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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】「国際子どもの本の日」に向けて。日本の「国際アンデルセン賞」作家と作品紹介

今週、4月2日は童話作家アンデルセンの誕生日が由来の「国際子どもの本の日」です。子どもに本のよろこびを、大人にも子どもの本のおもしろさをつたえるため、1967年、IBBY(国際児童図書評議会)によって定められた記念日です。

そこで今週は、世界で初めての子どもの本の国際的な賞であり、「Little Nobel(小さなノーベル賞)」とも称される「国際アンデルセン賞」を受賞した日本の作家と作品を取り上げ、その魅力をお届けしていきます。

※「国際子どもの本の日」や「国際アンデルセン賞」についての詳細はJBBYのHPをご覧ください。
https://jbby.org/news/oversea-news/post-25357

2026年3月30日から4月5日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

3月30日 1980年日本初の国際アンデルセン賞画家賞を受賞。

1980年、日本のみならずアジアではじめて国際アンデルセン賞画家賞を受賞された赤羽末吉さん(1910-1990)。その代表作といえば、長年国語の教科書に掲載され、子どもから大人まで多くの方の心に深く残る、こちらの作品ですね。

月曜日は『スーホの白い馬』

スーホの白い馬

昔、モンゴルの草原に、スーホという貧しい羊飼いの少年がいました。スーホはとしとったおばあさんと二人きりでくらし、大人に負けないくらいよく働きました。
ある日、スーホは生まれたばかりの小さな白い馬を拾って帰ります。スーホが心を込めて世話したおかげで、子馬は立派に育ちました。
ある年の春、殿様が町で競馬の大会を開き、一等になったもの者は殿様の娘と結婚させるという知らせが伝わってきました。
スーホは白い馬を連れて競馬大会に出て、見事一等になります。
ところが一等になったスーホが貧しい羊飼いであることを知ると、殿様はスーホにひどい仕打ちをします。

モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来となった、せつなく悲しい物語です。
赤羽末吉氏によるダイナミックな構図の壮大なイラストが、このおはなしのスケールを大きく感じさせてくれます。
特に横長の見開きシーンは圧巻です。
権力者の不条理な対応に打ちのめされる羊飼い。
読み進みながら、憤りとせつなさを感じざるを得ません。

小学校2年生の国語の教科書に採用されており、大人と子どもを問わず愛され続けている名作。
ぜひ家の本棚に置いておきたい一冊です。

(金柿秀幸  絵本ナビ事務局長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=138

3月31日 1984年画家賞受賞、安野光雅さんの最新刊

1984年に安野光雅さんが、国際アンデルセン賞画家賞を受賞されました。安野光雅さん(1926-2020)は、現在、PLAY! MUSEUM(東京・立川)にて、「生誕100周年記念 安野光雅展」が行われており、貴重な初期作品を含む代表作から原画約130点を見ることができるそうです。

火曜日は『地球は日時計』

地球は日時計

むかしの人々は、日時計の動く影を見ることでおおよその時間を知っていました。日時計が規則正しく時間を刻むのは、地球が決まった速度で自転をしているためです。この本では、飛び出す立体のしかけを使って、地球の自転や公転のしくみを丁寧に紐解きます。地球の運動をよく理解したら、自分の町の日時計もつくってみましょう。小さな日時計を通して、大きな天体の世界を感じてみてください。安野光雅さんの美しい絵で、地球の動きと時間の関係を体験する科学絵本です。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=287988
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=287988

4月1日 春に読みたい、まど・みちおさんの詩の絵本

1994年、まど・みちおさん(1909–2014)が、国際アンデルセン賞作家賞を受賞されました。作家賞部門での受賞は日本人で初めてのことでした。

水曜日は『たんぽぽヘリコプター』

たんぽぽヘリコプター

「ぞうさん」の童謡で有名な国際アンデルセン賞受賞詩人まど・みちおの草花をテーマにした詩に、南塚直子が美しい銅版画をつけた詩の絵本。

4月2日 国際子どもの本の日&アンデルセンの誕生日

1966年、IBBYの創設者イエラ・レップマン(Jella Lepman)は、世界中で子どもの本を通しての国際理解を深めるために、記念日をつくろうと提案し、翌1967年に、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの誕生日である4月2日が「国際子どもの本の日(International Children’s Book Day)」に制定されました。
(JBBYのHPより引用)

木曜日は『子どもに語るアンデルセンのお話(全2巻セット)』

子どもに語るアンデルセンのお話(全2巻セット)

童話の王様として名高いアンデルセンが書き残した童話は、150編以上に及びます。その中から、子どもたちに届けたい17編を選び、2巻に配しました。
アンデルセン自身、自作を朗読することがよくあったといいます。アンデルセンの物語は、語られてこそ、より深く聴き手の心に響きます。本書は、ベテランの語り手たちがそれぞれの訳文を担当。語りこまれた「声に出して読まれる」ことを意識した訳文で、読み聞かせにも最適です。2冊セットでプレゼントなどにもぴったりです。

4月3日 数々の名作につながる流れの最初の一滴

2014年、上橋菜穂子さんが、国際アンデルセン賞作家賞を受賞されました。まど・みちおさんの受賞から20年ぶりの受賞ということで大きな話題となりました。上橋菜穂子さんは、受賞発表の際、「ファンタジー世界をつくり出す秀でた才能の持ち主」と評されたそうです。

金曜日は『神の蝶、舞う果て』

神の蝶、舞う果て

「ときどき思うのよ。偶然って、本当にあるのかしらって。この世には、私たちには見ることも、思い描くこともできない複雑な糸がはりめぐらされていて、その壮大な布の中では、どれもが、あるべきところにあるとしたら……」(本文より)

