人気ランキングから選ぶ読書感想文の本と、2018年のおすすめ本!
2018年の読書感想文、どの本で書く? 人気本と新刊からのおすすめ50冊をどどーんとご紹介!
毎年やってくる夏休みの読書感想文!
読書感想文の二大お悩みといえば、どの本を選べば良いの?という「本の選び方」と、どうやって書いたらいいの?という「感想文の書き方」でしょうか。
そこで、まずは悩みの一つ「本の選び方」を解決!
昨年絵本ナビで人気があった読書感想文におすすめの本ランキングを対象年齢別に調べてみましたよ。
人気がある本を眺めてみると、感想文に書きやすいテーマがしっかり入っていたり、子どもたちが共感するから書きやすい!という特徴があるようです。今年の読書感想文の本選びに、ぜひ参考にしてみて下さいね。
さらに、最近話題になっている本や新しい本から選びたいという方には、2018年最新の読書感想文向けおすすめ本もご紹介します!
目次
学年別人気ランキングから探す!
最新情報!2018年の読書感想文におすすめの本から探す!
小学1、2年生に人気の読書感想文ランキングベスト10!
第1位『しっぱいにかんぱい!』
しっぱいしたって大丈夫!「しっぱい」の体験談で感想文がどんどん書ける!
大人になれば失敗の1つや2つは当たり前。けれども子どもたちは失敗に慣れていないために、よりショックが大きいのではないでしょうか。そんな子どもたちにお話を通して、誰でも失敗すること、どんな失敗でも時間がたてば笑って話せるようになることを教えてくれるお話です。この本をきっかけにご家庭で失敗談を話してみるのも良いかもしれません。
第2位『エルマーのぼうけん』
とにかくワクワク!エルマーと一緒に冒険へ出かけよう!
初めての冒険物語との出会いにおすすめの1冊。読み始めたらワクワクドキドキの連続で、あっという間にお話にひきこまれます。低学年ぐらいだと1人で読むにはまだ難しいので、ぜひ大人の方が読んで聞かせてあげて下さいね。エルマーが冒険に出かける時にリュックにつめこむ道具や、見開きの地図がお話の楽しさを盛り上げてくれます。
第3位『まほうのじどうはんばいき』
もし、なんでも欲しいものがでてくる「じどうはんばいき」があったら?
学校の帰り道、ぼくが見つけた変わった自動販売機。虹みたいな色をしていて「あなたのみかた」と書いてある。「あなたのみかた」ってどういうこと?自動販売機から何が出てくるのか、次に何が起こるのかワクワクさせられます。こんな自動販売機があったらいいなと思いながらも、ちょっと考えさせられる結末が待っています。
第4位『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』
手紙ってもらうのも、出すのも楽しい!
手紙を出したり受け取ったりする楽しさや、新しい誰かとの出会いの喜びが伝わるお話です。キリンがペンギンのことを想像して真似する姿はユーモアたっぷり。地平線のこちらから向こうまでなが―い距離を行き来する手紙のことを想像したり、手紙をやりとりするそれぞれの気持ちを想像しながらゆったりとした気持ちで楽しんで下さい。
第5位『なぞなぞのすきな女の子』
女の子がなぞなぞでどうオオカミに立ち向かうかがみどころ!
なぞなぞ遊びの楽しさがたっぷり詰まったお話です。はじめてなぞなぞを知る子どもたちにも、すでになぞなぞが大好きな子どもたちにも、おすすめの1冊です。1年生が一人で読むには文章が多いので、はじめはぜひ読んであげて下さいね。女の子がなぞなぞでどんな風にオオカミに立ち向かったのかに注目してみて下さい。
低学年の部:第6位から第10位にランクインした作品はこちら
小学3、4年生に人気の読書感想文ランキングベスト10!
第1位『かあちゃん取扱説明書』
笑ったり、共感したり、一番身近なお母さんのことだから、感想がどんどん出てくる!
