【ランキング】2026年夏の児童書人気ランキング ~夏休みにみんなが読んでいたのはどんな本?~
2026年の夏休みに、みんなが買ったり読んだりしていた人気の児童書はどんな本だったのでしょう。また課題図書で人気だった本は?
絵本ナビでは、夏休み向けの本の準備が始まっていた6月から夏休みが終わる前の8月中旬までの約2ケ月半の期間の「児童書人気ランキング」をまとめてみました。ぜひ、残りの夏休みや2学期に読みたい本の参考にしてみてくださいね。
※絵本は、今年の課題図書作品のみランキングに入れております。
2026年夏の児童書人気ランキング【2026/6/1~8/15】
まずは第1位から10位の発表です!
2026年の夏、絵本ナビの児童書人気ランキング第1位は、課題図書低学年の部選定の『まこちゃんとコトバロボ』でした。
宿題というのは子どもたちにとって、いつの時代も関心の強いテーマ。その宿題をもしまるっと手伝ってくれる便利なロボットが現われたら……!? 現代のAIの問題にも繋がる大事なテーマも含まれているので、親子でいろいろ感想を交流しながら読んでみませんか。
『まこちゃんとコトバロボ』(課題図書低学年の部より)
宿題もドリルも大きらいな、まこちゃん。そんなまこちゃんの前に、ある日、迷子になった銀色のロボットがあらわれます。その名も、国語のことならなんでもおまかせの「コトバロボ」! まこちゃんは、早速おばあちゃんが買ってきたドリルを手伝ってもらうことにするのですが、一緒にやろうと思っていたのにコトバロボがひとりでどんどん答えを書いてくれるので、つい全部任せてしまいます。その後、ドリルをまこちゃんが頑張ったと思って喜ぶおばあちゃんを見て、まこちゃんの心はなんだかモヤモヤ……。
そんなある日、学校で急に国語のテストが行われることに。コトバロボに宿題を全部やってもらっていたまこちゃんは、全然問題が解けません。さらに、ただ答えを教えるだけのロボットは先生失格だ! というコトバロボを監視する先生まであらわれて、コトバロボが解体されちゃう大ピンチに!
おばあちゃんについたウソ、ロボットとの友情、そして「自分で学ぶこと」の大切さ。ピンチを乗りこえるために、まこちゃんが最後にとった行動とは……? ロボットとの楽しい交流を通して、自分もちょっとがんばってみようかなと元気をもらえるお話です。
第2位は、『先生! おかわり禁止って へんじゃない?』がランクイン。
学校のきまりが多すぎることや、このきまりって変では? と疑問を持った小学生たちが、おかしなきまりを変えるべく行動します。きまりについて考えるきっかけになったり、行動することの大切さに気づけるようなお話で、読む子どもたちにとって身近に感じられるお話ではないでしょうか。今年、全国学習塾協会主催の「全国読書作文コンクールの対象図書」になっており、注目が集まりました。また、西日本読書感想画コンクールの指定図書(3、4年)にも選ばれています。
『先生! おかわり禁止って へんじゃない?』
「わすれ物をしたら、おかわり禁止」「誕生日会禁止」 学校のへんなきまりについて、学級会で議論することにした春斗たち。一人ひとりの意見は小さくても、集まれば大きな力になる。きまりをなくすことは、できるのか?
第3位は、年間を通して人気を誇る『ふたりはともだち』。夏も安定のベスト3入りを果たしました。『ふたりはともだち』には5つのお話が入っていて、そのうち夏のお話に「すいえい」があります。教科書に採用されている「おてがみ」以外にも楽しいお話とたくさん出会うことができますので、いろいろ読んでみてくださいね。
『ふたりはともだち』
仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。
そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。
春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?
がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。
続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。
すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。
悲しそうな顔で玄関にすわっているがまくん。なんでも「もらったことのないお手紙を待つ時間」なんだと言うのです。それを聞いたかえるくんは、がまくんに内緒でお手紙を書くことにします。ところが、配達を頼んだのがかたつむりくんだったので……。
国語の教科書に採用されたことで、今では多くの子どもたちに知られているのがこのお話。いずれ届くことも、その内容までもわかっているお手紙をじっと待つがまくんとかえるくん。その幸せそうな様子に、「手紙」の持つ力を感じずにはいられませんよね。
シリーズ4冊。がまくんとかえるくんのキャラクターを知れば知るほど、どのお話も読み返したくなる珠玉のエピソードばかり。日本では三木卓さんの翻訳で楽しむことができます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「がまくんとかえるくん」シリーズほか関連本
第4位 『まだまだここから』
『まだまだここから』(課題図書中学年の部より)頑張ったことの先にある大事なこととは……!?
