【今週の今日の一冊】猫の日×絵本ナビ2025:ふわふわふかふか、心ほぐれる猫の絵本

ふわふわでふかふかの毛。抱きあげるとやわらかくあったかくて、体のどこを見てもかわいい猫。マイペースだったり、ぐうたらだったり、やんちゃだったりするその性格も魅力たっぷりで、そのしぐさや寝顔を眺めているだけで、心ほぐれる存在ですよね。
2月22日は「猫の日」ということで、今週は、心ほぐれる猫の絵本を2024年と2025年の新刊を中心にご紹介します。
2月17日~2月23日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
2月17日 ふわふわ、ふかふか、猫を全身で味わう喜び!
月曜日は『ねこホテル』(2024年10月刊)
学校からの帰り道。女の子がふと見上げると、もぞもぞと動く大きくなしっぽ。つられて見に行くと、立派な門に立派な看板。書いてあるのは「ねこホテル」。そう、ここは世にも珍しい、ねこに泊まれるホテルなのです。
「……ねこに とまれる??」
ホテルの執事が案内してくれたのは、もふっ!!むぎゅむぎゅむぎゅの「こうばこの部屋」。トランポリンでジャンプしてバフッと入る「へそてんの部屋」。さらに「ハナイキ」の部屋や「アンモニャイト」の部屋、さらにさらに……。
想像してみてください。大きな大きなねこの体にダイビング、ふわふわ、ふかふか、ぷにぷにのゴロゴロ~~♪ 最高に気持ちいいに決まってる! いいないいな、ねこホテル。そして最上階のスイートルームは?
大人気「いちにち」シリーズの著者コンビによる、ダイナミックな新感覚ねこ絵本。ねこを全身で味わう喜びを、絵本の中でたっぷり体験することができます。ああ、一度は泊まってみたい。どこに行けば出会えるのかな。迫力のねこ、バリエーション豊かな部屋、最高のもてなし、気持ちよさ5つ星。でもどうやら特定の人にしか見えないみたい。猫が大好きなあなたにとって、夢のような絵本の登場です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者レビューより
こんなホテルがあったらどれだけ素敵だろう。。。いろいろと考えてみました。子供たちにこの本を読んであげると本当に想像が広がって相当嬉しいことになりそう!そんな猫好きにとっては素敵な絵本だと思います。私には見えるかな…。なんかワクワクして楽しいですね。
(ピンクちゃんさん 50代・ママ 女の子14歳、男の子7歳)
2月18日 いつもはらぺこ、いたずらばかりだけれど……
火曜日は『かえでがおか農場のねこマックス』(2024年9月刊)
いつもはらぺこで、いばりんぼうで、いらずらばかりの猫、マックス。「かえでがおか農場」シリーズで人気の、絵本の名手プロベンセン夫妻が描く愛嬌あふれる猫のお話。一家に愛された実在の猫から着想を得て描かれました。日本にもファンの多いふたりが遺したダミー本をもとに作られた本書。ユーモアと愛情あふれる絵本です。
読者レビューより
表紙を見て、「ねこバス」!?なんとも愛くるしいです。
マックスのお母さんのグーズベリーとは全然似ていないんです(笑
ベリー系の名前ではなく最上級の「Max」!!なるほど。
子猫の頃のいたずらな描写もあるある~
あるある過ぎてねこをかわいがっている方は
「うちの〇〇ちゃんと、同じことしてる!まったく、こんな感じ」とか、その様子も好きですが、
私は、「わたしたちがしらない マックスのせかい」のページと、最後の白黒のラフがのような振り返った姿のマックスがなんとも、いいです
「読者のみなさんへ」のページもしっかり読んでくださいね。素晴らしいです
(しいら☆さん 60代・その他の方)
2月19日 みんなでゴロニャーゴ! いっしょにあそぼーにゃ!
水曜日は『ねこひげ ぴぴん』(2024年3月刊)
22匹のねこちゃんがおどったり、さんぽにいったり、ゆめみたり。
オランダの人気絵本作家ミース・ファン・ハウトがクレヨンで描くカラフルな ねこたちの
動きや表情に思わず笑顔になります。
みんなでゴロニャーゴ! さあ、いっしょにあそぼーにゃ!