ぼくんちで、一番いばっているのはかあちゃんです。今朝も朝からガミガミうるさくって、ぼくはハラがたちました。かあちゃんにいいたいのは、何日も同じごはんをつくらないでほしいです。さいごに、かあちゃんはすぐ「早く」っていうけれど、ぼくが「早く」っていうとおこるのは、やめてほしいと思います。
……ぼくの作文を読んだ父ちゃんは大笑い。
4年生の哲哉が作り始めた「かあちゃん取扱説明書」。作る過程で、かあちゃんを観察して知らなかった面を知るようになったり、物事を深く考えるようになったりと、心が成長していきます。子どもの大きな共感を呼び話題となった1冊ですが、お母さんが読むとじーんとするお話です。親子で一緒に楽しんでみて下さい。
第2位『レンタルロボット』
第3位『先生、しゅくだいわすれました』
うまくウソがつけたら、しゅくだいやらなくてもいい?
子どもたちが毎日やらなければならない「しゅくだい」。でも「しゅくだい」を忘れても、その理由を上手にウソで話せたら怒られない…!?そんな子どもたちの願いが叶ってしまうユニークなお話。けれどもウソの理由を考えるのもなかなか大変!想像力を働かせてウソ(物語)をつむぐ楽しさと難しさに気づくことのできるお話です。
第4位『新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル』
何度読んでもハラハラします
どんな絶望的状況でも決してあきらめない勇敢なウォートンの姿に、子どもたちは何を感じとるでしょうか。来たるミミズクの誕生日に起こる予想外の展開には、心が大きく揺さぶられます。様々な感情をウォートンとともに体感し、他の登場人物の気持ちをも汲み取ることで、豊かなものが子どもたちの心に育まれるようなステキな作品です。
第5位『はれときどきぶた』
中学年の部:第6位から第10位にランクインした作品はこちら
小学5、6年生に人気の読書感想文ランキングベスト10!
第1位『願いがかなうふしぎな日記』
もし、書けばなんでも願いがかなう日記帳を手にいれたらどうする?
「望みはこれに書いておくといいよ。きっとかなうから」亡くなったおばあちゃんからもらった日記に、願いごとを書いた光平。もう一度おばあちゃんに会いたい、のぞみ号にまた乗りたい、お父さんとお母さんが仲直りしてほしい……。日記に書くと、ふしぎなことにその願いごとがかなっていく。
小学校三年生のときに水泳教室でおぼれてから、「オボレンジャー」というあだ名がついた光平は、今年こそは泳げるようになりたいと願う。そこで日記に書き、自分なりに練習をして夏休みの水泳教室に挑んだ。ところが、練習の成果はなく1メートルも泳げなかった。
そんなある日、公民館で家族と離れて暮らしているというおじさんに出会った。光平はおじさんの「ふるさとに帰る」という願いも日記に書いてあげることにした。
そして、光平にはどうしてもかなえたいある一つの願いがあった……。
日記を通じて大切なこと学び、成長していく少年の姿を描いた夏の物語。
第2位『びりっかすの神さま』
第3位『ルドルフとイッパイアッテナ』
1冊まるごと猫視点!勉強することがなぜ大切なのか?ルドルフがその答えを教えてくれます
まるごと猫の視点で語られるところが何より面白い1冊!飼い猫からノラ猫の世界に突然入り込んだルドルフに、ノラ猫として生きていくのに大事なことを教えてくれるイッパイアッテナ。勉強することがなぜ大事なのか、どんな風に役に立つのかということも彼の手にかかれば深く納得できてしまうから不思議です。次第にめばえていくアツい友情にもご注目下さいね。
第4位『完全版 あらしのよるに』
よく知っている「あらしのよるに」のお話なら書きやすいかも?完全版で読んでみては?
「あらしのよるに」20周年記念企画。350万人が夢中になった「あらしのよるに」シリーズ7巻が、この一冊でイッキに読める!!
累計350万部突破のロングセラー「あらしのよるに」(全7巻)が、2014年でスタートから20周年を迎えます。
オオカミのガブとヤギのメイの友情物語に感動した子どもたちも、もう大人になっているはず。「あらしのよるに」を次の世代に手渡すために、そして、あらためて読みなおして味わうために……。
7巻分の物語が一冊で読める、「完全版」の登場です。
第5位『二分間の冒険』
高学年の部:第6位から第10位にランクインした作品はこちら
2018年の読書感想文におすすめの本、最新情報!!
新しい本や話題の本で感想文を書いてみたいという子どもたちに向けて、映画の原作になった本や、児童書の受賞作品などの話題本、大ヒットした作品などに加えて、ここ1年の読み物の新刊からのおすすめを、対象年齢別にご紹介します。
小学1、2年生の読書感想文におすすめの新刊・話題本
2016年の課題図書で大きな話題となった『ひみつのきもちぎんこう』の続編が登場です!
