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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】2011年3月11日、あなたはなにをしていましたか?

3月5日~3月11日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

2011年3月11日あなたはなにをしていましたか。

7年という時の経過に驚き、ハッとする人もいれば、昨日のことのように感じている人もいると思います。この時間、どこでなにをしていたかによって感じることも人それぞれでしょう。今週は、日曜日の3月11日にむけて1週間、311をいろいろな視点で描かれた絵本を取り上げご紹介したいと思います。言葉やTVの記録映像だけでは、うまく伝えられないことが、絵本には描かれています。親子の時間に、絵本を読んであげてくださいね。

3月5日 あの日にゆっくり思いを馳せて

月曜日は『月の貝』

月の貝

東日本大震災で最愛の母親を亡くして以来、残された自分を責め続けていた少女、えな。ある日、不思議な少年に「月の貝」を手渡され……。月の貝を通して、えなの魂が救済されるまでを美しく叙情的に描きます。
遺族の魂の救済、心のケアを考える作品です。

3月6日 たくましく生きる姿に打たれます

火曜日は『ダンゴウオの海』

ダンゴウオの海

震災直後の海には生き物がなにもいなかった。海底には人々の生活品が沈み、そして、奇跡のダンゴウオに出合った…!  それから4年近く、撮り続けた宮古の海の底は、生き物と人工物とのふしぎな世界が現れていた。

3月7日 震災学習列車を知っていますか

水曜日は『きずなを結ぶ震災学習列車』

きずなを結ぶ震災学習列車

岩手県の海沿いを走る三陸鉄道では、列車に乗りながら被災地を見て防災について学べる、「震災学習列車」を運行しています。「東日本大震災の記憶を風化させまい」という思いで、社員が自らガイドをしているのです。三陸鉄道が大震災で受けた大きな被害と、そこから全線開通を実現させるまでの3年の軌跡。そして、震災学習列車がつなぐ人々のきずなを紹介するノンフィクションです。

【編集者コメント】
震災学習列車が走りだした2012年6月には、線路のわきにがれきの山が積み上がり、生々しい震災のつめあとが残っていました。被災地の状況は刻一刻と変わっていきますが、テレビや新聞などで見るのと、実際に見るのとではこんなにも違うものかと思いました。震災学習列車に乗ると、震災の悲しい記憶がよみがえります。でも、その一方で、三陸鉄道のガイドさんや現地の方たちとの交流が、あたたかく心に残りました。
震災学習列車に乗ることで生まれた人と人のつながりが、これからも被災地を応援し、支えていく「きずな」となるのではないでしょうか。ぜひ本書を多くの方に手にとっていただき、また、実際に震災学習列車を体験していただきたいと願っています。

3月8日 じぶんでじぶんを守る、はやあるき

木曜日は『はなちゃんの はやあるき はやあるき』

はなちゃんの はやあるき はやあるき

「奇跡の脱出」としてニュースになった、岩手県野田村保育所をもとにした絵本です。はなちゃんの通う保育園では、月に一度、避難訓練があります。でも、のんびりやのはなちゃんは、いつもおくれてしまうので、はやあるきの練習をすることにしました。そんなある日、とつぜんおおきな地震がおこったのです…。保育園の子どもたちが、じっさいにおきてしまった災害に立ち向かいます。じぶんでじぶんの命をまもることの大切さを伝えるお話。

3月9日 地震の備えに、親子で読みたい

金曜日は『地震がおきたら』

地震がおきたら

けんちゃんは小学校3年生、ゆうちゃんは1年生です。
今日、学校で消防士さんの話を聞いて地震の避難訓練をしました。
おかあさんに、その話をすると、
おかあさんは自分が小学生の時に大きな地震にあったことを話しはじめました…。

地震がおきたらどうしたらいい?
おとうさんやおかあさんはそばにいる?
しょうぼうしさんはたすけてくれる?

地震の時は子どもたちも自分で自分の身を守らなくてはいけない―神戸のひとりの消防士の思いが絵本になりました。
神戸市消防局の企画・協力のもと、子どもたちに、まず何をすべきかをわかりやすく伝えます。

ふだんから、地震の避難場所や、ばらばらになったときの集合場所を家族で確認しておくことが大切です。
そのほかにも、備えておいたほうがいいもののリストや、普段からの心構えなどを情報ページにまとめました。
緊急連絡先を書きこめるカードもつけています。

3月10日 あれから7年、続いている「希望」があります

土曜日は『希望の牧場』

希望の牧場

この絵本は、福島原発の警戒区域内に取り残された「希望の牧場・ふくしま」のことをもとにつくられた絵本です。「希望の牧場・ふくしま」では、餌不足の問題が深刻化していくなか、今も牛たちを生かすための取り組みが続いています。東日本大震災のあと発生した原発事故によって「立ち入り禁止区域」になった牧場にとどまり、そこに取り残された牛たちを、何が何でも守りつづけようと決めた、牛飼いのすがたを描き出します。

闘いつづける「希望の牧場」のすがたを、「悲しみ」ではなく「強さ」をこめて絵本に残せたらと考えました。
―森 絵都

3月11日 あの日を忘れない

日曜日は『ひまわりの おか』

ひまわりの おか

宮城県石巻市立大川小学校。東日本大震災による津波で、児童74名の命が亡くなり行方不明となるという悲劇がおこりました。お母さんたちは、子どもたちが避難しようとめざした場所に、ヒマワリを植えはじめたのでした・・・。ドキュメンタリーを撮るために現地へ行っていた作家・葉方丹さんに託された、お母さんたちからの手紙。そこには、辛い悲しみと同時に、子どもたちへの愛情あふれるメッセージが詰まっていました。絵本作家・松成真理子さんも現地へ赴き、お母さんがたの話に耳を傾け、お母さんたちが書いてくれた子どもたちについての手紙をもとに、この絵本をつくることになりました。こんなかわいい子どもがいたんだよ、こんなやさしいお母さんたちとずっとずっといっしょなんだよ。このことが、絵本で伝えたかった思いです。
【この絵本の売り上げの一部を、被災地復興などのため寄付いたします。】

いかがでしたか。

時間が経ち、今ではたくさんの絵本が出版されています。その中から1冊でもいいと思います。気になる絵本を見つけて、親子で語り合う時間を作ってくださいね。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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