小学生の読書感想画にオススメの本【低学年編】
読んだ本の感想を、絵で表現する『読書感想画』。
夏休みなどの長期休暇の宿題として出されたり、個人や学校単位で「読書感想画 中央コンクール」などのコンクールに応募している方もいるかと思います。
今回は、小学校低学年におすすめの本と書き方のコツ、そして、小学1年生から読める、読みやすくて書きやすい本をご紹介します。
読書感想画って?
◇読書感想画とは……
本を読んだ感想や感銘を受けたイメージをもとに、自分の感動を伝えるために描いた絵のこと。
読書をもとに絵を描くことで、読書体験がより深く、より豊かなものになります。
絵画だけではなく、版画や貼り絵など、さまざまな表現手段を使うことが可能です。
◇読書感想画 書き方のコツ
まずは本をじっくり読みながら、印象に残ったシーンや頭に浮かんだイメージを、言葉や簡単な絵でメモします。
本を読み終わったら、そのメモをもとに、どんな画面にするか、構成を考えます。
メモの中からどれか一つを選んでもいいですし、メモに描いたいくつかの絵を組み合わせてもいいでしょう。
自分の思いや感動をどうすれば表現できるかを、いろんな方法を試しながら考えてみましょう。
また、挿絵がある絵本や児童書は、作者が描いた絵に影響を受けてイメージが固定されてしまいがちです。
自分なりの感想や感動を絵に表せるよう、大人の人が読み聞かせするのも方法の一つです。
お話を聞きながら、子どもの想像の世界がどんどん膨らんでいきます。
低学年の読書感想画におすすめの本その(1)「わくわくする冒険のお話」
子どもの心が動くシーンに出逢えるよう、ワクワクする冒険の本がおすすめです。
中でも、主人公が未知なる世界へ冒険に出る本は、子どもの想像力を掻き立ててくれることでしょう。
ガリバーが「こびとの国」で大冒険!
大の冒険好きで船医のガリバーが乗った船が、大嵐にあいました。ある島で目覚めたガリバーはびっくり!12分の1くらいの人間が、まわりにぞろぞろ。「こびとの国」での冒険はいかに! オールカラーイラストでさくさく読める世界名作シリーズ、第4弾。
■読者の声
オールカラーのイラストも楽しい!
オールカラーイラストで小学校低学年の子供でも楽しく一人読みできるこちらのシリーズ。
アニメっぽいイラストも今時の児童書らしいですね(笑)。
それをどうみるかは親世代では賛否両論もありそうですが,子供にはとても読みやすいと思います。
小学校低学年のうちに世界名作童話を読みたいお子さんにはおすすめのシリーズに思いました。読書苦手の中学年のお子さんにもいいかもですね。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子7歳)
少年エルマーとりゅうの、とびきりの冒険と友情の物語
さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!
これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。
エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。そして「どうぶつ島」へと繋がる「みかん島」行きの船に忍び込んだエルマーは、六日六晩たってようやく「みかん島」へ。ここで食料のみかんをリュックいっぱいに詰め込んで、夜の間に「どうぶつ島」へと渡ります。続きはコチラ>>>
■読者の声
冒険のたび
お兄ちゃんが幼稚園のときに見つけてきた本です。小学校に上がり、読み聞かせと、自分でも読めるようにと購入しました。
夜寝る前に、7歳息子と4歳娘に1~2章ずつ読んで聞かせていました。
ねこにであい、どうぶつ島まで龍を助けに行くお話。
いろんな荷物をリュックに詰めて、船に忍び込み進入。麻袋に隠れて、とうもろこしと間違えられるシーンは2人とも笑っていました。
とうぶつ島に着いてからは、次から次へと現れる動物たちにわくわくドキドキでした。息子はサイやごりら、娘は表紙にもある、たてがみをきれいに飾ったライオンのシーンが気に入ったようです。
なんといっても最後にみんながわにの背中に乗ったまま川の真ん中のほうまで流れていくところが、一番面白かったと言っていました。
挿絵がぶん、いろいろ創造を膨らませて楽しかったと思います。
表紙裏にあるチズを見て、今はここだねと指で追っていました。
(サマさん 30代 ママ 埼玉県 男の子7歳、女の子4歳)
ドキドキしました。
七ひきのとらに、エルマーはたべられちゃうのかなあとドキドキました。
トラがチューイングガムをたべるので、びっくりしました。
おなかがふくれないのに、どうしてたべたいのかなあとおもいました。
しらないどうぶつが、エルマーをなきべそプールに入れちゃうのかなあって、ドキドキしました。
あのしらないどうぶつっていうのは、なんだろうとおもいました。
サイは、エルマーをたべないかもって、おもってあんしんしたけど、つよそうだからどうなるのかなあっておもいました。
もりには、いろんなどうぶつがいるから、こわいなあっておもいました。
ライオンが、じぶんで、みつあみしていたから、おもしろかったです。
リボンもつけていたので、わらっちゃいました。
ながいはなしだけど、おもしろかったです。
(はなびや2号さん 10代以下 その他の方 愛知県)
『エルマー』シリーズ、続編もおススメです!
