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絵本ナビスタッフの<未就学児向け>読み聞かせ日記

【4歳1~2か月娘へ読み聞かせ】寝ない娘へ寝かしつけ絵本をあれこれ吟味しています

嗜好がますますハッキリしてきました

日々、量産される画伯の作品。

こんにちは、絵本ナビスタッフの坪井です。

ついこの前4歳になったばかりと思っていた娘も、あっという間に4歳2か月になりました。

 

4歳ともなると、赤ちゃんだった頃にはわからなかったその子の個性がはっきりしてきて、我が娘ながら「あなたはそういう人だったのか」と思うことが増えてきたように思います。

私が娘について意外だったのは、図画工作全般がまったくダメだった自分とは異なり、娘はとにかくお絵描き、ぬりえ、工作が大好き!ということ。

外出先でも小さなぬりえと色えんぴつを渡しておけば、多少長い時間でも静かにしていられますし、保育園に行く前のわずかな時間でも毎日必ず絵を描いたり、ハサミやセロテープを使って何かを作ったりしています。

 

こればかりは子どもがある程度成長して、鉛筆を握る力や器用さを身につけてからでないとわからないことでした。

子どもの成長は発見と驚きの連続ですね。

 

そんな、4歳になりたての娘が好む最近の絵本をご紹介します♪

4歳児にも原因と結果がわかりやすい『ずるいねこのおはなし』

5月の連休中、今年は久々に私の実家、つまり娘の祖父母の家に娘を連れて滞在しました。

新型コロナウイルスが流行する前、娘が2歳になる少し前まではたまに帰省していたのですが、それ以来ずっと娘を連れた外泊をしていなかったので、娘にとっては今回の帰省が実質「初めてのおじいちゃん、おばあちゃんのおうち」となってしまい、寝る前の少しナーバスになる時間帯は毎日のように「おうちに帰りたい」と泣かれてしまいました。

 

娘が気に入るかどうかはわからないけれど、とりあえず娘の気をそらすために開いてみたのがその場にあった「ピーターラビットの絵本」シリーズ。

私自身は子どもの頃、主にピーターの話ばかり読んでいたのでその他のお話は娘にもどうかな…と思ったのですが、娘は『ピーターラビットのおはなし』をそれなりに楽しみ、「他のは誰のお話?」と興味津々。

何冊か適当に選んだ中から娘が最も気に入って、祖父母宅にいる間、そして自宅に戻ってからもずっと読みたがっていたのはこの『ずるいねこのおはなし』でした。

短くてわかりやすくて面白いお話です

ずるいねこのおはなし

ずるいとしよりねこがねずみをお茶によびました。でも、出されたものは、ねこの食べ残しばかり。ねずみは怒って、ミルクつぼに顔を突っ込んでいるねこの上に飛び乗ります。すると、つぼがきっちりねこの頭にはまって、取れなくなってしまいました! ポターの死後30年近く経ってから、遺されたスケッチを使い刊行された一冊です。

絵本についている但し書きによれば、この作品も「ピーターラビットの絵本」シリーズとして刊行される予定もあったものの、最初は小さな女の子に宛てた絵手紙として描かれた絵を描き直すことに作者であるポターが乗り気ではなく、結局後年になるまで出版されることはなかった、とのこと。

 

そのせいか、シリーズの他の作品に比べるとかなりラフな印象の絵ですが、お話は短いうえに自業自得とも言える猫の有様(表紙の猫はなぜ、ポットをかぶる羽目になったのか…)は4歳の子どもの心にもしっかり刺さったようでした。

娘はこの絵本で「失礼」という概念を獲得し、その言葉がぴったりの状況をみると「失礼だよね!」とプリプリ怒ってみせたりします。

作中作の概念はまだ難しい『もっかい!』

我が家でも毎晩のように繰り返されるやりとりと言えば「寝る時間だよー」「やだー」。

娘はとにかく寝室に入らず済むように「トイレ」「お水飲みたい」「お母さん何してんの?」とちょっとした用事を見つけては起きていようとします。

そんな娘を見ていて、「そういえばあったな…」と家に置いてあったことを思い出したのがこの絵本。

寝かしつけが眠いのは人間もドラゴンも一緒…zzz

もっかい!

こういう遊び心が満載の絵本、大好き!
表紙のドラゴンの子が得意気に見せてくれているのは、多分、彼が今すっごくお気に入りの絵本。そして、恐らく今
一日のうちで一番張り切っているのが「おやすみの時間」。寝る前に、ママにお気に入りの絵本を読んでもらうからです。なんてかわいいぼうやなんでしょう。
・・・いやいや、このやんちゃぼうず、なかなか一筋縄ではいかないようです。
読み終わった途端に「もっかい?」
お話をちょっと変えて読んであげると・・・またまた「もっかい!」
だんだんママの顔が眠そうになってきてるぞ、お話の内容もなんだか・・・「もっかい!もっかい!」
これは容赦ない。あれ、この感じ、なんか覚えがある?
我が家でも、何回も繰り返し読まされているうちに、お話グダグダ、目がとろーん。すると、息子に目を無理矢理手で開けられて「寝ちゃダメ!」と怒られたっけ。絵本が好きなのはとっても喜ばしいことなんですけどねぇ。
とはいえ、これが他人のうちだと、最高に笑えて、最高に可愛いやりとり(笑)。更にドラゴンの親子ときてるから、とんでもない展開になっていきます。その面白さは実際に読んでみてくださいね。
それにしてもこの絵本の終わり方といったら・・・最高に洒落ています!

眠い親が絵本を読むとこうなっちゃうんだよ~、ほらほら、お話がどんどん簡単になっていっちゃうでしょ、お父さんもお母さんも眠いんだよ~…ということの実例として受け止めてくれたら…と思ったのですが、そこは4歳。

まず、「絵本の中の子どもドラゴンが自分とは違う絵本を読んでもらっている」という状況がしっかり把握しきれない様子でした。

 

ただ、「寝る時間」と言うお母さんドラゴンと「もっかい、絵本、もっかい」と繰り返す子どもドラゴンのやりとりには既視感があったようで、それだけで大喜び!

娘の言う「もっかい!」が絵本の真似なのか、本心からの娘の言葉なのかがわからないまま、結局3回続けて読まされました。

寝かしつけ、毎日大変ですよね…。

華やかな画面に目が釘付け!『よるはおやすみ』

あの子も、この子も、みーんな「寝る時間」

よるはおやすみ

「みんなに おやすみをいってから ねましょうね」

おかあさんに言われた女の子は、みんなにおやすみを言いにいきます。おとうさんに、おにいちゃんたちに、ことりさんにも、おやすみなさい。みんなって、あとはだれかな。

そうだ、お隣のしいちゃんにも。まーくんにも町のみんなにも。ポストにも横断歩道にも毎日渡る橋にも、きらきらひかる海にも、おつきさまにも……!

子どもたちがベッドに入り、楽しい夢を見るほんのちょっと前。その隙間の時間の中で、女の子は、お友だちと一緒に自由自在に夜の世界を駆けまわります。パジャマを着て、裸足で夜の町を走り抜け、一気に空へと飛びたち、お月さまやお星さまを抱きしめるその姿。登場するのはよく知った景色ばかりのはずなのに、とても幻想的で楽しげで、見ているだけで胸が高鳴ってくるのです。

日本では本作が初めての出版となる、はっとりさちえさんの描く夜の子どもたち。身近でありながら、どこか異国の雰囲気を漂わせ。ドキドキするほど素敵な色彩とテキスタイルが画面いっぱいに広がりながらも、クラシカルな魅力を味わうことのできるこの絵本。毎日やってくる「おやすみ前の時間」を、ほんのりと彩ってくれます。

『もっかい!』に引き続き、あまりに寝ない娘に読んだ、もう1冊の絵本です。

我が家にあるのは娘が生まれた2018年に月刊誌として発売されたもの。

当時はまだ赤ちゃんでこの絵本がわかるはずもなかった娘ですが、「この絵の密度、色遣い、こんなに素敵な絵本は買っておいた方がいい気がする」と私が購入して今年になるまでずっと取っておいたものでした。

先日、ハードカバーとして刊行されましたね。

 

「娘が大きくなったら」と思って早めに買った絵本やおもちゃは、出すタイミングを逃してしまってうまく遊べなかったり読めなかったり…ということもありがちですが、今回はぴったりはまりました。

娘と同じくらいの年頃とおぼしき子どもたちの、夜の大冒険。

 

娘はさまざまな寝間着を着た子どもたちがたくさん出てくることが楽しいらしく、「これが着たい…やっぱりこれ!」とかわいい寝間着の女の子をあれこれ指さしたり、自分と同じようにぬいぐるみをしっかり抱きしめて眠っている子を見て「うひひ」と共感の笑みをみせたり。

読んでいても、ここで起きたことは夢かうつつかわからないと感じるような雰囲気があり、「これって忘れもの?」とある場面の毛布のことを気にしていた娘。最後に閉じた絵本の裏表紙を「あ!」と指さして笑っていました。

 

絵本は、“文字のお話”が終わった後の見返しや裏表紙を眺めるのも楽しみの1つですね。

工作好きの娘に見せたかった『くみたて』

絵本の仕掛けで親をびっくりさせたい!

くみたて

分解された状態の日用品。それをミニチュアの作業員たちが、せっせと組み立てます。パーツの状態だと何か分からなかったけれど、完成するにつれて、それが何なのか分かってきます。完成した日用品は、ミニチュア世界の住人たちにどんなふうに使われるのでしょうか。「組み立て」と「見立て」で繰り広げられる、身近なものが別のものに見えてくる驚きと面白さにあふれた写真絵本です。海外でも大人気のミニチュア写真家・見立て作家 田中達也による初めての絵本。

近所の書店に立ち寄ったら、サイン入りのこの絵本が置いてあったので思わず購入してしまいました。

持ち帰り、田中達也さんのミニチュア作品を眺めることも娘の“図画工作熱”にいい影響があるかもしれない…という下心から娘に見せてみようとしたところ、そのときは絵本の気分ではなかったようで押し返されてしまいました。

 

その後、私がいない間に夫とこの絵本を読んでみて、やっぱり気に入ったらしい娘。

最も気に入ったのは絵本の最後のとある展開だったようで、「お母さん、見て見て! 驚かないでよ~?」と言いながらページをめくり、自分が一番驚いたページを私にも見せてくれました。

 

他の絵本もそうですが、4歳を過ぎて絵本の内容を把握する能力により磨きがかかってきたなと感じます。

その絵本がどんな内容かということはもちろん、どのページにどんなことが書いてあるのかということまで意外とよく覚えていて、だいたいの内容を記憶を頼りに「読み聞かせ」してくれることも増えてきました。

まだまだ読み聞かせたい側の親としては、あんまり早く覚えないで~、という気持ちも正直ありますが、本人が「わかる」「読める(暗唱できる)」という状態を嬉しい!と感じているようなので、そこは本人に任せるしかないかなと思っています。

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絵本ナビ編集部
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