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2500年以上前に生まれた『イソップ童話』を、絵本で楽しもう

『北風と太陽』『アリとキリギリス』など、誰もが一度は読んだり聞いたりしたことがあるこれらのお話は、『イソップ童話』の中の一篇です。

イソップ童話とは、今から2500年以上前である紀元前6世紀ごろ、古代ギリシアの奴隷だったアイソーポスという人が、人々に語ったとされる寓話です。

イソップ物語の特徴は、なんといっても擬人化した動物たちが登場するお話が多いこと。

それも、それぞれの動物の特徴がキャラクターにぴったりとマッチし、それがストーリーに反映されているんです。

そして、物語には教訓や風刺が盛り込まれていて、子どもにぜひ学んでほしいというだけでなく、大人も改めて読んでみるとドキッとさせられるものがあります。

イソップ物語を作った「アイソーポス」ってどんな人?

そんな『イソップ童話』の生みの親であるアイソーポスさんとは、どんな人物だったのでしょうか?

実は、はっきりとした記録や書物が見つかってないため、その詳しい正体は今も不明なままなんです。

今から2500年以上も前、紀元前6世紀ごろの人物なので、仕方がないかもしれません。

一般的に伝えられているのは、ギリシャのサモス島という島に住むイアドモンという人の奴隷であったということと、奴隷なのにお話を語るのがとても上手いことで有名になり、解放されたということです。

そして、解放後は語り手として古代ギリシアの各地を巡り、イソップの物語を語り伝えていったそうです。

イソップ童話のお話を、絵本でじっくり読んでみよう

『北風と太陽』『うさぎとかめ』『犬と肉』など有名なイソップ童話は、誰もが一度は聞いたことがあるお話が多いのではないでしょうか?

多くの人があらすじは知っているこれらの有名なイソップのお話を、絵本でじっくり楽しんでみませんか。

素晴らしいイラストとともにお届けするイソップのお話の奥深い世界を、すみずみまでご堪能ください。

『北風と太陽』

例え話にもよく使われる、イソップ童話の名作

イソップえほん きたかぜとたいよう

北風と太陽が、旅人の洋服を脱がそうと競争します。
北風が力いっぱい風を吹いて洋服を飛ばそうとしますが、うまくいきません。
つづいて太陽がさんさんと照らすと…。

■読者の声

名作!
私はイソップ童話の中でもこのお話が好きで
子供たちが小さいときに読んであげたことがありました。
先日娘が久々にこの本を読んで
旅人はとばっちりだね~。と笑っていました。
どっちの勝ちでも大変なのは旅人。
何回読んでも面白いと思ってくれてよかったな~と思いました。
(リーパンダさん 40代・ママ 男の子11歳、女の子9歳)

『うさぎとかめ』

子どもにも有名な『うさぎとかめ』を絵本で

うさぎとかめ

うさぎが言いました。世界で1番、足の速いのはおれさまだ。かめが言いました。では、あの山まで競争しよう。うさぎはひとっ飛びに走って、ちょっとひと休み。有名なイソップのお話です。

■読者の声

表情ゆたかな絵

あんじゅじゅさん 40代 その他の方 高知県
よく知ったお話でも、作家さんがかわると新鮮な印象です。ポール・ガルドンの絵は、動物たちの動きがいきいきしていて、表情ゆたかで、ユーモアがいっぱいで、見ていて楽しいです。文章は、小さい子どもには少し難しいかなと思ういいまわしもありますが、声にだすとリズミカルで、独特です。他の「うさぎとかめ」と読み比べてみるとおもしろいと思います。

『犬と肉』

「ああ!ダメ!」思わず叫んでしまいそうになる物語

にくをおとしたイヌ

水に映る自分の姿を別のイヌと思い、吠えたとたん肉を落としてしまった。

■読者の声

懐かしく思い・・・
昔自分が子供の頃、読んでもらったお話だったので懐かしく思い選びました。
読んでみて、こんなお話だったっけ?と思ってあとがきを読んだら、イソップのお話の原典は守りつつ、脚色したお話だということ。
でも、なぜかすんなりと読めます。お話も筋が通っていて、最後も『良かったね』と気持よく終われました。
年中さんあたりから楽しめると思います。
(*どんぐり*さん 30代・ママ 女の子5歳)