ジャラーン! カラーン! なに、この音?
人の きもちを あずかる 【きもちぎんこう】。しんしょうひんの 【かぞくつうちょう】が できました!
きょうだいとけんかばかりしているひかるに、きもちぎんこうから手紙が届きます。行ってみると変なおじさんに「家族通帳はもうすぐ青コインでいっぱいになる」といわれました。通帳がいっぱいになるとどうなってしまうのでしょうか?
どこにでも手紙を届けてくれるポストがあったらどうする?『まほうのじどうはんばいき』のコンビが送る不思議で楽しいお話。
手紙を いれれば、パタ パタ パララ〜ン
どこにでも とどけてくれる、ふしぎな ポスト! ないしょだけど、おばけにだって とどいちゃうよ。
けんとは学校から帰るとちゅう、なぞのはこを見つけた。それは切手もはらず、住所も書かず、手紙を入れるだけでどこにでもとどくまほうのポストだった。わくわくドキドキ楽しく読めて、最後は心がほっこりする物語。
苦手なことへの挑戦を描いた「しゅくだい」シリーズ。最新刊は、『しゅくだいクロール』
7月に入ってすぐ、引っこしが決まったと友達のかおるに伝えた。かおるとは幼稚園の時から仲良しで、今の3年生で同じクラスになって喜び合った。
小学校1年生の夏、ぼくは遊園地のプールでおぼれたことがある。その時からプールが怖くなってしまった。それなのにかおるは、水泳大会のリレーの選手にぼくを出したいと言い出した。それからぼくのクロールへの挑戦がはじまった。
まずは、水に浮く練習からはじめた。プールが怖かったぼくは、水に浮くことができただけでうれしかった。次にバタ足を練習した。最初は、バチャンバチャンと大きくけっていたが、だんだんと水をける感覚がつかめてきた。そしていよいよ、「手かき」をつけて泳ぐことになった。ところが、今まで順調だったのに、手をつけたことで上手く泳げなくなって……。
運動が苦手な子でも、頑張って練習することの大切さを描いた「しゅくだい」シリーズ。水泳が苦手な子におすすめの一冊です。
『しっぱいにかんぱい!』のかんぱいシリーズの最新刊。2、3年生におすすめ!
"3年生になって初めての遠足に熱を出し行けなくなった咲は、泣く泣くじいちゃんの部屋で休むことに。部屋のかべには、咲をずっと見守ってきた「おかめ」「ひょっとこ」のお面がかけてあり、おかめおばさんとひょっとこおじさんは、咲の寝顔を見ながら、心に記録してきたビデオを観ていきます。それは、元気な産声の誕生、保育園へ入園、妹が生まれておねえちゃんになったときなど、いっぱい泣いて大きくなった咲の成長物語です。
「ともだち」についての感想文なら書けそうという子に。性格が違うともだちの素敵さに気づけるお話です
小学2年生のさつきは知っていることはなんでもしゃべりたがる子。同級生のときちゃんは対照的で、なにをするのもゆっくり。そんなときちゃんにさつきは…。
よく見て、しっかり観察するとたくさんのことが見えてくる!おじいちゃんとトモヤの交流もみどころ
トモヤは、病気のためにベッドですごすおじいちゃんと「ちきゅうかんさつたいごっこ」をしている。まわりのものをしっかりかんさつして、発見したことを隊長のおじいちゃんに報告するのがトモヤのしごと。土手にたんぽぽが咲いたこと、にがてなクラスメートのことなど、小さな発見をわかちあうよろこびは、ふたりの心をあたたかくつなぎ、トモヤの成長をみちびいていく。
家族をテーマに感想文を書きたい子に。父さんの力になりたいと奮闘する少女の物語
かんこはとうふやの子どもです。父さんは親方のもとで修行したあと、とんがり山のふもとにお店をひらきましたが、思うように売れません。ひとり悩む父さんを見てかんこは力になりたいと思います。そんなかんこのもとに2匹のキツネがやってきて、おいしいとうふづくりのコツを伝授してやるといいます。キツネとかんこのふしぎな関係が、父さんのとうふづくりを後押ししていきます。家族のあたたかさと思いやりに満ちあふれた物語。
小学3、4年生の読書感想文におすすめの新刊・話題本
今年4月、国際アンデルセン作家賞を受賞された角野栄子さんの作品からのおすすめ!
