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【読み聞かせ会】絵本講師による季節の絵本とお話

【ふわはね絵本のある時間】2021年10月におすすめの本

ふわはねさん

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは…一年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

10月では…

寒露かんろ(10月8日)秋分を越え秋が深まり朝晩の冷え込みを肌で感じるようになる頃。

霜降そうこう(10月23日)霜が降りると書いて霜降。朝晩の冷え込みがさらに増し朝露が下に変わる頃。冬の足音が近づいてきます。 

 

そして10月31日は日本でもすっかりお馴染みとなったハロウィン。

店先にはオレンジ、黄色のカボチャやランタン、黒猫、おばけ、魔女にガイコツ…。

スーパーにはハロウィン仕様のお菓子たち。
すっかり定着した感もありながらも、いまいち体に染み込まないこのイベント(笑)。
せっかくだもの。楽しまないとね。ということで、そんな時こそ絵本の出番です。

 

【わらべうた】

数え歌『いちじくにんじん』

いちじく にんじん

いちじく にんじん さんしょに しいたけ……歌い継がれたわらべ唄を今の子どもにわかりやすくアレンジしました。言葉のリズムと精密に描かれた野菜を楽しんでください。

いちじく にんじん さんしょに しいたけ…

数え歌の絵本です。

ごんもりさんの写真のような繊細で暖かい絵とシンプルな文。
余計なものが一切ない、それでいて単純ではない潔さと深ささえも感じる。
いつも子ども達と向き合いわらべ歌を大切にしている千里子ども図書室だからこそ作れた絵本なのではないでしょうか。
山椒や麦、冬瓜など、あまり馴染みのない野菜も出てきます。「こんなの小さな子にはわからない」と敬遠するのか。

それをひとつの出会いとして喜び受け入れるのか。

その受け止めは大袈裟かもしれませんが、その後の人生までも変わってくる気がします。

子ども達は絵本で野菜と出会い、そして本物を見た時に、しっかりと絵本での記憶が本物と結びつき、定着されます。そして次にその絵本を見た時には味や食感までが思いだされるのです。

いちじくの美味しい季節になりました。いちじくにんじん…。心に住み着いた歌が自然と口からこぼれます。
<読み聞かせ時間目安 35秒>

【季節の絵本】

おてんとさまに感謝して『万次郎さんとおにぎり』

万次郎さんとおにぎり

実りの秋です。万次郎さんは、田んぼでとれたお米をたいて、10コのおにぎりを作りました。すると、おにぎりたちはムズムズ動きだし、勝手に外へ飛びだしてゆきました。「まてえ、まってくれえ。わしの おにぎり やあい」。万次郎さんもあわてて追いかけます。四国の方言で語られる、昔話のような牧歌的な物語。このお話を読んだら、おにぎりを食べたくなること請け合いです。

新米の美味しいお米の季節がやってきました。

万次郎さんはとれたお米でご飯を炊き、とびきりうまいおにぎりが10個出来ました。

万次郎さんはおにぎりに、くるりとのりを巻いていきました。9個まで巻いたところで、のりが足りなくなってしまいます。

万次郎さんが戸棚を探しているとおにぎりたちが「ああ、もうまてねえぞう」ところりころりところがって、表へ飛び出してしまいました。「まてえ、まってくれえ。わしのおにぎり やあい」

本田いずみさんの紡ぐあったかい言葉に北村人さんの描く万次郎さんやおにぎりたちが、愛嬌があって可愛くて愛おしい。

お米には7人の神様がいると言われます。

七福神という説もありますが、土・風・雲・水・虫・太陽。そして作る人の7つの意味もあるとか・・・。

この絵本もそのひとつ。おてんとうさまにおにぎりたちはお礼を言いに行きます。

ご飯を食べるということは、私たちの血や肉を作り生きるということ。

お料理を作ってくれた人だけでなく、その食材を作ってくれた人、運んでくれた人、売ってくれた人。

たくさんの人の手を通って今そのご飯が食べられているということ。

 