『アリとキリギリス』

有名な『アリとキリギリス』がステッチ絵本に

アリとキリギリス

有名なイソップ物語「アリとキリギリス」の世界が、にぎやかで楽しいステッチ絵本になりました!
読んでたのしく、ながめてカワイイ、名作シリーズの第3弾です。

■読者の声

読むたびに発見が
フェルト、布、ビーズなどで作られた世界が
絵本になったらこんなに素敵とは思いませんでした。
子供と読むたびに
「あ!こんなところに○○がいる~」
などと新しい発見をしています。

ストーリーは、短く単純ですが
1ページ1ページを見る時間が
他の絵本より長いと思います。
(ぽぽはるさん 30代・ママ 男の子1歳)

『嘘をつく子供』『羊飼いと狼』『オオカミ少年』

「オオカミ少年」でお馴染みのイソップ童話

イソップえほん オオカミがきた

たいくつでたまらないヒツジ番の男の子。ふと、いたずらを思いつきました。「オオカミがきた」と叫び、あわてる村人を見て大笑い。調子にのって、くりかえしていると……。

■読者の声

オオカミ少年
有名なお話ですね、「オオカミ少年」。
文章が短いので、とても読みやすくてわかりやすかったと思います。
「ウソは、いけないこと」と、わかりますよね。
この少年は、かなり痛い目を見てから気がついたようですが・・・

(なしなしなしさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子4歳)

『田舎のネズミと町のネズミ』

いもとようこさんが現代風にアレンジ

まちのねずみといなかのねずみ

大人になっても忘れたくない いもとようこ世界の名作絵本シリーズ第4弾!

いなかのねずみの家に遊びにきた町のねずみ。朝摘みいちごやはっぱの布団でもてなしますが町のねずみは不満です。都会は最高という町のねずみについていなかねずみは町へいきますが、何度も危ない目にあってしまいます。

■読者の声

現代風にアレンジされています
いもとようこさんの世界の名作絵本シリーズの一冊です。
私たち親の世代なら誰もが知っているお話しですが、この本は内容を現代風にアレンジしてあってとても読みやすく、子供が理解しやすいと思います。例えば、町のねずみが住んでいるのが大きなマンションだったり、ごちそうがエビグラタンだったり。都会の描写の中にも、車や排気ガスが出てきて、もともとは昔からあるお話しであることを感じさせません。
原作に忠実に訳すべきかどうかについてはいろいろな意見がありますが、この作品については私は良かったと思います。原作の言いたいことをとてもわかりやすく伝えていますし、そこに流れるユーモアもきちんと汲み取られていると思いました。
時を経ても名作といわれるものは色あせないですね。このシリーズ、マッチ売りの少女や、フランダースの犬なども出されているようなので、ぜひ子供と一緒に読んでみたいと思います。
(すずらんぷさん 30代・ママ 女の子11歳、女の子8歳)

『ねずみの恩がえし』

小さなねずみは大きなライオンを助けられるか!?

ライオンをたすけたネズミ

ネズミは命を助けてくれたライオンが人間のわなにかかったのを助けます。

『金の斧』『金の斧と銀の斧』

巨匠・宇野亞喜良さんが描く妖しげな大人の寓話

イソップえほん きんのおの

泉の近くで仕事をしていたきこりが、うっかり手をすべらせました。持っていた斧が泉のなかにどぼん! ため息をついていると、泉のなかから美しい女神があらわれました。

■読者の声

なんでネコ? なんでブタ?
極めて道徳的な寓話が、宇野亞喜良さんの絵で妖しげな大人のお話にアレンジされたような気がします。
正直な木こりのネコを誘惑するような女神の眼差しは何故でしょう?
女神の眼差しに幻惑されたら、別のお話になってしまいそうな雰囲気にドキッとしました。
一方、愚鈍なブタを蔑むような態度には、ちょっと反感を持ちました。
ネコの方がずるいんじゃないかと思うのは私だけでしょうか。
(ヒラP21さん 60代・パパ )

『キツネとブドウ』『酸っぱい葡萄』

そのブドウは甘いのか?酸っぱいのか?