1942年、東京。町の表通りに若い靴屋さんが越してきた。ひょろ長い体にぶあつい眼鏡をかけた靴屋のタスケさんは、いつも背中を丸めて古い靴を直している。「今は材料の革がないし、靴をあつらえるなんて贅沢は許されないしなあ。でも、こう見えても、腕はたしかなんだぞ」。小学一年生のわたしは放課後になると靴屋さんに行って、タスケさんの仕事を見るのが楽しみになった。わたしは、タスケさんのことが大好きだった。しかしまもなく戦争が激化し、タスケさんはお店を閉めて兵隊さんになるために田舎へ帰っていった。やがて、わたしはタスケさんのことを忘れていったーー。『魔女の宅急便』の作者・角野栄子が若い世代へ贈る、戦争のものがたり。
「なきむし」と「きかんぼ」に登場する主人公の行動に何を感じますか?
勇気くんが名前とは反対の「なきむし」というあだ名をもらったのは、転校してきた第一日目のことでした。それは、勇気くんがその日はでに泣いたからでした。教室にスズメがまよいこみ、おいかけまわしているみんなに、「にがしてやって!」と泣き出したのです(表題作「なきむし」)。ジャンケンに負け、いつも四つのランドセルをかかえて下校する幼なじみのドウコのことが、最近気になってしかたがないツバサのお話(「きかんぼ」)。
編集者コメント
「なきむし」は以前から道徳の時間のテキストとして使われてきた作品です。18年度の教科書にも採用されました。あらたに「きかんぼ」を加えての待望の新装版
団地にまつわる怖いうわさ話の真実とは? 不思議なお話が好きな子に
結衣たちの住む桜が谷(さくらがや)団地はとても古い団地で、みんなに「おばけ団地」とよばれています。この団地には、ちょっと怖いうわさ話がありました。子どもたちのゆうれいだという「おくりっこ」、子どもを給水塔から突き落とす「黒マントの男」、屋上にむかってのびる「白い手」、まぼろしの「4号棟」・・・・・・ でもほんとうは、おばけやゆうれいより、もっとふしぎなことがおきていたのです・・・・・・
被災地の復興に前向きに取り組む子どもたちの姿が描かれたノンフィクション作品
東日本大震災で家族と日常を失った、岩手県・大槌小学校の佐々木陽音くん(当時3年生)。震災から約1年半後、新しく建てる学校の教室をデザインする授業を通して、自分の役割を見つめ直し、学校はもちろんのこと、自分たちの住む町も、より笑顔のあふれる場所にしたいと思うようになりました。悲しい過去から顔を上げ、未来の夢へと向かう子どもたちの成長の過程を描きます。
小学5、6年生の読書感想文におすすめの新刊・話題本
絶賛上映中の映画『ワンダー君は太陽』の原作や続編で感想文を書いてみよう!
オーガスト・プルマンはふつうの男の子。ただし、顔以外は。生まれつき顔に障害があるオーガストは、はじめて学校に通うことになった。だが生徒たちはオーガストの顔を見て悲鳴をあげ、じろじろながめ、やがて「病気がうつる」と避けるようになる。一方で、オーガストの話をおもしろいと感じる同級生は少しずつ増えていた。そんなとき、夏のキャンプで事件が起こる……。全ての人に読んで欲しい、心ふるえる感動作。
いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、優等生のシャーロットの3人の視点から語られる「もうひとつのワンダー・ストーリー」。この本の中ではオギーは脇役であり、オギーとの出会いによってそれぞれがどのように影響を受けて変化していったかを描いている。冒頭には、続編は書かないつもりでいた著者が『ワンダー』刊行後に米国で起こった「ジュリアンになるな」運動に違和感を持ち、本作を書くことにした経緯がつづられている。
大きな話題となった『君たちはどう生きるか』も感想文にぴったり。長い本がちょっと苦手な子は、漫画版で!
