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絵本ナビスタッフの<未就学児向け>読み聞かせ日記

【3歳8~9か月娘へ読み聞かせ】『パンどろぼう』で新しい言葉をぐんぐん吸収!

成長著しい3歳台後半に突入しました

完全装備でストライダーに挑戦

こんにちは、絵本ナビスタッフの坪井です。

 

2歳の頃、「内緒話」というものを知って親の耳元に口を近づけ、文字通り「こしょこしょ、こしょこしょ」と言っていた娘も3歳8か月。

最近の内緒話は「ちょっと、耳かして」に始まり、「今日は公園で遊んだの」など、特に内緒にする必要のないことをこそこそ声で教えてくれる形になりました。

内緒話の本来の意味とはまだまだ遠いようですが、口頭で「こしょこしょ」言っていた頃から比べれば、ずいぶん成長したなあと感じます。

 

もう一つ、最近の娘の流行ワードは「目をつぶってて」というもの。

保育園で描いた絵を親に見せるとき、自分一人で着替えたことを親に見せたいときなど、「ちょっと親を驚かせたい」と思うときに言うことが多いようです。

子どもに言われたとおりに黙って目を閉じているだけは盛り上がりに欠けるので、私の方も早すぎるくらいのタイミングで「もういい?」「まだ?」と声をかけては「期待してますよ!」のムードを盛り上げたりしています。

 

そんな3歳8か月~9か月の娘がクリスマスにもらった絵本や、新たに楽しめるようになった絵本をご紹介します。

娘のリクエスト「パンどろぼうvsにせパンどろぼう」

「ロールパンのパンどろぼう」と娘に呼ばれています

パンどろぼうvsにせパンどろぼう

ふっくら食パンマスクから、つんと飛び出たキュートな鼻づら。
ジロリとのぞく目つきは不敵、だけどおいしいパンにはめっぽう弱い。
パンを愛してパンに泣く、あのパンどろぼうが帰ってきた!

前作で「世界一おいしい森のパン屋」と出会い、思わぬ理由からパン職人へと華麗な転身を果たしたパンどろぼう。
今日のおすすめは、「ぶどうパン」です!

「なかなかうまく焼けたぞ。今日もたくさんのお客さんに食べてもらえますように」

ところが、お店は大盛況なのに、ぶどうパンを買っていくお客さんがひとりもいません。
おかしいと思って売り場を見にいくと、なんと、どろぼうに盗まれてひとつ残らずなくなっていました。

「なんてことだ! ぜんぶ持っていくなんて、よくばりなやつめ!」

ふっくらやきたてをねらう。
いただくパンはひとつだけ。
いただくときはかんしゃをこめて。

それが、パンどろぼうの掟!
ひとつどころがぜんぶ持っていくなんて、言語道断!
パンどろぼうは、にせパンどろぼうを捕まえようと待ち伏せするのですが??

前作でパンへのすさまじい愛を見せつけたパンどろぼう。
自分で焼いたぶどうパンを見つめて、よだれタラ?リ目元はトロン……
売り物の食パンに熱烈なハグをして、すりすりと頬ずり。

「ああ、いとしい、いとしい、いとしのパンたち……」

パンへの愛は、ますますふくらんでいるようです。

今作では、パンどろぼうの焼いたパンを盗む、新たなパンどろぼうが登場!
ロールパンのかぶりものに、おおきな前歯と丸っこい鼻づら。
なんとなく察しはつく、その正体は……?
同じパンばかり狙う、その理由とは……?

そして、にせパンどろぼうを捕まえるために、本家パンどろぼうが……変身!?
シュールで意外な展開と、おかしくも愛らしいパンどろぼうの表情が魅力だった前作から、みどころはさらにパワーアップしています。

ふたりのパンどろぼうがマスクを脱いだとき、なんとも美味しい結末が焼き上がる!?
パンどろぼうのあらたな活躍をぜひ!

『パンどろぼう』第1作にはまってから間もなく、娘は誰にともなく「クリスマスはサンタさんに パンどろぼうの絵本を持ってきてほしいなあ…」「フランスパンじゃなくて、ロールパンのパンどろぼうの絵本…」とつぶやくようになりました。

 

これまでのクリスマスは毎年、おもちゃとともに私が独断で選んだ絵本もプレゼントとして置いていましたが、ここまで具体的にほしい絵本を指定されたら買わないわけにはいかない、と、昨年のクリスマスには『パンどろぼうvsにせパンどろぼう』が我が家にやってきました。

すでに「絵本アプリ」で一度は読んでいる絵本ですが、娘はウキウキしながら読み聞かせを楽しみ、親としてもプレゼントしてよかった、と思っていました。

そしてクリスマスから数週間が過ぎたある日、機嫌がいいとすぐに歌ったり踊ったりする娘が独自の節回しで「アニキ、アニキ、アッニッキ!」と歌っていたので、「兄貴なんて言葉、どこで覚えたの?」と尋ねると、「パンどろぼう…新しい絵本の…」という返事が。

そういえばこの作品の中でパンどろぼうは「アニキ」と呼ばれていましたね!