はらぺこなネコたちが繰り広げるかわいい大冒険
とらねこ大将と10ぴきののらねこたち。
それがこの絵本の主人公です。
彼らはいつもおなかがペコペコ。
けれど、見つけた魚はいつも11等分。
これじゃあ、お腹いっぱいにはなりません。
そこで11ぴきのねこは、はるか遠い湖までやってきます。
そこには「怪物みたいに大きな魚」がいると言うのです。
11ぴきのねこは、いかだを作り、帆を張り、なわも積んでいざ出発!
さあ、どんな魚が出てくるというのでしょう?
馬場のぼるさんの大人気絵本「11ぴきのねこ」シリーズの記念すべき第1作目がこの作品。彼らに名前はなく、ただの「のらねこ」たち。だけどなんて魅力的な主人公たちなのでしょう。「お腹いっぱい食べたい」その思い一つでどんな困難にもニャゴニャゴ―っと一致団結。体を張り、知恵を絞り、作戦を実行していくのです。
さて、11ぴきのねこの前に立ちはだかるのは想像を絶する大きさの怪魚。
まるで歯が立ちません。
だけど、そんなことじゃ諦めきれないのが彼らの持ち味。
思いもよらない作戦を考えつき……。
あっと驚く最後の展開は、この絵本最大のお楽しみ。
読んだ途端に彼らのことを大好きになってしまうのでした。
(シリーズはまだまだ続くのでご安心を)
■読者の声
一致団結!
11ぴきのねこ達の記念すべき第一作目、お腹いっぱい魚を
食べる為というねこ達らしい理由で、大きな魚を求めての
冒険が始まります。
作戦会議をしたりで一致団結し、何度も挑戦する姿は微笑
ましく、「はやくかえって みんなにみせてやろう」「それ
までは ぜったいに たべないこと!」と言いつつ、ちらっ
ちらっと後ろを見るねこ達はほんとに愉快で憎めません。
そしてみんなみんなたぬきのおなかと、これまたねこ達らし
い納得のオチに大満足です。
息子はとらねこ大将に一目置いてるようで、どこで何をして
るか、毎ページ注目しています。
お気に入りの場面
娘:11ぴきみんなみんなたぬきのおなか
息子:とらねこ大将がほらがいのまくらをけとばす場面
僕:一致団結するねこ達、愉快で憎めないねこ達
(四パパさん 30代 パパ 大阪府 女の子7歳、男の子5歳)
低学年の読書感想画におすすめの本その(2)「身近な食べもののお話」
読書感想画を描くためには、子どもが楽しく物語の中に入り込めることが大切です。
楽しみながら本を読めるように、子どもにとって身近な食べものの本を選ぶのもいいでしょう。
思わず絵に描きたくなるような、楽しい「食べもの」の本をご紹介します。
子どもに大人気のお寿司が旅に出る!
大人気コンビ 竹下文子&鈴木まもるの最新絵本!リズミカルな文とかわいい絵。読み聞かせにも最適です!
回転寿司のお寿司たちが店をとびだし、旅に出ます。野を越え、山越え、海越えて、世界中を旅してまわり、地球をまわり…。リズミカルでテンポのよい文とスケールの大きな明るい絵で、夢がひろがる楽しい絵本。
■読者の声
おいしそう!
