【4歳娘へ読み聞かせ】おばけの絵本、お誕生日の絵本…絵本の世界を自由に楽しめるように!
元気に4歳を迎えました!
こんにちは、絵本ナビスタッフの坪井です。
娘はこの4月で4歳(年少クラス)になりました。
「4歳の女の子」というと、一般的な印象と同じく私もかなり「おねえさん」なイメージでいたのですが、いざ我が子が4歳を迎えて思うことは「3歳のときと大して変わらない」…。
それはそうです、誕生日前日までは3歳だった娘が4歳になったからといって、一般的なイメージの「4歳」にいきなりなれるわけがありません。
これまでの育児でも充分わかっていたはずなのに、なんだかイメージに踊らされていたなあ、と反省しました。
とはいえ、今では着替えはほとんど自分でできますし、神経衰弱のようなカードゲームも大人と遊べるようになってきたりと成長を感じることもたくさんあります。
そんな、(3歳とあまり印象は変わらないけれど)4歳になった娘に読み聞かせた絵本をご紹介します!
みせものごや、げた、ひとつめ…?『ひとつめのくに』
思いがけない展開で大人も面白い!
むかしのお話です。「ひとつめこぞう」をつかまえて見世物にしようと、見世物師の男が旅に出ました。
江戸から100里もいったところで旅人の話のとおり、ひとつめの女の子を見つけます。
「おいで、おじさんがいいものあげるから」とつかまえようとしますが、「あーん おかあちゃーん!」女の子の大声を聞きつけた人がたくさん追いかけてきて・・・
とうとう捕まった男、引き立てられた奉行所でひょいと顔をあげ周りを見ると
・・・なんと、自分以外みんなひとつめ!?
場所が変われば「見世物にされる」立場が逆転してしまうこわさとおもしろさ。
せなけいこさんの描くおばけ絵本は小粋でユーモラス、かわいい貼り絵が特徴ですが、さらにお話の内容のちょっぴり不気味なところがたまらない魅力なんです。
せなさんはちゃきちゃきの東京生まれ。亡きおつれあいは落語家でいらしたそう。
江戸のお話が堂に入り、オチが何となく落語っぽいのもうなずけます。
中表紙で「ひとつめ」の女の子が舞い、最終ページで「ふたつめ」の男が半泣きの顔で舞っているのも見どころです。
最近、図書館で絵本を借りることにもちょっと飽きがきているため、まともに絵本を選ぼうとしない娘に、たぶん気に入るであろう、と私が予想して借りてみた1冊です。
実際に読み聞かせてみると、私としては「ちょっと長かったかな?」という感じもしましたが、娘は「みせものごや」「げた」「ひゃくり」といった耳慣れない古い言葉に怯むこともなく、お話の面白さに引き込まれているようでした。
最後のページで情けない顔で踊っている「みせものし」の姿を見て「この人、どうして踊ってるの?」と言うので意味を教えたりもしましたが、おそらく本当の意味は理解していなかったと思います。
それでも読むたびに同じ質問をするので、娘なりにこの絵本のことを理解しようとする気持ちはあった様子。
落語のようでもあり、『世にも奇妙な物語』のようでもあるストーリーを、本当の意味で理解して面白がれるのはまだまだ先になりそうですが、そのときにはまた改めて親子で読んでみたいと思う絵本でした。
(個人的にはこの「おばけえほん」シリーズを揃えてみたいです)
今月は私も誕生日!『うさこちゃんのたんじょうび』
「うさこちゃんは何歳になったの?」
4月は娘の誕生日。
昨年の娘はこぐまちゃんの『たんじょうびおめでとう』に共感していましたが、今年はうさこちゃんのこの絵本を見つけ、「ミッフィーちゃん、何歳だろう」とワクワクしながら本を開いていました。
(娘には「うさこちゃん」より「ミッフィーちゃん」の方がなじみ深いようです)
この絵本にはうさこちゃんが何歳になったのかは出てこないのですが、プレゼントをもらい、お祝いのためにたくさんの人が訪ねてくる様子には先日迎えたばかりの自分の誕生日を思い出し、嬉しい気分になったようでした。
そして4歳になった当日から「次の4月には、5歳になっちゃうんだよ!」と張り切っている娘。