 

大人は絵本を読み聞かせる際にはつい筋書きの面白さばかり気にしてしまいますが、娘と一緒にこのシリーズの絵本を読んでいると、細かく描き込まれたパンどろぼうの部屋の様子をじっくり眺めたり、「アニキ」「いとしの○○」のような普段は聞かない言葉を吸収したりと、子どもがいろいろな刺激を受けている様子がわかります。

ちなみに、今回撮影したパンどろぼうのフィギュアは私がガチャガチャで当てたものだったのですが、これを娘に渡したところ「○○○(娘のこの言葉はネタバレ回避のため伏せておきます!)パン運んでる」と一言。一緒に絵本を読んだ身としては「そうだね…!」としか言えず、ストーリーもよく理解しているなあ、と感心してしまいました。

定番の昔話、2冊!

真冬に読みたい愉快なお話「てぶくろ」

てぶくろ

降りつづく雪の中、ぽつんと落ちていたのは片方だけの暖かそうな手袋。最初に見つけたのは小さなねずみ。彼女は中にもぐり込み、言うのです。

「ここで くらすことに するわ」

確かに、ねずみが暮らすのにはいい大きさ。居心地も良さそうです。そこへやって来たのは、かえるさん。中に入りたいと言います。手袋の中にはねずみとかえるの二ひき。確かにこれも悪くない。ところが今度はうさぎがやってきて、言うのです。「ぼくも いれてよ」あっという間に三びきです。大丈夫かしら…。これで終わることなく、さらにやってきたのはきつねです。さらにさらに、おおかみも、いのししも、しまいには驚くほど大きいあの動物まで! いったい、そんなことって可能なの!?

ウクライナ民話から生まれた絵本『てぶくろ』は、日本でも1965年に内田莉莎子さんの翻訳で発売され、今でも変らず子どもたちに読み継がれている傑作です。

その魅力はいくつもあります。まずはなんといっても、少し不思議な展開です。最初はただの手袋だったはずなのに、「いれて」「どうぞ」の繰り返しにより、子どもたちの心にはドキドキが生まれてくるのです。「ほんとに入るのかな?」「ちょっと怖そうなきつねがやってきたけど、大丈夫?」「この後どうなるんだろう…」。新しい動物が登場するたびに心配になり、ページをめくればその様子に驚き、絵本と一緒にハラハラするのです。だけど、それこそがこのお話の醍醐味ですよね。

さらに、個性豊かな動物たちの表情も強く心に残ります。愛らしいだけでなく、それぞれの動物の持つユーモラスな部分や緊張感さえ漂う迫力の存在感までも描き出し、キャラクターを表わす印象的な衣装もお話の雰囲気を盛り立ててくれます。

そんな演出もあって絵本の世界に夢中になっている頃……物語はパチンと音がするようにふと終わるのです。残された子どもたちは余韻にひたりながら、きっと思わずこう言ってしまうのでしょうね。「もう一回!」

いわゆる「名作」、みんなが読んでいる「定番」「昔話」などの絵本は成長してからも同じ絵本を読んだことのある人との会話の糸口になったりするので、娘の好みはさておき私が勝手に選んだものをたまに読み聞かせたりしています。

 

こちらの『てぶくろ』も、私自身は読んでこなかったのですが絵本ナビスタイルの記事のあちらこちらに登場するのを見て、読んでおくのもいいかも…と娘が2歳8か月を迎えた頃に購入しました。

届いてすぐに娘に読み聞かせてみたところ、当時の娘にはまだ少しお話が長かったらしく、落ち着いて聞いてくれる様子がなかったので、しばらく大人用の本棚へ。

その後、3歳半を過ぎた頃の娘に読み聞かせてみたところ、黙っておとなしく聞いているばかりか、絵を見ながら「だめだめ、もういっぱいだよ!」「狭くなっちゃうよ~」などの反応があり、1年間での成長の大きさを感じました。

 

以前は絵本の長さだけでなく、この作品のように次々と展開していくお話についていけなくなることも多かった娘ですが、現在はそんな様子はまったくなく、絵本の中で新たな事件が起こるたびに「次はなに?」と期待している様子がわかります。

この絵本の最初と最後、「魔法かな?」と思うような部分に気がつくのはいつになるかな、なんて思ってしまいますね。

残酷な描写もなんのその「三びきのこぶた」

三びきのこぶた

貧しいこぶたの3兄弟が、それぞれの家を作ることになりました。最初のこぶたはワラで、2番目のこぶたは木の枝で家を作りました。しかし、オオカミがやってきて2つの家はふきとばされ、2匹のこぶたは食べられてしまいます。3番目のこぶたはレンガで家を作りました。レンガは重くて丈夫なので、オオカミがきてもへっちゃらです。さらに3番目のこぶたは、知恵をしぼってオオカミを退治しようと考えます。オオカミ退治はうまくいくのでしょうか?

こちらも娘には少し長いかと思ったら意外にも楽しんで、何回も繰り返し読んだ作品です。

お話自体は有名なものですし、娘も「英語でよもう!はじめてのめいさく CDつき<第1期>(全8巻)」を読み聞かせた際にもこのお話に触れています。

ただ、そのとき娘の心をとらえたのは『あかずきん』だったので、その時点ではあまり『3びきのこぶた』を意識していた様子ではありませんでした。

 

いもとようこさんのかわいらしい絵とはまったく違う雰囲気のこの絵本ですが、絵柄の違いにも頓着せず、何度も何度も読み聞かせをリクエストする娘。

一体どこがそんなに気に入ったのと聞いてみると、「おおかみが ぐらぐら煮えちゃうところ!」と思いがけない返答が。

むしろ私はこの部分に衝撃を受けてしまい、娘にはちょっと刺激が強かったかも…なんて思っていたので、まさかその点が娘に最も評価されているとは思いませんでした。

 

思えば、自分の子どもの頃にもけっこう残酷な描写のある絵本(赤ずきんのおおかみも結構ひどい目に遭いますね)を読んできましたし、お湯を沸かした経験もなければ「ぐらぐら煮える」の具体的なイメージがつかないまま、「とにかく悪いおおかみはやっつけられたんだ!」と考えていたような気もします。

この先、大鍋に沸かしたお湯を見たりしたとき、娘のこの絵本に対する印象はまた変わるのでしょうね。

おまけ

今のところは大人が夢中「小学館の図鑑NEO 人間 いのちの歴史」

小学館の図鑑NEO 人間 いのちの歴史

体と心のつくりと働き、成長のしかたを説明

『人間/いのちの歴史』は、わたしたち自身について知ることができる図鑑です。体や心はいつもあなたといっしょ、あなた自身です。でも、あなたは体や心のことを、ちゃんと知っているでしょうか。例えば、あなたが眠っているとき、あなたの中で働いているのは何か知っていますか。歩いているときはどうですか。 この図鑑では、(1)体のつくりと働きについて、(2)心や脳のしくみについて、(3)体や心の成長/発達について、また、(4)体や心・脳のしくみが長い時間をかけてつくられてきたプロセスを知ることができます。 体は身近なようで、健康な子どもには意外と身近ではありません。この本では、質問コーナーを設け、どうしてゲップが出るの、爪を切っても痛くないのはなぜなど、子どもが感じる質問から親しみやすい形で体の知識に入れます。親子で話し合うにも絶好の本です。

成長につれ、ふと気づくと『しゃしんがいっぱい! はじめてずかん415 英語つき』を以前ほどは眺めなくなっている娘。

ときどき、聞いたことのない動物の名前を調べてみようと開いても載っていないということも少しずつ増えてきて、もう少し高度な図鑑を購入してもいいのかも?と私も考えるようになりました。

 

そこで『小学館の図鑑NEO 人間 いのちの歴史』とは飛躍が過ぎると我ながら思いますが、動物の姿形程度なら、まだスマートフォンの検索でも娘に見せてあげられるのに対し、人体のことに関する娘の疑問にはたびたび答えられないことも増えてきたので、早すぎることはわかっていましたが思い切って購入してみました。

 

もちろん、3歳児には難しすぎる内容ではありますが、ホルモンの種類と働き、心の成長についてなど大人も知らなかったような身体の仕組みを改めてわかりやすく解説してある本なので、我が家では私と夫が喜んで読んでいます。

それを見た娘は必ずその仲間に入ろうとしてくるので、娘にわかる言葉で説明してみたり、娘の興味が赴くままにページをめくらせてみたりとゆるく楽しんでいます。

たとえこの先、娘がこの図鑑をあまり見てくれなくても、私自身にとっては結構いい買い物だったな~、なんて思う1冊でした。

3歳さん向け絵本の記事はこちらから

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絵本ナビ編集部
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