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miku53号 2018年秋冬号

妊娠・出産で女性ホルモンはどう変わる?

体と心に現れる変化を知っていれば対処できる

女性は妊娠をきっかけに、体内のホルモンバランスが急激に変化します。
赤ちゃんを育むプロセスとはいえ、心と体の変化に戸惑う人は多いもの。
女性ホルモンの基礎知識について産婦人科医の小野陽子先生に教えていただきました。

小野陽子先生

Yoko Ono

 

東邦大学医療センター大森病院心療内科の外来、聖路加国際病院女性総合診療部の非常勤医、対馬ルリ子女性ライフクリニックの婦人科外来と、複数の職場で産婦人科医、心療内科医として活躍。女性の心と体の両面から専門的にケアする。1歳と6歳の男児のママ。

女性ホルモンは妊娠で大変動産後に現れる心身の変化

新しい命を育む妊娠期は、女性ホルモン(卵巣で作られるエストロゲンとプロゲステロン)の量が大きく変動します。
 
初めてのお産への不安や恐れから、「妊娠うつ」になるケースも増えています。うつの病歴がある人は発症リスクが高まるので要注意。ストレスをためない、自分だけで悩まない、楽しいことに意識を向けるなど気をつけて、妊娠期を心穏やかに過ごしましょう。
 
妊娠中、緩やかに増加した女性ホルモンは産後に急降下し、心身に明らかな変化が現れてきます。毛髪が抜ける、肌がカサつくなど、肉体的な変化とともに、落ち込んだり涙もろくなるなど、精神的にもかなり不安定になります。
 
マタニティブルーズは生理的な反応ですが、授乳やおむつ替えで寝不足が続くことで、産後うつへと深刻な状況に陥るママも少なくありません。がんばり屋さんほど、思い通りにならない赤ちゃん中心の生活に戸惑い、自信を失ってしまうケースがみられます。

心のゆとりと笑顔のために「ママお休み時間」を持とう

産後はおっぱいを作る働きを担うプロラクチンが増えます。一方プエストロゲンとロゲステロンは分泌が抑えられ、1日8回以上の頻回授乳を続ける限り女性ホルモンが低い状態をキープ。女性ホルモンが妊娠前に戻る時期は、母乳育児などによる個人差があります。
 
逆に、卒乳を早めると、女性ホルモンの分泌が促されます。髪や肌の潤い、精神的なバランスも次第に整ってきます。
 
ホルモンの分泌は自分ではコントロールできません。心身に起こる自然な変化と受け止め、一人で頑張ろうとしないこと。家族の理解と協力を求め、「こうして欲しい」と言葉にしましょう。気持ちに余裕がないとイライラは募るもの。パパや家族に協力してもらうなどして週に1~2時間でも赤ちゃんと離れ、自分だけの時間「ママお休み時間」を持てるといいですね。美容院へ行く、友だちと会う、スイーツを食べるなどしてリフレッシュしましょう。
 
女性ホルモンとは一生付き合いが続くもの。生理や妊娠・出産、加齢による悩みなど、何でも相談できる婦人科のかかりつけ医がいると安心です。

女性ホルモンの種類と妊娠出産における役割

エストロゲン(卵胞ホルモン)は卵胞を成熟させる働きのホルモン。体温の上昇、栄養や水分を体に蓄えるなど、妊娠に適した体を作ります。


プロゲステロン(黄体ホルモン)は、受精卵の着床のために子宮内膜を整え、基礎体温を上げる働きがあり、妊娠後は胎児と母体を守るために活躍します。


妊娠中は胎盤からエストレゲンとプロゲステロンが分泌されます。出産後、胎盤が母体からはがれ落ちると、ほぼゼロの状態に。

 

プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)の分泌で母乳が作られると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が抑えられます。
 

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2018 AUTUMN-WINTER
取材・文/中野洋子 イラスト/犬塚円香
 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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