
一部を抜粋してご紹介します。
「この世の中に、愛や、人へのおもいやりや、まごころがあるのとおなじように、サンタクロースもたしかにいるのです」
「サンタクロースをみた人は、いません。けれども、それは、サンタクロースがいないというしょうめいにはならないのです」
読んでいくと、この新聞記者がどれほど真摯に子どもの質問に答えてくれたかということが伝わってきます。また目に見えないものを信じることの大切さや豊かさを教えてくれるのです。
また、バージニアの手紙の内容からは、バージニアが最初に質問をしたのは実はパパだったということが分かります。「サンタクロースはいるのか」と娘に聞かれたパパが「サンしんぶんに、といあわせてごらん。」とバージニアに伝えたところから、この名やりとりが誕生したのですね。
子どもたちからふいに受ける素朴な質問……。この本は、サンタクロースの存在について聞かれた時の答え方はもちろんのこと、それ以外の子どもからの質問にもどんな風に答えるか、向き合う姿勢についても大人に伝えてくれるような頼もしい一冊です。
心が温かくなるともだちのお話
住んでいるところも世界の見え方もちがう二人が出会ったら……
森でたった一人暮らすハリネズミ。ある春に、物知りのモグラとともだちになりました。目がよく見えなくて土の中に暮らすモグラと、土の上に住んでいるハリネズミでは、見えるものも、好きなものも違います。心配症でおせっかいのハリネズミはつい、モグラの家は暗すぎるんじゃないか、とか、きれいな花を見せてあげたい、とか思ってしまうのですが、モグラにはモグラの世界があることに少しずつ気づいていきます。そして、二人にはもっと大きな違いがありました。命の長さです。いつかやってくるお別れにも、ハリネズミのためにモグラはちゃんと準備をしていたのでした。
二人のやりとりがあたたかなユーモアとともに描かれた短いお話8つ収録。
冬から春へ。「さわ」に住む生き物たちの暮らしと、やさしい交流のお話
カメくんとイモリくんは、川のそばに住むお隣どうしでした。ねぼうで食いしん坊、のんびりやのカメくんと、ちょこちょこ行動的で絵を描くイモリくんはとても仲良しでしたが、大雨で流れついた遠くの<ヒキガエル池>にイモリくんは引っ越していってしまいました。ふたりが夏に再会したときの話をおさめたのが前巻『小雨ぼっこ』。この巻では冬のさわの仲間たちの様子を、そして春になろうとするころ、むかしさわに住んでいたというヒキガエルの長老を連れて再びさわに遊びにきたイモリくんとカメくんの再会を描きます。友だちにまた会えた喜び、いつもの暮らしを大事に生きる毎日。12のエピソードを収録。たくさんの挿絵が色を添えます。
愛らしいキャラクターたちが活躍するクリスマスのお話
『スノーマン』の世界がさらに広がる、クリスマスの奇跡の物語
レイモンド・ブリッグズの絵本『スノーマン』は1978年に発表されて以来、世界中で愛されています。その絵本に、イギリスを代表する児童文学作家マイケル・モーパーゴがお話をつけました。なぜ、文字のない絵本に敢えて物語をつけたのか?……最初はモーパーゴ自身、すでに完成されている絵本にお話をつける必要はない、と考えていたそうです。しかし、アニメーションを見たり、続編のお話を読んだりするうちに、『スノーマン』の世界をどんな形で広げても、絵本そのものの価値は変わらないこと、違う形になっても十分すばらしい作品であることを再認識し、自分でもお話を作りたくなっていった、とのこと。その後、ブリッグズの承諾を得て、この物語が誕生しました。内気な少年がスノーマンに出会って夜の冒険に乗り出すことで、ひとつ心の成長をとげるお話です。クリスマスならではの「奇跡」をお楽しみください。アニメ『スノーマン』を担当したロビン・ショーが、たくさんのイラストで飾りました。
好奇心旺盛なパディントンはクリスマスもやっぱり大さわぎ!?
すべての子どもと同じように、パディントンは好奇心のかたまりです。パディントンの行くところ、必ずや笑いのうずがまきおこります。クリスマスの夜のパディントンの興奮と活躍……。
主人公は、火曜日のごちそうに食べられそうになった!?あのウォートンです!