1937年に出版されて以来、数多くの人に読み継がれてきた、
吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。
今回前書きを書いてくださった池上さんも、
小学生時代に、父親から渡された当初は
読もうとしなかったのですが、気がつくと夢中になって
どんどん読み進んでいたと言います。
人間としてどう生きればいいのか、楽しく読んでいるうちに
自然と考えるように書かれた本書は、子供はもちろん
多くの大人たちにも共感をもって迎えられてきました。
勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、
昔も今も変わらない人生のテーマに真摯に向き合う
主人公のコペル君と叔父さん。
二人の姿勢には、数多くの生き方の指針となる言葉が示されています。
活字も大きくなった読みやすい新装版で、
ぜひ、色褪せない名作の面白さを堪能してください。
人間としてあるべき姿を求め続ける
コペル君とおじさんの物語。
出版後80年経った今も輝き続ける
歴史的名著が、初のマンガ化!
1937年に出版されて以来、
数多くの人に読み継がれてきた、
吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。
人間としてどう生きればいいのか、
楽しく読んでいるうちに
自然と考えるように書かれた本書は、
子供はもちろん
多くの大人たちにも
共感をもって迎えられてきました。
勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、
昔も今も変わらない人生のテーマに
真摯に向き合う
主人公のコペル君と叔父さん。
二人の姿勢には、生き方の指針となる言葉が
数多く示されています。
そんな時代を超えた名著が、
原作の良さをそのままに、
マンガの形で、今に蘇りました。
初めて読む人はもちろん、
何度か読んだことのある人も、
一度手にとって、
人生を見つめ直すきっかけに
してほしい一冊です。
こちらも角野栄子さんによる作品。9歳の少女の視点で描かれた戦時下の生活がリアルに迫ってきます。
「魔女の宅急便」の著者が描き下す、9歳の少女の戦争物語
太平洋戦争のさなか、幼くして母を亡くしたイコは父の再婚相手とともに疎開する。家のそばにある、暗く大きな森のトンネルで、脱走兵が自殺した噂を耳にするが……。
「空気を読む」ということに疑問を感じている子へ
児童文学作家、ひこ・田中氏がオススメ!
「空気を読めない子。読まない子。読みたくない子。不器用に生きているから、ちょっと不安。そんな自分を好きになれる物語です」
道徳の時間は苦手だ。はっきりとした答えがないから――。人間の感情を「理解できないもの」と感じ、他人とのコミュニケーションが不得手なかえで。
勉強はできないけれど、自然とまわりに人を集めてしまう湊(みなと)。
湊のせいで私立中学の受験に失敗したと思いこみ、現在、通っている中学校生活に馴染もうとしない兄の聡(さとし)。
自分の中に「化けもの」が住んでいるから、ささいなことでキレて爆発してしまうんだと思っている和樹(かずき)。
いつもクラスの女子を従えて女王様気取りに見えるが、マイナスの感情が心を占めるとパニック状態になり、息ができなくなって叫び声をあげてしまう美咲(みさき)。
誰でもみんな、困っていることってある。子どもだって、大人だって。
そう、だから、みんな「困った子」なんかじゃない。みんな、「困っている子ども」なんだ。
それぞれの生きづらさを抱える子どもたちが、自らの個性とともに生きる楽しさに気づいていく物語です。
トランスジェンダーについて知り、身近な問題として考える1冊
4年生のジョージは見た目は男の子だが、内面は女の子。家族にもいえないけれど、本当は誰かにわかってもらいたい。特にママには。学校の劇で女の子役を希望してみるが、先生は聞き入れてくれない。ふとしたはずみで、親友の女の子ケリーに本当のことを打ち明けると、ケリーはジョージの気持ちを理解し、2回めの公演で役を入れ替わろうという。ジョージはママに気持ちを伝えたい一心で実行する。本番を見事に演じ切ったジョージは、自分を開放する喜びを味わう。かたくなだったママも、ジョージのありのままを受けとめようとしてくれるようになる。
自分の体の性別に違和感をもつトランスジェンダーの子の思いを、ていねいにすくいとった作品。
今年、産経児童出版文化賞を受賞した1冊。「パンの缶詰」ができるまでの奮闘記!
3年経ってもおいしい非常食「パンの缶詰」を作ったのは、栃木県にある町のパン屋さん。きっかけは阪神大震災の被災者からの声ですが、どうやってこの缶詰を開発し、多くの人に届けられるようになったのでしょうか…?
(小5~総ルビ)
秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |