【今週の今日の一冊】がんばる2月に、心の深呼吸を。親子で読みたい「きもちの絵本」
毎年2月って、何をしていたっけ? と思いながら、ふと気づくと、なんだか気持ちが落ち着かない……そんな日が続いていませんか。受験シーズンの緊張感や社会の動きに心が揺れたり、寒さや雪に振り回されながら、冬ってこんなに寒かった? と身も心もぎゅっと縮こまってしまいそうな日々。そんな時、ほんの数分でも絵本を開いて、物語に触れながら自分の気持ちに意識を向けてみませんか。
今週は、心をやさしく整え、自分を大切にするための「きもちの絵本」をテーマにお届けします。
2026年2月9日から2月15日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
2月9日 すべてのオキモチさまのためのお部屋があります
月曜日は『グランド・フィーリング・ホテル』
「グランド・フィーリング・ホテルへようこそ!」
この立派で素敵なホテルへ泊まりにくるのは“オキモチ”さま。支配人はお客様が快適に過ごせるように、お手伝いをしています。
オキモチさまはカタチも大きさもさまざま。そしてとってもユニークなのです。いつもバスルームを水びたしにしてしまう「カナシミ」さまや、壁がひび割れるほどうるさい「オイカリ」さま。姿かたちを変えていく「フアン」さまや、そこにいることに気づかないようなオキモチさまだっているのです。
もちろん、グランド・フィーリング・ホテルではどんなオキモチさまでも追い出すようなことはしません。お話をきちんと聞いて、理解し、必要なお部屋を用意するのです。支配人には、夢のような時間を過ごしたり、楽しかった思い出を一緒に語り明かすような友人だっています。
個性的なお客様のキャラクター、斬新でいてどこか懐かしいようなお部屋の数々、そして読むたびに心に染み入ってくるそれぞれのストーリー。この魅力的で心温まる絵本の作者はベルリン在住のイラストレーターで作家リディア・ブランコヴィッチさん。彼女の旅のインスピレーションから生まれたのだそう。
世界30カ国語以上で翻訳されている話題の絵本、待望の日本語版の翻訳と表紙の描き文字を手掛けられいるのは人気絵本作家tupera tupera。おもてなしの心や気持ちとの向き合い方について、決して押し付けではなく、興味深く繊細に描きだしており、何度読んでも心が落ち着くような不思議な一冊になっています。
はじめて出会ったような、前からずっと知り合いだったようなオキモチさまたち。次はどこのホテルに向かっているのでしょう。想像がふくらんでいきます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
素敵な表紙にひかれて読んでみました。このホテルにとまりにくる、まさかのお客様にびっくり! 独創的なお話に一気にひきこまれました。ほっこりと心があたたかくなる読後感。ファンタジックな絵がとても素敵で、見入ってしまいました。大人にもおすすめしたい絵本だと思います。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)
2月10日 生まれては消えていく様々な気持ちを見つめてみよう
火曜日は『きもち』
谷川俊太郎さんが投げかける色々「きもち」。それぞれの状況で変わっていくボクの「きもち」を、長新太さんの絵で、読者にたっぷりと語りかけてくれます。その表情を見ているだけで、嬉しくなったり、幼い頃を思い出したり、少し胸が痛んだり……。
自分の中に生まれては消える色々な「きもち」の事を考える。
ひとの「きもち」との違いを考える。
この二つだけで、子ども達はどれだけ大きな成長を遂げるでしょうか。
絵本を読みながら、想像したことや、感じたことなどを、口に出して話し合ってみる。その中で、我が子の意外な一面を、発見できることもあるかもしれませんよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
まさしく絵が力強く語る「絵」本でした。
絵を見るだけで、コトバにするまでもない(コトバにする必要のない?)「気持ち」だけが浮かんでは消える。。。
絵に見入って、次々ページを繰るうちに、出会うコトバ「いろんなきもちがうまれてはきえ/きえてはうまれる」
ハッとしました。
そう、キモチは、次々と変わっていくもの。
場面場面の、この絵本の絵のように、絵巻物のように。
そのつど変わっていく気持ちに、リアルタイムで、いつも敏感でいたいと思いました。
子ども達の気持ちに。
自分自身の気持ちに。
そしてまた、ひとつのきもちにとらわれることもよくないことに、気づかされました。
子どもの感覚は、子どもだからこそ、持てる感覚もあって、その感覚があればこその、次々めまぐるしくうつりゆく「きもち」
うっかり、ついつい忘れていた、忘れてはならないことを、「絵」本のチカラと、谷川さんの天才的なコトバで、教えてもらった一冊でした。
(ポピンズさん 30代・ママ 女の子8歳、男の子3歳、男の子0歳)
2月11日 感情を絵とことばで表現するならどんな感じ?
水曜日は『どんなきもち?』
「いま、どんなきもち?」
そう聞かれたら、どんな風に答えたらいいのかな。
けっこうむずかしいよね。
この絵本には、きもちを表す言葉がたくさん登場します。
わくわく、びくびく、もじもじ、しょんぼり。
むしゃくしゃ、やきもき、うっとり、どきん・・・・。
どんな時に、わくわくするのかな。
びくびくするって、どういうことかな。
怒っていることを伝えるには、どんな言葉があるのかな。
作者のミース・ファン・ハウトさんが描くのは、カラフルな色の文字とさかなたち。
生き生きと、踊る様な線で表現されたさかなたちの表情は本当に豊か。
一目みて、喜んでいたり、怒っていたり、すぐに伝わってきます。
子どもたちはこの絵本を読みながら、たくさんのきもちがあるってことを知るのでしょうか。
それとも、さかなたちの表情に共感しながら、自分のもやもやした感情を整理することができるのでしょうか。
大切なことは、自分の今の「きもち」を表現できるようになるってこと。
この絵本は、そんな子どもたちの成長の一段階をお手伝いしてくれることでしょう。
読み終わったら、親子でこの魅力的なさかなたちを描いてみてくださいね。
その時のきもちが絵と言葉で表現できたとしたら、それこそ「しあわせ」ですよね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
すごい絵本です!!