イソップえほん キツネとぶどう

おなかをすかせたキツネがぶどうを見つけました。飛び上がって取ろうとしますが、とどきません。助走をつけたり工夫しますが…。

■読者の声

ブドウの味はどうだったんだろう?
おなかをすかせたキツネは、木の上にぶどうがぶらさがっていることに気づきました。ぴょんと飛び上がってぶどうをとろうとしましたが、届きません。どうにかしてぶどうを手に入れようと頑張るキツネですが…。太陽の光を浴びて光り輝くぶどうが美味しそうでした。だからこそ、採れたら良かったのになぁと思いましたが。
採れなかったブドウ、本当は甘かった?酸っぱかった?
オチはないけれど、こういう終わり方の本もあってもいいなと思いました。さこももみさんのイラストとは意外でした。
(ぼんぬさん 40代・ママ 女の子4歳)

『卑怯なコウモリ』

どっちつかずのコウモリは、鳥なの?獣なの?

イソップえほん ずるいコウモリ

獣と鳥が争っていました。コウモリは、鳥たちが強いときはコウモリは鳥たちの、獣たちが強いときは獣たちの味方をしました。

小学生におすすめのイソップ童話

小学生になったら、文章が中心のイソップ童話を読んで、想像力の翼をもっと広げてみませんか?

学年別におすすめの作品をご紹介します。

小学1年生から3年生におすすめのイソップ童話集

偕成社 新おはなし文庫1年(1) イソップどうわ一年生

きつねとぶどう/うしとかえる/うさぎとかめ/ねずみのおんがえしなど、イソップのゆかいな話から一年生むきの話を21編収録。

偕成社 新おはなし文庫2年(1) イソップどうわ二年生

いなかのねずみと町のねずみ/せみとあり/ライオンにばけたろばなど、イソップのゆかいな話から二年生むきの話を23編収録。

高学年におススメ!岩波少年文庫版のイソップ童話集

岩波少年文庫 イソップのお話

有名な「イソップ寓話集」から,少年少女のために選りすぐったお話300編.「ライオンとネズミ」「北風と太陽」「肉をくわえたイヌ」「旅人とクマ」など,原典ギリシア語からの完全訳.

■読者の声

紀元前6世紀から伝わってきているお話

初版は1955年で、2000年に新版として刊行された作品です。
絵本など様々なイソップ寓話がありますが、それらは読みやすくアレンジされていることが多いと思います。
こちらは原典ギリシャ語からの訳ということなので、オリジナルを確認することができ貴重です。
あとがきでは、イソップについて詳しく述べられていて、大変勉強になりました。
(みいのさん 60代・その他の方 )

たくさんのお話が収録された、お得で楽しいイソップ絵本

イソップ童話は、一つひとつは短い作品が多いので、1冊の中にたくさんのイソップ物語が収録された絵本もおススメです。

特徴的な3作品をご紹介します。

『はらぺこあおむし』のエリック・カールが描く、色鮮やかなイソップのお話

エリック・カールのイソップものがたり

見開きごとに、イソップのおはなしがひとつずつ入っている大判絵本。
よく知られているのは、「ライオンとネズミ」「ウサギとカメ」「アリとキリギリス」などでしょうか。
でも……あれれ?
知っているはずのおはなしとちょっとちがう……?

それもそのはず、この本はエリック・カール流にかかれたイソップ。
たとえば「ライオンとネズミ」では、ライオンに食べられそうになったネズミが命乞いをして「こんどもし、あなたがなにかでこまったら、そのときはぼくがあなたをたすけるよ」と言います。
ライオンは笑って本気にせず、昼寝をはじめますが、それを聞いていたオオカミが眠っているライオンを太いひもで木にしばりつけてしまいます。
小さなネズミは、鋭い歯で縄を噛み切ってオオカミを助ける……というおはなしです。
話の流れはほぼ同じなのですが、最後にエリック・カールが教訓として書いているのは、「ともだちになるのに、姿かたちは関係ない」ということ。
なるほど、大きかろうが小さかろうが、ともだちとして互いを助け合うことはできるんですね。

多くのイソップ寓話では「情けは人のためならず(自分のため)」だとか、たとえば「ウサギとカメ」ならば「競争は必ずしも足の速いものが勝つわけではない」とか戒めふうの教訓が込められているわけですが、エリック・カールさんにかかると、ほんの少し変わって、できごとのよい面をとらえたりやさしく言い聞かせるような教訓に変わってます。
では、あの「アリとキリギリス」の結末はどうなったのか? エリック・カールさんが添えた一言は?
ぜひ本書を読んでみてください!