ウォートンが吹雪をさけて逃げこんだほら穴は、クマのすみかだった。冬眠中をじゃまされたクマは、カンカンにおこって…! ゆかいな冒険と心あたたまる物語。大幅に訳を改めた〈新版〉。
食いしん坊で、おおらかなポンポンは、子どもたちの人気者
楽しみにしていたクリスマス。今年こそサンタさんが来てくれるかな? ポンポンのレストランでは、パーティーが開かれました。そして、ステキなできごとが! スーッと気持ちがよくなって、パーッと気分が明るくなるスーパーマーケットの店長、キリンのリンも活躍する、あたたかな読み心地の童話集。
ちょっと豪華にセットで贈りたい、という方にはこちら
おばあさんの大切なコーヒーひきが大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれた! 大どろぼうをつかまえるため、少年たちの大活躍がはじまります。スリルとユーモア満載の、本が好きになる冒険物語三部作セット。セット限定で、本にでてくるプラムケーキのレシピカードがついてきます!
ウォートンとモートンはヒキガエルの兄弟。そうじが好きで冒険家のウォートンのことを、料理好きのモートンはいつも心配しています。シリーズの中で、2匹はいろいろな動物に出会います。ミミズク、ビーバー、クマ、イタチ…。危険にさらされることもしばしばだが、2匹の誠実な心が窮地を救います。
動物とおしゃべりできるドリトル先生はみんなの憧れ。
世界一の名医ドリトル先生が主人公のベストセラーシリーズを少年文庫化したセットです。『ドリトル先生と秘密の湖』のみハードカバー版と違い上下巻に分かれています。
<セット内容>
ドリトル先生アフリカゆき
ドリトル先生航海記
ドリトル先生の郵便局
ドリトル先生のサーカス
ドリトル先生の動物園
ドリトル先生のキャラバン
ドリトル先生と月からの使い
ドリトル先生月へゆく
ドリトル先生月から帰る
ドリトル先生と秘密の湖 上
ドリトル先生と秘密の湖 下
ドリトル先生と緑のカナリア
ドリトル先生の楽しい家
小学生の時に原作でも出会いたいお話。ハードカバー版でも文庫版でもお好きな方を
ひとり立ちするためにコリコの町で「宅急便屋さん」をはじめた魔女の少女キキは、さまざまな人びととの出会いの中で、よろこび、悩み、そして成長していきます。宮崎駿監督によるアニメーション化によっても、世代をこえて人気を博しているファンタジーのシリーズが、第1巻刊行から24年を経て、ついに完結しました。全6冊を、化粧ケース入りセットでお届けします。
ここからは、男女別のおすすめです。
小学校3、4年生の男の子に贈るクリスマス&冬の本
面白いのに勉強にもなっちゃう、冬のお話はいかが?
国語の時間、「ふ・ゆ・や・す・み」の文字を、一文字ずつ頭につけて文章をつくる、ことば遊びの勉強をした。冬休みに「詩」をつくる宿題をだすから、そのための練習だって。北森先生、また文集をつくるみたい。
冬休みに入って、ずっと考えていたけど、ひとつも「詩」できんかった。ほんまは今日ひとつできたけど、母ちゃんが激怒して、ボツや。けっこうおもしろいと思ったけど……。次の日、「詩」の材料がおちてるかもしれないからって、母ちゃんと一緒に買い物に行くことになった。ぼくは、商店街で見たまま感じたままを書いてみたけど、家族のみんなは、どれもいまいちだって。
ついに冬休みも今日で終わり。のんびり一日かけて考えようと思ってたら、朝からファンヒーターがこわれてしまった。父ちゃんとふたりで電気屋に行く途中、ついに、いい「詩」を思いついた!
素直でユーモラスな詩が笑いを誘う、愉快な幼年童話。詩をつくる楽しさが伝わります。
ヘンリーくんと犬のアバラーの楽しいお話。クリスマスのお話も入っています
ヘンリーくんは小学3年生。どこにでもいるごくふつうの男の子です。
ある日、街角でやせこけた犬を拾いこっそりバスに乗せて帰ろうとしたら、とちゅうで犬が大あばれ。
それ以来、ヘンリーくんのまわりには、つぎつぎにゆかいなドタバタがおこります!
雪の日にあらわれた巨大なミステリーサークルは、だれが何のために!?
ある雪の日。純白の校庭にとつぜんあらわれた巨大なミステリーサークル。
だれが、なんのために、そしてどのようにして作ったのか。
4年1組、辻堂天馬・柚木陸・神山美鈴、通称「ミステリトリオ」が先生の依頼で動き出す!
「ぼくは読者に挑戦する」
名探偵・辻堂天馬の挑戦に、キミはこたえられるかーー?