小学4年生の蓮(れん)は、運動は得意ではないけれど、水泳にだけは自信がある男の子。通っているスイミングスクールの「特訓生」になるため、1年に一度の検定試験に向けて一生懸命練習を重ねてきました。ところが、合格したのは自分ではなく、まだ小学1年生の弟・凛(りん)でした。
「今までのがんばりは、むだだったのかな……」
ショックで自信をなくしかけた蓮が出会ったのは、市民プールで開かれている「すいすい川原クラブ」。そこはうまく泳ぐことよりも、自分なりの目標に「トライ」することを大切にする水泳教室でした。ちょっと変わったコーチの春田さんや、それぞれの課題に向き合う仲間たち。彼らとの交流を通して、蓮は「がんばった」ことの先にある大事なことに気づいていきます。さらに、この物語のもう一つのポイントは、蓮のお父さんの姿です。仕事がうまくいかずに落ち込みながらも前に進むお父さんの姿を見て、蓮は何を感じ、何を学んだのでしょうか。
第5位 『おいしいお米をつくりたい! ゆうちゃん、小学生で農家に弟子入りしました』
『おいしいお米をつくりたい! ゆうちゃん、小学生で農家に弟子入りしました』(課題図書中学年の部より)
「ゆうちゃん」こと新宅佑輔くんは、農家の中井知広さんのお米が大好き! 小学2年生の時、中井さんに頼み込んで、米作りの弟子にしてもらえることになりました。はじめに割り当ててもらったのは、小学校の教室のおよそ10部屋分の田んぼ。まず土づくりからはじめて、代かき、田植えと作業を進めます。しかし、広い田んぼにたい肥をまいたり、にゅるにゅるのどろの中に手で苗を植えたり、生えてくる「草とのたたかい」など、米づくりは予想以上に大変な作業。さらにゆうちゃんは、農薬を使わない方法や苗をあえて手で植えるなど、ゆうちゃんなりのこだわりで米づくりに奮闘します。
そんな中、大きな台風が発生して……。ゆうちゃんの最初の収穫量の目標は300キロ。はたして結果は!? 農薬を使わなかったおかげで、たくさんの生き物や「水生昆虫」が田んぼに登場するお楽しみもありますよ。
第6位 『なにか いいこと あった?』
『なにか いいこと あった?』(課題図書低学年の部より)だれかの「いいこと」。自分の「いいこと」。いっぱい探そう!
「なにか いいこと あったかい?」おじいちゃんからの何気ない問いかけに、ダニエルは「いいこと」を探しに公園へと出かけます。お気に入りの岩、ハゴロモガラス、オタマジャクシ……。出会うものたちそれぞれが教えてくれる「いいこと」に耳を傾け、ダニエルは自分自身の「いいこと」も見つけていきます。鮮やかなコラージュで描かれる自然の豊かさと、日常の中にある小さな幸せ。自分自身の成長と新しい発見への喜びに満ちたダニエルの姿を見ながら、身の回りにある「いいこと」を探してみたくなる一冊です。
第7位 『アナタのキモチ』
第8位 『リュウグウの砂に挑む チームで小惑星のサンプルを分析』
『リュウグウの砂に挑む チームで小惑星のサンプルを分析』(課題図書中学校の部より)
生命のもとになる水や有機物は、どこから、どうやって地球に運ばれてきたのだろう? 小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星リュウグウから砂を持って地球に帰ってきました。水や有機物は小惑星や彗星が地球に運んできたという、仮説のひとつを解く大チャンスです。
「ぜったいに結果を出してみせる!」
いろいろな大学や研究所から、さまざまな分野の研究者が集まって、貴重な砂の分析がはじまりました。そして最強チームが見つけたのは、〝生命のゆりかご〟だったのです。
第9位は同数の売れで2タイトルが並びました。
第9位 『ララのまほうのことば』
『ララのまほうのことば』(課題図書低学年の部より)「こんにちは。みどりの おともだち」
太陽がギラギラ照りつける夏の日、町の人たちがみんな暑さでのろのろ歩いている中で、ララはとっても元気。「ぴょーんととんで くるんとまわって おっとつまずき あらすってん」。忙しいママはおてんばなララを見て困り顔。でもララは外が好きなんです。とくにララにはお気に入りの場所がありました。そこは、土とコンクリートの空き地で、緑の草と葉っぱがあちこちに顔を出している場所。ララは緑の草たちに水を運んでかけてやったり、優しいことばをかけてあげます。けれどもいつも元気でどろんこのララにお母さんはちょっとイライラ。とうとう「外に出かけちゃダメ!」と言われてしまいます。大好きな緑のおともだちに会えなくなってしまったララは、それでも思いを届けようと、おうちの中から話しかけ続けていると、ふしぎな出来事が! ララのことばはどんな奇跡を起こしたのでしょうか。
第9位 『エルマーのぼうけん』
『エルマーのぼうけん』はじめての本格冒険物語との出会いに…
さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!
これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。
エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。そして「どうぶつ島」へと繋がる「みかん島」行きの船に忍び込んだエルマーは、六日六晩たってようやく「みかん島」へ。ここで食料のみかんをリュックいっぱいに詰め込んで、夜の間に「どうぶつ島」へと渡ります。
「どうぶつ島」へ着くと、早速りゅうがつながれている川を探しに、気味の悪いジャングルの中を歩いていくエルマー。ジャングルでは、おかしな喋り方をするねずみや、うわさ好きのいのししに出くわしたり、とら、さい、ライオンなど恐ろしい猛獣たちにつぎつぎと出くわします。猛獣たちはたいていお腹をすかせていて、食べられそうになることもしばしば。さてエルマーは、どんな風に猛獣たちの危険をくぐり抜け、どうやってりゅうを助け出すのでしょうか?
特に注目したいのは、リュックサックに詰めた道具たちの活躍と、見返しに描かれた「みかん島とどうぶつ島のちず」。道具は、はじめはこんなものが何の役にたつのだろう? と思ってしまいそうなアイテムばかりなのですが、エルマーの知恵も合わさって、驚くほどぴったりはまって役に立つ様子にワクワクさせられます。道具を介した猛獣たちとのやりとりもユーモアたっぷり。何回読んでも繰り返し楽しませてくれる場面がいっぱいです。
「みかん島とどうぶつ島のちず」には、エルマーが冒険した場所や、エルマーの足取りが細かく描かれています。地図を見ながらお話を読み進めていくと、よりエルマーと一緒に冒険しているような臨場感が味わえるでしょう。お話の途中で、また一章ごとに、お話を読み終えた後になど、ぜひ地図をたっぷり眺めながら読んでみて下さいね。
日本では、1963年の刊行から60年以上も読み継がれ、幼年童話の最高峰とも呼ばれる本書。作者は、ニューヨーク生まれのルース・スタイルス・ガレットさんという女性で、このお話でニューベリー賞(アメリカで毎年最もすぐれた児童文学作品に与えられる)を受賞しています。さし絵は、お継母さんのルース・クリスマン・ガネットさんによるもの。細かいところまで丁寧に描かれながらも、ユーモアあふれる魅力的なエルマーやりゅう、猛獣たちのさし絵が、物語を一層楽しく盛り上げます。さらに英語版の文字の大きさや書体を決めたのは旦那様のピーターさんだそうで、刊行時は、家族総出でこの本を作るのに取り組まれていたそうです。
この後も、『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』と続いていく、エルマーとりゅうのとびきりの冒険と友情の物語。内容は5才ぐらいから楽しめるかと思いますが、子どもがひとりで読むのは小学2年生ぐらいまでは難しいのではということと、なかなかのハラハラドキドキの冒険となりますので、はじめはぜひ大人が読んであげることをおすすめします。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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いかがでしたか。
気になった作品があったら、残りの夏休みや、また夏だけでなくいつでも手にとってみてくださいね。また課題図書も長く読み継ぎたい作品ばかりです。「なにか面白い本ないかな?」と思ったら参考にしてみてください。
秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の児童書仕入れ担当、小学校の図書室司書(8年)を経て、2013年より絵本情報サイト「絵本ナビ」に勤務。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選び、さまざまな切り口で紹介している。
編著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
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