魚の絵で日常の気持ちや感情を表現した『どんなきもち?』に続く こころ絵本 第3弾!
読者レビューより
濃い青の背景色に描かれた表紙のイラストがとても美しかったので、手に取りました。
それぞれに個性のある猫たちを、魅力たっぷりに描いた作品です。
踊るような線で描かれた絵は、みているだけで楽しい気持ちになりました。
どこかでみたイラストだなと思ったら、黒い背景色が印象的な『どんなきもち?』『ともだちになろう』と同じ作者さんなんですね。いずれの作品も、イラストを見ていると、まるで心の中まで見えてくるような、不思議な感覚を味わえます。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子14歳)
2月20日 かわいすぎて眠れない? 夢のようなおやすみ絵本
木曜日は『おやすみまくら』
「おやすみ」
いやいや、全然眠くない。だって今日がおわっちゃう。自分のお部屋のベッドの上で、目をぱっちり開けて起きているのは、おやすみしたくないこねんこさんです。
「わたしを まくらに どうでしょう」
やってきたのは、まあるいあひる。うわあ、ふわふわでやわらかい。こねんこさんはあっという間に夢の中。立っているのは森の入口です。歩いていくと、おおきなきのこが言います。
「よろしかったら まくらに どうぞ」
ふくふくでいい気持ち。けれど元気なこねんこさんは、夢の中でもまだまだ寝たくないのです。パン屋さんや空の上、海の底や大草原。場所を変えながら夢のようなまくらに次々と顔をうずめていきます。夢の世界を飛び回るこねんこさん、最後にはちゃんと眠れるのかな?
最初から最後まで、ずっとふわふわでふかふかで、うっとり気持ちよさそうなこのお話。文は『はるとあき』の斉藤倫さんとうきまるさん。眠れなくなりそうなほど可愛いこねんこさんを描いているのは牧野千穂さん。嬉しい組み合わせから生まれる夢のような夢の世界。さあ皆さんも。寝られない夜には、こねんこさんと一緒にまくらを探す冒険に出て、それからゆっくり。
「おやすみなさい」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者レビューより
こちらの絵本はプラチナ絵本だったんですね、知りませんでした。
でも読んでみると、プラチナ絵本なのも納得です!
挿絵はとてもきれいですし、寝るのが嫌だという気持ちは子どもにも共感しやすいのではないでしょうか。
ページをめくるたびに、次はどんなふわふわ枕が出てくるんだろうと、ワクワクしながら読みました。
どの枕もステキですが、私は入道雲の枕で空の眺めをぼーっと見ていたいなぁと思いました。
(ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子5歳)
2月21日 猫、どこかへ出かけるの? 私たちの知らない猫の時間
金曜日は『ねこはるすばん』
にんげん、でかけていった。
ねこは、るすばん。
さて、ここからは自由な一人の時間。のんびり存分に家でおひるねするんでしょ、いいなあ……とおもいきや。タンスの奥へゴソゴソ、ねこ、どこかへいくの?