イソップを、人生をたのしむ応援メッセージのように感じることができる1冊。
一枚一枚、色あざやかな絵の中に描かれる動物たちは、優雅でおしゃれな衣装を身にまとっています。
これもきっとエリック・カール流のお楽しみですね。
おうちや学校で、それぞれ気に入ったおはなしを見つけてくださいね。

■読者の声

新鮮なイソップ

教訓が含まれたイソップですが、エリック・カールの絵と再話になると、なんだか明るい雰囲気です。やっぱり、絵がカラフルですてきです。
そして、お話もアレンジがされています。特にアリとキリギリス。ラストのちがいにはびっくり!
訳文も楽しくてよみやすく、とっても新鮮なイソップでした。

(あんじゅじゅさん 40代 その他の方 高知県)

絵や文だけでなく、縁周りにもこだわった美しいイソップの絵本

イソップのお話から

「ウサギとカメ」「北風とお日さま」「キツネとブドウ」など、おなじみのイソップ童話を20編収録しています。

■読者の声

一話ごとに楽しい
 おなじみのイソップ物語です。短くてピリッとしたお話と、きれいな挿絵は見応えがあります。見開きで一つのお話が楽しめて、それぞれのレイアウトが凝っています。縁回りにまで、繊細な絵が描かれています。

 イソップのお話は、その時の体調などで感じ方が違ってきます。今回は「かいばおけの中の犬」がしみじみしました。現在でも通用するお話に、あらためてイソップ物語はすごいなと思いました。
(どくだみ茶さん 40代・ママ 女の子10歳)

読み聞かせにぴったりなイソップ童話集

よみきかせえほん イソップ童話

よみきかせえほんシリーズ第三弾は、生きるための知恵がいっぱいのイソップ童話。
心豊かに生きるためには、気持ちを表現する言葉を持つことが大切です。そのため本書は、登場人物たちの気持ちの描写が豊かに、生き生きと描かれています。
楽しくってためになる動物たちのユーモラスな話など、全22話を収録。
すべて異なるイラストレーターによる美しい挿絵入り。

ちょっと変わったイソップ物語はいかが?

せっかくなので、一風変わったイソップのお話も、いかがでしょうか?

少し角度を変えて味わってみることで、イソップ童話の新たな魅力に出会えるはずです。

上段と下段で2つのお話が楽しめる!摩訶不思議な安野光雅ワールド

きつねがひろった イソップものがたり 1

きつねの親子が、古くてりっぱなイソップの絵本をひろいました。子ぎつねはさっそく読んでほしいとせがみますが、父さんぎつねは字が読めないので、読めるふりをして勝手ほうだいにお話を作ります。

きつねがひろった イソップものがたり 2

1。2とも、上段で、きつねがひろった美しい絵本を紹介して古典としてのイソップ物語(森谷宇一訳)をたんのうしていただき、下段で、きつねのほら話をおきかせするという趣向の、2倍楽しい絵本。

■読者の声

苦心作
懐かしいイソップ物語が読めるうえにとうさんキツネの苦心作も読めて楽しめました。
とうさんキツネのお話がなかなか含蓄があって興味深かったです。
絵を見ながら二つのお話を読み比べるなんてとても面白い試みだと思いました。
(グラッツさん 30代・ママ 1歳)

イソップのお話が、谷川俊太郎の手で生まれ変わった!

いそっぷ詩

あの名作が谷川俊太郎の手で生まれ変わった

谷川俊太郎の書き下ろし詩集。イソップ童話を題材にした子どもから大人までが楽しめる〈ひらがな詩〉。ユーモアとナンセンス、ちょっとブラックで残酷な物語展開.全部で30篇+「イソップさん」という序詩がつく。

谷川俊太郎の書き下ろし詩集。イソップ童話を題材にした子どもから大人までが楽しめる〈ひらがな詩〉。ユーモアとナンセンス、ちょっとブラックで残酷な物語展開――そして声に出して読みたい七五調の日本語の調べ。それぞれの詩篇は岩波文庫の『イソップ童話集』の収録順に揃えた。全部で30篇+「イソップさん」という序詩がつきます。

