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絵本ナビスタッフの<未就学児向け>読み聞かせ日記

【3歳3か月娘へ読み聞かせ】『ぐりとぐら』に出会って夢中になりました

7月唯一のお出かけ先は絵本の展覧会♪

「ぐら」の帽子をかぶってご機嫌。

こんにちは、絵本ナビスタッフの坪井です。

7月の4連休中に、立川のPLAY! MUSEUMにて開催中の「誕生65周年記念 ミッフィー展」「ぐりとぐら しあわせの本」展へ娘を連れて行ってきました。

写真はその際のお土産として買った「ぐり」の帽子をかぶった娘です。Tシャツももちろん「ぐりとぐら」。

 

ブルーナさんの描いた原画やうさこちゃん絵本の原稿がどのように練り上げられていったのか、文章の軌跡がわかる展示が盛りだくさんのミッフィー展は子どもよりも絵本好きな大人の方が楽しめる展覧会でした。

娘は原画より会場内に設置された秘密の(?)扉を見つけては開くことに熱中していました。扉の中にはさまざまなものや動物が描かれており、中の絵によって扉の色が違ったり毛皮が生えていたりと大人も一緒に眺めて楽しめる仕掛けです。

 

ミッフィー展内の扉も開き尽くした娘を連れて、その後は「ぐりとぐら」展へ。

こちらは『ぐりとぐら』の世界に入り込んだかのような世界が広がっており、娘は会場へ足を踏み入れた瞬間から夢中になりました。

入口から少し進んだところで子どもなら難なく通れるくらいの小さな扉を見つけ、即座に中へ。

そこには『ぐりとぐら』の焼いたカステラの巨大模型が置いてあり、娘は大興奮です。小さく切り分けられた形の「カステラ」を両手につかみ、「はい、お父さん! はい、お母さん!」と満面の笑顔でカステラを分けてくれました。

 

それ以外にも『ぐりとぐら』シリーズの名場面が次から次へと出てくるので、娘は会場にいる間、ずっと走り回っていました。「誕生65周年記念 ミッフィー展」は2021年9月12日(日)までですが、「ぐりとぐら」展は2022年3月末までの予定ということなので、可能ならもう一度くらい連れて行ってあげたいな、なんて思っています。

2匹の名前もすぐに覚える!「ぐりとぐら」

カステラが大好物な娘にはたまらない1冊

ぐりとぐら

青と赤のとんがり帽子とつなぎがトレードマークの「ぐり」と「ぐら」。ふたりは野ねずみのふたごです。仲良しのふたりが、この世で一番好きなのは、お料理すること、食べること。今日も大きなかごを持って、森の奥へ出かけます。

どんぐりやくりを拾った後、道の真ん中に落ちていたのは…大きなたまご!さあ、何をつくろうか。目玉焼き?卵焼き? いやいや、食べきれないくらいのかすてらにしよう。あまりに大きすぎて運ぶのを諦めたふたりは、外でかすてら作りにとりかかります。

「ぼくらの なまえは ぐりとぐら
 このよで いちばん すきなのは
 おりょうりすること たべること
 ぐり ぐら ぐり ぐら」

いいにおいにつられて、森じゅうの動物たちが集まってきましたよ。
さあ、焼けたかな…?

焼きあがったかすてらの場面、その美味しそうなこと!!子どもの頃に読んでから何十年経っても、ママやパパの記憶に残るほどの名場面です。

お話をつくられた中川李枝子さんと、絵を描かれた山脇百合子さんが、「子どもたちにとびっきり上等でおいしいおやつをごちそうしよう」と考えられたお話なのだそう。1963年に「ぐりとぐら」が生まれて以来、その黄色いかすてらは、昔から今もずっと子どもたちの憧れですよね。

冒頭で書いた「ぐりとぐら」展へ行くことが決まってから、まずは娘にぐりとぐらを知ってもらわなければと思い、図書館で借りてみました。

 

果たして気に入ってくれるかしらという私の心配をよそに、娘はあっという間に『ぐりとぐら』を好きになりました。もちろん、一番のお気に入りは「かすてら」の場面です。

以前からおやつに市販のカステラを与えたりしていたため、絵本で焼かれるおいしそうな「かすてら」にはたまらない魅力を感じたようで「ねえ、お母さーん。カステラ焼いてよう」と何度かせがまれる羽目になりました。

(我が家でカステラを焼くとしたら、まずはこちらの本を買ってからになりそうです)

ぐりとぐらの真似をしたいなら…

ぐりとぐらの てづくりブック

ぐりとぐら誕生50周年記念企画。ぐりとぐらの絵本に登場するお料理レシピ、ぐりとぐらの人形や折り紙のつくりかたが1冊の本になりました。さらに、ペーパークラフトキット「えほんのこばこ」がついています。「えほんのこばこ」は、絵本の世界を立体的に楽しめる立版古です。ぐりとぐらが森に出かける“もりのさんぽ”と、ゆきだるまをつくる“ゆきのひ”のふたつ。ぐりとぐらと一緒に「てづくり」を楽しんでくださいね。

…それはさておき、娘は特に説明されなくても青がぐり、赤がぐら、ということも理解していたり、図書館で外国語に翻訳された『ぐりとぐら』を見つけたときには「ぐりとぐらの新しいお話かと思ったのに…」とがっかりしたりと、意外なほど気に入ってくれました。

娘に展覧会を楽しんでもらうため、お試しのつもりで図書館で借りた絵本ですが、我が家ではその後すぐに『ぐりとぐら』を自宅用に購入!

娘はいつでも「かすてら」を楽しむことができるようになりました。

大迫力の冒険物語「三びきのやぎのがらがらどん」

トロルのインパクトは絶大!

三びきのやぎのがらがらどん

三びきのやぎ、名前はどれも「がらがらどん」。
山へ草を食べに行く途中、谷川が流れているので、小さなやぎから順番に橋を渡ることにしましたが、橋の下には恐ろしい化け物の「トロル」がいます。
やぎが橋を渡ろうとすると、「ひとのみにしてやろう」とおそいかかりますが……。

本作を語る上でまず外せないのは、化け物「トロル」の恐ろしさです。巨大な顔にはぐりぐりと大きな目が光り、天狗より長く太い鼻がそびえたっています。ぽっかりと空けた口にはするどい牙が見え、毛の生えた大きな手がこちらに向かってくる……! 赤茶色と黒がベースになった色合いもまた恐ろしく、目をそむけたり泣き出してしまうお子さんも多いことでしょう。
そんな恐ろしい化け物を迎え撃ったのは、小さなやぎたちの機転と、大きなやぎの強さと勇敢さ。まるで親子が力を合わせて、大きな困難に打ち勝ったように思いませんか?
さわやかな草場で三びきが仲良く草を食べるラストシーンが、その絆を一層深めてくれることでしょう。

そして、1965年に翻訳出版された本作では、古典の翻訳絵本ならではの表現も楽しむことができます。
例えば
「あるとき、やまの くさばで ふとろうと、やまへ のぼっていきました」
という一文。
この後も「やまへ ふとりに いくことろです」という表現が出てきて、「食べにいく」という意味だというのはわかりますが、これを敢えて「ふとりにいく」と表現するその直接的な手法に、古典作品の力を感じます。他にも「古典作品ならでは」と感じる表現を、ぜひ探してみて下さいね。

チョキン、パチン、ストン。
はなしは おしまい。

図書館のおかげで、長めのお話もだいぶ楽しめることがわかった娘。

それなら定番の「がらがらどん」はどうかしら、とこちらも図書館で借りてみました。

自分からは手に取りませんでしたが、私が娘の前で一人で読もうとわざとらしく広げてみると、案の定興味を持った様子。

「読んでみる?」と聞くと、うなずくので読み聞かせスタートです。

最初こそ遠巻きにしていましたが初めて見るトロルの顔や、やぎたちとの攻防に引き込まれたようで、少しずつ私の方へ近づき、最後には私の膝に乗ってきました。

娘は普段、読み聞かせのときには抱っこを嫌がるタイプなので意外でしたが、さすがにトロルが恐いのかな?と思ったところ、2回目に読んだときには大きいやぎのがらがらどんと一緒になって「わたしは力持ちだから、これ(トロル)を投げちゃう! えい!」と勇ましい様子。

 

その後、保育園でも先生がおはなし会として「がらがらどん」のお話を聞かせてくれたそうで、「トロルが赤と紫だったよ! この前のトロルは茶色くて、目が大きかったよね!」と報告してくれる娘でした。

モノクロで細密な絵が美しい「はまべには いしが いっぱい」

本物の石を眺めるように楽しめる1冊

はまべには いしが いっぱい

石、石、石・・・子どもたちって、石が好きですね。
浜辺の石はいろんな色や形をしていて、まったく同じものは二つとありません。
そして石は、いろんなものに見えます。子どもなら特に。

この絵本には、そんな石の魅力がいっぱいに詰まっています。
さかなの形をした石、がちょうみたいな石、数を教えてくれる石、そして素敵な顔の石・・・。
モノクロの鉛筆で描かれている石のちょっとした丸みや影に、不思議と温かな、親しみと懐かしさを感じます。

色もなく、言葉も少ないこの絵本を、じーっと見つめて、親子で石の形の話しをする。
ああ、なんて豊かな時間でしょうか。

実はこの作品、レオ・レオニの3冊目の絵本とのこと。
日本でも長い間絶版で入手困難でしたが、このたび2012年4月に好学社より復刊されました。
私たちの知らなかったレオ・レオニの世界に出会えたことに感謝します。

娘にもいずれはレオ・レオニ作品を……と思いつつ、まだちょっと難しいかな?と読んであげたことはありませんでした。

図書館で借りる作品の候補にもまだ入れずにおいたところ、「今日はこれを借りるの!」と娘が笑顔で大切そうに抱えて私のところに持ってきたのがこの作品。

 

えっ、モノクロ? えっ、この絵本…レオ・レオニなの?と、驚く私にはお構いなしで、娘は表紙に描かれた石をうっとり眺めています。

細密に描かれた絵が大好きな娘はこの作品の石の質感にすっかり魅了されたようです。

谷川俊太郎さんによる訳文も素敵ですが、大人が文字を読み上げずとも、一人で絵本を開いては「ここに顔がある」「これは魚みたい」「目があるよ!」などと私に教えてくれ、夢中で眺めていました。

3歳の今読むと…?「じゃあじゃあびりびり」

「覚えていないのに、覚えている」絵本

じゃあじゃあびりびり

あかちゃんの「最初の本」として大人気!
「じどうしゃ ぶーぶーぶーぶー」
「いぬ わん わん わん わん」
「みず じゃあ じゃあ じゃあ」
「かみ びり びり びり びり びり びり」
真っ赤でコンパクトなサイズに、たくさんの“音”が詰まっています。

1つの見開きページに、1つの音。
シンプルで目をひく絵はもちろん、文字の配置場所もたのしい。
たとえば、かみびりびり・・・のページは、ほんとに「びりびり」と裂けた紙の形に似た配置。
文字と絵の効果で、まるで絵がうごきだしそうに見えます。

初版は1983年刊のロングセラー。
改訂版となったいまは、あかちゃんがかじっても放り投げても安心の厚紙絵本に。
ぐうぜんファーストブックとしてもらった新米ママパパが、何度か読んでみたらうちの子が声をたてて笑うんです、と驚きの声をしばしばよせてくださる本のひとつです。

絵本を読んであげたいけどどれを選んだら・・・と迷っている方に、ぜひ!
作者まついのりこさんの『ばいばい』『みんなでね』など、他の「あかちゃんのほんシリーズ」もあわせてごらんください。
ママやパパの声でくりかえし読んでもらえる喜びを、あかちゃんが味わえるすばらしい絵本です。

今月、最後の1冊は『じゃあじゃあびりびり』。

赤ちゃん絵本の定番として、絵本ナビの【0歳】 絵本全冊ギフトセット(ギフトラッピング込み)にもラインナップされている絵本です。

 

0歳の頃の娘は「じゃあじゃあじゃあ」「びりびりびり」といった濁音の入ったフレーズで大笑い!

ちょっと機嫌が悪くなってきたときもこのフレーズを聞かせるだけで笑ってくれたので、手元に絵本がないときでも「じゃあじゃあじゃあ」と言っては娘の機嫌を取っていました。

 

娘の成長に伴って少しずつこの絵本を開くことは減り、絵本のスペースにも限りがあるので普段は娘の目につかない場所にある本棚にしまい込まれています。が、先日、娘がその本棚からこの絵本を持ち出してきて「読んで」というので久しぶりに読み聞かせてみました。

 

普段の様子からは0歳の頃の記憶はほとんどないと思われる娘ですが、なぜかこの絵本は「初めて見る絵本」ではなく「もともと知っていた絵本」として認識している様子。

内容や出てくるフレーズのことはほとんど覚えていないようですが、それでも何となく「既知のもの」として絵本を眺めていることがわかり、不思議な気持ちになりました。

 

0歳の赤ちゃんは月齢が低ければ低いほど、大人が期待するような絵本への反応が見られず読み聞かせって難しい、という気持ちになりがちですが、娘のようにほんの1~2フレーズでもその子が気に入る部分があれば、うっすらとであっても覚えていてくれるものなのだなと思います。

ちなみに現在3歳の娘は「じゃあじゃあ、びりびり」にはそれほど関心がなく、赤ちゃんが「あーんあーん」と泣いているページを何度も見ては「どうして泣いてるの?」と言っていました。「自分は3歳でおねえさんなのだから、赤ちゃんが泣いていたらあやしてあげなければならない」という使命感があるようです。

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絵本ナビ編集部
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