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miku53号 2018年秋冬号

未来に続く、心のベースを作る親子コミュニケーション

未来に続く、心のベースを作る

「幼児期からの親子のコミュニケーションが、子どもの自己肯定感のベースや将来の人間関係の土台になっている」。
青少年の問題への相談を受けている富田富士也先生の言葉です。
親として、どのように子どもとコミュニケーションを取ったらいいのか、心構えやポイントを伺いました。

富田富士也先生
Fujiya Tomita


子ども家庭教育フォーラム代表、教育心理カウンセラー。青少年への相談活動を通じ、コミュニケーション不全に悩む「引きこもり」の子ども、若者、その親や家族の存在に光を当てる。著書は『その瞬間の言葉が子どもを変える』(PHP研究所)ほか。

引きこもりの原因のひとつは親子コミュニケーション

長年、引きこもりを続ける子どもや成人の相談活動に携わってきました。引きこもりは、人間関係から身を引いてしまうということ。23歳以上で家に6カ月以上こもっている場合を、厚生労働省は「引きこもり」と定義しています。子どもや成人の話を聞く中で、一番重要でどの子にも共通している問題が幼児期の親子のコミュニケーション。小さい頃からのいろいろな想いを抱えつつも、吐き出せないために、子どもたちは手のかからない「いい子」と言われながら大人になっていくのです 。

 

人間は生きていく中で、自分から能動的に人とコミュニケーションを取ったり、甘えたりします。人の世話にならない、人に迷惑をかけないという生き方は、難しく、人との関わりがなければ孤独にさいなまれてしまいます。
 
生きていく中で人との触れ合いはとても大切なことなのですが、引きこもりの方の話を聞くと、幼少期にそれがかなえられていなかったという人がほとんどです。逃されてしまったいろいろな想いを抱えたまま大人になり、人とコミュニケーションを取ることを難しいと感じてしまい、周囲とのコミュニケーションを絶ってしまうのです。

子どもの話をどのように聴くのか?

世の中の流れは成果主義の方向になっています。でも、親子のコミュニケーションは時間短縮&効率的にとはいきません。子どもの話を聞くときには、いろいろなスタンスがあります。「きく」という漢字には、「聞く」「訊く」「聴く」などいろいろありますが、それぞれによって意味が異なります。親はこの意味を知ったうえで、子どもと関わっていくことが大切です。
 
子どもの気持ちをしっかり聴くのには、とても時間がかかるものですし、そこを丁寧に聴き、コミュニケーションを取るよう心掛けましょう。急かさずに、子どもの言葉に付き合うことが大事です。ただし、「聴く」ことだけが重要なのではなく、子どもは今日の出来事を報告することも大好き。そのようなときには「聞く」ことを重視しましょう。

戸惑いながら話すやりとりも大事

子どもと話すときには、気持ちを汲み取ることに時間を取りましょう。事務連絡でなく、YESNOや一言で答えられる会話ではなく、決めつけではない会話です。
 
たとえば「今日は園で何をしたの?」「運動会の練習をしたよ」「そうなんだ。どんな風にやったの?」という具合です。「どんな風にやったのか」と聞かれたら一言では答えられませんから、ちょっと戸惑いながら説明してくれるでしょう。そして「楽しかった?」など気持ちを訊くことも大切。「楽しいけど、ちょっと大変だった」などと答えてくれるかもしれませんね。
 
親子関係の中で、常に親が正しく、立派である必要はありません。時には弱音を吐いたり、子どもに甘えてもいいでしょう。そんな親の方が子どもも自分の本音を話しやすくなるはずです
 

子どもの気持ちを聴こう!

聴くだけが大事ではなく、どの「きく」も必要です。

 

「聞く」 言葉を聞くこと。ヒヤリング。
「訊く」 関心事を訊きます。たずねるという意味で、アスキング。
「聴く」 気持ちを聞くことです。リスニング。

2018 AUTUMN-WINTER
取材・文/高祖常子 イラスト/サカモトアキコ
 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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