とにかくおもしろい。
絶対に受ける本です。
1年から6年まで読めますが、やはり低学年のほうが反応がいいかな。
一ページ一ページ細かいところまでよく見ているので、絵をじっくり見せながら、「これはどこの国かな」などを聞きながら進めています。
地球を飛び出して宇宙に行ってしまうところなどもう大喜び。
裏表紙のお寿司の絵もよく見せると、どんなお寿司が好きか口ぐちに教えてくれます。
(桂はなさん 20代 せんせい 千葉県)
ホカホカ、フワフワのおひさまパンのお話
寒くて暗い季節、家の中では動物たちの表情までが、怒っていたり、泣いていたり、病気をしていたり、けんかをしていたり、嬉しそうではありません。そこで犬のパン屋さんがおひさまパンを作り始めると……。太陽の光、暖かさは、日常なくてはならないものですが、その素晴らしさがおひさまパン作りを通して描かれた、文字通り”暖かくて、温かい”作品です。
クレヴェンのコラージュ手法の美しいイラストはこの作品でも威力を発揮。布、包装紙、千代紙やレースペーパーなどを用い、動物たちのしぐさ、表情、街の様子、持ち物などなど細かな部分の発見が楽しい絵本となっています。ニコニコ顔の動物たちを見ていると、こちらまでハッピーな気持ちになるから不思議です。もちろんパンの作り方も紹介されていて、読後は即、パンを焼きたい衝動に駆られることでしょう。ホカホカ、フワフワのおひさまパンを、絵本と共に味わってください。
■読者の声
寒い季節に
おだやかさん 30代 ママ 愛媛県 女の子7歳、男の子5歳、女の子2歳
長女の誕生日に、本屋さんで一目ぼれして買いました。
おいしそうなパンの香りがしてきそうな絵本です。
寒い寒い冬から、あたたかい春へ。
おひさまパンの香りで、動物たちもおひさまもとてもうれしそう!
訳者の江国さんの言葉は、とてもキラキラしていて、うっとり。
でも声に出して読むと、ちょっと舌がまわらない感じかも。
何度も読んだので、今ではすらすら読めますが。
色鮮やかな絵が、ほんとうに素敵です。
娘と横並びで、隅々までゆっくり1ページずつ楽しんでいます。
食いしん坊でおとぼけ王さまが面白い!
■読者の声
楽しくて面白い
自分が子供のころに読んだことがある絵本を子供にも読んで欲しくてこの本を読みました。
この王さまは、よく出てくる王様とはまったく違います。
わがままで、いばりんぼうで、食いしん坊。
だれでも王様とそっくりのところがあるはず。
そんなとんでもない王様がいつも大変な騒ぎを起こしたり、巻き込まれたり。
この本にはたくさんの小さなお話があります。
子供がすきなのは「一つぶころりチョコレート」
夢のようなチョコレートの箱が出てきます。
子供は「僕もこんな箱ほしいな~」って言います。
「こんなことあったらびっくりするね。」って親子での会話が弾みます。
(こんたこさん 30代・ママ 男の子7歳)
低学年の読書感想画におすすめの本その(3)「みんなが知っている有名な昔話」
読書感想画の定番作品として選ばれているのが、日本の昔話の本です。
お話がわかりやすく、子どもにもなじみがあるので、「こんな絵を描こう」とイメージしやすいのかもしれません。
お子さんのお気に入りの昔話を改めて本で読んでみて、好きな場面や印象に残ったセリフなどについてお話してみるといいでしょう。
■読者の声
雅な昔話
2年生の子どもたちに読みました。
「しってる!」と目を輝かして聞いてくれました。
読み終わると、「知っていたおはなしとちがった」との感想。
針でハエをしとめるところや、鬼の目や口を刺すところが迫力があって子どもたちも引き付けられていました。
「おたのみもうす」など雅な言葉使いや、舞を踊ったり、京都の雰囲気が漂うところが素敵です。
絵もとても素敵です。
石井さんの文章は、子どもたちの心にすんなりと入っていきます。
本が嫌いな子どもでも、読みやすいので好きになると思います。
子どもたちにたくさん読んでもらいたいです。
(おるがんさん 40代 ママ 高知県 女の子、男の子)
■読者の声
小学校で読みました
小学校で読んできました。対象は二年生です。
先生からリクエストされた昔話でした。
というのも、息子の小学校で使う一年生の国語の教科書に
おむすびころりん があるのですが、省略されている描写があったり
なにより意地悪じいさんが出てくる前にお話が終わっているのです。
二年生でも結末を知らない子が多いかも ということで
担任の先生からリクエストされたのでした。
・お話のテンポ、よみやすさ ・優しいおじいさんのほのぼの感 ・ねずみたちの可愛らしさ
このあたりが気にいって、今回はいもと先生の作品をセレクトしました。
おむすびころりんすっとんとん もひとつたべたいすっとんとん
↑
この作品では、ねずみの歌の部分だけフォントが丸文字?みたいな
可愛い書体に変更されています。
この書体の違い、私はとても好印象です。
確かに丸文字みたいな書体だと、ねずみの歌声、凄く可愛いんだろうなあ、とか
印象がまた違ってきますよね。細かな部分まで、ちゃんと練られて演出されてるなあと思いました。
意地悪じいさんは出てきますが、全体的にほのぼの可愛いお話です。
けれどラスト、ねずみが逃げ出して急に真っ暗になる場面は大人の私でもドッキリ!