周囲の大人たちが「4歳も大きいけど、もう5歳になるの!?」と驚く様子が嬉しく、楽しい様子です。
おならの仕組みもちゃんと身につく『おなら』
図書館では「科学の絵本」も借りるようにしています。
私自身は「お話」にこだわりのある子どもで、それ以外の絵本とわかるとまったく読まないタイプだったのですが、娘は科学の絵本もそれなりに楽しんでいる様子が見られます。
もっともこの絵本の場合、娘はタイトルのインパクトにつられてしまって科学とかそうでないとかは頓着しないようですが…。
絵本のあちこちに登場する「おならの音」の表現がとにかく楽しいらしく、少しずつ読めるようになってきた文字を自分で読んでは大笑いしていました。
何度か読み聞かせをしましたが、毎回さらっと読み終わるのでちゃんとわかっているのかしらと思っていたら、後から何かの折りに「お魚を食べたから、おならがくさいんでしょう?」と、絵本で読んだフレーズを口にしていました。
子どもへの読み聞かせは、そのとき何かが変わるということは少ないですが、後から「わかってたんだ!」と大人の方が驚くことが多くて興味深いです。
日常世界が冒険の旅に『三びきのやぎのがらがらどん』
トロルに負けない「わたし」は強い!
三びきのやぎ、名前はどれも「がらがらどん」。
山へ草を食べに行く途中、谷川が流れているので、小さなやぎから順番に橋を渡ることにしましたが、橋の下には恐ろしい化け物の「トロル」がいます。
やぎが橋を渡ろうとすると、「ひとのみにしてやろう」とおそいかかりますが……。
本作を語る上でまず外せないのは、化け物「トロル」の恐ろしさです。巨大な顔にはぐりぐりと大きな目が光り、天狗より長く太い鼻がそびえたっています。ぽっかりと空けた口にはするどい牙が見え、毛の生えた大きな手がこちらに向かってくる……! 赤茶色と黒がベースになった色合いもまた恐ろしく、目をそむけたり泣き出してしまうお子さんも多いことでしょう。
そんな恐ろしい化け物を迎え撃ったのは、小さなやぎたちの機転と、大きなやぎの強さと勇敢さ。まるで親子が力を合わせて、大きな困難に打ち勝ったように思いませんか?
さわやかな草場で三びきが仲良く草を食べるラストシーンが、その絆を一層深めてくれることでしょう。
そして、1965年に翻訳出版された本作では、古典の翻訳絵本ならではの表現も楽しむことができます。
例えば
「あるとき、やまの くさばで ふとろうと、やまへ のぼっていきました」
という一文。
この後も「やまへ ふとりに いくことろです」という表現が出てきて、「食べにいく」という意味だというのはわかりますが、これを敢えて「ふとりにいく」と表現するその直接的な手法に、古典作品の力を感じます。他にも「古典作品ならでは」と感じる表現を、ぜひ探してみて下さいね。
チョキン、パチン、ストン。
はなしは おしまい。
3歳3か月の頃、図書館で借りて娘に初めて読み聞かせた『三びきのやぎのがらがらどん』。
インパクトが強く、さらにその後は保育園でも何度か聞かせてもらう機会があったようで、娘にとっても親しみ深いお話になりました。
その印象の強さから、娘はすっかり自宅にこの絵本があるものと思い込んでいたようで、あるとき「お父さんにがらがらどんのお話をしてあげる」と絵本の棚を眺めたものの、絵本がないことに気づいてお話もできなくなってしまった…ということがあった、と夫に聞きました。
それなら、と改めて絵本を購入。
娘に手渡すとページをめくりながら、だいぶ大づかみですがだいたい合っている「がらがらどん」のお話をしてくれました。
その後も歩きながら「だれだ!この橋を揺らすのは!」「そんならとっとと行ってしまえ」とトロルの真似をしてみたりしているので、子どもの日常を冒険の世界に近づけるのにぴったりの絵本なのかもと思ったりしています。
4歳さん向け絵本の記事はこちらから
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