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miku38号 2014年秋号

「子ども・子育て支援制度」スタート!どう変わる?幼稚園・保育所選び

「子ども・子育て支援制度」スタート

ニュースや新聞などで、「子ども・子育て支援新制度」という言葉を聞いたことはありますか? 2015年春からスタートするこの新制度により、子育て環境はどのように変わり、幼稚園や保育所選びはどのように考えたら良いのでしょうか。幼児教育学、保育学、子育て支援の専門家であり東京都墨田区で新制度の策定にも関わる大豆生田啓友先生に伺いました。

大豆生田啓友先生


玉川大学教育学部乳幼児発達学科教授。青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭等を経て現職。専門は幼児教育学、保育学、子育て支援。2男1女の父。

子どもと子育てを社会全体で支えていく新しい制度

「子ども・子育て支援新制度」は、乳幼児期の教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていく事を目的につくられた法律。簡単にいうと、子育ての孤立化や働く母親の増加、少子化の進行など、昨今の子育てを取り巻く環境の大きな変化を受け、国が「子どもと子育てにまとまったお金をかけ、子育てを社会全体で支えていこう」という考えのもとでつくった制度。2014年の4月から、消費税が5%から8%にあがりましたが、この消費税増税の一部が新制度に使われ、最低でも7000億の財源が見込まれています。子どもや子育ての事に、これだけの財源が投じられるのはわが国では初めてで、日本のこれからの子育て環境を考える上で、非常に大事な制度だという事ができます。

保育の場を増やして待機児童を解消

新制度の主な目的は、3つあります。ひとつめは、幼稚園と保育所の良いところをひとつにし、保護者が働いている、いないにかかわらず利用できる「認定こども園」(くわしくは下記参照)の普及を進めること。ふたつめは、幼稚園、保育所、「認定ども園」に加え、少人数の子どもを保育する“地域型保育”活用して待機児童を解消すると共に、保育者の待遇を改善し、児教育や保育の質を高めていくこと。3つめは、一時預かりや学童保育など、身近な地域で受けられる子育て支援をさらに充実させていくことです。

 

多様な保育サービスを増やすだけでなくさまざまな子育て支も拡充するこの新制度は、子育て世帯すべてに影響が及ぶた、実施主体となる市区町村は、来春からのスタートに向け、準備を急ピッチで進めています。

 

自分たちの住む地域の子育て環境は、新制度の施行により具体的にどう変わるのか、市区町村の広報誌やホームページ、地域のフリーペーパー、利用者支援のサービス等で情報収集していきましょう。

「認定こども園」ってどんなところ?

新制度の目玉でもある「認定こども園」は、幼稚園と保育所の機能をあわせもった施設のこと。幼稚園教諭や保育士資格をもったスタッフが、子どもの教育、保育を行います。保育時間は保護者の働き方などにより、短時間(4時間程度)、長時間(8時間程度)どちらかを選ぶ事ができます。

 

「認定こども園」は平成18 年からスタートしていましたが、運営上のさまざまな問題により、あまり数が増えませんでした。新制度ではこれまでの問題点が改善され、現在の幼稚園や保育所が「認定こども園」へ移行していくこともあります。

 

幼稚園、保育所選び、申請方法はどう変わる?

そろそろ幼稚園や保育所への入園申し込みが始まる時期。新制度のスタートを前に、申し込みの手続きは、どのように変わるのでしょうか。
 
新制度では、幼稚園や保育所などの利用を希望する場合、保護者が、利用のための“認定”を受ける必要があります。認定区分は3つ( 下図参照)で併願もできます。この区分に応じ、幼稚園、保育所、認定こども園など利用先が決まっていきます。手続きの時期や流れはこれまでと大きく異なるものではありませんが、保育認定における就労最低時間が月48時間だったり64時間だったりと、市区町村ごとに異なることもあります。
 
新制度の利用の流れは以下のようになります。幼稚園、保育所、認定こども園などの中からどの施設を利用するのか、どのように認定を受けたらいいのか、地域や施設などから提供される情報を良く確認し、不明な点は、園や市区町村に確認しましょう。

 

3つの認定区分

1号認定 : 教育標準時間認定

子どもが満3歳以上で、教育を希望する場合
[利用先] 幼稚園、認定こども園
 

2号認定: 満3歳以上・保育認定

子どもが満3歳以上で、「保育の必要な事由」に該当し、保育所等での保育を希望する場合
[利用先] 保育所、認定こども園
 

3号認定: 満3歳未満・保育認定

子どもが満3歳未満で、「保育の必要な事由」に該当し、保育所等での保育を希望する場合
[利用先] 保育所、認定こども園、地域型保育

子ども・子育て支援新制度の利用の流れ

Q: 今ある保育所や幼稚園はどうなるの?

 今ある保育所や幼稚園も、そのまま保育所や幼稚園として運営され続ける場合もあれば、「認定こども園」に移行する場合もあります。現段階で、保育所や幼稚園への入園を考えているママやパパは、その園が2015年以降はどのような形態になるのか、確認することが大切です。

Q: 保育所(認定こども園)の入園は、これまでのように、点数制で必要な高い人から決まるの?

 保育の必要制認定は、ほぼ全国共通ですが、認定後の入園先は、兄弟姉妹在園を優先させるか、所得状況で低所得者を優先させるかなど、各自治体で対応が違ってきます。くわしくは、各市区町村に問い合わせてみてください。

Q: 保護者が負担する金額は、新制度によりどう変わるの?

  新制度では、現行の負担水準や保護者の所得に応じて、国が今後定める基準を上限として、市区町村が地域の実情に応じて定めることとなります。

Q: 1号認定と2号認定を併願できるの?

  併願できます。幼稚園の選考(1号認定)と平行して保育所選考(2号認定)を進める事ができ、幼稚園がダメであれば2号認定で保育所へ、保育所に行かずに幼稚園に行くことになった場合は、1号認定への変更を申請して1号認定を受けることになるという流れです。

Q: 保育ママによる保育を希望する場合は3号認定を受けないといけないの?

 保育ママは、地域型保育事業と位置づけられていますので、「保育を必要とする子どもの保育」となり、3号認定を受けなければなりません。

子ども・子育て支援新制度の利用の流れ

認定こども園を利用する場合は、1号認定の場合は青枠の、2号、3号認定の場合は赤枠の手続きの流れが基本となります。

※保育を希望する3〜5歳の子どもの保護者は、希望すれば幼稚園の利用も可能です。
 

 

イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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