依頼人は、先生。学校で起こるふしぎな事件。
殺人事件はない。でもトリックは本格的。
安心して読めて、しかも親子で楽しめる一冊になりました。
漢字にはすべて、フリガナつきです。
実際の出来事や歴史・自然に興味のある子にはこちらを
ウィリアム・グリルが、シャクルトン隊への愛情とリスペクトをもって、色鉛筆で描き出した大型絵本。
これまで大人には知られてきた大冒険を、子どもにとって親しみやすい美しい本にしたことが画期的な絵本です。
著者は、この作品で史上最年少(25歳)で2015年度ケイト・グリーナウェイ賞を受賞しました。
本書は20世紀初頭、第一次世界大戦が始まったばかりの頃に、南極大陸を横断しようとしたアーネスト・シャクルトンの探検隊の話。南極大陸横断は成功しなかったにもかかわらず、彼らの冒険が世界中に知られるようになったのは、28人の男たちが南極の流氷帯にとじこめられてから約1年半ものあいだ極限状態に耐え、帰る船(エンデュアランス号)を失っても、全員生きて帰還したからです。
まず、ウィリアム・グリルがこまかく描き出す、探検物資や船の部位などページいっぱいの図解に心が躍ります。ならべられた1つ1つの道具や、隊員たちの生活ぶりはじっくりながめて飽きません。一方で大画面に描かれる、氷の海やブリザード(激しい雪嵐)がシャクルトン隊の苦闘を想像させます。(続きはこちら>>>)
小学校3、4年生の女の子に贈るクリスマス&冬の本
三年生になったすみれちゃんの、クリスマスまでのわくわくの日々♪
おしゃまでおしゃれなすみれちゃんのすてきなクリスマスまでの過ごし方! おねえさんになったすみれちゃんが、ママもびっくりのお姉さんぶりを発揮します。
「魔法の庭ものがたり」のジャレットが教えてくれるとっておきのクリスマスの楽しみ方!
みなさん、クリスマスのじゅんびはもうはじめていますか? この本では、ハーブの薬屋さん・ジャレットがハーブを使ったクリスマスの楽しみ方を紹介します。大人気シリーズ「魔法の庭ものがたり」のハーブの実用書。プレゼントにも最適な1冊です!
みなさん、ハーブティーをのんだことはありますか? この本では、ハーブの薬屋さん、ジャレットがハーブティーのいれ方や、ティーパーティーのひらき方をごしょうかいします。楽しいクラフトや情報がいっぱいの、ハーブティーについてくわしくなれる本です!
最後に、年齢別定番の名作セットのおすすめです
『年齢別絵本セット&学年別児童書セット』は、厳選した絵本・児童書を毎月お届けしている【絵本クラブ】の作品を、まとめて1度でお届けできるセット。各年齢・学年で「読んでおきたい作品」が選書されています。
「何を読めばよいか悩んでいる」「名作・傑作は外したくない」「特別なプレゼントギフトとして贈りたい」、そんな方に自信をもってお薦めします。今なら「クリスマス限定企画」として、セットをお買い求めの方先着400名様に、絵本キャラクターグッズ(ステーショナリー)をおまけでプレゼントします。
小学3年生名作セット(絵本クラブの配本リスト作品をまとめてお届けします!)
【小学3年生】 児童書全冊ギフトセット(ギフトラッピング込み)
出会いで読書が好きになる
この頃から童話の世界も多様に広がっていきます。心に残る物語に出会えれば、読書量が増えていくきっかけになるはずです。子どもが自分で選んできた本の中に、長く読み続けられている名作をそっと忍ばせておくのはどうでしょう?
※写真はイメージです。お届けの作品は商品ページ<セット内容>からご確認ください。
出会いで読書が好きになる
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【小学3年生】 児童書セレクト12冊ギフトセット(ギフトラッピング込み)
こちらは全冊セットの中からさらによりすぐった12冊をセレクトした、手頃なセットです。
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小学4年生名作セット(絵本クラブの配本リスト作品をまとめてお届けします!)
【小学4年生】 児童書全冊ギフトセット(ギフトラッピング込み)
名作から推理ものまで!
親の世代から読み継がれる名作から、現代ならではのライトな読みものまで、それぞれ楽しい世界が子ども達を待っています。推理ものの楽しさに引き込まれる子も多いでしょう。
※写真はイメージです。お届けの作品は商品ページ<セット内容>からご確認ください。
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- 2024.12.16小学1、2年生に贈りたい、クリスマスと冬のお話
秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
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