途端に雰囲気が一変するんですもの。
そこはさすが、いもと先生。上手に描かれているなあって思いました。
はじめてふれる おむすびころりん にもピッタリだと思います。
ぜひどうぞ。
(チチンプイのプイ♪さん 30代・ママ 男の子9歳)
元気いっぱい!迫力満点の絵が描ける
■読者の声
おもしろい!
知っているようで知らなかったこの昔話。
こんび(あか)から生まれたちからたろうが大活躍します。
昔話特有の言葉、いいまわしがいっぱい。
一気に、お話の中に引き込まれていきます。
ちからたろうが「のっしじゃんが、のっしじんが」歩いたり、
黒い煙が町を「もわん」とつつみ、「わやわや」とうずまいて
ばけものが出てきたり、ちからたろうがばけものを蹴り上げると、
「ぼかぼかぼかっ」と消えてしまったり、
まんまを「わしわしわし」とたいらげたり・・・
と、面白い表現がいっぱいです。
また、力強い田島征三さんの絵がすばらしい。
生命力を感じさます。
表紙のちからたろうの大きな手に、悪者を寄せ付けない強さが
伝わってきます。
(多夢さん 40代 ママ 兵庫県 女の子8歳)
日本の昔話は、他にもたくさん。こちらの記事もぜひどうぞ。
心に響く感動のお話
胸に響く感動の物語も、「どのシーンが一番印象的だったのか」をイメージしやすいので、読書感想画におすすめです。
子どもの情緒の発達にもつながる感動の名作を、ぜひ読んでみてくださいね。
友情とは?信頼とは?を問いかける名作
やさしく素直な、若い赤おにが山に一人で住んでいました。
赤おには、鬼たちのために良いことをしたい、さらに出来ることなら人間たちの仲間になって仲良く暮らしていきたいと思っていました。そこである日赤おには、自分の家の戸口の前に、木のたてふだを立て、人間が遊びに来てくれるように誘いました。
山のふもとの村人たちは、赤おにのたてふだに興味津々ではありましたが、だましてとって喰うつもりでは、と警戒し、誰も遊びに来てくれませんでした。
赤おにの家を訪ねてきた仲間の青おには、話を聞いて赤おにに、自分がふもとの村で暴れるから自分をやっつけろ、そうすれば人間は安心して赤おにと仲良くしてくれるだろう、と提案します。
かくして、人間の家に入り込んで暴れる青おにを赤おにがやっつけ、村人たちは赤おにに心を開くようになるのですが、赤おにはそれとひきかえに、かけがえのないものを失ってしまうのです。
とても有名なおはなしで、他にも絵が違う作品が数多く出ています。
この作品では、絵本化にあたり原文を省略せずに使用しており、実に本格的な絵本に仕上がっています。
愛蔵版として本棚におかれることをおすすめします。
■読者の声
青鬼の強い意志
「ひろすけ童話」として,教科書にも載った事がある有名なお話です。もちろん,私も子供の頃読みましたが,青鬼の友情に感動したというよりも,何かやりきれない辛い気持ちになった事を覚えています。
赤鬼は,人間たちの仲間になって仲良く暮らしたいと思いますが,人間は赤鬼の事を恐れて,逃げてしまいます。それを見ていた青鬼が自分が犠牲になる事で,赤鬼を人間に信用させようとします。
最後に青鬼が赤鬼に宛てた手紙が,心を打ちます。それと同時に,みんなと仲良くなりたいだけなのに,何故こんな代償を払わなければならないのか?その疑問を,子供の頃強く感じたのではないかと思います。
大人になれば,どうしても変えられない現実も知る事になります。このお話では,その現実を受け入れながら,それでも絶望する事なく,自分が犠牲になる事で,他人を生かすという青鬼の強い意志(無償の愛)が描かれているのではないのかと感じました。
大人になって,このお話を読み返してみても,やはり本当に青鬼が取った行動が正しかったのか,分かりません。しかし,時代が変わってもこのお話が人々に強い感動を与えるのは,単なる友情だけではない青鬼の強い意志が,読む人の心を打つのではないのかと感じました。
(ウルトラのぱぱさん 40代・パパ 男の子7歳)
本当の「強さ」って何だろう
○あらすじ
わかくてつよくてすばらしく大きなだちょうのエルフは、草原にすむ動物の子どもたちの人気者でした。
