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miku 48号 2017年春号

子どものアレルギーと上手に付き合おう

早めのケアと環境整備が予防につながる

皮膚や鼻、目、喉など、体の様々なところで症状が現れるアレルギー。どのようにしてアレルギーが起こるのか、基本を知って適切なケアと対策をすることが肝心です。小児科医の澤田雅子先生に教えていただきました。

澤田雅子先生


澤田こどもクリニック(東京都文京区)院長。小児アレルギーに詳しく、地域のホームドクターとしてさまざまな病気の子どもの治療を行う。同時に、ママたちの子育ての悩み相談にも親身になって応じている。

アレルギーマーチとは?

子どものアレルギーは、成長に従って症状が現れる体の場所や出方が違うのが特徴です。もともとアレルギーになりやすい体質があると、アトピー性皮膚炎に始まり、気管支、目や鼻に症状が次々現れてくるケースが多く見られます。もちろん個人差があり、必ず発症するわけではないので、むやみに心配しないこと。食べ物が原因のアトピーの子どもは、その後ダニアレルギーになりやすく、気管支喘息を起こす可能性があります。喘息の症状が出る前に、早めにダニ対策をしておくと、アレルギーマーチを予防できる可能性が高まります。

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成長と共に症状が変化する子どものアレルギーの特徴

人間の体には、細菌やウイルスなどの病原体を排除しようとする「免疫」の機能が備わっています。ところが、この免疫が過剰に働くと、食べ物、花粉やホコリなど、害のないものにまで反応してしまいます。これがアレルギーです。
 
アレルギーの原因となる物質「アレルゲン」は、身の回りに多数存在します。家族にアレルギーや花粉症の方がいると、子どもも体質的にアレルギーになりやすい傾向があります。また、家族にアレルギーがなくても、生活環境の影響で発症することもあります。
 
目、鼻、肺、皮膚、腸などの粘膜の細胞でアレルギー反応が起こり、皮膚のかゆみ、鼻炎や喘息などの症状が現れます。

 

子どもの場合は成長するに従って、出てくるアレルギー症状と場所が変化することがあり、これは「アレルギーマーチ」と呼ばれています。0歳の時にアトピー性皮膚炎を発症した子どもは、1~3歳頃に気管支喘息にかかり、幼稚園の頃にはアレルギー性鼻炎や結膜炎を発症するという経過をたどることもあります。
 
常に症状が現れるとは限らず、出たりおさまったりを繰り返すなど、アレルギーの出方には個人差があります。症状が現れた時に適切な治療を行い、生活する環境をクリーンに整えて、アレルゲンとの接触を減らすことで、自然とよくなっていくケースが一般的です。

アトピーはバリア機能の低下から早期のスキンケア対策が大事

多くの子どもが最初に発症するのが、アトピー性皮膚炎です。生後間もなくの赤ちゃんの肌は潤いがありますが、生後2カ月頃になると水分と皮脂のバランスが崩れ始め、乳児湿疹が頭や顔に目立つようになります。
 
皮膚のバリア機能が低下してきたところに、食べ物やダニ、花粉などに対するアレルギー反応が重なると、かゆみを伴う発疹が現れ、アトピー性皮膚炎を発症することがあります。
 
頭皮、頬や顎などに、じくじくした赤い発疹が繰り返し現れて、次第に首の周り、ひじやひざの内側、ひどくなると全身に広がることも珍しくありません。。

 

かゆみがあるので、子どもが掻きむしって悪化することもあります。授乳後や、よだれを垂らした時などはさっと汚れを拭くことが一番ですが、乾いたガーゼやティッシュで拭くと、それが皮膚の刺激になってしまいます。
 
バリア機能を保ち、デリケートな赤ちゃんの肌を守るにはスキンケアが重要です。発疹が現れる前から皮膚を清潔に保ち、こまめに保湿剤を塗ることが予防になります。アトピーを発症した後も、スキンケアはかゆみを抑える役割を担います。ていねいなスキンケアで、悪化を防ぎましょう。

アトピー対策は日頃のスキンケアが大事!

最初に現れるアトピー性皮膚炎は、日々のスキンケアがポイント。汗をかいたらシャワーやお風呂で流して肌を清潔にし、保湿剤を塗って乾燥を防ぎます。発疹がある時は、薬を上手に使いながらかゆみを抑え、悪化させないことが大切です。

市販のワセリンや赤ちゃん用保湿剤でケアをする。いくつか試してみて、子どもの肌に合うものを探すのがポイント。
お風呂上がりは皮膚が潤いのある状態で、保湿剤を塗る。
顔や口周りを拭く時は、濡らしたガーゼかウェットティッシュがおすすめ。
入浴時は皮膚刺激がない石けん(ベビー石けんなど)を使い、手で泡立てて優しく洗う。
子どもが自分で掻いた時に肌を傷つけないよう爪をこまめに切る。ギザギザしているなら、爪はヤスリなどで滑らかに。
ママやパパが抱っこする時、服の繊維が子どもの肌を刺激することも。綿100%がおすすめ。

食物アレルギーが心配な場合、離乳食を始める前に相談を

離乳食が始まる頃、心配になるのが食物アレルギーです。乳や卵に対してアレルギーを持つ子どもは多く見られますが、不安だからと、自己判断で食べさせないのはNG。安易に厳格な除去をすると、かえって重い症状を引き起こすことがあり、最近は、少量ずつ食べさせ慣れさせていく方がよいと考えられています。
 
ママやパパ、周囲の家族がアレルギーの場合は子どももアレルギーを発症する傾向があります。離乳食の食材は1つずつ増やすのが基本。ですが、慣れるまで毎日同じ食材を続けて食べさせるのもよくありません。

 

悩んだら、かかりつけ医や自治体の保健師さんに相談しましょう。

 

特定のものを食べるたびに湿疹が出る場合は、食物アレルギーが疑われます。食べた物を記録すると、何に反応したのか目安になるので、受診の際に持参しましょう。乳児の場合は、ママが食べたものが母乳に影響することも。症状が出た場合は、ママの食事内容もチェックしましょう。

アレルギー対策は神経質にならず無理せず長く続けるのがコツ

アレルギーの一番の対策は、日常生活でできるだけアレルゲンに触れないこと。花粉の飛散が多い日は外出を控え、意識して過ごすことで、花粉症(アレルギー性の鼻炎や結膜炎)の予防になります。
 
とはいえ、ママが神経質になりすぎて、ストレスを抱えるのはよくありません。ピリピリしていると子どもは敏感に反応して、ぐずるなど機嫌が悪くなりストレスが悪循環してしまうこともありますね。
 
室内の掃除や食事のアレルゲン除去など、徹底しようと思うときりがありませんし、人間は無菌状態の中で生きているわけではありません。無理せず、心配なところをできる範囲で行うことが、長続きするコツです。

 

また幼児期の食材のアレルギーの場合には、除去食など、ママの負担が大きくなります。アレルギー除去食を扱っているお店は、インターネットで調べることもできます。テーマパークやファミリーレストランでは、アレルギー除去食の対応をしているところもあります。もちろんパパにも協力してもらいながら、アレルギーの子どもを育てているママパパの仲間を見つけて情報交換するのも、おすすめです。
 
子どものアレルギーは、成長して子ども自身に体力や免疫力がつくと症状が軽くなる場合がほとんどです。学童期になって自然と治るケースが多いのも事実。「いずれよくなる」と大らかに捉え、子どものアレルギーと上手に付き合っていきましょう。

 

イラスト/サカモトアキコ 取材・文/中野洋子

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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