降魔士の少年・ジェードは、神と魔物、光と闇が共に宿っているとされる、神聖でありながらも恐ろしい聖域<闇の大井戸>で、魔物から聖なる蝶を守る役目を負って暮らしていた。ある日、ジェードの相棒である少女・ルクランが、聖なる蝶が舞い上がって来る予兆の鬼火に触れる事件が起きる。他の降魔士たちと違い、なぜか、予兆の鬼火に激しく反応してしまうルクランは、聖域を守る者のなかで波紋を呼んでいた。自分がなぜ、そんな反応をするのかを知りたいと願うルクランと、ルクランを守りたいと思うジェード。それぞれの思いをよそに、ふたりは壮大で複雑な運命の糸に絡め取られていく。

1999年から2001年にかけて、上橋菜穂子の代表作である『守り人』シリーズの創作と並行して執筆されたこの物語は、のちの『獣の奏者』、『鹿の王』、そして『香君』にもつながる、作者の創作の軌跡を知ることができる貴重な作品でありながら、これまで書籍化されていませんでした。
この物語は、人と人との関係だけでなく、人間と他の命ある存在との繊細で複雑なつながりを描きたいという著者の想いから生まれました。
執筆から二十年以上の時を経て、円熟の域に達した著者の手で加筆修正され、力強くも美しい物語へと成長した物語が、ついに世界へと解き放たれます。

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=3242 上橋菜穂子さんの未書籍化作品『神の蝶、舞う果て』が大幅加筆で1月22日に刊行!「二十数年前の私と、現在の私が共同執筆したようなもの」 (講談社エディターズブログ)

4月4日 2018年作家賞受賞の角野栄子さん代表作

2018年、角野栄子さんが、国際アンデルセン賞作家賞を受賞されました。その受賞スピーチでは、こんな素敵な言葉をお話くださいました。

 

"読書が子どもたちにもたらすもの"について
「まず言葉だろうと思う。読んで読んで読むと、その人の中に辞書ができる。その言葉がその人が生きていく上での力になる。本を読んで感動すると何かを作り出したくなる。創造に結びついていく力が読書にはあると思います」

土曜日は『魔女の宅急便』

魔女の宅急便

魔法が使えて、ほうきに乗って空を飛べる……。子どもの頃、一度は憧れたことがあるでしょうか。
でも魔女ってなんだか遠い存在? いえいえ、とっても親しみやすくてかわいい魔女がここにいます。

その名はキキ。キキは魔女のお母さんと、人間のお父さんの間に生まれた女の子。
“13歳になったら、魔女としてひとり立ちするために、家を離れて知らない町で1年間暮らす”というきまりに従って、キキは満月の夜、ほうきに乗って相棒の黒猫ジジと一緒に新しい町へと旅立ちます。辿り着いたのは、きれいな海に囲まれたコリコの町。想像していたよりも大きな町ではあったけれど、ひと目で気に入ったキキはこの町で修行することにします。幸運にもグーチョキパン屋のおソノさんと出会い、下宿させてもらいながら、持っているたったひとつの魔法“ほうきで空を飛ぶこと”を生かして、お届けもの屋さんをはじめるのです。

ここでは魔法はたったひとつということが重要なポイント。ひとつだからこそ、自信をなくした時の落ち込みは相当なものですが、ひとつだからこそ、それを生かせたときの喜びが大きく伝わってくるのです。

お話のお楽しみは、なんといってもキキが運ぶもののさまざまなエピソード! 中でも、わんぱく坊主のお誕生日プレゼントに黒猫のぬいぐるみを運ぶエピソードはユーモアたっぷり。途中で大事なぬいぐるみを空から落としてしまったキキはいったいどうしたのでしょう? 知らない町での魔女修行はうまくいくことばかりではないけれど、つまずきながらも前に進んでいくキキからはたくさんの勇気をもらえます。

スタジオジブリのアニメやミュージカル、さらに2014年春には実写映画にもなりました。魔女のキキは子どもから大人まで日本で一番有名な魔女かもしれませんね。「魔女の宅急便」シリーズは全部で6巻。自立や、進む道への悩み、自身のこと、恋愛、結婚など、さまざまな事に悩んだり、傷つきながらも、何度も立ち上がり成長していくキキの姿は、読む人に大きな共感をもって愛されています。
キキと同年齢の子どもたちだけでなく、大人になってから、また子育て中の親御さんなど、読む時期によって共感する部分や気づきが変わっていくところも、長く読み継がれている所以でしょう。親から子へ、またその子どもへ、と世代を超えて丁寧に読み継いでいきたいお話です。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

世界と日本の「国際アンデルセン賞受賞作家」の詳細はこちら

https://jbby.org/hans-christian-andersen-award

4月5日 動物園に行きたくなる! あべ弘士さん話題の一冊。

最後に国際アンデルセン賞に関連して、あべ弘士さんを取り上げさせていただきたいと思います。

あべ弘士さんは、2026年3月13日に『どうぶつえんガイド』が、国際アンデルセン賞の国際選考委員会が選ぶ”各国での翻訳出版を推奨する卓越した21冊”に選定され、今話題となっています。

詳しくはこちらから

https://jbby.org/news/oversea-news/post-25542

日曜日は『どうぶつえんガイド』

どうぶつえんガイド

ライオン、ゾウ、カバなどの大型獣から、リスやウサギなどの小動物まで、動物園で出会える41種の動物たちを紹介。見るだけでも楽しいよ! 持って動物園へ行けば、もっと楽しいよ!

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=2050

こうして歴代の、日本の国際アンデルセン賞受賞作家とその作品を振り返ってみると、本当に素晴らしい作品が揃っていますね。国際子どもの本の日を迎えるこの機会に、子どもたちにも大人の方にもたくさん手に取っていただけますように…。

選書・文:秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
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