ところが、ある日、子どもたちをまもるためにライオンとたたかって、たいせつな片足をなくしてしまいます。
はじめのうちこそみんなしんぱいして、食べ物をとどけてくれたりしましたが、日がたつにつれてなんとなくわすれられていき、エルフはひとりぼっちになりました。
そんなとき、こんどはくろひょうがおそってきたのです。
エルフは、にげおくれた子どもたちをせなかにのせると、さいごの力をふりしぼり、くろひょうにたたかいをいどみました。
そして・・・。
○編集部より
アフリカの草原にたつ1本の木の写真からイメージされたという、動物たちの世界。そのなかに生きるエルフとなかまたちの物語が、うすい茶と黒を基調にした木版画で、生き生きと力強くえがかれ、ほんとうのやさしさとは何かをうったえかけてきます。刊行とともに多くの人の共感をよびました。
■読者の声
エルフの本物の強さ
本当に強いということはどういうことなのか、そして
優しさと勇気とは・・・。
考えさせられる1冊です。
2年生の息子に伝えたいことをエルフを通して一緒に考えました。
親の世代が子どものころに感じた気持ちを、わが子にも伝えたい。
「かたあしだちょうのエルフ」を読んで味わわせたいと思いました。
ラストの、エルフそっくりの木。
それは、まさに、大きな愛で弱いものを包む父親のような存在。
エルフはずっと、みんなを見守っているのですね。
親子で泣きました。
(ハッピーカオリンママさん 30代 ママ 鹿児島県 男の子7歳、女の子6歳、女の子3歳)
国語の教科書にも採択されている感動の名作
昔、モンゴルの草原に、スーホという貧しい羊飼いの少年がいました。スーホはとしとったおばあさんと二人きりでくらし、大人に負けないくらいよく働きました。
ある日、スーホは生まれたばかりの小さな白い馬を拾って帰ります。スーホが心を込めて世話したおかげで、子馬は立派に育ちました。
ある年の春、殿様が町で競馬の大会を開き、一等になったもの者は殿様の娘と結婚させるという知らせが伝わってきました。
スーホは白い馬を連れて競馬大会に出て、見事一等になります。
ところが一等になったスーホが貧しい羊飼いであることを知ると、殿様はスーホにひどい仕打ちをします。
モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来となった、せつなく悲しい物語です。
赤羽末吉氏によるダイナミックな構図の壮大なイラストが、このおはなしのスケールを大きく感じさせてくれます。
特に横長の見開きシーンは圧巻です。
権力者の不条理な対応に打ちのめされる羊飼い。
読み進みながら、憤りとせつなさを感じざるを得ません。
小学校2年生の国語の教科書に採用されており、大人と子どもを問わず愛され続けている名作。
ぜひ家の本棚に置いておきたい一冊です。
■読者の声
感動しました
長男が3年生の国語の教科書に載っていましたが、音読の宿題でちょっと聞いたくらいで、全部を読んだことがありませんでした。
今回、最初から読んでみたら、子供も聞き入っていましたが、私のほうが途中で悲しくてくやしくて、涙ぐみそうでした。
貧乏で心やさしい主人公に、欲深でわがままな殿様がひどい仕打ちをするという、昔話にはよくある話なのですが、多分描写がすばらしいのでしょう、すごく気持ちがはいってしまうのです。
悲しいおはなしですが、たまにはこういう正統派の絵本もいいですね。
(イザリウオさん 40代 ママ 群馬県 男の子9歳、男の子7歳)
「読書感想画中央コンクール」の指定図書
「読書の感動を絵画表現することにより、児童・生徒の読書力、表現力を養い、読書の活動を振興すること」を目的に、全国38都道府県「読書感想画中央コンクール」が実施されてます。
2019年に実施された第31回の中央コンクールには、日本全国から5,832校が参加し、665,068点の作品が集まりました。
「読書感想画中央コンクール」では、毎回指定図書を選定しています。
それらはどれも、読書感想画を描くのにおすすめの本ばかり。
ぜひ、こちらも参考にしてみてくださいね。
夢が広がる、恐竜との生活をご紹介します!