着いたのは知らない場所。大きく伸びをしたかと思うと、ねこは2本足で歩きだした! カフェでコーヒー、床屋で身だしなみ、映画館では期待にしっぽをふくらませ、次に向かったのはなんと。
なんか。なんというか。
ねこ、ものすごく庶民的。
姿かたちは「ねこ」なのに、顔だって思いっきり「ねこ」なのに。
これじゃあ、私たちの休日と変わらない。
本気を出したくせにあきらめの早いねこは、回転寿司で舌鼓。腹ごなしにはバッティングセンター、おまけに……。
なんて表情なの。いや、これがいつもの姿なのか。
私たちの知らない猫の時間。
……ちょっとおじさんぽいけど、可愛い。
町田尚子さんの描く魅力的な猫の絵本、だけど何だか今回は様子が違います。触りたくなるような毛並みも、鋭い目つきも、愛らしいポーズも、そして美しく描かれた背景も、期待を上回ってくるその世界観。だけど、気づけば不思議と笑いが止まらないのです。
なんだ、なんだ? と思った方は、すぐにでも覗いてみてくださいね。おしぼりで顔、拭いてますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者レビューより
猫って可愛いけれど、どこかミステリアス。
そうか、実はこんな秘密があったのね。
家のどこかに抜け道があって、着いたそこは猫の国。
喫茶店やヘアーサロン、本屋に映画館。バッティングセンターや銭湯まであって、まるで人間世界そのもの。
でもそこはやっぱり猫ちゃんなので、ヘアーサロンではなめてもらって毛づくろい。本も中身よりも角が好き(笑) あ、ちゃんと棚には「ネコヅメのよる」も置いてありますよ。
釣り堀からのお寿司屋さんは、猫あるあるで笑っちゃいました^^
こんな風に留守番の間楽しめるなら、普段人間の前で猫かぶって過ごすのも悪くないね。
表紙は窓の外をのぞいて「よし!出かけたな」と確認してる表情なのね。
町田尚子さんの描く猫ちゃんは、リアルなんだけどユーモラスで可愛くて、風景もとても丁寧に描かれていて、いつまでも見ていたい気分になりました。
(MYHOUSEさん 40代・ママ )
2月22日 ぐうたらだって最高にかわいい。今日は「猫の日」!
土曜日は『ぐうたらねこ』(2025年1月刊)
はるくんの家で飼っている猫の名前は「ぐうたら」。その名のとおりいつもぐうたらしているだけなのに、あくびをすると「かわいい!」、ご飯を食べると「えらいぞ」と、なんでもほめられます。そんなぐうたらのことを、はるくんはときどきうらやましく思っていました。ある日、はるくんが大事にしていたキーホルダーが行方不明になり、ぐうたらを連れて一緒に探すのですが――。
愛猫家としても知られる人気絵本作家・ひがしちからさんが、長年一緒に暮らしている老猫をモデルに猫と少年の平和な日常を魅力たっぷりに描きました。読んだ後、我が家の猫のことがいっそう愛おしく思えてくるような絵本です。
2月23日 猫とぼくの、しあわせないちにち
日曜日は『ぼくのサビンカ』
猫のサビンカと暮らす少年の日常。
その中で、読者に投げかけられるたくさんの質問。
「きみの あさごはんは なに?」
「きみは きょう なにができた?」
子どもに尋ねたり、時には大人が答えてみたり。ゆっくりと対話の時間を楽しみながら読んでみてくださいね。
猫がいるおうちなら、サビンカと比べてうちの猫はどうかな、なんて話すのも良さそうです。
そして、人間が知らない猫だけの世界もちょっとのぞいてみたり……?
絵と訳を担当されたのは、チェコ在住の出久根育さん。出久根さんは2匹の猫を飼っており、そのうちの1匹はその名もサビンカ。絵本に登場するサビンカの絵のモデルです。
出久根さんのイラストは、おとぎ話の世界にいるような優しいタッチですが、一方で、実録!ねことの暮らし!などと言いたくなるくらい、リアリティのある日常の様子を細やかに描いています。
サビンカのちょっとした表情の違いも、本当に絶妙です。思わず触れてしまいたくなるくらい。
そんな魅力的な猫が、サビンカ以外にもたくさん登場します。コノウルやゾフィンカなど、日本では聞かないような名前の猫たち。みんな上手に隠れていて、すぐにはわからないかも。
全部の猫が見つかるか、探してみてくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)
読者レビューより
飼いネコの生活、ネコの習性を、少年の生活と比較しながら描いた絵本です。
なるほどと思いながら、わが家のネコと比較しながら読みました。
どこを見ても愛らしくて、愛猫家にはスルーできない絵本かもしれません。
ほんわかした絵もいい感じです。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方)
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いかがでしたか。
絵本ナビには猫を飼っているスタッフがたくさんいます。猫を飼っていないけれど猫好きな私はそんなスタッフが羨ましいかぎり。でも猫の絵本を眺めていると、猫の愛らしさや猫との暮らしが想像できてとっても幸せな気持ちに……。こんなに毎年新たな「猫絵本」が誕生しているのもきっと猫の人気の証なのでしょう。年々充実していく「猫絵本」の世界、たっぷり楽しんでみてくださいね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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