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miku34号 2013年秋号

保育園・幼稚園選び、どうする?

子どもに合って、親もハッピーになれる視点が大事

子どもが集団生活を送る、保育園、幼稚園、認定こども園。それぞれに教育方針や保育スタイル、サービスや質などの差があります。何を基準に判断したらいいのか、園選びのポイントについて、子どもの育ちと教育に詳しい高山静子先生にお話を伺いました。

高山静子先生


東洋大学ライフデザイン学部准教授。子育て中に資格を取得して保育士に転職。保護者と共に地域の子育て支援活動に取り組む。孤立しがちなママの悩みに耳を傾け、自分らしい子育てができるようサポートしている。著書に『子育て支援 ひだまり通信』(チャイルド社)ほか。

バリエーション豊かな園の環境複数をチェックして一つに絞ろう

心身の成長が著しい幼児期は、生きる基盤づくりの一番大事なとき。お母さんから離れ、子どもが初めて集団生活を送る環境として、どの園に通わせるかは、とても重要です。

 

複数の選択肢があれば、家から一番近いなどの物理的な理由で簡単に決めてしまわず、施設や規模、教育やサービスの質などをじっくり調べて選びましょう。教育内容や保育時間、遊び方などは、園によってさまざま。そこで日中の時間を過ごす子どもの日々の体験や学び、身につく力は、通う園によってかなり違ってくることがあります。

 

「幼児教育は幼稚園、保育は保育園」と思われがちですが、実は幼稚園と保育園の3歳以上の教育内容は、50年以上前から共通化されています。0歳からの保育サービスと幼稚園の教育カリキュラムが受けられる認定こども園をはじめ、夕方まで延長して預り保育を行う幼稚園、教育に力を入れる保育園などが増え、また、国の「子ども子育て会議」の指針からも、幼保一体化の流れが加速しています。

 

また最近は、野や山、里、川など自然の中での教育と保育を重視する「森のようちえん」が、全国各地で増えてきています。経営は、私立幼稚園、認定こども園、NPO法人、自主保育のサークルなど、さまざまです。

 

共働き夫婦にとっては、スポーツや英語教育を取り入れた園、駅に隣接して施設がある園など、便利でサービスの充実した民間・民営の保育園が増え、選択肢の幅が広がっています。

 

あるいは、幼稚園の預かり時間に合わせてパートタイムに出たり、延長保育を利用して週に2〜3日だけフルタイムで仕事をするなど、働き方も工夫できる時代です。
 

多様化する保育・教育のニーズに対応する保育園 & 幼稚園 & 認定こども園

認可保育園・認証保育所

・認可保育園は、厚生労働省が管轄する児童福祉法の基準を満 たす保育の場で、公立と私立がある。親が就労や病気などの理由で保育ができない場合、申請して空きがあれば、保護者の状況と保育の必要度に応じて入園が許可される。入園を希望する場合は、自治体の子育て支援や福祉関係の窓口に申請する。


・近年、大都市圏では、保育施設の数が足りず、“待機児童”がなかなか減らない。そこで市区町村が独自に設けた制度が認証保育所。基準をクリアした施設として、駅前に設置するタイプや、小規模で家庭的な保育所タイプなどがある。
 

民営の公立保育所

・地方自治体が行っていた公立保育所の運営を、民営化の事業者へ移行しようというもの。


・保育業務の一部分のみを民間事業者(財団法人、NPO法人、株式会社などの営利企業)に委託する「業務委託型」、保育業務全体と施設管理業務の全般を民間事業者が代行する「指定管理者型」がある。


・延長保育や教育などのサービスが充実するメリットがある。


・保育士の配置や保育料などはこれまで通り厚生労働省令に基づくため、民営化による大きな違いはない。
 

幼稚園

・幼稚園は、学校教育法に基づいて保育を行う場。今まで幼稚園入園は満3歳以上の4月1日を迎えてからだったが、満3歳を迎えた誕生日の翌月から入園できる園が増えてきた。


・子育て支援活動の一貫で、14:00以後の延長保育、夏休みなど長期休暇中の預かり保育を実施する幼稚園も増加している。


・幼稚園入園前の2歳児を対象に、通常の保育とは別にプレクラスを開く園がある。内容、回数、金額など、園によってさまざま。子どもだけ半日程度預かるところや、週2日ほど親子で一緒に参加するところがある。

認定こども園

・保育と教育を一体的に提供し、地域における子育て支援を実施する施設として都道府県が認定。保育所と幼稚園の機能に着目し、それぞれが持っていない機能を不可することで認められる。(平成25年4月現在の認定件数は全国で1099件)。


・親の就労に関係なく0歳から入園でき、大きく4タイプに分類される。

 

幼保連携型

認可幼稚園と認可保育所とが連携して、一体的な運営を行う。

幼稚園型

認可幼稚園が長時間の保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備える。

保育所型

認可保育所が、親の労働や疾病などの理由でなくても子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備える。

地方裁量型

幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たす。

複数の園に実際に足を運んで環境をチェックする

「子どもの可能性を引き出してくれるのでは?」と期待し、英語や楽器、体操や水泳など、早期教育を行っている園に関心が高い親も少なくありません。

 

でも、園でのレッスンで、英語が話せたり何か楽器が弾けるようになったとしても、その後も継続しなければ意味がありません。

 

子どもがあまり好きではないのに、園がそのような方針だったとしたら、毎日通う子どもにとって、精神的にも大きな負担となるでしょう。もし本気で何かの力を伸ばしたいなら、子どもの興味の方向を見極め、親子で楽しく取り組んだり、場合によっては外部の教室の力を借りるなどした方がベターでしょう。

 

どの園が子どもに最もふさわしいか、ネットやパンフレットなどの情報だけで見極めるのは難しいもの。園が開催する見学説明会に足を運びましょう。

 

施設や環境の様子はもちろん、子どもたちがどんな表情で遊んでいるか、先生の子どもへの接し方、言葉のかけ方も観察し、教室の本棚に並ぶ本も、季節感やテーマが感じられるかさりげなくチェックを。初めての環境で、わが子がどのような行動をとるか、目を輝かせているかどうかも見逃さないようにしましょう。

 

ただし、子どもの事を思って選んだ園でも、遠かったり、お母さんの出番が多すぎては疲れてしまいます。 子どもの登園が負担になっては、数年間の園生活は続かないでしょう 子どももハッピー、親もハッピーと言える、ちょうどいいバランスで判断しましょう。


取材・文/中野洋子
 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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