■読者の声

名作中の名作!!
新聞の下の方のずら~り並んでいた本の紹介
売りたい作品!
なのでしょうが・・・
いろいろ、い~っぱいだなぁ~
と、おっ!?谷川さんだ
一般書の中に、「イソップ」ときた
気になるなぁ・・・
と、この本を図書館にリクエスト

絵もと~っても素敵なんです

イソップのおはなしなのに
谷川さんの五七調でいいんでしょうか?
精選された言葉で
説教くさくなく
なんとも「詩的」なおはなしなんです
声にだして、読みたくなるんです

息子に勧めたら
「え~っ、何がいいのか、かいつまんで
説明して、時間ないんだから~」
と、「ねことにわとり」を、なぞかけのように
で、絵を見せ
「うさぎとかめ」は、「♪もしもしかめよ~」の歌とともに(笑
そして、谷川さんのあとがきを読むと

「ちょっと、見せて・・・いいかも・・・絵もいいし」 (笑

子どもの頃からイソップの作品は
絵が少なく、文字の多いもので
読んでいたのですが
この作品は、とてもとても素敵な作品に
仕上がった名作だと思われます

高価ですが
それだけの価値があるということでしょう
これは・・・どうしても・・・ほしいです・・・
(しいら☆さん 50代・その他の方 )

『アリとキリギリス』をアレンジした、ちょっと切ない大人の童話

また、晴れの月夜に~アリとキリギリス もうひとつの物語~

冬を越すために夏のうちから一生懸命に働くアリが、初夏のある日キリギリスのバイオリン演奏に出合う。すっかり魅せられたアリは、キリギリスにバイオリンを習いに毎晩足を運ぶことが、日々の楽しみになっていた。ところがある日置手紙と楽譜を残したまま、キリギリスは去っていってしまう……。イソップ童話「アリとキリギリス」をモチーフに描かれた、本当の「シアワセ」が何かを考えさせられる、ちょっと切ない大人の童話。

総勢182人の有名イラストレーターが描く、贅沢なイソップ物語

182人のイラストレーターが描く新訳イソップ物語

絵と新訳で楽しむまったく新しいイソップ本
1988年に発足した「東京イラストレーターズ・ソサエティ」は日本を代表するイラストレーターが数多く所属しています(和田誠、安西水丸、黒鉄ヒロシ、杉田豊、南伸坊、長友啓典、山口はるみ、宇野亜喜良、矢吹申彦、荒井良二、灘本唯人など)。毎年夏に銀座のクリエイションギャラリーG8で、企画展を開催しており今年のテーマは「イソップ物語」です。一人の画家がひとつのお話の絵を描きます。同展に参加の画家182人の作品をまとめたものが本書です。「イソップ物語」は400話ほどありますがそのほとんどがあまり知られていません。本書は「北風と太陽」などのようによく知られたお話から、あまり知られていないお話まで、新たに翻訳した読みやすいイソップのお話が展開する、読み応えのある美術書です。現代にも十分あてはまる「教訓」になるほどとうなずいてしまう、大人が楽しめるイソップ物語書です。解説には詩人であり作家の三木卓氏が、イソップの歴史と魅力をわかりやすくひも解いています。

■読者の声

贅沢なイソップ物語
どのページを開いても、それぞれのイラストレーターのイソップ訓話への取り組みが味わえます。
182人という豪華なキャスティングで、イソップ物語のまとめ読みも退屈さを感じません。
深読み、遊び心、それぞれの画家のいじり方に気をとられて、それぞれのお話の教訓があまり記憶に残らないのは、私の読み方の問題ですね。
(ヒラP21さん 60代・パパ )

私たちの生活に根付いた物語

こうやって改めて見てみると、イソップ童話は本当に私たちの生活に根付いているということに気づきます。

イソップ物語に込められた教訓を子どもに伝えるもよし、自分への戒めとするもよし。

また、教訓は抜きにして純粋にお話を楽しむもよし。

ぜひ、イソップの絵本を、存分に堪能してみてくださいね。

編集協力・執筆:洪愛舜(ほんえすん/ライター・編集者・絵本作家)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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