そしておてんとうさまや、雨や雲や風があり、虫たちがいるからこそ、いまここに美味しいご飯があるということ。

この絵本を読んでいるとそんなことを感じます。

そんなことも一緒に、子どもたちと絵本を読みながら少しずつ感じてもらえたらと思います。

<読み聞かせ時間目安 2分45秒>

【昔話】

これぞ極上の昔話『にぎりめしごろごろ』

にぎりめし ごろごろ

じさまが山でにぎりめしを食べようとすると、にぎりめしがころんと転がって……。“おむすびころりん”などの名で親しまれてきた昔話を、力強い描線の絵でユーモラスに描いた絵本。

おにぎりつながりでもう一冊。昔話の絵本はいかがでしょう。

『にぎりめしごろごろ』

それはこんな始まり。

むかし、あったけずおん。
きこりの じさま、すんでいったと。
あるひ、あせ ぐたぐた かいて きを きっていると…

(本文p2抜粋引用)

なんと耳に心地よい。これぞ昔話。

言葉がよく絵が美しく、お話が面白い。目を引く派手さも、キラキラとした華やかさもないけれど、大好きな人の声で信頼と安心感の中ゆっくりと聞くお話。

こんな昔話を読んでもらった子ども達はやっぱり、こんなじさまのようでありたいと思うだろうし、隣のじさまのように、ずるい気持ちや自分のことしか考えない欲張りなことはいけないことだと感じるのではないでしょうか。
押し付けられることなく、自分で感じることの大切さ。やっぱり絵本ていいな。絵本を読んで子ども達の心に種まきをしていきたい。

良い絵本に出会うといつもそう思います。

<読み聞かせ時間目安 7分10秒>

【手遊びふれあい遊び歌絵本】

有名な手遊びが絵本に『げんこつやまのたぬきさん』

げんこつやまのたぬきさん

わらべうた「げんこつやまのたぬきさん」を、歌が大好きな絵本作家・長野ヒデ子さんがアレンジ!

げんこつやまのたぬきさんのほかに、うさぎさん、おつきさまも登場する、うたって楽しいうたのえほんです。
見返しうらには楽譜がついています。

お話が続いたので手遊びふれあい遊びをして少し楽しみましょう。

お話を聞いているとだんだん疲れてきちゃいます。集中力もそんなには続きません。そんな時には手あそびや歌絵本が助けてくれます。

みんながよく知っているあの有名な手遊びが絵本になりました。

『げんこつやまのたぬきさん』

げんこつやまのたぬきさん 

おっぱいのんで ねんねして

だっこして おんぶして また あした

(p2−7本文引用)

たぬきさんの次にはうさぎさんにお月さま?!

さぁどんな手遊びにしましょうか。

大勢に向かって読む時は、絵本を置いて、先にみんなで一度「げんこつやまのたぬきさんの手遊び」をしてから、「この手遊びが絵本になりました」とつなげるとみんな自然に手遊びしながら読んでくれると思います。
うさぎを読む時は少し工夫?練習が必要かもですね。

<読み聞かせ時間目安 1分02秒>

【新刊絵本】

想像を遥かに越えたスケール『くまがうえにのぼったら』

くまがうえにのぼったら

くまがうえにのぼったら

くいしんぼうのくまがおこす、真夜中のおおさわぎ!「あむあむ、おいしい。もっとたべたいな」山ぶどうの実に夢中になり、どんどん松の木をうえにのぼっていく、おおきなくま。くまの重さにがまんができなくなった松の木は、全身をばねのようにしならせて、夜空へはねあげた!