描かれている魚たちの表情と、
絵に添えられている文字(気持ち)
が ぴったりと寄り添っています。
「わくわく」
「しょんぼり」
その気持ちが、見える!!
昔から、
嬉しい時、悲しい時、どんな時でも、
心の中に色が広がっているような気がしていたので
この絵本を読んで、
「まさに、こんな感じ!!」と、
答えを言い当てられたような気がしました。
小さな子は、もっともっと感受性が豊かなので
強い刺激を受けると思います。
また、黒い背景に、鮮やかな色合いで描かれたイラストは
それ自体がとても魅力的です。
力強くエネルギーに溢れていて、
見ているだけで元気が出てきます!
一枚一枚を額に入れて、家中に飾っておきたい!
発見や感動が、まるごと詰まっている絵本です。
(なーお00さん 30代・その他の方)
2月12日 涙にはいろんな理由があるんだよ
木曜日は『ひとはなくもの』
すみれは、よく泣きます。
悲しいときも、おこられたときも、つまづいて転んだときも。
「なくこは きらい」ってお母さんは言うけれど。
おばけが夢に出てきて怖いときも、けんかしたときも。
ゲームに負けて悔しいときや、笑いすぎた時だって。
すみれは大いに泣くのです。
だってね。
それには理由があるんだよ。
それはね……
困っちゃうくらい泣き虫の女の子、すみれちゃん。絵本を通したって、お母さんが手を焼いているのが伝わってきます。だけど、すみれちゃんは本当に可愛いのです。どんなに泣いていたって、顔をくしゃくしゃにしていたって、だだをこねて転げまわっていたってね。そして、すみれちゃんは泣きながら、大切なことをお母さんに訴えます。
この絵本の元になった紙芝居を書いたのは、なんと作者が小学校1年生の時なのだそう。絵本作家やべみつのりさんのお孫さんです。(今もまだ中学生ですけどね)本当に泣き虫だった彼女が、家族に「泣きたくて泣いているわけじゃない、しょうがないんだよ」という気持ちを伝えたくて生まれてきたお話なのです。だからこそ、子どもの愛らしくも切実な想いが伝わってくるのですね。
そして完成した絵本の中では、おじいちゃんであるやべみつのりさんが、感情を爆発させるすみれちゃんのありのままを描きます。そこには、彼女の訴えをまっすぐ受け止める姿勢と、彼女のことをまるごと受け入れる家族への愛情の両方が感じられ、読んでいる私たちの心をも刺激します。彼女の最後の一言に、キュンとせずにはいられません。
そうだよね、すみれちゃん。
「ひとはなくもの」、忘れないようにしなくてはね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
保育園2歳児クラスの担任をしています。
新刊の紹介があったときに、「この本は絶対にこどもたち好き!」
と直感しました。
早速読んでみると、みんなじーっと本を見つめて食い入るようにみていました。
それもそのはず、すみれの姿泣くが本当に自分たちにそっくり!
どんな時に泣いてしまうか、まだ自分の気持ちや感情が整理できていないこどもの時期。
「なんでなくの?」その答えが、こどもの目線でこどもの言葉で書いてあって、こどもも、読んでいる大人も納得の一冊です。
また、絵を書いたやべみつのりさんが描く、お孫さんのすみれの泣く姿が、なんとも可愛らしく、パワフルで、生命力を感じられるのも素敵でした。
(くねっさんすさん 30代・ママ 女の子2歳)
2月13日 言葉にできない感情を美しい絵で見せてくれる一冊
金曜日は『〈きもち〉がいちばん好きなもの』
〈びびり〉の親友は〈好奇心〉。〈がんこ〉はピンチに陥ると〈不屈〉に変わる。〈無価値〉はまわりの全てに価値を見いだす……言葉にできない感情が美しく描かれ、読めば心が軽くなる一冊。
読者の声より
誰もが持っているいろんな気持ちを、擬人化して相関関係を物語にした絵本です。
どちらかというとネガティブな感情が、実は大切な役割を果たしていたとか、ポジティブな感情と仲が良かったりと、モヤモヤした自分の気持ちが整理されていくような、引き出されてくるような、不思議な感覚になりました。
どれも大切な自分の要素だと、気づかせていただきました。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方)
合わせておすすめ。
2月14日 ハグをしよう。こころとこころに虹をかけよう。
2月15日 毎日頑張って、ほっと一息つきたい時の自分に…
日曜日は『だいすきで、大切なあなたに』
優しい言葉と愛らしいイラストが詰まった、大切な人への贈り物にぴったりの一冊
ピーターラビット(TM)やこねこのトム(TM)など、かわいらしいキャラクターのイラストをふんだんに使ったメッセージ絵本です。
子どもから大人まで胸に響く、つらい時に寄り添ってくれるような、優しい言葉がたくさん詰まっています。
本にはメッセージを書けるスペースもあり、大切な人へのギフトにもぴったり。
毎日頑張って、ほっと一息つきたい時の自分に。
だいすきで、大切なあの人に。
あたたかく包み込んでくれるようなメッセージにあふれた一冊です。
こちらの記事も合わせて。
- 2021.03.19「きもち」を考える絵本人気ランキング1位~10位

- 2022.05.12自分の心を守るための力、「セルフケア力」

いかがでしたか。
心が少し疲れたかなと思ったら、自分自身のために。また親子で一緒に絵本をゆっくり開いてみてくださいね。
秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)
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