恐竜といっしょに暮らせるの お父さんの仕事の関係で、ぼくは南の島にきた。ここにはなんと、恐竜がいるんだ! さいしょは信じられなかったけど、恐竜のお世話をしてみたらほんとうにたくさんのことを学んだんだ。
仕立て屋さんと鬼の少年の心温まる物語
町はずれにぽつんとたつ、小さな仕立て屋さん。ある日、店の前にたいこのばちが落ちていたので、「落とし物、おあずかりしています」と、はり紙をしたところ……、ばちをうけとりにきたのは、鬼の少年。つぎの日の夜にもたずねてきて、たいこをなおしてほしいというのですが……。
仕立て屋さんは、鬼の少年に、鬼の家の宝だという金の針をたくされ、天や森の仲間たちともかかわることに……。ふしぎで心あたたまる物語。
読むジェットコースターのような、スピード感あふれる 川くだりの絵本
読むジェットコースター!? 川くだりの絵本!
むかしむかし……とゆっくり始まり、
どんどん加速していく、読むジェットコースター!
スリルと面白さの裏には、
今を生きるうえで大切なメッセージがこめられています。
川にくまが落っこちたことをきっかけに、
川ぞいの動物たちが一緒に川下りをします。
「ぴょーん!」「にゅっ!」「へーい!」「ヒャッ、ホー!」と
次々乗り込んでくる動物たち。
それぞれの持ち味を出し合いながら、進んだ先は?
わくわくさせられる冒険の後、川がみんなをつないでながれていること、
普段隔たれていても、同じ船に乗っている仲間たちなんだということに気づかせてくれる絵本。
■読者の声
すごいスピード感
勢いがあって、絵本を読みながら自分が急流すべりをしているようなスリルとおもしろさがあります。
すごい勢いの川を流れ、とんでもないところにいる感じが楽しい。
絵本でこんなにスピード感を感じるとは!
怖がる動物たちの表情も豊かで楽しい絵本でした。
(みっとーさん 30代・ママ 男の子9歳、女の子7歳)
描いた絵をコンクールに応募してみませんか
描いた読書感想画を、「読書感想画中央コンクール」に応募してみませんか。
小学校1年生から高校3年生まで、どなたでも応募することができます。
指定図書だけではなく、日本で出版された本であればどの本でもOKです。
*作品はコンクールに直接提出するのではなく、必ず在籍校に提出することになっています。ご注意ください。
*詳しい応募要項は、下記サイトをご覧ください。
◆締め切り
物語の新たな魅力に出逢える
読書感想画を描くことで、物語をより深く堪能できるので、子どもだけでなく、大人も一緒に描いてみるのもいいかもしれません。
同じ物語でも全然違う場面を選んだり、同じ場面でも構図が全く違ったり……
物語の新たな魅力に出逢えること間違いありません!
- 2020.12.26小学生の読書感想画にオススメの本【高学年編】
編集協力・執筆:洪愛舜(ほんえすん/ライター・編集者・絵本作家)
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