ロングセラーの良さも重々知りながら、新刊絵本もいつもチェック。

新しい絵本との出会いもみなさん楽しみにしてくださっています。

今回ご紹介するのは8月25日に出たばかりの新刊。

お月さまが山の上から顔を出す頃、松の木にからまったやまぶどうを大きなクマがのぼりながら食べています。

「あむ あむ くちゃ くちゃ。ああ おいしい。もっと もっと たべたいな」

松の木は気が気ではありません。どんどん上ってくるくま。とうとうてっぺん近くのか細い枝にぶらさがろうとして…。

さぁ大騒動の始まりです。

まるで短編映画をみているような世界観に引き込まれます。

おしゃれでおだやかな表紙からは一転、くまの引き起こす大騒動。まさかあれがあんなことになって???!

絵の美しさとのコントラストが面白くって。

みんなが眠っている間にまさかこんなことが起きているとは。

想像を遥かに越えたスケールを受け止めきれずにいる私ですが(笑)。

 

ブロンズ新社さんのプロモーション動画が世界観ぴったりで楽しいのでぜひ見てみてほしいです。

<読み聞かせ時間目安 4分30秒>

【質問にお答えします】 ハロウィンってなに?

10月に入ると急にお店や街に並ぶハロウィングッズ。

自分が子どものころになかったこの行事になかなか馴染めず、子どもに「ハロウィンって何?何するの?」と聞かれても、どう答えていいのかわかりません。何かおすすめの絵本などありますか?

 

答え:ハロウィン絵本を探す過程も楽しんで!

いつまでもよその国の行事だと感じていたハロウィンも気づけばたくさんの絵本が本屋さんに並び、小さな子ども達にとっては生まれた時からある行事になりつつあり、外国の文化を知る機会でもあります。

私たちはつい、子どもに聞かれたことに答えてあげないと!と思ってしまいがちですが、一緒に考えてみるというのもオススメです。一緒に本屋さんや図書館に行き、ハロウィン絵本を読み比べて探してみるというのもいいですね。

こんな絵本もありますよ。

 

めくってものしり絵本 もっとたのしい ハロウィンがいっぱい!

ハロウィンのいろいろがわかるしかけ絵本

ハロウィンってどんなお祭りかな? カボチャのランタン、幽霊、仮装パーティーなど、ハロウィンにまつわるものから、その意味や、世界ではどんなお祝いがあるかまで、ハロウィンのことが何でもわかる絵本です。

『うんちはどこへいくの?』『かんかくってなあに?』『さんすうがいっぱい!』『たのしいかけざん』に続く「めくってものしり絵本」シリーズの第5弾です。

小さな子どもから大人まで一大ブームになっているハロウィンですが、本当はどんなお祭りなのか、知っている人は、少ないのではないでしょうか? 

「ハロウィンの起源は何かな?」、
「世界一大きなハロウィンの仮装行列が行われるのはどこ?」
「トリック・オア・トリートってなに?」などなど。

ハロウィンがどんなお祭りなのか、発祥は何なのか、世界ではどのように祝っているのか・・・・、ハロウィンにまつわるいろいろなお話が、しかけをめくりながら、わかるように解説されています。子どもはもちろんのこと、大人まで納得させられる内容となっています。知っていれば、さらにハロウィンを楽しめます。

めっくて楽しむボードブックタイプの仕掛け絵本です。

「ハロウィンってなに?」から始まり、「ジャック・オー・ランタンってなに?」「どうしてハロウィンにカボチャのランタンが作られるようになったの?」「どうしてハロウィンのまじょはくろねこをつれているの?」「ゾンビってなに?」「せかいでいちばんおもいかぼちゃはなんキログラム?」なんていうものまで。

ハロウィンの歴史からお化け屋敷、世界の「お盆」についてまで!

これさえあればハロウィン博士になれること間違いなし!

大人だからなんでも知っているわけではありません。いや意外と子どもの方が柔軟に豊かにその答えに辿り着くこともたくさんあるなぁと絵本を読んでいると感じます。

今年はどんなハロウィンにしようかな。ぜひ子どもたちと一緒に楽しんでくださいね。

【その他 10月の読み聞かせにおすすめの絵本】

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。大学1年生と高校1年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

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掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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