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miku53号 2018年秋冬号

アイコンタクトが赤ちゃんの成長発達に影響するって本当?

子どもは、パパ&ママの視線にとっても敏感

「目を見て話しましょう」というように、アイコンタクトはコミュニケーションに大きな役割があります。どうやらそれは、子どもの発達にも影響がありそうです。
アイコンタクトと成長発達の関係について発達認知神経科学に詳しい東京大学大学院の開一夫先生にお話を伺いました。

開一夫 先生
Kazuo Hiraki

 

東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系教授。工学博士。赤ちゃん学や発達認知神経科学、機械学習などを専門に研究を続け、発足した「赤ちゃん学絵本プロジェクト」監修の絵本『もいもい』『うるしー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が、赤ちゃんが本当に好きな絵本、泣き止む絵本、として話題を呼ぶ。

子どもとの生活の中で、授乳中にスマホを見ていたり、子どもがパパ&ママに呼びかけたり応えを求めているのに他の事をしながら空返事をしてしまうことはありませんか? もちろんパパ&ママも忙しい日々の中で、それが仕方のない状況もあるでしょう。でも、それが日常となってしまっているのだとしたら、少し問題です。

 

子どもは、パパ&ママの視線がどこに向けられているかにとても敏感です。そして、このアイコンタクトは、子どもの模倣学習の促進に大きな影響があることが報告されています。

 

模倣学習とは、生後9カ月ごろからみられる、周囲の人の行動をまねすることで新しいことを学んでいくことですが、特に赤ちゃんにとっては、世の中にあるあらゆる物事が初体験。初めてみるものがどんな存在のもので、どんな役割をもったものなのか、日々学んでいるわけです。そのときに、パパ&ママの目線や表情などの反応をみながら、自分に吸収していきます。

 

例えば、初めて見る虫にママが驚いていたら、その虫は驚くべき存在なんだと感じますし、赤ちゃんの目をみながら「おはよう」と笑顔で呼びかけたら、おはようという言葉にはあたたかいイメージをもつでしょう。授乳時にも自分と目をあわせながら話しかけてくれる状態と、自分よりもスマホに関心を寄せている状態では、赤ちゃんが感じとるものが違うはず。大人だって人に無視をされたら心がぽっかりとし、悲しい気持ちになるのですから、この想像は容易なはずです。

研究結果にもあらわれた 赤ちゃんの反応の違い

こうしたアプローチは日々の積み重ねで蓄積されていくと、数カ月後、数年後には、成長に差がでてくると考えられます。ただし日々の積み重ねがポイントで、親子の信頼関係が深まるにつれ、子どもも親を待ってくれるようになります。パパ&ママがこのことでがんじがらめになってしまっては本末転倒です。視線に敏感な赤ちゃんは、パパ&ママがストレスをためていれば、そのことだって敏感にキャッチします。ゆとりをもって、おだやかな気持ちで接してあげることが一番です。子どもはとてもかしこく、こちらの演技は見抜かれてしまいますよ。

 

大事なのは、パパ&ママが赤ちゃんの思考に心から反応したり寄り添ってあげること。その時にアイコンタクトは大きな役割をもつということです。そうしたコミュニケーションを続けていければ、幼児期に入って子どもが興味をもつことや得意な分野がみえたときにも、その能力を伸ばす力が備わるのではないでしょうか。その土台として、赤ちゃん期のアイコンタクトは軽視できず、パパ&ママに改めて考えてもらいたい事柄のひとつです。

 

親子の信頼関係の築きに、ぜひアイコンタクトを見直してみてください。


 

実験!目を合わせると赤ちゃんも真似して手を振る

アイコンタクトをとっている場合と、とっていない場合の子どもの反応について実験をしました。目と目をあわせてママが手を振ると赤ちゃんもまねをして手を振ろうとしましたが、目があっていないときは赤ちゃんの腕の筋肉活動が低下しました。さらに、アイコンタクトに時差があった場合も、子どもの反応が鈍る結果が出ました。

2018 AUTUMN-WINTER
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/山田治奈

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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